〈令和8年3月5日投稿〉
3月2日から第一回定例会が開会しました。
まずは今年度の方針として、市長から市政方針演説、そして教育長から教育行政方針演説があり、後日、それに対する代表質問が行われます。
代表質問とは、それらに対する質問を各会派を代表して行うもので、最大会派の市民クラブは会長である私が行います。
本定例会では3月12日(火)13時から行うこととなります。
当日はYouTube配信もしておりますので、ぜひご覧ください。
以下、その要点と、ページ最後には読み原稿全文を掲載しておきます。

【代表質問要旨〈抜粋〉】
■ 「あれもこれも」から「やめる決断」へ 現在、岩見沢市は人口減少や少子高齢化、公共施設の老朽化など、「かつてないほど厳しい局面」へと変わっていきます。これから先の10年を見据えた時、これまでのような「あれもやる、これもやる」という総花的な計画では、市の財政も組織も立ち行かなくなります。
市の借金にあたる市債残高が約511億円、経常収支比率96.9%など財政が硬直化する中、将来の世代にツケを回さないためには、客観的な基準を持って事業を縮小・廃止する「やめる決断(スクラップ・アンド・ビルド)」から目を背けることはできません。
■ 岩見沢の「本当の価値」を磨く 一方で、決して悲観しているわけではありません。これからの時代は、他市と人口規模を競うのではなく、「岩見沢市民がどれだけ心豊かに暮らせるか」を追求することが何より重要です。Well-beingです。
岩見沢には、大都市圏へのアクセスの良さに加え、高度な医療、充実した教育、豊かな自然など、極めて稀有な「暮らしの充足感」が揃っています。この独自の価値をしっかりとブランド化し、「札幌の職場を変えずに岩見沢に住む」といった新しい層へアピールしていく市の戦略を問います。
今回の代表質問では、この「豊かさの追求」を軸に、以下の具体的なテーマについて市と教育委員会の姿勢を伺っていきます。
【主な質問テーマのハイライト】
- 次期総合計画の策定 新たな縮小社会における計画策定には、「量から質」への転換、すなわち住民一人ひとりの生活の質(QOL)や幸福度(Well-being)をどう高めるかが、ますます重要になってきます。
- 気候変動に負けない「雪対策」 今冬のような少雪や近年の大雪など、振れ幅の大きい気候の中でも、除排雪の事業者さんが安心して体制を維持できる契約の見直しや、将来を見据えたICT(IT技術)の導入推進を求めます。
- 新病院の経営安定と医療の充実 令和10年秋の新病院開院に向け、この4月から労災病院との経営統合がスタートします。医療従事者の確実な確保や、最新の医療機器を活かした経営強化プランについて具体的に確認します。
- 岩見沢ワインと「まちなか」の賑わい 気候変動の影響もあり、空知地域はワイン産地としての可能性が高まっています。本市における「岩見沢ワイン」のブランド力強化(テロワール創出)の夢と見通しについて伺います。また、12億円規模のプレミアム商品券による地元への確実な資金還流や、市の税収を支える中心市街地(まちなか)の価値向上についても確認します。
- AI時代の子どもたちへ「本当の学力」を 何でも生成AIが瞬時に答えを出してくれる「AIネイティブ世代」の子どもたち。だからこそ、あえて遠回りして悩む時間や、情報を批判的に検証する力を学校教育でどう守り育むのか、教育長に問います。
- 子どもたちが主役の「サードプレイス(第3の居場所)」 大人が管理するだけでなく、子どもが自ら遊びを創り出し、試行錯誤しながら生きる力【非認知能力】を育むことができる、新しい放課後のあり方を投げかけます。
この他にも、歴史を活かした水明公園の再整備、市役所のAI活用と本気の組織改革、5歳児健診のスタート、そして「くりさわ学舎」と来夢21図書館の融合など、市民の皆様の暮らしに直結する重要課題について幅広く議論してまいります。
その詳細は以下の読み原稿となります(約1万字)。
1,市政運営の基本姿勢と行財政改革について
令和8年度市政方針において市長は、人口減少、少子高齢化、社会保障費の増大、公共施設の老朽化など、「かつてないほど厳しい局面」にあるとの認識を示されました。私も、この危機認識を強く共有するものであります。
令和10年度から始まる次期総合計画は、人口減少が一段と進行し、これまでの当たり前が当たり前でなくなる、いわば「明確な縮小社会を前提とした本格的な計画」となろうかと思います。この局面において、従来型の「あれもやる、これもやる」という総花的な計画では、財政も組織も持続し得ません。
令和8年度一般会計は485億円、財政調整基金から約9億7千万円を繰り入れる予算編成となっています。新市立病院建設、公共施設の老朽化対策、社会保障関連経費の自然増などを踏まえれば、今後の財政運営が一層厳しさを増すことは明らかであります。
こうした状況の中で、私が最も重要と考えている視点は、人口規模や経済的優位性を競うのではなく、「岩見沢市民がどれだけ心豊かに暮らせるまちなのか」、それを実直に追求していくことではないかと感じています。
この代表質問は、その視点を軸に進めさせていただきます。
まずはその導入として、市長が抱く岩見沢に備わる価値について伺ってまいります。
1)岩見沢に備わる価値の整理について
近年、日本全体で人口減少と一極集中が進む中、地方自治体には単なる人口の奪い合いではなく、「どのような暮らしを提供できるまちなのか」という価値の構築と提示が求められていると感じています。
とりわけ子育て世代を中心に、生活環境、教育環境、自然環境、地域コミュニティのあり方など、定住判断の基準は多様化しています。今後は都市的利便性のみならず、心身の豊かさや人間形成環境といった観点がより重視されると考えています。
本市は、札幌圏や新千歳空港への良好なアクセスを有しながら、南空知の中核都市として高度な医療体制や充実した教育環境を備え、かつ豊かな自然環境、雪国特有の生活文化、空間的余裕のある住環境など、大都市近傍では極めて稀有な「暮らしの充足感」を有していると考えます。
一方で、こうした本市固有の優位性が、手厚い子育て施策や、住宅取得支援などと有機的に結びつき、戦略的にブランド化されているかについては、まだ検討の余地があるものと受け止めています。そこで、岩見沢ならではの暮らしに対する魅力、価値の創出と発信について、市長の見解をお伺いいたします。
①本市の都市像の認識について
本市は、都市近接性と、医療・教育・商業が完結する中核都市としての高い利便性を併せ持っています。市長は、岩見沢を「どのような暮らしを実現する都市」として位置づけているのか。その都市観をお聞かせください。
② ブランド化と戦略的発信について
移住・定住促進においては、支援制度の提示だけでなく、「このまちでどのような暮らしが実現できるのか」という明確なメッセージが重要であると考えます。本市における暮らしに対する魅力、価値の整理に基づくブランド化、戦略的な情報発信の現状と今後の方向性について伺います。
③ 都市近接特性の横断的政策活用について
札幌圏へのアクセスを有する本市の立地特性を、例えば「札幌圏の職場を変えずに住居を本市に構える」といった層を取り込むため、都市政策・住宅政策・子育て政策などにどのように横断的に活かしていくのか、市長の考えを伺います。
まさに今、次期総合計画に着手するタイミングにおいて、この「岩見沢に備わる価値」の整理を行うことが、これからの10年先の岩見沢の進むべき方向を左右するのではないかと感じています。
2)次期総合計画について
そこで、次期総合計画についてお伺いいたします。
自治体にとって総合計画は、まちづくりの最上位指針であり、いわば「自治体の憲法」とも言える重要なものです。新たな縮小社会における計画策定には、「量から質」への転換、すなわち住民一人ひとりの生活の質(QOL)や幸福度(Well-being)をどう高めるかが、ますます重要になってくると考えます。
一方、変化が加速する時代において、10年先の予測が難しいのも事実であります。現実的なデータとして、人口減少を前提に、まちの規模を賢く再設計する、いわゆる「スマート・シュリンキング」を大切にすることも必要かと考えます。そこでお伺いいたします。
①10年後の岩見沢の姿について
これまでも実践されてきたバックキャスティング手法を活かすためにも、10年後の人口・財政・産業といった本市の経営資源の現実的な見通しを立てたうえで、どのような規模感の岩見沢市を目指すのかという視点が重要と考えますが、市長は10年後の岩見沢の姿をどのように捉えているか、お聞かせください。
3)中長期財政計画に基づく「選択と集中」
次に、中長期財政計画に基づく「選択と集中」について伺います。
「選択と集中」とは、限られた資源を最適に配分することでありますが、その本質は「何をやめるかを決めること」にあると考えます。
本市では公共施設再編や公共料金の適正化が進められています。しかし、令和8年度予算における経常収支比率は96.9%と高水準にあり、市債残高も約511億円にのぼるなど、財政の硬直化は否めません。人口減少が進む中、このまま従来規模の行政サービスを前提とするならば、将来世代への負担は確実に増していきます。もはや「やめる決断」を避けて通れない局面にあると思われます。
①スクラップ・アンド・ビルドのプロセスについて
そこで、事務事業の見直しを進めるにあたり、どのような客観的基準で優先順位を判断し、最終的に「廃止」や「縮小」の決断を下す体制となっているのかお示しください。
これよりは令和8年度予算の6つの重点分野に基づき質問を進めさせていただきます。
2,「地域で支え合う 安全・安心なまち」について
1)総合的な雪対策の推進について
総合的な雪対策の推進についてお伺いします。今冬の岩見沢は少雪という稀な状況となりましたが、札幌圏では記録的な大雪となるなど、降雪は今後も振れ幅の大きい状況が続くと考えられます。
日々レベルの高い岩見沢市の除排雪に携わる事業者や作業従事者の皆様に敬意を表します。その一方で、少雪による設計変更や委託料の減額は、事業者経営に一定の影響を与えることも懸念されます。雪の量に関わらず、設備や人員を確保し続けなければならない構造にある以上、持続可能な体制維持が重要となってまいります。
そこでお伺いします。
① 今季の除排雪費について
今季の降雪状況を踏まえた設計変更の見込み、路線除雪・排雪作業・雪捨て場等々、それぞれの影響額はどの程度を想定しているのかお示しください。
②降雪量の変化に対する今後の考え方について(追加)
来年以降の降雪量は、やはり振れ幅の大きい傾向が続くと想定しなければならないと思います。そこで、少雪の際に事業経営に著しい影響を与えないよう、契約体制の見直しなどは検討されているかお聞かせください。
③ 担い手不足とICT導入について
建設業就業者の将来的減少が予測される中、除排雪体制の維持は構造的課題であります。ICT導入の現状と今後の実装計画、そして具体的にどのような省力化・効率化効果を見込んでいるのかお示しください。
3,「みんなが健康で元気に暮らせるまち」について
1)新病院を見据えた病院経営について
令和10年秋の開院を目指す新病院建設は、総額400億円を超える本市最大級のプロジェクトです。その第一段階として、本年4月から北海道中央労災病院との経営統合がスタートします。
統合により医業収益は増加する見込みである一方、純損失は約4億7千万円となり、更に累積欠損金も増加していく構造にあります。統合初年度の運営が安定するか否かは、今後の経営に直結する極めて重要な局面であると考えます。そこでお伺いします。
①~④医療従事者や体制の確保等について
令和10年の新病院開院に向け、医療従事者の確保が重要な要素ですが、①今春の経営統合時点で医療従事者の確保は万全か。②また4月から全て計画どおりに進行できる状況にあるのか、③医療従事者や設備の不足が生じた場合のフォロー体制はどうなっているのか、現状をお示しください。
④患者移行状況について
北海道中央労災病院から岩見沢市立総合病院への患者移行は、経営安定の重要な要素となります。現在の外来・入院患者数と移行見込み数についてお示しください。
⑤相乗効果と経営強化プランについて
4月から新たな体制がスタートするにあたり、機能と資源の集約を通じて具体的にどのような相乗効果を生み出し、経営強化プランに基づく経営改善を進めていくのか、市長の考えをお聞かせください。
⑥医療機械器具整備事業について
令和8年度の「医療機械器具等整備事業」では5億8,814万円を計上し、総合病院の超音波画像診断装置などを更新するとあります。令和10年秋の新病院開院を見据えた「分散投資(前倒し購入)」を含むと認識していますが、統合後の体制において、これら最新機器をどのように活用し、高度で専門的な医療の充実につなげていくのか伺います。
4,「活力と賑わいに満ちた 魅力あふれるまち」について
1)岩見沢ワインのブランド力強化について
このたび、産地づくり推進事業として、岩見沢ワインのブランド力強化が新規事業となっています。気候変動の影響もあり、空知地域にワイン産地としての可能性が高まりつつあり、生産のみならず観光を含めた波及効果が期待されます。
岩見沢を含む空知は日本最大の石狩炭田を有する旧産炭地であります。世界遺産となっているフランスのノール=パ・ド・カレーでは、炭鉱由来のズリ山にぶどうを植え、その希少性が高付加価値を生み、高値で取引されているとの情報も目にしています。
岩見沢にもズリ山が存在し、歴史的背景も備わっていることから、将来的にはふるさと納税の返礼品等も含め、大いに夢と可能性を感じている一人であります。
①テロワール創出への意気込みについて
新事業の概要と、ブランド化構築、すなわちテロワール創出に対する期待、また実現の見通しについてお聞かせください。
2)プレミアム商品券発行支援事業について
過去(令和3・4年度)にも実施されたプレミアム商品券発行支援事業ですが、この度、物価高騰対策として予算総額2億4,200万円、プレミアム率20%で総額12億円の大規模な消費喚起となります。
- 経済の市内還流について
そこで、懸念すべきは経済が市外流出する大型店舗だけではなく、市内小規模事業者等を中心に地元経済へ確実に資金を還流させるための仕組みや工夫が重要だと考えますが、現在の考えをお聞かせください。
3)第3期中心市街地活性化基本計画について
現在、策定および認定が予定されています。
幼少の頃にかつての岩見沢の街中の賑わいを知っている世代の一人として、現在の状況は非常に寂しいものがあります。社会構造の変化とともに、中心市街地の位置づけは大きく変わり、現在、買い物目的で市街地を訪れる市民は限られた層となりました。
第2期基本計画における「まちなか居住」と「ICT雇用」の促進も評価に値しますが、各計画でも掲げられてきた「新しい人の流れ」をどう確立するかが、やはり重要であると考えます。そこで伺います。
①これまでの評価と今後の課題について
これまで第1期、第2期の中心市街地活性化基本計画、まちなか活性化基本計画等の多様な取り組みを進めてきた中で、改めて評価と課題についてお聞かせください。
②計画策定に対する重点と到達設定について
また、中心市街地の価値づけの根拠として、私は公示価格、固定資産税収入の指標も重要だと考えています。例えば、岩見沢市全体の行政面積は481平方キロメートルですが、そのうち約0.3%に過ぎない1.47平方キロメートルの中心市街地エリアだけで、岩見沢市の固定資産税収入の10%以上を得ていると伺っています。
このことから、中心市街地の価値の変動は固定資産税収入の増減に影響し、このエリアの価値を高めることは、市財政安定に向けた投資であるとも言えます。
そこで伺いますが、第3期中心市街地活性化基本計画の策定にあたり、どのような点に重点を置き、どのような到達点を掲げようとしているのか考えをお聞かせください。
③岩見沢商工会議所の新会館建設について
現在予定されている岩見沢商工会議所の新会館建設について、岩見沢市と連携を取りながら進めていかれると思います。機能や規模、補助金、実施スケジュール等、未確定な点も多いと思いますが、現状で検討している範囲でお聞かせください。
5,「豊かな心と生きる力をはぐくむまち」について
1)5歳児健診について
こどもの健やかな成長を促すことは、地域にとっての尊い未来投資でもあります。日頃から「こども家庭センター」を中心に、母子保健と児童福祉の一体的な相談支援を行っていただいていることに敬意を表します。
そのような中、母子健康調査や乳児家庭全戸訪問に加え、新たに5歳児健診を開始することとなっています。
①連携支援と課題等について
子どもの社会的な発達状況を確認し、就学に向けたフォローアップを行うとのことですが、具体的にこども家庭センターが、関係機関とどう連携し支援につなげていくのか。また、どのような効果や課題があると認識しているのか伺います。
6,「自然と調和した 快適で暮らしやすいまち」について
1)水明公園の再整備について
水明公園の再整備は、岩見沢のシビックプライドの醸成に資する取り組みの一つと感じています。本公園は大正期に竣工した東浄水場の跡であることはご承知の方も多いと思います。岩見沢は開拓期より水に大変苦労した地域であり、それゆえ日本国内で13番目、北海道内でも2番目の早さで上水道が整備された町です。この度の再整備方針は、地域の歴史を見直すことにもつながると期待しています。
①整備概要とコンセプトについて
そこで伺いますが、水明公園の整備概要やコンセプトについてご教示ください。
7,「市民とともに創る 持続可能で自立したまち」について
1)スマートデジタル自治体の取り組み推進について
市長は市政方針演説の中で人工知能(AI)の「段階的活用」という言葉に言及されました。生成AIは急速に進化しており、行政における業務効率化の可能性は高いと認識しています。
①段階的導入の工程等について
「段階的導入」とされておりますが、その段階とはどのようなステップを意味するのか伺います。また、問題が生じた場合の見直しや責任所在の明確化等を含め、どのような管理を想定しているのかお示しください。
②ガイドラインについて
情報漏えい、誤情報生成、著作権問題などのリスクに対し、庁内ルールやガイドラインは既に整備されているのか。職員教育や利用制限を含めた体制管理について考えを伺います。
2)市役所組織改革について
①今後の行財政改革への心構えについて
市政方針演説の中で、「複雑かつ高度化する行政課題に対応する組織を構築」していく覚悟も示されておりました。DXの推進、AIの活用、業務の効率化、組織のスリム化が掲げられていますが、もちろん単なるデジタル化では不十分であり、業務の棚卸し、部局横断的な再編、職員配置の最適化、そして政策形成能力の向上を伴うことが必要と考えます。次期総合計画と連動した組織改革・人材戦略をどのように構築していくのか。改めて今後の行財政改革を進める上での市長の覚悟をお聞かせください。
次に教育長に教育行政方針からお伺いいたします。
教育とは、生まれてからの成長過程から寿命を迎えるまでの長きにわたり継続して関わる営みであります。岩見沢市の教育行政も「子どもから大人まで、誰もがこのまちで育ち、このまちで学び、このまちで暮らしてよかったと実感できる教育行政」を推進していくものと認識しています。ぜひ年齢問わず「人が育つまち岩見沢」となるよう、教育行政方針に基づき、質問をさせていただきます。
8,「新しい時代に対応できる力の育成」について
1)新技術への環境対応について
近年、生成AIをはじめとする高度な情報技術が急速に普及し、子どもたちは生まれながらにしてAIを活用する「AIネイティブ世代」となりつつあります。文章の要約、構成案の提示、資料検索、翻訳、さらには創作活動まで、これまで多くの時間と労力を要してきた作業が、瞬時に処理できる時代に入りつつあります。
私たち大人世代は、情報がほしければ図書館で資料を探し、何度も手書きで書き直し、試行錯誤を重ねる中で思考を深めてきました。いわば「面倒くさい工程」を通じて、忍耐力や構造的思考力を身につけてきた世代であると思います。
一方、これからの子どもたちは、学校現場でもAIを活用する場面が広がる中で、そうした工程をAIが補助する環境で育ちます。これは大きな可能性であると同時に、教育のあり方を根本から問い直す契機でもあると感じています。
そこで、お伺いいたします。
① AIネイティブ世代に求められる学力観について
AIによって情報取得や文章作成が容易になる時代において、学校教育で育むべき力とは何か。従来の知識量や作業処理能力に加え、「問いを立てる力」「生成された情報を批判的に検証する力」「自らの言葉で再構築する力」といった能力が一層重要になるのではないかと考えます。本市は、AIネイティブ世代に求められる学力観をどのように整理しているのか、教育長の見解をお示しください。
② AI時代の教育方針について
AIを教育現場で活用すること自体を否定するものではありません。しかし、過度な依存は思考の外部化を招く懸念があります。例えば、レポート作成や作文において生成AIで下書きを行うことが常態化した場合、子どもたち自身の構成力や表現力がどのように育まれるのか懸念があります。
AIの活用範囲について、「どこまでを許容し」「どこからを自らの思考として求めるのか」を明確にする教育方針が必要と考えますが、教育長の考えを伺います。
③効率化と深い思考の両立について
私たちが経験してきた「時間をかけて考える」「遠回りをする」「試行錯誤して悩む」などのプロセスは、単なる非効率ではなく、思考の骨格を形成する重要な時間でもあったと感じます。AIが瞬時に答えを提示する時代において、あえて考え抜く時間をどう確保するのか。効率化と深い思考の両立について、教育現場としてどのような工夫を検討しているのかお示しください。
9,「育ちと学びを支える教育環境の充実」について
1)くりさわ学舎について
岩見沢市内初の義務教育学校として開校した「くりさわ学舎」について、今後、新校舎整備を進めていくこととなり、図書館などを含む来夢21の機能を統合することが計画されています。そこで伺います。
①来夢21機能の統合について
来夢21はこれまで、図書館・資料館・こども館・多目的ホールを備えた社会教育施設として機能してきました。基本計画では、「図書館機能およびこども館機能を新校舎へ集約」とされています。そこで伺いますが、機能のコンパクト化が示されている中で、現在の蔵書数と、統合後に想定する蔵書規模はどの程度を見込んでいるのか。また、その選別基準と専門職の配置体制について、どのように考えているのかお聞かせください。
②機能統合の効果について
来夢21の機能が学校と統合されることにより、図書館を核とした学び環境が、学校教育と社会教育の両面で一体化し、児童生徒と地域住民が同じ空間で学ぶ環境が根付くことを期待しています。一方で基本計画では、「児童生徒と地域利用者の出入口を分離」「動線を用途ごとに区分」「安全性と防犯性への配慮」などが明記され、不特定多数の大人が出入り可能な公共施設機能を学校と共存するリスクを意識しています。
しかしながらその反面、各種先行事例のように適切にコントロールすることができれば、「学校の中に町があり、町の中に学校がある」環境づくりが実現し、子どもたちにとっては多様な大人と接する機会が増え、社会性や自己肯定感の醸成にもつながる可能性があります。9年間を同じ施設で過ごす義務教育学校だからこそ、地域との接点の質が子どもたちの人格形成に与える影響は大きいと考えます。改めて、来夢21機能の統合が教育効果としてどのような価値を生むと想定しているのか、「地域に開かれた学校」として、どのような姿を目指すのか教育長の見解をお伺いします。
10,「放課後活動の充実」について
1)サードプレイスの視点について
現在、本市では市内12か所の児童館や1,169人が登録する放課後児童クラブを整備し、共働き世帯を支える重要な役割を果たしていただいています。その取組に心から敬意を表します。その一方で、放課後に子どもたちが自ら行き先を決め、仲間を集め、自然の中で遊びを創り、時に失敗しながら学ぶような主体的な時間というのは、社会全体として減少傾向にあるとの指摘もあります。
安全確保は大前提ですが、行政が一定の安全を担保しながらも、子どもたちが自ら選び、自らつくることのできる「サードプレイス(第三の居場所)」という視点を持つことは重要ではないでしょうか。そうした経験は、「主体的に学び続ける力」や、数値化しにくい非認知能力の育成とも深く関わるものと考えます。
そこで3点について教育長の見解を伺います。
① 放課後の位置づけについて
放課後の位置づけについて、教育行政方針では新たに『キミがHERO』を合言葉とし、「子どもを主人公とした学びを自分事とする学校教育」を推進するとあります。私は、この「自分事」という姿勢は、教室の中だけでなく、放課後の自由な時間においてこそ最も純粋に発揮されるべきものと考えます。本市は放課後の時間を、主体性や創造性を育む教育的な時間として、具体的にどのように位置づけているかお聞かせください。
② 新たな放課後の可能性について
新たな放課後の可能性と「岩見沢らしい」資源の活用について、全国には、プレイリーダーが見守りながら子どもの主体性を尊重する取組も種々見られます。現在、岩見沢市では「あそびの広場」が整備され活用されていますが、主な対象は幼少期の子どもたちであり、小学生以上の子どもたちが自ら選び、遊びを創造する「第3の居場所」が不足していると感じています。
本市においても、まずは小規模なモデル的取組や期間限定の試行からでも、非認知能力を育む、子ども主体の遊びを支える可能性について、調査研究を開始する考えはないでしょうか。自然環境や大学・高校との連携など、本市ならではの資源も活かし得ると考えますが、教育長の見解をお伺いします。
③ 非認知能力との関係について
先行きが予測しづらい時代において、自ら問いを持ち、仲間と協働し、身体を使って試行錯誤する経験は、非認知能力を育む大切な基盤になると考えます。
教育行政方針に示された「多様な他者と協働しながら、自らの人生を舵取りしていく力」の育成という観点から、放課後の時間をどのように位置づけているのか、改めてお聞かせください。
以上、市民クラブの代表質問といたします。
※この原稿は3月5日時点でのものです。若干変更になる可能性があることをご了承ください。