美流渡除雪ボランティアから徒然に(1)

先日のブログでもご紹介をした、札幌発の雪はねボランティアツアーに参加してきました。(昨年参加した様子はこちらからご覧下さい。)

昨年は車で現地集合としたのですが、こういったツアーがどういう空気感を伴って開催されるのかという全体を見たくて、今回は早朝6:25分の札幌行き高速バスに乗って、一路札幌へ向かうとことからスタートしました。

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集合場所は中央バスの札幌ターミナル。

時間になると続々と人が集まってきます。今回の参加者は38名。内18名が企業の社会的責任(CSR)に伴う活動により企業として参加された方々。(ちなみに前日の当別ツアーでは企業研修用にボランティアツアーが開催されていました)

一路、バスは美流渡へ。

車中で自己紹介や作業の流れ等々を行い、あっという間に美流渡へ到着。

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まずはコミュニティーセンターの中で7名の班毎に別れてミーティング。その中に各1名ずつ地域の役員さんが入って、これから作業するお宅の状況を説明していただきます。

打ち合わせが終了したら、その役員さんの自家用車で作業するお宅までピストン輸送となります。


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私たちの班はC班。担当はおばあちゃんが一人で住んでいる一軒家であり、すでに屋根からの雪が詰まり、窓も全て埋まっている状況。

休憩中に聞いたところによると、ご主人が入院中で、途中までは自分で作業していたものの、すっかりヒザを痛めてしまって除雪も困難だということ・・・。

作業は男7人のグループのため、何せパワフル。

あっという間に屋根雪も玄関前も綺麗になり、窓が露出した状況になりました。

途中、おばあちゃんに招かれ、休憩の一服を・・

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手作りの甘酒を振る舞われ、色々と身の上話しなどを聞かせていただく。

この地に移ってきて18年ぐらい。息子は札幌にいる。先日も車庫の雪を下ろしにきてくれたが、それだってやっとのこと。美流渡は冬以外は最高の場所。景色も人も素晴らしい。大好き。。ただ冬がキツイ。その中でも助けてもらいながらやっているが、それにも限界がある。このようなボランティアがきてくれて本当にありがたい。等々。


【背景に対する補足(重要)】

炭鉱最盛期には1万人以上の人口がいた地域であるが、現在は約600人弱となり、その約50%が65歳以上の高齢者で構成されている。そんな環境下、2012年の豪雪の影響で、本来地域コミュニティ内で機能していた援助機能が許容範囲を超えることとなる。

以下、本事業の主宰者でもある小西氏の雪氷学会における論文の一部を抜粋掲載

(転載開始)

深刻化する降積雪は,援助者の思考を大きく変えた.これまで地域内の除雪ボランティアを率先して行ってきた人びとが,来年からの除雪ボランティアを辞退することを除雪ボランティア同士で取り決めた.彼らは自分たちが辞退することで町内会内のボランティア活動が終了してしまうことも知っており,「来年からは街(岩見沢市街)の商売人(雪下ろし業者)に頼んで欲しい」と言っている.従来は,降雪した早朝,援助者は被援助世帯の玄関前の除雪・家屋周辺の排雪を行い,自宅に関しては昼間に後回しにしてきた.また,除雪機が積雪に足を取られぬよう,一冬計画的に隣家自宅の除排雪を一手に引き受けてきた.しかし,彼らはこの毎冬の圧力に疲れきってしまったのである.本人たちも高齢化し,自宅の除排雪だけではなく,隣家の除排雪を行うことに限界を感じたのである.

 
彼らの決意は,2 月19 日の友人の死でより固まった.R・K氏(享年79 歳・男性)は当日朝,友人N・K氏の倉庫鉄筋が積雪の重みで歪みだしたことを聞きつけ,1 月に腎不全から退院したばかりの身体も省みず屋根の雪下ろしをその他友人たちと行った.

屋根の雪は突如ミシミシと地響きを上げながら崩れ落ちた.友人たちは雪に埋もれたR・K氏を必死で救い出すも5 時間後病院で息を引き取った.出血性ショック死だったという.このような結果を,N・K氏は「高くついてしまった」と落胆するしかなかった.N・K氏も今年いっぱいで除雪ボランティアを辞退した人びとのひとりである.

深刻化する降積雪により,これまでの除排雪をめぐる共助の行動戦略は機能しづらくなった.「好きな美流渡にいたい」・「助けて欲しい」という隣人がいることを知っておきながらも,他者を「ほっとけない」という動機からはじまる他者への援助が
途絶えることは,援助-被援助関係の破綻を示唆する.個人の行動戦略を上回る自然環境は,他者を気遣う余裕を奪い,利他的行動を抑制してしまい,互恵性を基盤とした互恵的行動が発動しづらくなってしまったのである.しかし,これは美流渡の人びとの互恵性が消滅してしまったことではない.

(転載終わり)

この論文は非常に興味深いものがあり、この抜粋以外の部分にも深刻な状況と、希望の芽が表されています。是非一読されることをお勧めいたします。http://www.seppyo.org/hokkaido/journal/j31/2012_snowhokkaido31_01_konishi.pdf

 


その後、綺麗に雪も片づき、一度コミュニティセンターに戻った我々は、バスでメープルロッジでの昼食に向かいます。

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(2)に続く

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