〈令和8年7月1日投稿〉
本日、桂沢水道企業団議会が開催され、主に決算の認定について質疑を行ってきました。

この桂沢水道企業団議は、岩見沢市、三笠市、美唄市で構成され、それぞれ岩見沢市議会から4名、美唄市議会2名、三笠市議会2名の議員が所属しています。その経営も数字が大きく、かつ複雑なため、予算や決算の審査もかなり難しい印象を持っています。
今回も岩見沢市議会第2回定例会が6月26日(金)で閉会となりましたが、それから議案を読み込み、過去に実施してきた質問と照らし合わせながら、以下のような質問内容としました。
令和8年 第2回定例会 決算認定における質疑(簡易編集版)
1. 平野質問
現状認識
令和7年度決算では、料金回収率が88.18%となり、内部留保資金は約7,700万円減少したものの、残高は約11億8,000万円を確保しています。 一方で、5年ごとの料金見直しにより令和8年度から料金が引き上げられたこと、またこれまでの答弁等でも、内部留保資金を計画的に取り崩すことで急激な料金改定を避ける趣旨の説明があったと認識しています。
そこから、以下3点についてお伺いします。
- 令和7年度決算の評価について 当初の予定損益計算書では約1億6,000万円の純損失を想定していましたが、結果的には約7,250万円に圧縮されました。この結果は、桂沢水道企業団の経営戦略上、想定の範囲内だったのか、改めて見解をお聞かせください。
- 料金改定後の各種指標の推移について 今年度予算書にも示されていますが、改めて令和8年度からの料金改定後における「料金回収率」「給水原価」「内部留保資金残高」の推移の見込みについてお聞かせください。
- 料金回収率100%に対する考え方について 今後、企業団として料金回収率100%を目指していくのか。それとも、令和12年度末に6億円の内部留保資金を確保することを優先し、一定期間は100%を割り込んだ状況を許容する考えか。
〈用語解説〉
※料金回収率:水を届けるための費用を、水道料金でどれだけ賄えているか(100%以下は赤字)
※給水原価:水を1000L届けるのにいくらかかっているか。
※内部留保資金:水道料金などから積み立ててきた、水道施設を将来も維持するための蓄えで、使えば一時的に料金値上げを抑えられますが、減りすぎると将来の水道管更新や災害対応が難しくなります。令和7年度末で約11.8億円あるが、市民負担を緩和するために毎年取り崩している。
2. 企業局長の答弁
1. 令和7年度決算の評価について(想定内か否か)
当初策定した経営戦略の財政計画では、令和7年度の料金回収率を79.45%、内部留保資金残高を約10億9,000万円と想定していました。 実際の決算はこれよりも良好な結果(回収率88.18%、残高約11億8,000万円)となったため、想定の範囲内であると認識しています。
2. 料金改定後の各種指標の推移について(令和8〜12年度)
主に各年度の事業費の大小により増減しますが、以下のように推移すると見込んでいます。
- 料金回収率: 最大91.96% 〜 最小78.69% の範囲
- 給水原価: 最大98円22銭 〜 最小82円98銭 の範囲
- 内部留保資金残高: 現在の残高から毎年徐々に減らし、令和12年度末で約6億円とする。
3. 料金回収率100%に対する考え方について
当企業団では、令和12年度末に向けて内部留保資金を約6億円まで計画的に減少させることで、構成市(※利用自治体)が納める料金水準を引き下げています。 したがって、この一定期間において料金回収率が100%未満となることは、財政計画上、致し方ないものと考えている。
3. 平野の再質問
基本方針は理解しましたが、3点目の「今後の回収率と財政」について懸念があります。
計画通り令和12年度末に内部留保資金を6億円まで減らした場合、令和13年度の料金見直しのタイミングでは、それ以降の赤字を補填する原資がなくなります。そうなれば、複数年にわたり料金回収率を100%以上にするため、各自治体の水道利用者に対してさらなる大幅な値上げをお願いせざるを得ないのではないでしょうか。
今後も経費の増大や施設の維持・更新など厳しい経営環境が続く中で、企業団として今回の決算と将来予測に対し、時代背景も含めた危機感を持っているのか。それとも、あくまで「想定内」として進めていくおつもりなのか、再度お聞かせください。
4. 企業局長の再答弁
今回の料金改定協議は、まずは令和12年度までに内部留保資金の残高6億円を確保するというシミュレーションに基づき、構成市と協議を重ねた結果です。
議員ご指摘の通り、令和13年度以降も6億円の留保資金を維持していくためには、将来的な料金の大幅な引き上げ(再値上げ)が避けられないことは予見されるところです。
今回の料金改定にあたっても、将来的に料金負担が増加する可能性については構成3市と共有しています。その上で、今回はまず令和12年度までの料金水準を固定し、各市の水道事業経営を支える方針をとりました。
決して楽観視している状況ではありません。企業団および構成3市が持つそれぞれの「水道事業経営戦略」のPDCAサイクルを進捗管理し、今後に向けて必要な協議を不断に行ってまいります。まずは令和12年度までのこの水準で経営していく予定です。
5. 所感
事前の想定をもとに、執行部から「令和13年度からの料金がもう少し大幅にかかってくるということは避けられないと予見される」、「将来のさらなる再値上げ(負担増)」の可能性についての答弁がありました。また、「楽観している状況ではない」という言葉もありました。
現在の計画では、内部留保金を令和12年度末まで、毎年に平均すると約1.1億円を赤字補填等に使い続けることとなりますが、令和13年度に予定どおり残り6億円となると、もうそういう使い方ができなくなるので、水道料金の大幅な値上げが必要になる可能性が高いこととなります。なおかつ、新浄水場の負担や現在更新中の施設、また、今後、老朽化した施設の更新も待ったなしの状況となります。
岩見沢市の資料を見ても、令和8年度以降、桂沢水道企業団からの受水単価は30円/㎥から39円/㎥に上がるものの、岩見沢市民向けの水道料金は令和12年度まで現行で据え置く計画となっています。ただし、その結果として岩見沢水道事業会計の内部留保資金を取り崩し続けることとなり、令和11年度以降は欠損金も見込まれていることもあり、将来的な料金改定リスクがあります。
この様に、なかなか話題になることがない水道料金ですが、実は将来的な不安要素は大きく、市民負担増は避けられない実態があると考えています。
引き続き注視していきたいと思っています。








































