岩見沢市の経常収支比率について(決算審査特別委員会報告)

〈令和5年12月1日投稿〉

令和5年10月17日に令和4年度の決算審査特別委員会〈総務分科会〉が開催され、いくつか質問をしています。その中で現在から将来の岩見沢市にとても大きな影響があると思われる経常収支比率の状況について記載してみたいと思います。

これは議員のスタイルによって様々だと思いますが、私の場合は予算審査や決算審査を行うときは、その時々で関心の高いものはもちろん、その他にも色々と「過去からのデータを比較しながら見比べてみる」ということを良くやります。

その中で今回、平成22年から令和4年までの推移を確認してみて、特にマズい状況と気づいたのが経常収支比率についてです。

これは80%を超すと、財政に弾力性が無いと言われるもので、岩見沢市は平成29年以降96%を超え、近年は98%前後を推移している状況です。

これは一般家庭でいうと、100万円の収入があったら、すでに98万円は固定費として支払い先が決まっており、自由になるお金が2万円しかない様な状況と言って良いと思います。よって、何か新たな地域課題が発生した際に充てる費用がなく、いわゆる国の補助金のあるメニューなどに頼らざるを得ない傾向にあると言えます。

ちなみに地域経済システム(RESUS)で2021年度の道内各地の状況を比較してみると、岩見沢市は夕張市の118.9%に次いで2番目に悪い数値となっています。

これらのことから、決算審査特別委員会では以下の様な質問をしています。

ここからは議事録の転載になりますことをご了承ください。


◆委員(平野義文君) それでは、一点、お伺いをさせていただきたいと思います。
岩見沢市各会計歳入歳出決算審査意見書の5ページにあります一般会計収支の状況において、経常収支比率の記載があります。これは経常的な一般財源のうち、人件費、扶助費、公債費などの経常的、義務的な経費に充当される割合で、80%を上回ると様々な市民ニーズに柔軟に対応する事業等の実施が難しくなると言われています。

そこで遡って調べてみると、平成22年度で88.4%、そこから徐々に上昇していき、令和元年度の98.8%をピークに、その後98%前後で横ばいとなっている状況だと思います。

参考までに、地域経済分析システムのリーサスで公開されている中で最も直近の2021年度のデータを基に、近郊の自治体と比較をしてみたところ、北海道内では、夕張市の118.9%に次いで2番目に高い数値となっていることに気がつきました。

市としても、人口当たり職員数を削減するなど、様々に目に見える努力を続けているというふうに認識をしておりますが、この経常収支比率に関する市の見解と、そして改善に向けた取組についてお聞かせをいただければと思います。

○委員長(宮下透君) 企画財政部長。

◎企画財政部長(小泉健君) 平野委員の御質問にお答えいたします。
経常収支比率に関するお尋ねでございます。
経常収支比率につきましては、今お話がございましたように人件費、扶助費、公債費のほか、物件費や維持補修費などの経常的経費に対して、地方税、地方譲与税、普通交付税などの経常的な一般財源がどの程度充てられているかを見ることにより、財政構造の弾力性を判断する指標であるとされているところでございます。

令和4年度決算における当市の経常収支比率につきましては、97.9%と全道都市平均の92.8%を5ポイントほど上回っており、財政の硬直化が見られる状況となっております。

道内屈指の豪雪地帯である当市におきましては、普通交付税において措置される標準的な経費を上回る規模で、総合的な雪対策として、除排雪事業等を充実させており、このことによりまして、年によって雪の降り方によっても差異はございますが、経常収支比率を2から3%押し上げているということも一因という分析をしておりますが、それでもなお高い水準にあるものと認識をしているところでございます。

次に、この97.9%を性質別で見ますと、最も大きいものは公債費の22.1%、次いで物件費の19.0%となっております。このうち公債費は増加傾向にありますが、これまでの間、将来のまちづくりのための前向きな投資となる新ごみ処分場の建設や学校給食共同調理場の統合、中央小学校をはじめとする校舎等の移転改築や耐震改修による教育環境の整備、老朽化した消防庁舎、支所の再編といった大型プロジェクトを実施してきた結果でもあり、いずれも必要不可欠であったものと捉えております。

ただ当然ながら、こうした事業を実施することにより、後々の公債費や経常収支比率に与える影響というものが大きいということは、当時から十分認識しており、その上で中長期財政計画の進行管理と併せまして、シミュレーションしながら取り組んできたところでもございます。

また、その次に高い物件費につきましては、平成22年度決算の10.7%が、直近では19.0%と大幅に上昇しております。その要因といたしましては、公共施設の過剰な保有による影響が少なからずあり、維持管理経費の負担が市の財政を圧迫しているということが明らかとなっております。

そのため、平成26年度からいち早く公共施設マネジメントの取組に着手しており、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、延べ床面積を30年間で30%削減するという数値目標を定め、着実に取り組んでいるところでもございます。

このような認識の下、健全な財政基盤の維持に努めているところであり、新たに策定した中長期財政計画におきましては、収支の均衡と将来負担の軽減に向けた取組として、財源の確保と歳出の削減、中でも歳出の削減については、公共施設の統廃合以外にも投資的経費の抑制による公債費負担の適正化や、事務事業のスクラップアンドビルドにより、経常的経費の削減を図るとしているところでございます。

これらの取組を通じまして、御質問のあった経常収支比率以外の指標、例えば、早期健全化基準を大きく下回る実質公債費比率ですとか、将来負担比率といった健全化判断比率、また基金残高の確保など、そのほか様々な指標を含めた健全性を全体的に留意しながら、持続可能な財政運営を行ってまいりたいと考えているところでございます。

以上でございます。

○委員長(宮下透君) 平野委員。

◆委員(平野義文君) ありがとうございました。
本当に非常に難しい状況の中で、あらゆる努力をしていただいているということを改めて敬服をするわけですけれども、今のこの経常収支比率、基本的にはやっぱりこれが硬直化していくというのは、市が岩見沢市独自の事業をしようとしたときに、新たな政策に向ける財源がほぼないというか、充てるものがなかなか確保できないということにつながるわけで、ひいては新しいことを何かしようとすると、どうしても国のメニューであるとか、そういったことに頼らざるを得ないというのが、恐らく実態なのだろうなというふうに思うわけであります。

これに関しては、今様々に削減をしていく、改善をしていく努力をこう述べられていたわけですけれど、恐らく今後より人口減少が進むとともに、歳入も減っていくということもあります。

また、各種コストの増加というのを考慮していくと、なかなか簡単に下がることではないなというふうに考えざるを得ないのですが、その状況がどれぐらい難易度の高いものなのかというところと、あと今後の見込みという部分についてお聞かせいただければと思います。

○委員長(宮下透君) 企画財政部長。

◎企画財政部長(小泉健君) 平野委員の再質問にお答えいたします。
財政の硬直化、非常に改善がなかなか厳しいという中で、その難易度、また今後の見込みというお尋ねでございます。

重ねてになりますが、今後やっていくべきことというのは限られております。それを粛々とやっていくということが基本と考えているところでございます。

その中で見込みとして、中長期財政計画におきまして、今後10年間のシミュレーションをしておりますが、これについては、今の経常収支比率が劇的に下がるという見通しは実際のところ立てておりません。ほぼ横ばいを維持していこうというところでございます。

その要因として、今御指摘がありましたように人口減少により歳入の減少が人口減少に直接見合うレベルではありませんが、着実に減っていくということを見込んでいること、また歳出におきましては、物価高騰等もありますので、今後なかなか下げるところに限界があるということも踏まえて、そのような試算をしているというところでございます。

一例を申し上げますと、先ほど公共施設の話を引き合いに出しましたが、公共施設指定管理料だけで年間11億円ほどかかっております。

正直申し上げて、経費削減に限界がございますので、逆に物価高騰等がありますから、試算しますと、通常5年で指定管理者を更新いたしますけれど、5年たつとおおむね1割程度伸びるというのが、一般的にそうなってしまうという試算をしております。そうなりますと、今ある施設の中で1割削減するというのは限界がございますので、これはもう施設を廃止して、やめてしまって経費そのものなくするよりないということも考えているところです。

このような努力を通じまして、確かに全道平均より高く、なかなか改善見込みがないというのは承知をしておりますが、少しでも政策的な予算、あるいは市民生活の質の向上に予算を振り向けられるように、できる努力をしながら、事業のスクラップアンドビルドが代表的になりますけれど、無駄な事業を削減することにより予算を捻出するというように考えているところでございます。

以上でございます。


この様な質疑となっています。

岩見沢市は豪雪地ゆえ、普通交付税措置を上回る支出となり、他市に比べるとどうしても2~3%程度上がってしまう傾向にあること。また合併により同規模の他市と比較しても公共施設面積が大きいということがあり、公共施設の指定管理料だけでも11億円という膨大な経費を必要としていることがわかります。この公共施設の削減に関しては、「理」と「情」の狭間の中で、より説明責任や市民に納得していただける話し合いが必要となってきます。

事業のスクラップアンドビルドということもありましたが、なかなか劇的に廃止できるような事業はなく、今後、さらなる厳しい状況が予想されます。

ましてや今後、現在の計画では423億円+αもの経費を計上している新病院の建設が控えています。

様々な要素を勘案すると、手放しでこの巨額の計画を進めることに大きな懸念が生じることがわかっていただけるかと思います。

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