一般質問概要_通告&読み原稿 (太陽光発電について)

〈令和5年12月8日投稿〉

どうして今回このテーマを一般質問としたかという理由は、下記本文中にもあるとおり、岩見沢市内における複数箇所の雪害などに伴う太陽光発電施設の破損状況等を鑑み、景観保全や、状況によっては発生してしまう恐れのあるパネル内の有害物質等の流出を想像すると、豪雪地に適した何らかのルールづくりをしなければ、今後不利益を生じるのは岩見沢市民になってしまうという懸念からです。

(下画像の用に雪の重みでパネルが外れ、それでも発電は続いているような心配すべき状況がありました。なお、場所が特定できないように画像を加工していますことをご了承ください。〈公道から望遠レンズにて撮影〉)

以下、それら課題に対する一般質問の読み原稿となります。

質問は12月12日(火)13時開会から4人目の登壇となります。


1,再生可能エネルギー普及に伴う現状と今後の対応について

先日の報道では道内における再生可能エネルギーは38%と、すでに政府が掲げる2030年度時点での導入目標に到達していることがわかったとあり、道内では今後も更に開発が続く見通しとのことでした。再生可能エネルギーは「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの」と政令で定義され、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱、その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められていますが、岩見沢市においては、太陽光発電がごく一般的な存在であると認識をしています。

1) 太陽光パネルに関する全国市長会の要請について

そこでこの太陽光発電については、GX化の推進に不可欠なものとして、現在もその活用が推進されています。しかしその普及に伴い、防災、環境保全、景観保全という観点から様々な懸念が発生し、私自身、これまで委員会等での質問をしたり、また他の議員においても様々な視点で質問、議論がなされてきたと認識をしています。
その大まかな流れとしては、一部の自治体のように条例やガイドラインの策定によってルールを明確化できないかというのが多く、市の答弁の主旨としては「土地の所有権・財産権に制限を加えることは難しく、太陽光発電施設の設置に当たっては、説明の義務づけや、関係自治体の意見を反映させる制度の創設など、必要な法整備を行うよう全国市長会を通じて国へ要請している。」「岩見沢市としても、事業者に対し引き続き関係法令や国のガイドラインの遵守を求めるとともに、地域住民との合意形成を図った上で、太陽光発電施設等の建設が行われるよう対応していく」というものです。
そこでお伺いいたしますが、現時点で全国市長会の取り組みの状況と、それに対する国の反応はどのようになっているかお聞かせください。

2) 市内施設の現状について

近年は買い取り価格の落ち着きもあり、市内では一時ほどの新規設置は見られませんが、これまでは住宅街の中でもちょっとした空き地があると、突然太陽光パネルが設置され、景観が一変する状況を見て驚いたことがあります。これは今後FIT並びにFIP制度等が設置者にプラス方向に転じた場合、また第三者モデルと言われるPPAの普及が加速していくとすれば、また活発化することが考えられますが、今現在として、市内には太陽光発電施設がどれぐらい設置されているか、市が許認可権者ではないため、その全数を把握することは難しいと思いますので、FIT売電を行っている施設設置数と個人、事業者別でどのようになっているか、その規模等、概要を把握されていれば教えてください。

3) 太陽光発電における懸念と対応について

これら太陽光発電には様々な課題があります。例えば寿命を迎えた太陽光パネルの処理においては、一気に普及したシステムは同時期に寿命を迎える傾向があるため、環境省が2021年2月に発表した「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」によると、2030年代後半には太陽光パネルの大量廃棄がピークに達し、年間で50万トンから80万トンが廃棄物として出ると予想され、その際、高騰する処分費が賄えず放置する事業者も出てくる可能性があります。国もその対策としてFIT制度物件等に関しては「再生可能エネルギー電力の利用の促進に関する特別措置法」において、源泉徴収的な外部積立を行うことを義務化しましたが、これが完全に機能できるかはまだまだ心配があります。

そもそも今回どうしてこの様な質問に至ったかというと、本年の雪解けから、岩見沢市内で雪害によって太陽光パネルが地上に落下している発電所を複数箇所見かけ、中にはほぼ7割程度が落下し、残り3割ほどが枠上に残り、それでも電力メーターは動いている様子がありました。この状況がつい最近、修理が行われるまで、半年以上の歳月にわたり雑草が繁殖しながら放置されていたことを知りました。地上に落下したパネルの中には変形やひび割れが発生しているものがある可能性も否定できません。そのパネルにはご承知の通り、鉛、カドミウム、セレンなどの有害物質が含まれている可能性が高く、破損すると、それら有害物質が土壌に浸透していくことが想像されます。


先日偶然目にした日経BPの記事によると、近年は酷暑によって雑草の繁殖が早く、ソーラーパネル上にその雑草による日陰ができると電圧不均衡による電気の逆流が起きると言われ、それが銅バーを加熱し、接続箱からの発火リスクも考えられるとありました。
これらの所有者が明確であれば良いのですが、状況によって破産や倒産等により責任の所在が不明となってしまうケースも想定されます。そこで、すでに稼働を停止し、または稼働しているものの連絡が取れない所有者等はいないのかどうかお聞かせください。また、市民からトラブルや懸念など何らかの通報があった場合の対応について、どの様な手続き手順になるかもお聞かせください。

また、これら将来的な廃棄トラブルや、稼働中のパネル破損による土壌汚染、また雑草管理を怠ったがための火災リスク、所有者責任の放棄に付随する様々な懸念は、当事者以外に岩見沢市民に対しての影響が出る恐れがあり、市としても何らかの事前準備や対策が必要と感じるところです。現在、市として太陽光発電設備におけるリスクをどのように想定されているかお聞かせください。

この太陽光発電の場合、産業廃棄物に関する所管は都道府県、すなわち北海道であり、新設等の許認可権者は経済産業大臣です。しかし適切な管理をされない方がいた場合、その影響を受けるのは岩見沢市民ということになります。

例えば、近年は太陽光発電施設の雪害破損も多いため、現在は損害保険の加入や更新もかなりハードルが上がっていて簡単ではないと聞いています。恐らく今後は破損しても修理ができない、またそうなると発電量が減り売電による収入も維持できないという悪循環に陥り、事業者であれば経営が破綻することで責任の所在が不明瞭になり、放置されることによる景観のさらなる悪化や、そこに環境汚染等の実害が発生すれば、最終的には岩見沢市、すなわち市民が負担をしなくてはならないことも考えられます。

よって地球温暖化対策推進法を軸として、GXの推進に不可欠な化石燃料からの脱却という面で太陽光発電の推進も重要と考えますが、その普及には前述の様なリスクも存在するため、規模の大小に関わらず豪雪地岩見沢に即した積雪荷重や積雪に伴う設置高さの規定等々を含めた、一定のルールづくりが必要と考えます。これまでの答弁では全国市長会を通し、国に必要な法整備を求める方向と述べられていますが、改めて市長の考え方をお聞かせください。

*以下、一般質問 2、新病院建設についてに続きます。

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