平成26年第4定例会一般質問議事録

平成26年3月3日投稿

昨日より議会が始まりました。
市議会webサイトに前回(平成26年第4定例会(12月議会))の議事録が掲載されておりましたので、私の一般質問の部分を転載いたします。

今回の質問は、

①今年であえーる岩見沢内に整備される「屋内型遊び場」を整備するに至った現状認識について
②現在計画中の屋内型遊び場の運営について
③岩見沢市が持つ豊かな自然や公園を活用した遊び場づくりの推進について

の3点です。

下画像は市議会便りに掲載されたダイジェストとなります。非常にコンパクトに良くまとまっておりますが、その詳細については下に正式な議事録を転載しておきます。是非ともダイジェストだけでなく、青字、赤字で記載した正式な議事録を読んでいただけると質問の真意等も感じていただけるかと思います。

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***以下、公式議事録転載***
(市長答弁(赤文字)のアンダーライン及び太字は、重要なキーワードとして私が追記したものです。)

 


 

議員(平野義文君)〔登壇〕 通告に従い、一般質問をさせていただきます。

 今回は、生産年齢人口層の多くにかかわるこの岩見沢で子育てをしたい。そう思っていただけるような魅力づくりに直結しうる、子ども成長に不可欠な遊び環境の推進について、松野市長にお伺いをいたします。

 まず、現在の子供たちを取り巻く環境に対する現状認識について、お伺いいたします。

 かつて子供たちは、遊びに遊び、その中で社会性を学び、コミュニケーション能力を育み、そして運動能力を開発してきました。

 しかし、今は、道路や空き地は子供たちにとっての遊び場ではなくなり、ゲームやインターネット等の電子メディアの発達は、子供たちの遊びを受動的なものに一変させ、著しいインドア化を招き、また、コミュニケーション能力や五感を使い感受性を育む機会を極端に失わせてしまっています。これらは私自身、平成25年第3定例会、また平成26年第2定例会でもふれさせていただいており、松野市長が会長を務めております「青少年問題協議会」においても一部議論がなされ、主に電子メディアに対する緊急メッセージが出されたところでもあります。

 このような状況を鑑み、1989年に国連で採択され、1994年に日本でも批准された子どもの権利条例の理念を普及するため、多くの市町村が子どもの権利条例を設定し、その具現化のひとつとしてプレーパーク等の遊び環境の整備をしてきたのはご承知のとおりかと思います。

 しかし、現在の子供たちを取り巻く環境は、この条例化が顕著になったころに比べ、電子メディアの発達に伴う影響も強まり、より一層厳しいものになってきていると想像するところであります。

 そこで今年、何度か報道でも取り上げていただいた通り、保護者有志の方々と、またここにいる複数の議員の方々と連携した中で、岩見沢プレーパーク研究会が立ち上がり、これまで市の公園をはじめとする担当部局の協力もいただきつつ、「あそぼう会」と称して、昨日の開催を含め4回ほど実験的開催をされてきました。

 ここでは自分自身を含め、日ごろから慣れ親しんでいる方々以外においては、子供も保護者もアウトドアでの遊び方がよくわからない。そういった事実に直面します。

 それは大人も子供も普段から、与えられた環境下で楽しむ受動的な遊び環境につかってきた証拠と言っても決して過言ではなく、多くの子供たちが、本来、成長の機会に必要な自分たちで遊びを発明する、仲間と工夫してもっと面白くする、未知のことに挑戦する等の能力が育まれにくい状況であることを確信するに至ります。

 こうした受動的環境につかっていると、本来、遊びを通して身につけていくはずの身体性、社会性、感性、創造性、挑戦性等々、将来において物事を自分で切り拓く能力を失ってしまうことに繋がってしまうことを非常に心配しているところであります。

 こういった現状は市としても十二分に分析をされていると思われ、現在策定中の「子ども・子育て支援事業計画」の審議過程を拝見いたしますと、「であえーる岩見沢」に、子育て支援施設を集約するとともに、遊び場の計画についても議論されていると認識をしており、また議会の委員会のおいても報告をいただいているところであります。

 そこで改めて、今回、この屋内型遊び場がどのような経緯、並びに現状認識のもとに整備することとなったのか、また、今後どういった展開を考えられているのかお伺いをさせていただきます。

次に、現在計画中の屋内遊び場の運営についてお伺いいたします。

子ども・子育て支援会議の記録を見ると、「あそび場とは、特に目的がなくても来やすい場所であり、見守ってくれる人、遊びを指導してくれる人、ソーシャルワークの役割をしてくれる人が大事で、教育大との連携なども検討する」とされています。

この一文を読むと、ソーシャルワークの役割とは、子供が自分の責任で自由に遊ぶことのできる冒険遊び場に配置されるプレーリーダーの役割に類似したものと想像をするところであります。

どこのプレーパークや冒険遊び場でも気を使っていることとして、子供が生き生きと遊べることが重要であり、それには相反する危険も伴います。

そこで通常は子供自身が失敗したら怪我をするかもしれないと想像できるリスクは取り除かず、予測できない危険、ハザードは徹底的に取り除くという設定の中、子供自身が責任も持つことで、自由に遊ぶことができるような環境が構築されます。

その背景には、責任を取るのが大人や施設管理者だけでは、どうしても禁止事項ばかりふえていってしまい、結果として子供の自由な発想を妨げてしまうことから、本来の子供たちの主体的な活動を奪ってしまうことが挙げられます。

ここで何よりも重要と考えるのは、運営側と利用する方々の認識が、サービスを提供する側、サービスを受ける側に分離しないことだと考えています。

そこで、今回の屋内型遊び場の運営に関して、この遊びの価値を尊重し、その活動を後押しできるプレーリーダーの役割を担えるような、専門的な立場の人を置かれることを想定しているのか、また、利用する子供や地域住民などに、どういった役割を期待されているかをお聞かせください。

最後に、今後のより一層の遊び環境づくりの推進についての考え方をお伺いいたします。

先に述べた通り、今現在は公園をはじめとする担当部局の協力もいただきながら、有志を中心として実験的にプレーパークを開催している状況があります。

しかし、そこは保護者中心の有志で開催することによるメリットもあれば、それゆえの限界もあり、広く周知することの難しさや、継続性の確保等、さまざまな課題が見えてきつつあります。

我々としても、活動を広く市民に理解していただけるよう努めたいと考えておりますが、その一方で、市全体としての遊び環境の充実を図るためには、このたびの屋内型の遊び場の整備を契機に、行政としても何らかの推進策が必要となってくるのでは、と感じているところです。

先進的な他都市事例においては、行政による直接的な運営から、民間によるプレーリーダーやプレーワーカーの養成や雇用、運営組織の育成、民間活動への支援や指導等々、事情に合わせた多様なアプローチがあり、一概にどれが最適かということは言える状況ではありませんが、この岩見沢市においても、何らかのアプローチをしていくことも、子供たちが置かれている環境を考えると必要なことではないか、と考えているところです。

子どもの権利条例の趣旨の一つである発達、育つ権利において、遊び環境がとても重要なものという認識が一般的になりつつある今、今後の岩見沢市が、子育て世代にとって魅力的なまちとなるためにも、子供たちの健やかな成長が期待できる遊び環境の充実は不可欠であります。

幸いなことに、自然環境も豊かで公園なども豊富で、恵まれた環境下にある岩見沢市において、行政がどういう方向で遊び環境を構築していくかは非常に重要なことだと認識しています。

そこで、今回の屋内型遊び場の整備に伴い、岩見沢市が持つ豊かな資源を活用し、子供たちが自己責任で自由に遊べる、遊び環境づくりに取り組むことに対する市長としての考えをお聞かせください。

以上、一般質問とさせていただきます。

議長(伊澤幸信君) 市長。

市長(松野 哲君)〔登壇〕 平野議員の一般質問にお答えいたします。

 子供の成長に不可欠な遊び環境の推進についてのご質問でございます。

 初めに、市が「であえーる岩見沢」に屋内型の遊び場等を計画するに至った経緯と現状認識について、でございます。

 平成24年4月にオープンいたしました「であえーる岩見沢」の3階には、中心市街地の活性化と利用者の利便性向上のために、それまで別々の場所にありました「子育て支援センター」、常設型親子ひろば「ひなたっ子」、「幼児ことばの教室」を集約し、さらに、子どもの遊び場も設置したことから、利用者から好評をいただいております。

 しかし、現在の遊び場を見ると、遊具の配置などから遊び場の高さや広さを生かしきれていない面もあり、例えば、もっと子供の感性を刺激するような工夫もできるのではないかと考えております。

 一方で、「であえーる岩見沢」の空きスペースの活用案として、教育委員会からも、子育て支援に関連する施設をさらに集約し、その機能を高めたいとする提案を受け、庁内の関係部署で連携し検討を進めてまいりました。

また、これを子ども・子育て会議に諮って、専門的な見地からご審議いただいており、近々答申を受けることとなっております。

 「であえーる岩見沢」を子供と子育て支援の拠点とするためには、子供たちにとっては楽しく、行きたい場所であり、保護者にとっては子育てについて気軽に相談できる場所となることが大切です。

 そのため、子供の創造性を伸ばすような、質の高い魅力ある遊び環境をつくるとともに、乳幼児健診や母子相談業務の集約が必要と考えており、この答申をもとに具体的な検討に入りたいと思います。

 最近は、多くの子供がカードゲームや携帯ゲーム機、スマートフォンを使ったソーシャルゲームなど室内で遊ぶことも多く、外で遊ぶときにも、携帯ゲーム機を持って来て、夢中になっている光景に、私自身、違和感を覚えることがあります。

 その一方で、小学校の休み時間や放課後の児童館などでは、大勢の子供たちが元気に走り回る姿を見ることもできます。子供たちは、置かれている環境の中で一番楽しい遊びを選択するという点で、いまも昔も変わらないのではないかと感じています。

 今後の展開として、新しい屋内型遊び場が、子供たちの好奇心を刺激し、いろいろな遊びに挑戦するきっかけになるのではないかと、期待をしています。

 次に、「であえーる岩見沢」に計画中の屋内型遊び場の運営について、でございます。

 屋内型遊び場は、高さと広さを十分に生かし、子供たちが思い切り自由に遊べるようにする予定としています。

 子供たちが挑戦したくなるような、さまざまな工夫を凝らした遊び場とするため、そこには、安全に配慮しながら、状況の変化に応じて子供に声をかけ、遊びを引き出す、いわゆるプレーリーダーの役割を担えるような専任スタッフの配置も考えられます。

 そのほか、市民の皆さんにボランティアとして運営に加わっていただくことも期待をしています。

 次に、岩見沢市が持つ豊かな自然や公園を活用した遊び環境づくりの推進について、でございます。

 岩見沢には利根別原生林をはじめとする豊かな自然環境や、大小さまざまな公園があります。子供たちがそうした環境を、最大限生かして自由に遊べるように、また、大人や高齢者の生きがいと健康づくりにも広く活用できるように、ことし着手した利根別原生林ワークショップの成果をはじめ、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

(「終わります」と呼ぶ者あり)


この子育て施策としては、どこの自治体も人口減対策の有効打として考え始めており、すでに当たり前のレベルが相当底上げされてきている感があります。企業における電話等と同じように、「あれば儲かる」というものではなく、「なければ商売にならない」という域に達しており、各地方都市において、子育て施策を手厚くしていくことは、選ばれるまちになるためには「当然」のことです。

だからこそ明確なビジョンが必要となってきます。

子どもを健全に育てていくためにも、子どもの遊び環境(遊育と言い換えても良いかもしれません)の重要性は今後益々クローズアップされてくると信じています。今朝も岩見沢市の子ども達の体力が平均より低いという結果が報道されておりました。今はスマホやインターネット依存も歯止めがかからず、益々懸念される事態になっていきます。運動や遊びも、ただ保護者に声掛けするだけではなく、行政としてもこれを問題と捉えて、抜本的に解決していくための行動をしていかなくてはなりません。

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