〈令和7年12月25日投稿〉
今年の第一回定例会(3月議会)において決定した、新病院建設に関する予算付けに対し、私自身が賛成した説明責任として以下のブログで思いを投稿していました。
そこで今回、そのブログ投稿を基に動画を作成したのでご紹介します。
なかなか前述ブログでは長文ゆえ読みにくいと思いますので、まだお読みでない方はぜひ動画を御覧ください。

〈令和7年12月13日投稿〉
今朝の新聞記事で「病院事業累損76億円に」というインパクトのある見出しに不安を感じた方も多いと思いますので、少し補足をしたいと思います。

出展:https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1251749
ここで言う累積欠損金とは、これまでの病院経営において生じた赤字が長年にわたり積み重なった結果になります。
その赤字を補填するため、これまで一般会計から病院事業会計へ繰入が行われてきました。
したがって病院事業会計から一般会計へ返済すべき「借金」がある、という性格のものではありません。
24年度末で52億8,800万円、27年度末見込みで76億円という数字は事実ですが、端的に言えば、これは長年にわたる病院経営の赤字を、一般会計で支えてきた結果の累積ということになります。(地方公営企業会計制度上、理論的には帳簿上、欠損金を整理・解消することも可能という性質を持っています。)
ただし重要なのは、『数字の大きさそのものではなく、今後も同じ構造で赤字を出し続けるのかどうか』という点だと思っています。
従来の岩見沢市立総合病院の環境では、今後も赤字を積み上げてしまうことが避けられないこともあり、ご承知のとおり、現在新病院建設が進行中です。
一方で、人口構造等をはじめとする社会情勢の大きな変化、物価高騰による新病院建設費の大幅な上昇という、極めて厳しい現実もあります。
また全国の公立病院は7〜8割が単年度赤字と言われています。公立病院は役割上どうしても赤字になりやすく、今はどの自治体も“このまま続けられる形に作り直す”段階にあるとも言え、岩見沢市も例外ではありません。
これらの動きは、以前のブログでも書いたとおり、「行くも戻るも霞の中」という状況にあることは否めません。(まだご覧になっていない方は、以下のリンクもご参照ください)
〈令和7年12月9日投稿〉
本日、岩見沢市立総合病院のWebサイトにおいて、「新病院がZEB Orientedの認証を取得しました」という発表がありました。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、省エネや光熱費のランニングコストを考慮すると、非常に良いニュースであると思っています。
ZEBという言葉はあまり耳にすることはないかもしれませんが、環境省WEBサイトの言葉をお借りすれば、「快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物」ということになり、現在下記4つの基準が定められています。

(上記画像は環境省のwebサイトより引用 https://www.env.go.jp/earth/zeb/about/04.html)
今回の発表では、現在建設中の新病院がZEB Orientedの認定を受けることとなったことと、それがまだまだ稀有な状況であることがわかります。
(以下発表より引用)
急性期病院では重症患者の治療を24時間365日行うためエネルギー消費量が多く、他の用途の建物と比べて省エネルギー化のハードルが高いといわれています。(社)住宅性能評価・表示協会で公表されているZEB認証を受けた病院のうち、延床面積30,000㎡を超える大規模な急性期病院として積雪寒冷地(北海道・東北・北陸)では初、全国でも5例目(令和7年12月現在)〈岩見沢市立総合病院webサイト〉
https://www.iwamizawa-hospital.jp/construction/details/04sekkei.html
ちなみに私自身、このZEB認証に関しては、まだそれほど話題になる前の令和4年8月時点で新病院建設特別委員会にて質問のひとつとして取り上げていますので、以下、議事録を抜粋してご紹介します。
◆平野委員会質問(令和4年8月25日新病院建設特別委員会 要約:抜粋)
改めて5点にわたって確認をさせていただきたいなと思うのですが、まずは資料の4ページと7ページ、基本計画で言うと9ページと18ページにかかると思うのですが、記載としては、経済性と環境に配慮した施設という表現があります。近年、公共施設においても、省エネルギー基準に適合した建築物というものから、さらに一歩先に進んだネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ZEB認証が広がっているというふうに思われます。国の第6次エネルギー基本計画においても、2030年度以降に新築される建築物は、ZEB基準の性能確保を目指すという記載もあります。御承知のとおり、このZEBというのは、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことで、エネルギー削減の程度等によって4段階が定義をされています。今回、新病院の建設に向けて、経済性と環境に配慮した施設という表現になっていますが、このZEB認証に関しては視野に入れられているのかどうか確認をさせてください。
続いて・・・(以下省略)
◆答弁(要約:抜粋)
平野委員の御質問にお答えをいたします。大きく5点にわたる御質問でございます。
初めに、施設整備方針に関連しまして、ZEB認証を視野に入れているのかというお尋ねでございます。世界規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、2015年にパリ協定が採択されたことを受けまして、国では2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会を目指し、2030年度の温室効果ガスの削減目標の実現に向け、平野委員からお話のありましたとおり、昨年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画の中で、2030年度以降に新築される建築物につきましては、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル、いわゆるZEB基準の省エネルギー性能の確保を目指すとともに、公共建築物における率先的な取組が行われることが期待されており、北海道においてもゼロカーボン北海道を掲げているところでございます。
そこで、このような国、道の動向も踏まえ、新病院の施設整備方針においては、自然エネルギーや雨水、地下水の利活用や建物の高断熱化、設備システムの高効率化などによる省エネルギー化の実現を通じて、地球環境に配慮した持続可能な施設を目指すこととしております。病院施設は24時間体制での稼働が求められる建物の特性上、エネルギー消費量の削減による省エネには限界がございまして、再生可能エネルギーの活用を前提とした一次エネルギーの消費量の正味ゼロ、ネットゼロ化の実現まではなかなか難しいものと認識をしております。現状では、全国的にも新病院と同規模、延べ床面積4万平方メートル以上の病院ではZEBの導入事例はありませんが、今後の設計段階において経済性と環境に配慮した施設の実現に向け、4段階ありますZEB認証の可否についても検討をしてまいりたいと考えております。
という答弁となり、約3年半前の時点では、ZEB認証にあまり前向きな答弁ではなかったことがわかります。結果として、令和5年2月に示された「基本設計業務公募プロポーザル」に関する報告の中では、2社から応募があり、そのどちらもZEB認証について明記されており、今回のような延床面積30,000㎡を超える大規模な急性期病院として積雪寒冷地(北海道・東北・北陸)では初、全国でも5例目となるZEB認証となっています。
この取り組みに「私が委員会で質問したからこのような結果になった」とは言えませんが、少なくとも発注者、基本設計業務応募者への心構え的な部分に多少なりとも影響はあったのではないかと思うところです。これも小さいながらも議員としての役割のひとつではないかと思っているところです。
今後の新築物件はZEB認証が当たり前になってくると思いますので、今回、新病院が難しいハードルをクリアし、このような結果になったことを嬉しく思っています。
〈令和7年6月21日投稿〉
昨日、無事に一般質問が終了しました。
その内容については、正式な議事録が出たら改めてご紹介いたします。
さて、今朝の新聞報道でも「新病院」に関することが掲載されていました。
そこで今年の3月の議会において、新病院建設に関する予算審議で賛成をした理由について、一議員としての説明責任を果たす!という思いで投稿したブログがあるのですが、文字数も多く、最後まで見ていただける方は非常に稀だと感じています。
よって、なにか新しい伝え方ができないだろうか・・・と考えていた中で、Googleの《Notebook LM》という生成AIが非常に優れていると感じました。
これは議会質問の資料分析などでもかなり使えるAIですが、今回紹介するような「RADIO風に会話でまとめてくれるシステム」は非常に面白い!
早速、上記ブログのURLを指示してNotebook LMに読み込ませて、会話として要約してもらいました。下記はそれを出力したものをYouTubeに投稿したものとなります。
どうしても漢字の読みなどにAIらしい間違いなどが発生してしまいますが、たった8分ちょっとなので、ぜひとも参考に聞いてみていただければ幸いです。
実際にやってみて、政治に関心を持ってもらう手法としては、これはとても良いのでは?と感じています。
日頃、政治やまちづくりなどにあまり関心が持てなくても、こういう動画がきっかけとなって、「もう少し詳しく知りたい」と思ってくれた方が、ブログを辿ってテキストやデータを見て、更に理解を深めてくれるという流れになると、世の中がもっと風通しが良くなるような気がします。
そんなことで、テクノロジーの進化に期待大です。
ちなみに、この犬と猫のイラストはGeminiで作ってもらったのですが、こんなのもあっという間にできてしまいます。
プロンプト(指示)は、あなたはポップな絵を書くことが得意なアーティストです。
以下の条件に基づき、絵を書いてください。
・ラジオ局のスタジオ風景で、男女が話しています。
・男性の見た目はゴールデンレトリバー、女性は三毛猫としてください。
とやったらこんな感じに!

ちょっとタッチが行き過ぎてるなーと思って、「ポップすぎるので、もう少しリアリティがあって、なおかつオシャレ感がほしいです。画像サイズは16:9でお願いします。」とやると、下記のようになりました。

残念ながら、何度か縦横比16:9でとお願いしても「これが16:9です。」と頑なに返答されるところが見事にAIらしいですが、まぁ十分です。自分では絶対にこんな絵はかけませんので、AIって凄いなーと思うと同時に、「これって人間の能力の平準化が始まっているということ?」という印象を綴ったブログもありますので、これもNotebook LMにお願いしてみました。
お時間あればどうぞ。
本日、この度の令和7年第1回定例会、議案第24号「令和7年度岩見沢市病院事業会計予算について」賛成の結論に至りました。
これまでも様々に思考と議論を重ねてきましたが、岩見沢市の今後のことを多方面から熟考した結果、私自身の考えとして、可決することが望ましいという結論に達したものです。
岩見沢市民の多くが心配する非常に大きな事案でありますので、ここに私自身が賛成に至った説明責任を果たすべく、大変長文となりますが、記しておきたいと思います。
皆様ご承知のとおり、現在の岩見沢市立総合病院の老朽化は著しく、古く狭隘なだけでなく、猛暑時にもエアコンが設置できないなど、患者にも医療従事者にも望ましくない状況が続いています。
(私自身、昨年の7月に入院し、その環境を体感しています。)
そのような背景から、平成30年度には「新岩見沢市立総合病院建設基本構想策定支援業務」の業務委託契約が結ばれた後、「基本構想」、「基本計画」、「実施設計」と進み、現在に至ります。
その間、それまで示された基本計画の内容が「新病院の計画規模は岩見沢市の身の丈に合っていない」という強い想いの下、令和5年第4回定例会において私自身で一般質問を行いました。
結果としてコロナ禍以降の患者数の減少もあり、実施設計に向けて大幅に規模を修正するという流れになったのはご承知の方も多いかと思います。
次の過程において、令和6年7月に施設規模見直しの中間報告が示されたものの、そこでは建設費が未記載の状況(非常に規模が大きいため予算の積み上げにもかなりのエネルギーと時間を要することを理解しています)となり、結果、最終的に金額の見通しが示されたのが、本日から僅か2ヶ月ほど前の令和7月1月31日でした。
そこで示された施設規模は【当初462床⇒R6年7月時点での中間報告372床⇒R7年1月の最終見直しで358床】と規模縮小の流れとなりましたが、建設費の高騰が著しく、全体事業費は期待したほど下がってはくれず、416.9億円+ES事業費という莫大なものとなりました。
岩見沢市の人口約7.4万人及び、一般会計予算が年間約480億円の規模で、新病院建設に約417億円+ES事業の莫大な事業費〈内訳:補助金39億円、企業債(病院事業債371.7億円)、その他(自己資金ほか)6.2億円〉となり、約370億円が借金となる状況に、今も大きな危機感を抱いています。
しかしその捉え方としては、前回の一般質問でも触れたとおり、たとえ建設に2,000億円かかったとしても、健全経営が永年にわたって継続できるのであれば何の問題もなく、今回も417億円+ES事業費の投資となっても、経営健全化が図られるのであれば問題はないとの認識になります。
ただ、多くの方々が心配しているとおり、本当に経営シミュレーションの様に推移していくのか、また、公表されていない開院11年後以降の経営状態がどうなるのか。という面については、人口減少をはじめとする著しい社会変化や、今後避けられない医療環境の変化も踏まえ、残念ながら何が正しいのかを明確に導き出せない状況下、しっかりと注視していかなくてはならないこととなります。
以下、私の視点で、いくつかの懸念事項についての見解を述べたいと思います。
続きを読む《令和7年2月2日投稿》

https://www.iwamizawa-hospital.jp/construction/details/04sekkei.html
本パブリックコメントの実施に先立ち、1月31日に「新病院建設特別委員会」を開催しました。
その内容は見直し後の「施設概要中間報告」であり、病床数等の削減が進み、当初よりかなりコンパクトになった印象を受けています。しかし、物価高騰の影響で、施設規模を見直した状況ですら総額で約417億円+ES事業費となることから、果たして今後の急激な人口減少社会と深刻に加速する少子高齢化の時代において、持続可能なのか?というのが争点の中心となってきます。
新病院の収支シミュレーション一つとっても、確証たるものはなく、医師の方々が当市の希望通り岩見沢新病院に来ていただけるのか、また、医療従事者は適切な人数を維持できるのか、更には人口減少が激しく、国の施策において医療負担等の増加も予想される中で、患者数は見込み通り維持されるのか等々、不透明な点が多く、岩見沢市の年間一般会計予算に迫る勢いの高額な投資が果たして正しいのかどうかの判断が、私自身、現時点で明確になっていません。
要素としては、たとえ建設費に1000億円かかったとしても、老朽化で建て替えが行われるタイミングまで安定した経営が行えるならば何の問題もないのですが、例え建設費が200億円であっても、医療従事者の不足や患者数の減少等で経営の見込みが大きく外れ、一般会計から毎年多額の赤字補てんをし続けるようになれば、それは今後の岩見沢市の財政状況に多大な負担をかけることとなり、市の将来に暗い影をもたらし続けることとなってしまいます。
もちろん、ネガティブな要素のみならず、新病院ができることで発生する様々なプラス効果も期待できます。例えば、消滅可能性都市の概念である2020-2050年の30年間の若年女性減少率をみても、若年女性の雇用環境が維持されることで、持続可能な岩見沢市を目指すこともでき、また、医療に強い地域としてその特性を伸ばすことで、選ばれる岩見沢市へと舵を切ることもできるのかもしれません。
しかしそれは、現時点では何ら根拠のない「絵に描いた餅」でしかないのです。
以下に、昨年末に某所より依頼を受けた90分の講演の中で、自分の思考整理を兼ねてつくったスライドの一部です。




やはり前向きな戦略を取ろうとしても、一番下のスライドにあるように、岩見沢市は南空知の中核都市とはいえ、「札幌市の60分都市圏」に飲み込まれてしまっている状況下、医療分野だけこれを無視することができるのか?というと、急性期を除いては非常に苦しい展開になってしまう恐れがあります。
この様に、あらゆる視点から検討を続けてみても、これだ!という明確な答えは出てはきません。まさに日本は正解の見えない時代に突入してしまったことを実感するのみです。
今後のタイミングとしては、3月に行われる予算審査で本事業に関連する予算が上がってくるため、その審議が通れば建設の契約に進み、いよいよ後戻りができなくなります。よって、その予算審査が最後の岐路となることから、より慎重な情報収集と分析を進めていかなくてはなりませんし、それまでには我々議員サイドも努力と苦悩を重ねて決断をしていかなくてはなりません。
これまでの情報としては、約1年前に行われたパブリックコメントの前に懸念事項等を紹介した動画や
今年の1月に公開した、岩見沢市の今後の未来予測に関する動画もありますので、ぜひご覧いただき、この決断がどうすべきか共に考えていただければ幸いです。
過去の市立病院に関連する投稿一覧(カテゴリー)は以下からご覧いただけます。
https://hiranoyoshifumi.jp/%e5%b8%82%e7%ab%8b%e7%97%85%e9%99%a2
〈令和6年3月16日投稿〉
前項の続きとして新病院建設に関して徒然に思考してみたいと思います。
これはあくまで資料等を元に考察するだけで、決して深い推察もなければ結論もありません。というのも、この新病院建設に関しては簡単な事象ではなく、誰もが正解がわからない中で熟考を重ねていくことが必要なのだと思っています。
よって多くの市民の皆様に一緒に考えていただけたら!という願いを込めて投稿いたします。
国土交通省が参考資料として公開しているものに、人口規模とサービス施設立地の確率をデータ化したものがあります。その元データはこちらです(https://www.mlit.go.jp/common/001042019.pdf)
前項ではその一部を紹介していますので、まずはそちらをご覧いただければわかりやすいかと思います。
さて、そのデータ中の〈医療・福祉〉の項目を見ると、地域医療支援病院は97,500人の人口規模で50%の存在確率ということになります。現状の人口が約75,000人で今後更に減少が予想されている岩見沢市においては、新たに「地域医療支援病院」として承認、設置されることはあまり現実的ではないこと。ましてや「先進医療を実施する病院」の設置にはほど遠い現実があることがわかります。

しかし現状の岩見沢市立総合病院としては、「南空知の中核病院」という位置づけと、表中の「救急告示病院」というくくりであることを考えると、現在計画されている新病院を建設することそのものは懸念すべき状況ではないことがわかります。
*ちなみに新病院建設を機に、「地域医療支援病院」への承認を得ることを検討されたかどうかを非公式に聞いてみたところ、『当該病院の承認を受けることは、地域の医療機関との機能分化を推進し、診療報酬上もメリットがあるものと考えているが、一方で、当該病院の承認を受けた場合、診療科一律で、紹介状のない患者から定額負担(初診時で7,000円)をいただけなければならないことから、市内の医療機関の現状や患者負担の増を踏まえると、現在の制度では本地域医療の提供体制には馴染まない』とのことで、この基準に関しては現行のままで、上の表中では「救急告示病院」というカテゴリーになろうかと思います。
そこで、新病院の建設そのものは懸念すべき状況ではないと認識すると、あとは健全経営で持続可能な体制をどう設定するかが重要になると考えていて、そこは前回の一般質問でも行った通り、現在の基本設計の規模では到底持続可能な状況にはなり得ないのではないかと私自身は考えています。
下の図は【岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)】の中から引用したもので、南空知医療圏内の人口構成別推計と高齢化率になります。
*この病院事業経営強化プランの資料も参考になることが多いのでぜひ御覧ください。

下の図は同じく【岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)】から引用したもので、岩見沢市の人口構造推移となります。

これらは以前、動画でもお伝えした内容の主旨と差は無いと考えるところですが、やはり生産年齢人口の急激な減少は、医療関係のみならずあらゆる産業で働き手不足に陥る可能性を含んでいます。また、同じく【岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)】から引用すると、下表のように岩見沢市立総合病院の「入院患者数推移」、「1日当たり入院患者数と病床利用率の推移」、「外来患者数の推移」を見ても減少傾向にあることが読み取れ、またこれはコロナ禍の影響が強く出たものと考えるも、すでに感染症法上の分類が5類へと変更され、間もなく1年が経過する状況下、これら患者数は現時点でも戻ることはなく、今後は非常に難しい判断をしていかなくてはならない状況と認識しています。



そしてこれは岩見沢市立総合病院のみならず、今回の市政方針で市長から「早期経営統合を目指す」とあった北海道中央労災病院も同様の傾向とのことで、この状況から未来予想を誤ると、自治体財政に多大な負担をかける病院となってしまう可能性があります。
というのも、一般の病院とは異なり、自治体が運営する総合病院は「地方公営企業」として運営し、原則独立採算制をとっていますが、「性質上能率的な運営を行ってもなおその経営に伴う収入をもって充てることが客観的に困難であると認められる経費(政策医療・不採算医療など)等については、総務省が毎年度示す繰出基準に基づいて、一般会計が負担すべきと定められています。〈引用元:岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)〉」となっていて、その内容は以下の様になっています〈引用元:同〉

特に表の上から2番めの「中核的な病院機能の維持に関する経費」となると、新病院建設計画に見通しより厳しい状況に陥ると、病院経営上の赤字補てんを市の一般会計から拠出し続けることとなると思われ、ただでさえ財政状況に余裕のない岩見沢市(下記リンク先参照)としては、病院建設の結果によっては、未来の岩見沢像に大きな影響を及ぼすこととなってしまう事を懸念しています。
これらのことから、令和6年3月末現在で基本設計のパフリックコメント募集まで進行している新病院建設ですが、様々な要素によって「慎重で柔軟な対応が不可欠」であると信じています。
ぜひ、多様な目線で注視いただければ幸いです。
************
というところで一旦投稿していたのですが、今朝の北海道新聞空知版において「労災病院 外来入院中止」という大きな見出しが出ていました。

新聞記事によると”労災病院の入院患者数は2019年度は約7,800人だったが、22年度には約6,200人と2割減少。外来数も19年度約8,100人だったが、22年度は約7,300人と1割減。特に全身麻酔を伴う大きな手術数の減少が顕著で、同病院は「近年は大きな手術を札幌で行う人が多い」”とのこと・・・
また、統合する両病院の外科医はともに北大病院からの派遣を受けており、当医局の判断によって岩見沢市立総合病院との統合を待たずに札幌等の病院への異動となったとも記載されています。しかし地域への影響を最小限にするため、現在の常勤医は4月以降も労災病院へ出張医として外来に当たっていただけるようです。
これらは患者減による経営状態の悪化という現実と、医師不足が課題となっている他地域との兼ね合いによるもので、決して誰かを責める様なことではなく、時代の流れにおいて課題の質の変化が明確になってきたという事だと感じます。
よって、これからの両病院の経営統合、そして新病院の建設においても、これまで誰も経験したことのない社会情勢の中、まさに正解が見えない中で必死に最適解を見つけていかなくてはならない状況につながるものと考えています。
担当レベルの苦労もそうですが、最終的な責任を伴う首長も議会も、地域医療の健全なる持続性と厳しい課題が山積する行政運営のバランスを熟考しながら、様々な決断をしていかなくてはなりません。
岩見沢市民憲章の前文にあるように、「伸びゆく産業、交通の中心のまち、かおり高い文化のまちとして、未来に大きな夢と願いをもっています」という状況であった時代が懐かしく、現段階では産業の衰退をどう回避していくか、公共交通の維持もどうやって実現していくかなど、ネガティブな要素ばかりが増えています。
しかしどんな状況であれ、「未来に大きな夢と願いをもっています」という志を忘れることなく、そして「わたしたちは、このまちに住むことに誇りをもち、品性豊かな市民となるため、こころをあわせて市民憲章をさだめます。」という言葉を胸に、時代のフェイズが変化したことによる困難に対し、思考停止となることなくしっかりと立ち向かっていかなくてはなりません。
〈令和6年1月7日投稿〉
現在、新病院建設の基本設計(案)の策定が進み、パブリックコメントが実施されています。(1月12日まで)
この新病院について、私自身の感覚としては岩見沢市の財政規模、今後の人口推計に乖離のある計画が進行しているのではないかと違和感を抱えており、前回の令和5年第4回定例会において一般質問をしました。その質疑はトータルで約1時間20分の長い動画となってしまっているため、あらためて要点等を少しでもわかりやすくと考え、下記動画を作成してみましたのでご覧いただければ幸いです。

また、これまでの新病院に関する質疑などの記録は下のカテゴリーに記載しています。
なお、今回の一般質問では太陽光パネルに関することもあるため、約1時間20分の長丁場となります。
〈下記画像をクリックすると岩見沢市議会公式チャンネルの当該一般質問全体をご覧いただけます〉

太陽光パネルに関しても元日の能登半島地震でも問題となっている通り、様々な懸念があり、将来に負担を残さないための施策が必要で、大変重要な課題と捉えています。お時間ありましたら、上画をクリックして質問と市長答弁全編をご覧いただければ幸いです。
テキストでの読み原稿(当然ながら質問のみ)はこちらで紹介しています。
新病院関連だけを抜き出すと以下のリンクになります。
【①最初の質問】新病院建設に関するところからスタート
【②質問への市長答弁】新病院に関する答弁からスタート
【③再質問】新病院に関する部分からスタート
【④市長反問】
【⑤反問への答弁】
【⑥市長再反問】
【⑦再反問への答弁】
【⑧反問終わり再質問への市長答弁】
【⑨再々質問】
【⑨再々質問への市長答弁】
*今回の質問は一問一答方式ではなく、より自分の意見を詳細に伝えるという意味合いで一括方式で行ったため、ルール上、再々質問以上を行うことができず、これが最大限のやり取りとなり不完全燃焼気味な終わり方となっております。
いずれにせよ、今後、非常に厳しい環境に陥っていく岩見沢市(地方都市はどこも同様ですが)において、現在の新病院計画規模が本当に身の丈にあっているのか?という観点でご覧いただければ、このまま諸手を挙げて賛成する状況にないことをご理解していただけるのではないかと思います。
よって1月12日が締め切りですが、基本計画(案)に対するパブリックコメントに一人でも多くの市民の皆様にそれぞれの考えを寄せていただければありがたく存じます。
パブリックコメントへのアクセスは以下を御覧ください。
https://www.iwamizawa-hospital.jp/construction/details/04sekkei_b.html
最後に
私自身、新病院建設特別委員会の委員長という役職を預かっている事情で、本来であれば完全中立な立場で委員会内での議事進行に徹するべきという考えもあるのかもしれませんが、将来の岩見沢にとって、この新病院のあり方が非常に大きな影響を与えると感じる状況下、議会本来の仕事である「行政のチェック機能」において、一議員として真摯に全うすべきとの考えを持っての行動となります。
とはいえ、私自身、まだまだ未熟ゆえの至らぬ点から、時に誤った解釈などもあるかもしれませんが、これからの非常に難しい変化の時代において、次の世代に極力負担を残さずバトンを渡していきたいとの思いが根幹にあることをご理解いただければ幸いです。
〈令和5年12月8日投稿〉
今回の一般質問は大きく2点で行います。一つは下記リンク先の太陽光発電についてで、もう一つは令和10年開業を目指す岩見沢市立総合病院の建設についてとなります。
この新病院建設に対する一般質問を行う経緯は、やはり今後想定される厳しい人口減少社会と、それに伴う財政難の時代に向かっていく中で、基本設計(案)中の建設費が423億円+αもの巨額となること、また職員数が現在の岩見沢総合市立病院と、統合する中央労災病院を合計した職員数より多くなる966名という人数を見込んでいることなどを考えると、本当に持続可能な経営ができるのか?という部分に大きな疑問があり、岩見沢市にとっての身の丈をどう捉えるかがテーマとなっています。
以下、一部補足をつけての読み原稿を公開します。
続きを読む〈令和5年7月28日投稿〉
7月26日(水)は今期初となる新病院建設特別委員会を開催しました。
先日の6月定例会最終日で本特別委員会の設置が決まり、議会閉会後に正副委員長の互選が行われました。その中で大変僭越でありますが私が委員長として選任いただいたものです。
その上で初開催となる今回の委員会では、これまでの流れの振り返りが主となりました。

やはりこれまでも記載(下記リンク)させていただいている通り、この岩見沢市の規模で344億円の想定は相当に厳しいものと考えています。また今後の社会情勢を鑑みた中で、医療に従事するスタッフの確保も本当にできるのか等々の心配もなかなか納得できる状況にはなっていません。
同様の意見が委員からの質問でも見られましたが、現在は基本設計を行っている最中につき、今後はこの基本設計のたたき台が出てくる段階で、より深い議論を行っていくこととなります。

また、今回の新病院建設特別委員会においては、前期で所属していた議員が少なく、初めて関わる委員も多い状況です。よって前年までの議会改革の中で、大事なことの一つとして捉えていた「自由闊達な議員間討議」を目指し、まずは公式ではなく任意の集まりとした中で、議員間討議の場を設けさせていただきました。
これはあくまで非公式ゆえ、参加は任意で議事録も残さないというスタイルとしましたが、そうすることによって公式な場では朧気すぎて発言に繋がらないようなことも、フリートーク的な中で気軽に発言することができ、それが委員間の新たな共感や認識につながるような場を目指したものです。
こういった試行を始め、少し慣れてきた段階で公式なものとするかどうかも検討をしていかなくてはなりませんが、今回、私自身も初となる委員会開催後の議員間討議の場は、とても有意義なものであったと考えています。
引き続き、新たな取組も進めていきたいと思っています。