〈平成27年6月4日投稿〉
国では「まち・ひと・しごと創生法」及び「地方再生方の一部を改正する法律」等が成立し、「長期ビジョン」「総合戦略」が出され、「地方創生」という言葉が益々存在感を増しているところです。
その国の施策とし、この岩見沢市においても、まち・ひと・しごと創生法の第10条に基づき「市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略」を平成27年度中に策定することが〈努力義務〉として求められております。
その策定に向けて、いち早く動き出していたのが、昨年10月より市役所内の組織の枠を越えて構成されている「組織横断型課題対策チーム(以下CFT)」であり、人口減少対策チームと地域経済活性化対策チームの二つが設置されています。
その調査の結果として、今年の3月に中間発表がなされています。
(下記よりダウンロードできます。)
*人口減少対策チーム中間報告
*地域経済活性化対策中間報告
この中間報告の内容を見ると、非常に良くまとめられており、行政の調査能力の高さを感じることができます。ただ、問題は現状を分析把握した後に、どのような解決イメージを描くことができるかにかかってきます。
そのために市役所では、報道にもあったとおり、市長、両副市長、教育長、各部長級12名で構成する「人口減少問題対策本部」を5月に立ち上げ、「岩見沢版総合戦略」の策定を行います。また、他に外部組織として、総合戦略推進委員会も設置されます。これは産学官金労で構成される他、以下の様に市民の公募も行われています。(広報いわみざわ6月号参照)
ただこの公募も、先日の総務常任委員会でも質問の中で触れさせていただきましたが、「平日午後の会議に参加出来る方」という括りがついてしまいます。この総合戦略を策定するにあたり、どの様な層の声を聞きたいのか?と考えた時に、本来であるならば、今、普通に仕事をしている人々の声と課題を集約していくことも重要だと思うのですが、市役所の会議の性質上、なかなかそこから脱却できない難しさがあります。
というのも、主に有識者で会議体が構成される場合、それぞれの組織・団体から代表者が集まってきます。その方々は通常の仕事の一環として来る場合が多いので、どうしても普通の勤務時間内が会議の時間となります。他には仕事の役職以外でも様々な団体の代表となると、これまた青年団体以外は、仕事をリタイアされ第二、第三の人生の中で関わっている団体として参加されるので、夜の会議より日中の会議の方が出やすいという意見がでます。
これは以前関わっていた、まちづくり基本条例等も同じ構図で、私たち世代は夜の会議の方が参加しやすいと意見を出しても、上記の様な理由でどうしても日中の開催になってしまう経緯があります。
であるならば、これまでのような構成の会議で十分という性質のものは良しとしつつも、今後の岩見沢の方向に大きな影響を与えるような会議に関しては、やはり現役世代の声をより多く集約できる環境作りが不可欠だろうとも感じています。そのあたりは行政の危機感も含め、今後に期待をしたいところです。(*話が少々脱線してしまいました。)
今後の総合戦略等策定までのスケジュールです。
人口ビジョンに関しては7月。総合戦略に関しては、10月完成となっています。
総合戦略については、それぞれヒアリングやアンケート、はたまたワークショップ等も検討されています。是非、多くの声を聞き、〈集合知〉としての未来イメージを構築できれば理想です。ただ、そこに必要なのは何らかのリーダーシップか、的確な起草セクションの存在なのだろうとも感じています。
すでに多くの市町村で総合戦略が策定され、ちょっと検索するとズラリと出てきます。
その内容として、主にコンサルが作成し、各市町村名と概要のデータを打ち替えると、どこの市町村でも応用できるようなものになっては台無しです。
私は、この岩見沢が130年以上歩んできた歴史と文化の延長線上に未来の岩見沢を描くという行為がなにより重要だと感じています。そのことにおいても、仲間達と力を合わせつつ、自分の意見を明確につくってみたいと考えています。
さて、この「まち・ひと・しごと創生法」に関してですが、実は今年の選挙直前に参加した木村俊昭氏の合宿においても大いに話題になっておりました。(木村俊昭氏は、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部の特別参与)
岩見沢が前例踏襲の居眠り自治体となるのか、先取り自治体となるのか。
この総合戦略がひとつの試金石になると感じています。
しかし、これは行政まかせにしていてはならないこと。私は勿論、多くの人々が自分たちのまちの未来に向け、様々に課題抽出とその解決、夢づくりについて思いを馳せなければならないとも考えています。
そういった考えのベースに至るものとして、先に紹介したCFTの中間報告も大いに意味のあるデータであると思います。是非、ご覧いただければ幸いです。
この様に、地方創生のかけ声の中で、半ば強制的に戦略を策定しなければならない状況。これを良きチャンスと捉えて、岩見沢の今後に向けた前向きなエネルギーをつくって行ければ良いですね。
目指すは”civic pride”(まちへの愛着・誇り)の醸成です。