ゴミのポイ捨てから思う。モラルってなんだろう?

〈令和6年4月6日投稿〉

昨日は小・中学校の入学式でした。
この度入学されたお子様、保護者の皆様に心からお喜びを申し上げます。

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今回、お招きいただいた第一小学校ではこの様なめでたいお茶を出してくれました。

桜花の塩漬けはほんのりしょっぱく、見た目も可憐で一足早い桜を楽しめ、とても素敵な気分を味わうことができました。

ありがとうございました!


さて、その入学式に合わせてというわけではないのですが、雪どけから何回か自宅周辺通学路のゴミ拾いをしました。と言っても大したことはなく、朝の犬の散歩ついでに火ばさみと袋を持って歩くだけのことです。

そこでここ最近もの凄く目立ってきたのが、加熱式の電子タバコのフィルターです。

一定数、非常によろしくない人がいるようで、冬季間に何度か車中から纏めて廃棄したと想像されるのですが、数十本のフィルターと綿棒などのゴミがひとかたまりに捨てられているのを3個所ほど片付けました。

ちなみにこの画像のところはまだ少ない方で、事前に拾った他の場所では更に大量のフィルターとタバコの空き箱なども一緒に捨ててあった状況。

これらタバコ(電子も一般的なものも)のフィルターは通常は長めの一本ものなのですが、構造的には短いフィルターを数本つなげて紙で巻かれているようで、水に濡れると短く分散されてしまう。これをひとつずつ拾うのはとても手間がかかります。

そして実はこのフィルターは紙ではなくプラスティックを多く含むようで、UNEP(国連環境計画)が示すゴミが分解されるまでの時間は10年間とのこと。紙の部分は数ヶ月で分解されるのに、このフィルターは10年経たないと分解されないというのは、昨今いわれているマイクロプラスティックによる生態系への影響にもつながってくるわけですね。

実際にポイ捨てをしている人は、当然その様なことを思い描くこともなく、自分の車内やポケットから不要なものが消えるだけなのかもしれませんが、その結果、道路には醜い「ゴミ」が散乱することとなり、それを見た子ども達が何を感じるのか。また、その延長線上には生態系にも影響を及ぼす環境破壊に繋がっていくことまでには到底思慮が及ぶことは無いのだろうと思います。


毎年のことですが、傾向としては日々の通勤途中?に車から捨てる人や、歩道を歩きながら吸い殻やタバコの空き箱をポイ捨てする人がいるようで、落ちているタバコの銘柄もかなり限定的な状況。もちろんタバコだけでなく、コンビニなどで買って食べ終わった袋等を捨てる飲食系のゴミも相当数あります。

現在は冬季間に蓄積したものが、雪解けとともに可視化されてきたので特に大量です。

昨朝もわずか30分でちょっとした買い物袋ひとつ分のゴミが集まりました。

少なくとも市政に関わる身としては、これを仕組みでなんとかしようと思えば、先進地で行っているような条例の制定等が考えられますが、その抑止効果はあまりにも限定的です。いくらルールや罰則を設けても誰も見ていないところでは人間は弱いものです。

ジャン=ジャック・ルソーは「法律は少ないほど良い国だ」と考えていたようですが、最終的には人間それぞれが社会の一員としてどう振る舞うのか。それをモラルというのでしょうが、社会契約論の視点の一つでいけば「社会を構成する人々に理性を強いる」ということになるのかもしれません。

結局のところ、多くの人々それぞれの自主的な行動として昇華するには、教育という概念が不可欠であろうと思わざるを得なく、この「モラル」という面においては、その最たる効果を発揮するのは「大人が見本となる良き背中を見せる」ことに他ならないのだと思います。

でもとても難しいことですよね・・・。
人ぞれぞれの環境が異なり連鎖があります。

だからこその想像力であり、想像力と言って思い出すのは・・・

ユヴァル・ノア・ハラリは、著書の『サピエンス全史』(柴田裕之訳〈河出文庫〉)の中で、人間と他の動物との大きな違いとして「虚構を信じる力(想像力)」があると述べています。例えば神や貨幣、法律、法人、ブランド、国家、人権や平等など、まさしく「虚構」でしかないものを「集団で信じる」がゆえに私たちの今の社会があるということになります。

この虚構を信じ守ることがモラルでありルールでもあるし、そのためには社会を構成する一人ひとりに理性を強い「イマダケ カネダケ ジブンダケ」では世の中が立ち行かなくなることも想像しなければならないのだろうと思うのです。

とはいえ私自身・・・、

今回のごみのポイ捨てのようなことに関しては、正義を振りかざしながらこのような行動をしているものの、他の部分においては全くもって至らぬ、、、他者から見れば「想像力が足りない」と思われてしまうような要素を併せ持っているのだろうと思います。だからこそ今回のような気づきの中で「人の振り見て我が振り直せ」という言葉を信じ、自分がちゃんとやれているのかどうかを謙虚に省みる機会にできたらと思っているのですが、まぁ、それでもなかなか気づけないのが人間なんですよね・・・

少なくとも、「人に迷惑をかけない」という概念と「自分も生きている以上、誰かに迷惑をかけているのだから、あらゆるモノゴトを寛大に捉えよう」との両面をバランス良くストレスの無いように生きていかなくてはならないのでしょうね。


最後に、春先に一番最初に咲く花はビニール袋などでできたごみの花です。

これらも道路などで何気なく捨てたゴミが側溝や雨水桝を通って川に流れ込み、鼻毛にひっかるかの如く木にひっかかったのが可視化されただけで、この何十倍、何百倍?ものゴミが海へストレートに流れていっているのだろうと思うと・・・

人間は愚かです。

当然自分も含めてです。

日本と他国の人口ピラミッドから徒然に〈雑記〉

〈令和6年3月24日投稿〉

色々と作業に追われてしまっていて、私の容量の少ない頭もフリーズ気味になっているので少し現実逃避の気分転換で全く関係ないことを見てみました。

まず、日本の人口ピラミッドと他国の状況について。

よく炭鉄港系の講演などで、世界中の先進国は人口減&高齢化が進行し、日本はその中でもトップランナー的なことを言わせてもらってますが、果たしてそれが他国と比較すると実際にどれぐらいの違いなのか?

【出典:総務省統計局 世界の統計2024より

上記グラフは各国男女5歳階級別人口になります。

これらを良く見ると、日本はやはり少子高齢化のトップランナーであることがわかります。日本と似ている傾向があるのがイタリア。共に若い層がしりつぼみに減っていきます。また人口の最も多い層が日本では70代にひと波あり、更に50歳前後でもう一つの山があります。イタリアも50歳前後で波があるもののその上は減少傾向。

上記グラフを見る限り、少子高齢化の形としては日本がトップランナーなのは間違いなさそうです。

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人口規模とサービス施設の関連から、岩見沢新病院建設について考えてみます。

〈令和6年3月16日投稿〉

前項の続きとして新病院建設に関して徒然に思考してみたいと思います。

これはあくまで資料等を元に考察するだけで、決して深い推察もなければ結論もありません。というのも、この新病院建設に関しては簡単な事象ではなく、誰もが正解がわからない中で熟考を重ねていくことが必要なのだと思っています。

よって多くの市民の皆様に一緒に考えていただけたら!という願いを込めて投稿いたします。

国土交通省が参考資料として公開しているものに、人口規模とサービス施設立地の確率をデータ化したものがあります。その元データはこちらです(https://www.mlit.go.jp/common/001042019.pdf

前項ではその一部を紹介していますので、まずはそちらをご覧いただければわかりやすいかと思います。


さて、そのデータ中の〈医療・福祉〉の項目を見ると、地域医療支援病院は97,500人の人口規模で50%の存在確率ということになります。現状の人口が約75,000人で今後更に減少が予想されている岩見沢市においては、新たに「地域医療支援病院」として承認、設置されることはあまり現実的ではないこと。ましてや「先進医療を実施する病院」の設置にはほど遠い現実があることがわかります。

しかし現状の岩見沢市立総合病院としては、「南空知の中核病院」という位置づけと、表中の「救急告示病院」というくくりであることを考えると、現在計画されている新病院を建設することそのものは懸念すべき状況ではないことがわかります。

*ちなみに新病院建設を機に、「地域医療支援病院」への承認を得ることを検討されたかどうかを非公式に聞いてみたところ、『当該病院の承認を受けることは、地域の医療機関との機能分化を推進し、診療報酬上もメリットがあるものと考えているが、一方で、当該病院の承認を受けた場合、診療科一律で、紹介状のない患者から定額負担(初診時で7,000円)をいただけなければならないことから、市内の医療機関の現状や患者負担の増を踏まえると、現在の制度では本地域医療の提供体制には馴染まない』とのことで、この基準に関しては現行のままで、上の表中では「救急告示病院」というカテゴリーになろうかと思います。

そこで、新病院の建設そのものは懸念すべき状況ではないと認識すると、あとは健全経営で持続可能な体制をどう設定するかが重要になると考えていて、そこは前回の一般質問でも行った通り、現在の基本設計の規模では到底持続可能な状況にはなり得ないのではないかと私自身は考えています。


下の図は【岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)】の中から引用したもので、南空知医療圏内の人口構成別推計と高齢化率になります。

*この病院事業経営強化プランの資料も参考になることが多いのでぜひ御覧ください。


下の図は同じく【岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)】から引用したもので、岩見沢市の人口構造推移となります。

これらは以前、動画でもお伝えした内容の主旨と差は無いと考えるところですが、やはり生産年齢人口の急激な減少は、医療関係のみならずあらゆる産業で働き手不足に陥る可能性を含んでいます。また、同じく【岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)】から引用すると、下表のように岩見沢市立総合病院の「入院患者数推移」、「1日当たり入院患者数と病床利用率の推移」、「外来患者数の推移」を見ても減少傾向にあることが読み取れ、またこれはコロナ禍の影響が強く出たものと考えるも、すでに感染症法上の分類が5類へと変更され、間もなく1年が経過する状況下、これら患者数は現時点でも戻ることはなく、今後は非常に難しい判断をしていかなくてはならない状況と認識しています。

そしてこれは岩見沢市立総合病院のみならず、今回の市政方針で市長から「早期経営統合を目指す」とあった北海道中央労災病院も同様の傾向とのことで、この状況から未来予想を誤ると、自治体財政に多大な負担をかける病院となってしまう可能性があります。

というのも、一般の病院とは異なり、自治体が運営する総合病院は「地方公営企業」として運営し、原則独立採算制をとっていますが、「性質上能率的な運営を行ってもなおその経営に伴う収入をもって充てることが客観的に困難であると認められる経費(政策医療・不採算医療など)等については、総務省が毎年度示す繰出基準に基づいて、一般会計が負担すべきと定められています。〈引用元:岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)〉となっていて、その内容は以下の様になっています〈引用元:同〉

特に表の上から2番めの「中核的な病院機能の維持に関する経費」となると、新病院建設計画に見通しより厳しい状況に陥ると、病院経営上の赤字補てんを市の一般会計から拠出し続けることとなると思われ、ただでさえ財政状況に余裕のない岩見沢市(下記リンク先参照)としては、病院建設の結果によっては、未来の岩見沢像に大きな影響を及ぼすこととなってしまう事を懸念しています。

これらのことから、令和6年3月末現在で基本設計のパフリックコメント募集まで進行している新病院建設ですが、様々な要素によって「慎重で柔軟な対応が不可欠」であると信じています。

ぜひ、多様な目線で注視いただければ幸いです。

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というところで一旦投稿していたのですが、今朝の北海道新聞空知版において「労災病院 外来入院中止」という大きな見出しが出ていました。

新聞記事によると”労災病院の入院患者数は2019年度は約7,800人だったが、22年度には約6,200人と2割減少。外来数も19年度約8,100人だったが、22年度は約7,300人と1割減。特に全身麻酔を伴う大きな手術数の減少が顕著で、同病院は「近年は大きな手術を札幌で行う人が多い」”とのこと・・・

また、統合する両病院の外科医はともに北大病院からの派遣を受けており、当医局の判断によって岩見沢市立総合病院との統合を待たずに札幌等の病院への異動となったとも記載されています。しかし地域への影響を最小限にするため、現在の常勤医は4月以降も労災病院へ出張医として外来に当たっていただけるようです。

これらは患者減による経営状態の悪化という現実と、医師不足が課題となっている他地域との兼ね合いによるもので、決して誰かを責める様なことではなく、時代の流れにおいて課題の質の変化が明確になってきたという事だと感じます。

よって、これからの両病院の経営統合、そして新病院の建設においても、これまで誰も経験したことのない社会情勢の中、まさに正解が見えない中で必死に最適解を見つけていかなくてはならない状況につながるものと考えています。

担当レベルの苦労もそうですが、最終的な責任を伴う首長も議会も、地域医療の健全なる持続性と厳しい課題が山積する行政運営のバランスを熟考しながら、様々な決断をしていかなくてはなりません。

岩見沢市民憲章の前文にあるように、「伸びゆく産業、交通の中心のまち、かおり高い文化のまちとして、未来に大きな夢と願いをもっています」という状況であった時代が懐かしく、現段階では産業の衰退をどう回避していくか、公共交通の維持もどうやって実現していくかなど、ネガティブな要素ばかりが増えています。

しかしどんな状況であれ、「未来に大きな夢と願いをもっています」という志を忘れることなく、そして「わたしたちは、このまちに住むことに誇りをもち、品性豊かな市民となるため、こころをあわせて市民憲章をさだめます。」という言葉を胸に、時代のフェイズが変化したことによる困難に対し、思考停止となることなくしっかりと立ち向かっていかなくてはなりません。

岩見沢市に各種サービス施設が存在する難しさ〈自治体人口規模考察〉

〈令和3年3月15日投稿〉

国土交通省の資料で、自治体の人口規模によって、各種サービス施設が存在する確率というデータがあります(https://www.mlit.go.jp/common/001042019.pdf

これだと小さくて見づらいので、下に少し拡大〈図①〉してみます。
《黄色の縦線》が現在の岩見沢市を想定して人口約75,000人を想定して引いたラインです。

〈図①〉

この情報は、例えば売り場面積15,000㎡以上のショッピングセンターは、人口77,500人の都市では50%が存在し、92,500人以上の人口の都市では80%存在するという意味になろうかと思います。

言い換えると、77,500人を下回ると15,000㎡以上のショッピングセンターの存在確率が著しく低下していくこととなります。

〈図①〉を色々と見ていけば、岩見沢市の人口規模では映画館の経営が成り立たない規模であること。スターバックスなどは遠く手の届かない存在であることもイメージできるかと思います。もう少し見ていくと、大学は125,000人の人口規模で50%しか存在しないということは、現在、岩見沢市に北海道教育大学があることに深く感謝をして、これからもしっかりと連携をしてwin-winの関係を構築していくことが必要とわかります。

ぜひ、こちらからダウンロード(https://www.mlit.go.jp/common/001042019.pdf)していただき、じっくりと眺めてみると良いかと思います。

私も色々な気づきを得られました。


実は今回、私がどうしてこの資料を探したかというと、新病院建設について考えるためでした。

それに関しては投稿が長くなってしまうと思いますので、一旦終了して、別の投稿としたいと思います。

【予算審査特別委員会:歳入】岩見沢市の財政調整基金の見通しと財政状況全般に関する質問

〈令和6年3月14日投稿〉

3月定例会も順調に進み、本日の予算審査特別委員会の歳入の質疑で終盤です。残りは18日(月)の審議と閉会を待つばかりとなっています。

その様な中、本日、歳入に関して行った予算審査特別委員会の質問内容を共有させていただきます。


財政調整基金の見通しと、財政状況全般に対する考え方について

新年度予算における財政調整基金からの繰入金は10億8千万円と多額になっています。

とは言え、これまでも10億円を超える状況はいくつかあり、更に年度途中の補正予算においても追加で取り崩している状況と認識しているところです。しかしこれまでは、決算時に相応額を積立金として戻すことができていたと思いますが、近年の状況を鑑みると、令和元年以降、年々目減りしていく状況に危機感を持っています。

それらを考えていく中で、岩見沢市中長期財政計画を再確認すると、【現行制度等による財政推計では、基金積立金が枯渇することを意味するため、収支の改善に取り組む必要があります】と記載があり、今後はいよいよ基金の減少が顕著になる恐れがあると認識しています。市としても、そうならないように様々な取り組みをしていくことと認識しておりますが、“現行制度のままで推移していく”とすれば、この後の財政調整基金の残高はどのような状況となっていくと想定されているかお聞かせください。

また、これまでも財政の説明がある場合は、常々「厳しい財政状況」という主旨の文言が用いられるものの、実質公債費比率、将来負担比率共に「早期健全化基準を大幅に下回っている」という表現が用いられていることもあり、実はあまり深く掘り下げる必要を感じていなかったのですが、改めて注目してみると、全国の市町村を「人口」と「産業構造」等によって35類型に分類した中で、類似団体として岩見沢市は【都市Ⅱ-1】に分類され、46市が一括りになるわけですが、本日現在で最新版となる令和3年度実績でその46市を比較していくと、岩見沢市は、実質公債費比率は46市中37位、将来負担比率は46市中39位、経常収支比率においては46市中46位という状況。

もう少しふれると、1人あたりの地方債現在高が46市中42位、1人あたりの基金残高は46市中35位、北海道内における財政調整基金残高としては札幌市、函館市、旭川市に次いで上から4番目の残高を確保しているものの、これを人口割した一人あたり残高にすると、(*これはまとまった統計データを探せなくて、179市町村のホームページから拾って手入力したので、もしかしたら間違いがあるかもしれませんことをご了承ください)平均すると一人当たり22~3万円ぐらいになるかと思うのですが、岩見沢市は5万円台。順位としても道内179市町村中、140番以下の厳しい状況になるのではないかと思われます。

この様に数字を客観的にみると苦しい状況が目につきますが、良く耳にする「厳しい財政状況」という意味があまりにも朧気すぎて、現状では市民の方々はあまり認識されていないと感じています。

よって、現在の財政状況と今後の岩見沢市の未来予想とを照らし合わせると、今後の行政サービスにどのような影響が出てくるかなど、実態をもっと市民の方々に知っていただきながら、今を生きる私達市民が「行政サービスについて全体最適を考えながら様々な取捨選択をしていかなくてはならない」という意識を醸成していく必要があると感じており、今後は市民に対するより理解しやすい情報発信を持って、危機感を共有することが必要かと思いますがいかがでしょうか。


という質問内容です。

答弁に関しては、財政調整基金に関しては毎年着実に減っていくことが想定されること、市民への情報共有では非常に難解な部分も多く、よりわかりやすくという部分で難しい面も多々あるが、善処していくという主旨だったと捉えています。

詳細については委員会議事録が公開されたら紹介させていただきます。

また上記答弁を踏まえて、文言は違いますが、主旨として以下のような再質問を投げかけました。


財政状況を改善していこうとすれば、ここは現在苦労して行われている「歳出を抑える」のは当然のこととして、それだけではなく、少ないかもしれませんが「ふるさと応援寄付」等の外貨を稼ぐことや、地に足のついた施策として「関係人口を増やして経済の好循環を促し、税収を増やす取り組み」にもっと真剣に力を入れていく必要があるのではないか。

すなわち、今以上に歳入を増やす取り組みに注力していかなければ、岩見沢市の財政状況に改善は見られないのだろうと考えるところですが見解を聞かせていただきたい。


この質問の背景として、今の岩見沢市は残念ながら外貨を稼ぐということが苦手と感じています。

少なくとも民間企業であれば、赤字が続くような事態になれば、経費を削ぎ落とす(歳出を減らす)のは当然のこととして、商品開発や営業努力をしながら売上を上げる(歳入を増やす)行為が必須です。

ここで言えば、ふるさと応援寄付もそうですし、企業誘致や起業支援のさらなる向上、また関係人口を増やすのに必須の観光事業等々、様々に種を撒いていかなくてはならないと考えています。残念ながら令和6年度の予算編成からは、例えそれらがすべてうまく行ったと仮定しても、大きく歳入が伸びるような部分が見受けられません。当然、単発でうまくいくことはないと考えていますが、歳入を増やしていくための庁内や市民と共有するビジョンが必要なのだと考えています。

今後は岩見沢新病院の建て替え等、非常に大きなプロジェクトが控え、益々財政状況を圧迫していくこととなります。よって「現行制度等による財政推計」からの脱却が必要だと強く意識していきます。

無印良品コープさっぽろ岩見沢南店がオープンします。

〈令和6年3月14日投稿〉

実は昨年の暮れから、この無印良品のオープン準備の一部をお手伝いしていました。

その内容は、岩見沢への出店にあたり地域の歴史や文化を大事にしたいとのことで、市と北海道教育大学岩見沢校の教授の紹介により、㈱良品計画本社の方がNPO炭鉱の記憶推進事業団を訪ねてきてくれたものです。

色々なお話をする中で、岩見沢の開拓黎明期は、空知の一大産炭地で産出される石炭を本州へ運ぶための鉄道の拠点ということ、それが日本遺産「炭鉄港」として盛り上がりを見せつつあるということ等々に共感いただき、新店舗のデザインの一部に取り入れたいとの意向を受けました。

かと言って、炭鉱も鉄道も大賑わいだったのは随分と昔の話・・・。そういった備品等はあっても個人蔵か市町の資料館等にしかなく、現地で探してみようにも完全に積雪期・・・。

どうやって集めようかと悩ましい作業がありました。

しかし各方面の協力を得ることができ、この度、店舗のレジ周辺に岩見沢に関連する鉄道の写真や三笠、夕張等に関連する炭鉱の道具類を提供することができました。





炭鉱や鉄道、またはそれらコミュニティで使用されていた道具等々がとてもスタイリッシュに展示されています。また、4枚の画像は「石炭が積み込まれた蒸気機関車と朝日駅」「東北以北最大と言われた大和の大操車場の風景」「岩見沢が北海道最大の鉄道工場だった頃の面影を伝える1899年竣工の岩見沢レールセンター(明治期の写真)」「岩見沢駅操車場の風景」が飾られています。

さり気なく配置される金属のプレートや、縦長の大きなカゴ、石炭ストーブの下に敷いてある四角い鉄などなど、、解説しなければわからない。でも聞いたら「へぇ!!!」と驚く様なものがあります。せっかくなので、いずれチャンスがあれば現地で解説イベントでもやってみたいですね。

広い店舗内のレジエリアという一角のみではありますが、ぜひじっくりとご覧いただければ幸いです。

また、日本遺産「炭鉄港」のロゴマークも展示してくれています。

我々としては無印良品の店舗内に炭鉄港マークが設置されているのを見て感無量・・・。

この様に、地域の歩み・歴史を大切にし、岩見沢のシビックプライドの醸成に寄与してくれる企業理念には本当に感謝しています。


店舗のオープンはいよいよ明日の3月15日(金)10時です。

末永く大勢のお客様に恵まれることを祈念しています。

無印良品コープさっぽろ岩見沢南店

https://www.muji.com/jp/ja/shop/046845/articles

岩見沢市の財政調整基金について〈雑記〉

〈令和6年3月12日投稿〉

現在、3月議会で予算審査特別委員会が開催中です。

私が所属する総務分科会は月曜日に終了し、あとは木曜日に「歳入」に関する質問を残すのみとなっています。その歳入に関しては財政調整基金をベースとし、岩見沢市の厳しい財政の状況について質問をする予定です。


少しだけご紹介すると。

岩見沢市の財政調整基金(いわゆる貯金の様なもの)は令和3年度決算で約46億円の残となっており、金額だけ見れば北海道内では4番目に多く、比較的安泰というイメージになります。

ただ、下表の様に、前年度からの増減額でいくと、岩見沢市は道内ワースト1となります。
すなわち岩見沢市の現状としては、貯金を切り崩しながら運営していると言えます。

上記表にあるとおり、岩見沢市は令和2年度から令和3年度で6.3億円減らしてしまったこととなり、今後は岩見沢市中長期財政計画にもあるように、財政見通しの厳しさから「現行制度等による財政推計 」では、取り崩した分を再度積み立てることは難しく、今後は年々残高が減って行き、枯渇してしまうことが想定されます。

ここまででも数字的にはさほど危機感を感じないかもしれませんが、基金残高を人口割にし、市民一人あたりの金額に換算すると印象が一変します。

〈上記、黄色枠が基金残高(単位:百万円)/青い枠が一人当たり残高/その間が令和3年度末の人口〉

結果として、市民(町民、村民)一人当たりの財政調整基金残高は、岩見沢市は179市町村中140番目以降になってしまう状況で、他市町村と比較しても決して安泰ではないことがわかります。


(注)この各自治体単位で財政調整基金残高を人口で割った「一人あたり残高」のデータは、総務省か北海道等で作成していると思うのですが、私の検索では見つけることができす、当時の人口は道内179市町村の全てのホームページを開いて拾った数値を打ち込んでみました。

見間違い、打ち間違い等々で大きく間違っていなければ良いなと思うのですが、、、

非常に苦労したのが、各自治体ごとに令和3年度末の人口を統計データとしてすぐに探せるところと、そもそもそれが公表されておらず、広報誌のバックナンバーを探してそこから拾って入力したり。また広報誌にも人口が掲載されていない(見つけられない)自治体もあり、そのときはできるだけ近い年月の数字を探して打ち込むか、令和2年の国勢調査の数値を入力。それらすらもパッと見つけられないときは、比較的時期の近い人口からざっくりと推測して入力しているので、入力値には時期のズレと適当な推測の部分があるので、細かい数字は参考にならないことをご了承ください。あくまで個人として、ざっくりとした財政調整基金の北海道内自治体の傾向を知りたかっただけなのです。

*さらに!手入力を行ってからチェックをする余力が無かったので、もしかしたら抜本的な入力ミスもあるかもしれません。申し訳ありませんが、数値の解釈は自己責任でお願いいたします。


今回の予算審査特別委員会における「歳入」の質問としては、令和6年度予算として財政調整基金から10.8億円の取り崩しを行うものの、決算時には積立金として戻すことが難しいと想定されることから、今後は年々残高が減ってまい、近い将来、残高がなくなってしまうのではないかという懸念を軸として、以前、新病院のところでも触れた岩見沢市の経常収支比率が著しく良くないこと。またそれだけでなく、実質公債費比率や将来負担比率も早期健全化指標にはまだ余裕があっても、実は類似自治体と比較すると予断を許さない状況であること等々から、これら危機感を市民と意識共有することの大切さに触れたいと考えています。

他の財政状況については、また別の機会に触れてみたいと思います。

岩見沢市民の方から間口除雪に関する要望をいただきました。ありがたい機会と捉え、様々に考え、事情を共有してみたいと思います。

〈令和6年2月23日投稿〉

2月上旬、以下のような匿名のメールが届きました。


〈転載〉

お願いです。
市内路線除雪について、降雪時に道路の除雪を未だにかき分けといい、間口に道路の雪を堆雪させていく方法を何十年も行っています。
住宅街では、空き地もないので、敷地に溜めて、自分達でお金を払って排雪を頼んでいるのが現状です。なぜ、路線により道路除雪の雪を市民がお金を払って、別に排雪をしなければならないのですか?
現行のやり方で、市民が金銭的にも負担を強いられている現状を把握する必要があるのではないかと思います。
市内の町中でも場所によっては、有料駐車場の雪を道路に積み上げ、道路を狭くして、市の排雪にまかせているような事をしている人達もいます!
市民が負担のない行政サービスを受けられる様に、最低限、排雪費を補助するべき!いい加減にしてもらえるように、して頂きたいです。
倶知安は、市民税も岩見沢より高いが、間口に、融雪溝があるので、置いていかれる雪の処理場所を提供している。
それに比べて、岩見沢は、何もせず、何十年もやり方を変えられないのは、なぜならでしょうか!
行政サービスが、市民の負担にしかなっていない事を改善して頂きたいです。
宜しくお願い致します


この様なお話はこれまでも良く聞かせていただいており、以前、議員になりたての頃に多少整理して掲載してみたことがあるのですが、随分と時間がたったこともあり、改めて考えを整理してみたいと思います。

*この様なご連絡をいただくことで改めて自身の思考を整理したり、また、この様に情報の発信に繋げることとなり、大変ありがたく思っています。若干長文になりますが、考え方のひとつとして多くの皆様にご覧いただければ幸いです。


今回いただいたメールによる疑問としては

1)どうして道路の雪を間口に置いていくのか
2)その置いていった雪をどうして市民が処理しなくてはならないのか
3)処理を委託する場合、どうして市民が自腹を切らなければならないのか
4)民地の雪を道路に出している人をどう考えれば良いのか
5)融雪溝等を整備できないのか
6)岩見沢市が何十年もやり方が変えられない理由

ということに分けられると思います。

それらについて、私の持ち得る情報下のあくまで私感ではありますが、掘り下げてみたいと思います。


1)どうして道路の雪を間口に置いていくのか

岩見沢市の除雪は全市一斉出動すると、ひと晩で車道約963km、歩道142km(R5年)という膨大な距離になります。また除雪車が数回出動すると、道路の両脇に高い雪山ができて幅員が狭まるので、バス路線や排雪場へのダンプトラック運搬経路は適宜運搬排雪が必要です。これらにかかる費用合計が年間14.5億円(R5当初予算)となります。また大雪に見舞われた場合は補正予算が組まれ、下表のように20億円を大きく超える年もあります。

引用元:岩見沢市「冬のくらしガイドブック

日本全国どの地方都市もほぼ一様ですが、人口減少や少子高齢化が進み、今後の行政サービスの維持困難化が懸念される状況下、現状の岩見沢市の財政状況としても除排雪に今以上の多大な費用をかけるためには他の行政サービスを縮小しなければならず、そのバランスを取ることは非常に難題となります。

https://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/soshiki/zaisei/gyozaisei/4262.html


さて、現時点で岩見沢市内に雪が降り、夜中に一斉に市道の除雪作業が行われるとすると、前述のとおり車道除雪延長963km、歩道除雪延長142kmの膨大な作業を朝7時までに完了するために、タイヤショベルが約170台、歩道除雪用車両で更に22台と約200台ほどの重機が一斉に出動していることを想像してみたいと思います。そこに助手が同乗する必要なケースも含めると約230人(排雪は除く)が深夜に重機に乗ってくれているということを考えると、改めて岩見沢の除雪体制の尊さを感じます。(ちなみに、この数字はあくまで市道除雪のみなので、市道排雪、国道、道道、民間駐車場や間口処理業者等々を入れるとどれほどの台数になるのか見当もつきません)

そこでもし「市で全戸の間口処理を行うとしたら!」と考えてみると、間口の前に存在する物体としての雪を移動させるため、雪を押し込めるような堆積場を住宅街の中にこまめに確保しなくてはなりません。またその分、一度に移動できる雪の量は限られるため、何度も行ったり来たりしなければならず、除雪にかかる時間はざっくり倍~数倍になると思うので、その除雪用タイヤショベルの台数も現行では不足し、最低でも300台以上は必要になるのかもしれません。

また、住宅街の中に空き地がなく堆積場が確保できない場合は、ダンプトラックでタイムリーに排雪する必要があり、そうなると除雪用のショベルの他に、別途積み込むための重機とダンプトラックがセットで必要となり、雪堆積場の数も増え、なおかつ深夜稼働もしなければならない状況となります。

また、例え住宅街に堆積場を細かく確保できたとしても、延長約180mぐらいの1区画の生活道路の中に100坪ぐらいの空き地だと、恐らく数回の新雪除雪出動ですぐに飽和状態になってしまい、シーズン中に何度かは雪を運び出して排雪する必要が出てくると思います(春先の搬出と・・)。

これらをざっと想像するだけでも、作業に従事する必要人材も現在の数倍という物凄い数となり、現時点で人手不足と言われる状況下、「冬季夜間作業」で「高度な技術を要する従事者」を確保できるのかどうかと考えるとかなり難しいと言えます。

そして、例え人材が確保できたと仮定しても、必要とされる費用も現在の倍では効かず、もし倍で済んだとしても当初予算で約30億円、恐らく到底倍では済まないと思うので3倍だとして約45億円、大雪になったら更に補正予算が必要となり、約70億円などの支出(これらの数字は、あくまで数値的な計算根拠はなく、イメージしやすいように自身の経験の中でのざっくりと想像した範疇の数字であることをご理解ください)になるとすれば、岩見沢市の財政は持続可能な状況とはかけ離れた状況になってしまいますし、これらを市民負担にすべく市民税を上げて・・・となれば、いくら0か100かという極端な解決策ではなく、その負担割合はグラデーションで検討できるとは言え、至極困難な事態であることは間違いありません。

*ちなみに岩見沢市の当初予算は令和5年で466億円、令和6年(案)で482億円となります。ただでさえ経常収支比率は北海道でも最下位に近い位置にあり、全国類似都市「Ⅱ-1」分類でも46市中46位という厳しい状況。この中から更に多額の費用が除排雪事業に支出されるとしたら、他事業を圧迫し他に必要とされる行政サービスが縮小していくことに繋がります。


2)及び3)置き雪がどうして作業も費用も市民負担なのか

前述の様な事情により、過去から現在まで多くの市民の苦情、要望があったとしても抜本的な解決には至らず、現在も「市道除雪は車両の通行(緊急車両を含む)を確保する意味合いでの車道かき分け除雪」という位置づけとなり、間口に置かれた雪は、本当に大変かとは思うのですが、市内全域でそれぞれ地先の市民の皆様が担うことで「豪雪地の日常生活が保たれている」ということになります。


4)民地の雪を道路に出している場合

残念ながら私的・商的問わず、駐車場などから道路に雪を出している事例や、敷地内の雪を道路脇の雪山に押し付けるなどの事例があることを認識しています。

これは札幌市のサイトでまとめている根拠法令・条例を参考に見てみれば

〇道路法 (昭和二十七年六月十日 法律第百八十号)
(道路に関する禁止行為)
第四十三条 何人も道路に関し、左に掲げる行為をしてはならない。
二 みだりに道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある行為をすること。
(罰則:第百二条第三項 一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金
○道路交通法 (昭和三十五年六月二十五日 法律第百五号)
(禁止行為)
第七十六条
3 何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。
(罰則:第百十九条第一項第十二号の四 三月以下の懲役又は五万円以下の罰金)
4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
七 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危
険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為
(罰則:第百二十条第一項第九号 五万円以下の罰金)
○道路交通法施行細則 (昭和四十七年十一月二十日 北海道公安委員会規則第 11 号)
第 19 条 法第 76 条第 4 項第 7 号の規定による道路における禁止行為は、次の各号に掲げるものとする。
2 みだりに交通の妨害となるように道路にどろ土、雪、ごみ、ガラス片その他これらに類する物をまき、又は捨てること。
札幌市のホームページより

とあり、雪を道路に出すことは法律違反と捉えることができます。また道徳的に考えても、非常に利己的な行動であるとも言え大変残念に思っています。

ただ、当事者にとっては「仕方がない」「これまでもずっとやってる」「当たり前」「etc.・・・」と、当事者にとっての正義があり、「◯か✕か」「白か黒か」では割り切れない人間社会の縮図とも言える難しい課題です。

ただ残念なことに警察もこれらを積極的に取り締まることはされておらず、行政を含め出来ても指導レベルで、現時点では「やったもん勝ち」の要素が強く、個人のみならず民間の間口処理等請負業者を含め、少しでもこのルールの徹底を図り、そうした行為そのものが恥ずべきことという社会価値を醸成していく必要があると考えています。そのためには多くの市民の皆様と共に条例を作るなどルールの明文化を図っていくことが必要ですが、予期せぬ分断や感情的な対立を煽ることの無いよう一定の慎重さを要するものとも感じています。


5)融雪溝を整備できないか

他の市町における融雪溝も、幹線や一部のエリアでしか整備されておらず(ご提案の倶知安町で約7km)、市中全域に対応することは不可能かと思います。もし何らかの事情で一定の財政的な課題がクリアされ、岩見沢市で新たに融雪溝を整備することとなっても、住宅街まで隅々張り巡らせることは難しいこと、地先の費用負担等で不公平感や別の様々な課題が出てくるであろうこと、そして何より、実は岩見沢は開拓の頃から水量が不足して大変な思いをしてきた地域(よって明治41年に日本全国で13番目の早さで上水道が整備されています)であり、現に利根別川消流雪事業といって、道路排雪を利根別川に投入する事業では、水量が足りず幾春別川から大きな電力を使って水を汲み上げている状況です(これも大変なため、近郊の一部の道路排雪を実施する必要最小限しか稼働していません)。これらの状況を鑑みると、既存の熱源や豊富な水量に恵まれていない岩見沢では融雪溝の整備は非常に難しいと考えています。


6)岩見沢市が何十年もやり方を変えられない理由

これまで記載してきたとおり、やはり費用と人材の確保が非常に難しいことがわかります。

しかしこれでも除排雪に関する体制は大きく進化してきています。現に除排雪の当初予算は平成25年では約8億円だったのが、令和6年度当初予算(案)では14.9億円となり、燃料費や人件費の高騰を考慮しても、かなりの充実がなされていることがわかります。市道用雪堆積場の増強や、直轄機動班の充実などもあり、以前は幹線道路の排雪作業もここまで丁寧には行われていませんでした。

岩見沢市HP 令和6年度予算(案)の概要より引用

実は私自身、議員になる前は建設業の一員として、実際に路線除雪の責任者として従事していた経験があります。それら様々な事情を勘案した中で、約7万5千人の人口規模、しかも豪雪地でここまで除排雪がしっかりされている自治体は岩見沢の他には存在しないと確信しています。先日の強烈な暖気でも、札幌市ではあらゆる道で車両がスタックして埋まっている状況が頻発していましたが、岩見沢市内では目にしていません。

*札幌市は幅員8m以下の道路は原則除雪が入らず(それでも一晩の除雪延長は約5,400km)、降った雪は常に踏み固められるので、すれ違う車同士で両脇の雪が高くなり、すり鉢状の断面を形成し非常に危険な状況になります。札幌は札幌で〈大都市ゆえの悩ましい現実〉がありますが、単純に除排雪だけを比較すると岩見沢市の除排雪体制は本当に優れていると思っています。

*札幌市の状況〈札幌_スタック〉等でSNS検索すると色々と出てきます。


しかし、岩見沢市の除排雪体制がこの様に着実に充実してきても、今回のお問い合わせにあった【間口処理】という面では残念ながら劇的な変化をすることはできていません。近年は、雪の処理を自力で行うことが難しい高齢者や障がい者に対して「屋根の雪下ろし」「間口の置き雪除雪」「定期排雪」に要した費用の一部助成が実施されている部分はありますが、これも今後の高齢社会に向け、更に希望者が増えることによって、必然的に行政負担が増加すことを考慮すると、先日の新病院建設に対する「財政と人材不足の懸念」と同様に、やはり今後、著しい社会変化に見舞われる時代において、自治体運営は大変な難しさを抱えていると言わざるを得ません。


最後に

なかなか言いにくいことですが、既存のあらゆる情報や要素を加味し今後の社会情勢を考えていくと、行政サービスというのは今現在が最も充実していて、これから先は全体最適の視点で取捨選択をすべく、「出来ない」ことを市民に伝え、一緒になって「やらない」ことを含め優先順位を選択していくのが政治の役割になっていかざるを得ないと感じています。

もう少し時代が進行すればDX(デジタルトランスフォーメーション)によって、より少ない人材で大きな効果を得られるようになるのかもしれませんが、現時点ではなかなか楽観的な見方はできそうにありません。

よって、こういった社会変化に対する行政課題は一人でも多くの市民の方々と共有し、共に考えていかなくてはならない問題だと考えています。私もできる限りそういった状況を学ぶとともに、機会をみつけてはお伝えしていけるように努めていきたいと思っています。

また、今回の間口処理の様な課題も、私の中では解決策が見つけられないことも、市民の方々のアイデアや工夫により実現できる可能性もあると認識しています。何かあれば、ぜひお気軽にご意見をお寄せいただければ幸いです。

最終的には市民の皆様が「幸せ」を享受できる環境づくりこそが、持続可能な岩見沢に繋がるものと思っています。明確に遅れを実感してきた世界情勢の中の日本の立ち位置や、いつきてもおかしくないと言われる大震災への懸念、経済成長を肯定できなくなる世界的な気候変動への懸念など、色々なことが急速に変化してきています。

その中でどこに「幸せ」の基軸を据えていくのか。

除排雪にしても、様々な幸せの定義の中にあると思われる「適度に人に頼ることができて、適度に人に頼られることがある」という環境面においては、プラスに作用することも多々あるとも感じています。そしてこれは除排雪のみならず、あらゆる共助の中に存在するとも感じています。

次の世代にバトンを渡す私達としては、きっとこういうことを様々に考えながら前に進んでいかなくてはならないのだろうと朧気に考えています。

今回の要望に対し、なかなか明確な答えにはなりえませんが、改めて多くの人と考えていけたら良いなと思っています。

拙い長文をお読みいただき誠にありがとうございました。


付録

以前、除排雪の疑問等に対し、様々に記載した投稿があります。もうかなり古いので記載している金額などは現在と乖離がありますが、考え方は基本変化していないものと思います。お時間ありましたらご覧ください。

また、岩見沢市では〈冬のくらしガイドブック〉という資料を発行しています。こちらもお時間あるときにお目通しいただければ幸いです。

https://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/material/files/group/62/huyunokurasi.pdf

新病院建設に向けた一般質問の要点動画とパブリックコメントのご案内

〈令和6年1月7日投稿〉

現在、新病院建設の基本設計(案)の策定が進み、パブリックコメントが実施されています。(1月12日まで)

この新病院について、私自身の感覚としては岩見沢市の財政規模、今後の人口推計に乖離のある計画が進行しているのではないかと違和感を抱えており、前回の令和5年第4回定例会において一般質問をしました。その質疑はトータルで約1時間20分の長い動画となってしまっているため、あらためて要点等を少しでもわかりやすくと考え、下記動画を作成してみましたのでご覧いただければ幸いです。

https://youtu.be/2fxXKUKpCQ4

また、これまでの新病院に関する質疑などの記録は下のカテゴリーに記載しています。


なお、今回の一般質問では太陽光パネルに関することもあるため、約1時間20分の長丁場となります。

〈下記画像をクリックすると岩見沢市議会公式チャンネルの当該一般質問全体をご覧いただけます〉

太陽光パネルに関しても元日の能登半島地震でも問題となっている通り、様々な懸念があり、将来に負担を残さないための施策が必要で、大変重要な課題と捉えています。お時間ありましたら、上画をクリックして質問と市長答弁全編をご覧いただければ幸いです。

テキストでの読み原稿(当然ながら質問のみ)はこちらで紹介しています。


新病院関連だけを抜き出すと以下のリンクになります。


【①最初の質問】新病院建設に関するところからスタート


【②質問への市長答弁】新病院に関する答弁からスタート


【③再質問】新病院に関する部分からスタート


【④市長反問】


【⑤反問への答弁】


【⑥市長再反問】

【⑦再反問への答弁】


【⑧反問終わり再質問への市長答弁】


【⑨再々質問】


【⑨再々質問への市長答弁】


*今回の質問は一問一答方式ではなく、より自分の意見を詳細に伝えるという意味合いで一括方式で行ったため、ルール上、再々質問以上を行うことができず、これが最大限のやり取りとなり不完全燃焼気味な終わり方となっております。

いずれにせよ、今後、非常に厳しい環境に陥っていく岩見沢市(地方都市はどこも同様ですが)において、現在の新病院計画規模が本当に身の丈にあっているのか?という観点でご覧いただければ、このまま諸手を挙げて賛成する状況にないことをご理解していただけるのではないかと思います。

よって1月12日が締め切りですが、基本計画(案)に対するパブリックコメントに一人でも多くの市民の皆様にそれぞれの考えを寄せていただければありがたく存じます。

パブリックコメントへのアクセスは以下を御覧ください。
https://www.iwamizawa-hospital.jp/construction/details/04sekkei_b.html


最後に

私自身、新病院建設特別委員会の委員長という役職を預かっている事情で、本来であれば完全中立な立場で委員会内での議事進行に徹するべきという考えもあるのかもしれませんが、将来の岩見沢にとって、この新病院のあり方が非常に大きな影響を与えると感じる状況下、議会本来の仕事である「行政のチェック機能」において、一議員として真摯に全うすべきとの考えを持っての行動となります。

とはいえ、私自身、まだまだ未熟ゆえの至らぬ点から、時に誤った解釈などもあるかもしれませんが、これからの非常に難しい変化の時代において、次の世代に極力負担を残さずバトンを渡していきたいとの思いが根幹にあることをご理解いただければ幸いです。

令和5年第1回定例会_代表質問議事録転載

〈令和6年1月6日投稿〉

令和5年第1回定例会(3月議会)において、会派を代表して質問をさせていただきました。

その議事録を紹介し忘れておりますので、改めて投稿いたします。

*代表質問とは新年度における市長の市政方針演説や教育長の教育行政方針演説を受けて、それに対して会派を代表して実施する質問となります。よって一般質問とは異なり、行政全体の広い範囲を網羅することとなります。ぜひ御覧ください。

動画はこちらからご覧いだけます。


◆議員(平野義文君) 〔登壇〕 市民クラブの平野でございます。会派を代表し、質問をさせていただきます。

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