〈令和4年10月14日投稿〉
10月13日、新病院建設特別委員会が開催されました。
今回の内容としては
1)新病院建設基本計画(素案)に対するパブリックコメント等の結果について
2)新病院建設基本計画の策定について
3)基本設計業務委託について
となります。
【前回の新病院建設特別委員会に関する投稿は下記リンク先を参照ください】
今回の委員会では、前回の質疑からもう一歩進んで「概算事業費と財源内訳」についてと、「事業収支シミュレーション」について質問をさせていただきました。
その趣旨としては、今後の医療圏内における充実した医療体制の確保が不可欠であり、新病院は市民の方々からも期待されているが、その半面、今後ますます周辺人口の減少が予測される中、岩見沢市の財政規模で344億円(立体駐車場等は別途)を超える過去最大の一大プロジェクトとなり、中長期に関する財政的な影響を心配せずにはいられません。
よって今後、順調に経営していけるのかどうか。という視点が主体となります。
*新病院建設基本計画については、こちらを参照ください。
https://www.iwamizawa-hospital.jp/construction/details/03keikaku.html
以下、質問と答弁要旨です。
1)[基本計画P79]概算事業費と財源内訳について
【質問】現在のところ、財源は企業債が大部分となるとのこと。
実質、総額でいくら起債することとなるのか。([病院事業債]、また[病院事業債・特別分]の内訳はどうなっているか。)
また、病院事業債に関して、交付税措置は元利償還金の25%と特別分の40%があるが、通常の25%の部分に関しては、建築単価は㎡当たり40万円が上限との記載があります。現在の工事費見込みとしての建築単価は、㎡当たり60万円と見込んでいることから、1㎡当たり20万円の差額が出ることと思います。これらを考慮すると、延床面積4万㎡という大面積において、実際の交付税措置は25%に満たず、かなり厳しい数字になると想像します。あらためて特別分の40%措置分の差し引きも含め、トータルの交付税措置は何%程度となり、総額でいくらになる見込みか。
【答弁要旨】
国や北海道からの補助金が約54億円
企業債(病院事業債)が約283億円
病院事業の自己資金が約7億円の見込み
財源の大部分が企業債(病院事業債)となる。
病院事業債には元利償還金の25パーセントが後年度に普通交付税で措置される「通常分」のほか、複数の病院の統合や相互の医療機能の見直しにあたり、「機能分化・連携強化計画」を策定し国(総務省)に認められた場合に発行できる、元利償還金の40パーセントが後年度に普通交付税で措置される、「特別分」がある。
いずれの場合も交付税措置の対象となる建築単価は1平方メートル当たり40万円が上限となっており、この建築単価を超える部分に係る病院事業債に対する交付税措置はない。
病院事業債約283億円の内訳
⇒ 通常分:約63億円
⇒ 特別分:約144億円
⇒ 交付税措置のないもの:約76億円
*通常分と特別分に対する普通交付税の措置額は約73億円となる見込み
病院事業債の発行総額(約283億円)に対する交付税措置割合
⇒ 約26%(今後、設計段階以降における事業費の精査や補助金等の財源確保により、この割合も変化する見込み)
2)[基本計画P80]事業収支シミュレーションについて
【質問】新病院開院10年目までの事業収支シミュレーションが提示をされ良好な結果となっている。
とは言え、企業債の償還は恐らく最長の30年間になるのかと想像するが、開院予定が2028年、よって30年後となると2058年ということとなり、人口問題研究所の人口推計値も地域ごとには発表されていないほどの長期となるが、推計値が公表されている中で最長となる、2045年⇒開院後17年目(修正 23年の誤り)の状況でみても、岩見沢市の人口は4万7千人台と現在の人口の6割程度になる見込み。これが開院後30年後となると、一体どのような数字になるのか非常に心配が募る。更には岩見沢市のみならず、地域医療圏全体の医療需要の減少につながることを考慮すると、開院後10年間ではなく、もっと長期的な視野でシミュレーションを行う必要があると思うが如何か。
【答弁要旨】各推計、コスト等に関し、各項目の条件設定を行った上で、開院後10年間のシミュレーションを行っている。さらに長期的なシミュレーションを同じ条件設定の中で行うことも可能だが、医療環境等の進歩や患者の受療動向など、医療を取り巻く環境の変化を長期的に予測することが難しい。
基本計画段階においては、費用は概算であり、長期的な建物の維持補修、医療機器や各種システムなどの更新費用等の積算が困難。他病院において策定された基本計画においても、開院後10年程度の試算を行っている事例が多い。よって、収支シミュレーションの期間は10年程度が適当と考えている。
その上で、開院初年度から毎年度の経営分析をしっかりと行い、市の財政に与える影響も勘案しながら、収支計画のローリングを行うなど、健全で持続可能な病院経営に取り組んでいきたい。
という旨の答弁となります(あくまで要旨であり、実際の答弁とは表現が異なります)。
その後、再質問、再々質問において、不確定要素が多いことは理解できるが、10年はあっという間であること、経営において中・長期的なシミュレーションなくしてスタートすることは心配である。また長期という面では目標値であったり、予想を下回るパターンなど、上下の振り幅をもたせた中で、現状で考えうるシミュレーションはしっかりと行い、市民にもわかる様に公表すべきではないか?という投げかけをしておりますが、現状においては內部でシミュレーションは行いたいと思うが、あまりに乖離が大きくなることも予想されるころから、公表は差し控える旨の答弁となってしまっております。
現時点における議員の一人として、20年後、30年後の市民に「あの頃の議員は何ということをしてくれたんだ!」と叱られることの無いよう、多様な視点を持って努力していきたいと思っております。
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