一般質問概要_通告&読み原稿 (新病院の建設について)

〈令和5年12月8日投稿〉

今回の一般質問は大きく2点で行います。一つは下記リンク先の太陽光発電についてで、もう一つは令和10年開業を目指す岩見沢市立総合病院の建設についてとなります。

この新病院建設に対する一般質問を行う経緯は、やはり今後想定される厳しい人口減少社会と、それに伴う財政難の時代に向かっていく中で、基本設計(案)中の建設費が423億円+αもの巨額となること、また職員数が現在の岩見沢総合市立病院と、統合する中央労災病院を合計した職員数より多くなる966名という人数を見込んでいることなどを考えると、本当に持続可能な経営ができるのか?という部分に大きな疑問があり、岩見沢市にとっての身の丈をどう捉えるかがテーマとなっています。

以下、一部補足をつけての読み原稿を公開します。


2, 新病院建設について

1) 岩見沢市財政に与える影響について

これまで提示されていた概算事業費は344億円と非常に巨額の予定でありましたが、今回12月1日の新病院建設特別委員会で示された見直し後の概算事業費は423億円と、それまでより79億円もの増額となりました。様々な要因による物価高騰の時流から、予想はしていたもののあまりの巨額さに心配が募ります。特に今後の社会構造を鑑みると日本全体が人口減少局面、特に地方は絶望的な人口減少推計が示されている状況下、新病院建設に423億円で、しかもその大部分が企業債すなわち借金で賄うことに懸念の声が高まります。


そこでお伺いをいたしますが、本年3月に私が実施した市民クラブの代表質問において、事業収支シミュレーション中、中長期財政計画で一般会計から病院事業会計への繰出金がどのように想定されているかお伺いしました。その答弁では病院経営に対する従来からの繰出金が年12億円。企業債の元利償還金に対する繰出金はピークとなる令和12年から14年度にかけては年13億円程度となる見込みとされていました。今回の423億円をベースに試算した収支シミュレーションにおける一般会計からの病院経営に対する繰出金と、元利償還金に対する繰出金の状況はどの様に想定しているのかご教示ください。また、この繰出金の増加が今後の岩見沢市の財政状況において、どの様な影響を与えると考えているかお聞かせください。


現在の市立総合病院は建設後長い年月が流れ、設備の老朽化や狭隘化、南空知医療圏の中核施設としての意味合いもあり、一刻も早い建て替えを期待されているのは重々承知しています。できることなら私自身も、地元で、最新の設備の立派な病院があることで健康と安心を維持したいという思いがあります。また働く方々にも素晴らしい環境下でその優秀な力を発揮していただき、一人でも多くの当事者の方々を救っていただきたいという思いがあります。しかしながら現行の計画で示されている内容からは、前述の懸念のように、岩見沢市の財政がこれで深刻な悪化に繋がってしてしまうのではないか。しないまでも巨額の財政負担により、本来必要とされる事業を長年にわたり後回しにしなければならないことも多々出てきてしまうのではないかと判断がつかない状況です。


これは本年10月の決算審査特別委員会でも質問させていただきましたが、本市は経常収支比率をとっても硬直化の目安となる80%を大きく超える98%前後となっています。地域経済システム(RESAS)の2021年度のデータを見ると、北海道内では夕張市についでワースト2位という苦しい状況です。これは入ってくるお金に対し、出ていくお金の約98%の支払い先がすでに決まっているというもので、自由にできるのは残り僅か約2%という状況です。これは自らの家計に当てはめてみれば懸念すべき状況が想像できると共に、市として地域の課題解決に対する独自事業を行おうとした際、手元には自由になる財源がなく、国の補助メニューなどにあるものしか手をつけられないという表現になると思われます。現状でも、すでに予算要望等で各担当レベルでも本来必要と考えている予算を取得することができず、非常に厳しい状況と耳にすることがあります。新病院の建設が現在のまま進行すると、この財政的な負担も増大し、ただでさえ経常収支比率の改善にも苦慮している状況下、益々財政の柔軟性が損なわれることが考えられると思うのですが、その経常収支比率に対する今後のシミュレーションはどうなっているかお聞かせください。またそれに対する市長の考えをお聞かせください。


2) 職員の確保について

新病院の職員数について、令和4年8月に開催された新病院建設特別委員会で質問をさせていただいたところ、その時点での職員数は現行の市立総合病院が681名、労災病院が285名の計966名で、新病院稼働時の職員計画数は市立総合病院と中央労災病院の現状の職員数合計を超える979名と提示されていましたが、先日開催された委員会では、更に精査された値として966名という提示がありました。これは委員会開催時に示された現行の市立総合病院職員数より285名の増加となると思いますが、改めて本年3月に示された岩見沢市職員定員管理計画で令和14年までの今後の職員数を見てみると、この医療職に関するその様な増加傾向は記載を見つけることができませんでした。よって、現在の新病院建設に関する計画と岩見沢市職員定員管理計画では令和14年までの医療職の状況をどう想定しているか確認をさせてください。

また、計画通り建設を進行すれば、最新医療設備の充実などから、医師の派遣や看護師等の新規採用も良好になるのではないかと期待をするところですが、医師に関しては来年4月から残業規制が導入される予定です。医師の過重労働緩和に向けて一歩前進することになるものの、地方においては札幌などの大学病院から地方の病院への医師派遣が困難になるという見方が強く、地域医療体制の縮小を招くリスクがあると言われています。また、看護師等医療従事者においても、現実的な思考をすれば、現在の計画に基づくと、市立総合病院と中央労災病院の職員の方々の大部分が新病院に移行してくれる必要があります。しかし現在のアンケート調査では検討中という方はもちろん、残念ながら転籍は考えていないという方も多いと聞いています。また現在は高齢化や生産年齢人口の減少もあり、働き手の不足が社会問題となっています。本年2月の北海道新聞の記事では、砂川市立病院が4月から看護師不足により精神科の病床を80床から約40床に縮小する決定をしたことが報道されていました。


特に今後の人口減少の傾向として、南空知医療圏の生産年齢人口が2025年には約68,000人いる推計が2040年にはその6割を切る約4万人になってしまいます。現在から2040年までのデータでは、高齢化社会の進行により65歳以上人口はゆるい減少で済むため病院利用者数は比較的維持されていく見込みがありますが、これも実際には、今後の少子高齢化社会の益々の進行で国の社会保障制度改革が避けられない状況下、より国民負担が増えることでどうなるかは予想がつきません。何より、生産年齢人口の大幅な減少が進んでいく中で、さらなる医療従事者不足が懸念される中、本当に計画に準じた職員を確保し続けることができるのでしょうか。これは努力や根性ではなく優れた戦略がなければ実現は難しいのではないかと感じるのですが、どのように考えておられるか市長の見解をお聞かせ下さい。


〈補足:今後の南空知医療圏域における人口推移(社人研)〉

社会保障人口問題研究所の推計値を元に南空知医療圏の人口推移を拾ってみました。

グラフにするとわかりやすいのですが、グレーの線が生産年齢人口でいわゆる職員として働いていただける年齢層の推移となります。青い線が65歳以上の高齢者となり、さほど65歳以上人口は減少速度が早くないことがわかります。オレンジの線は参考までに15歳未満の人口推移となります。

このグラフを見るだけでも患者数の減少は緩やかであるが、職員の確保がどれほど難しいものとなるか想像できるかと思います。


3) 身の丈にあった新病院建設の建設について

岩見沢市は本年1月から3月の間、NTT東日本、北大等の5者と協働で、課題解決型ローカル5G等の実現を視野に、遠隔医療サービス提供に向けた医療実験が行われました。北村支所の駐車場に診療所に見立てたバスを置き、北大にいる医師2名の方が遠隔でロボットアームを動かし、高繊細な8K映像で、報道のインタビューによれば、担当された医師は「血管まで確認できた。このレベルの画像を使えれば、診察のイメージがしやすい」とあり大いに期待が持てる状況でした。この実証実験は、そもそもルーラルエリア(都市部から離れた地域)と専門医をつなぐことで、医療資源の少ない地域などでの効率的・効果的な医療提供体制の整備、医療従事者の働き方改革にも寄与することが期待され、医師・患者を維持する自治体の負担軽減に繋がるとされています。まさに医療の世界にも従来型の思考のみならず、新たなフェイズが迫ってきていることを感じざるを得ません。


またつい先日、三笠市立病院の建て替えが報道されておりましたが、すぐにではないものの、外来診療を現在の12科から、将来的には受診者数の動向から眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科をなくし、9科に減らす方針であることも示されていました。


これらの様に、新たな時代に向けたポジティブな変化と同時に、地域の人口減少が否応なしに進むネガティブ要素の強い難しい時代において、私の周りでも本市単独で423億円の巨額の投資を行うのが本当に市民のためになるのか疑問の声が高まってきています。今回の計画に当たっては、岩見沢市の単独の動きではなく、複数医療機関の再編・統合事例として国の重点支援区域に選定され、中央労災病院との統合という事情があることから、開院に向けたスケジュール等も簡単には調整が利かないという事情も想像することができます。しかしこの現計画の病院建設は公共施設再編計画を始め、市の様々な計画にも影響を及ぼし、尚且つ財政的にも現時点で423億円もの巨額で、その大部分を企業債という借金で賄う点、そして規模が大きく、前述のとおり職員の確保一つとっても、この困難が山積するご時世にクリアできるのか等々、懸念すべき要素が多すぎると感じています。これが果たして今後益々厳しい時代に向かっていく岩見沢市において、本当に持続可能な身の丈にあった規模と言えるのかどうか、なかなか判断がつかないのが実態ですが、改めて新病院が長期間にわたって使用されることを含め、現在の計画が岩見沢市の身の丈にあっていると考えておられるかどうか市長の見解をお聞かせください。

本新病院の建設計画にあたり、市民の方々と色々とお話をする中で、あまりにも巨額で大規模ゆえ、多くの市民はなかなかイメージを抱けず判断がつかないことも多いと感じています。しかし財政的な視点、様々な要素における持続可能性を含め、心配をされている方は大勢いらっしゃいます。よってもっと現実的な課題や影響等を市民の皆様と共有しながら、理解を深めるべきではないでしょうか。これら様々な懸念をクリアしていくことができなければ、非常に大きな決断が必要なことではありますが、ここは一旦、立ち止まってでも冷静に判断すべき時ではないかとも思っています。


計画が半年遅れれば建設費のさらなる高騰も考えられる難しい判断です。しかし、先日の委員会において飯川副市長からの発言で、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したものの、市立総合病院、中央労災病院共に入院、外来の患者数は、コロナ禍前の状況に戻っていないとのことで、現在の病院経営的にも厳しい状況となることが予想されます。これらの状況を鑑み、施設規模を見直すことも考えている旨の発言がありましたが、これをしかるべき機会と捉え、岩見沢市の中長期の状況変化を見据えた検討を行い、病床数のみならず、診療科数を含め新病院の計画を今一度見直すべきではないかと思うのです。


これまで真剣に議論を重ね、様々な制約の中でベストを尽くしてきた職員の方々並びに関係各位へ、心からの労い、感謝と敬意を表するところですが、岩見沢市にとって、財政的にも、職員の確保という側面においても「身の丈にあった市立総合病院」という観点で、今後計画されている、施工予定者選定公募型プロポーザルとES事業者選定公募型プロポーザルが実施される直前の現段階で一旦立ち止まり、将来を見据えた、岩見沢市に適した「身の丈」を追求した計画へ修正を図ることが必要なのではないかと思うのですが市長の考えをお聞かせください。


先日の12月1日に新病院建設特別委員会が開催され、その中で新たな基本設計(案)が提示され、現在パブリックコメントを実施中です。ぜひ本一般質問や答弁の状況を御確認いただき、パブコメに反映していただければ幸いです。

私の一般質問は12月12日(火)13時開会の4人目の登壇となります。

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