平成27年9月10日(木)
第3定例会中において、総務常任委員会が開催されました。各種補正予算等の他に、であえーる岩見沢に整備中の「あそびの広場条例の設定」についてが上程されました。
この施設は、こども・子育てひろば「えみふる」(公募による愛称決定 )のひとつの目玉になりうるものと考えており、平成26年第4定例会でも一般質問 をさせていただいたもの。
(↑平成26年4月18日に開催された総務常任委員会 で示されたイメージ図)
本施設に関しては、今の子ども達を取り巻く危機的環境 を改善するための一つの要素になりうると大いに期待しているものですが、今回の条例案を確認すると小学生以上は100円の利用料がかかってしまう。
これでは残念ながら、本来こどもたちに必要とされる、「自由に群れて遊ぶ中で、社会性や創造性などを育む」 という、現在の子ども達を取り巻く環境において、抜本的に不足している要素を補完するものとして機能するのは難しいと感じるところです。
本条例の第一条には、この施設の意味合いを記載した3行少々の文中において、子どもという単語が3回出てきます。
*子どもの成長に応じた安全な遊び場を提供。 *子どもの心身の発達。 *子どもを中心とした交流の場。
この子どもというのは無料で利用できる未就学児だけが対象なのか?という部分では、決してそうではなく小学生等も含むという事です。
教育委員会としても、様々に検討を重ねた中で出てきた結果であるという事を鑑み、まずはこれでスタートすることを了承するものの、しっかりと検証を進めた中で、適切な改善を求める発言をさせていただきました。
というのも、子ども達から100円を徴収することのデメリットとして、他のプレーパークや冒険遊び場的なものを考えると、「あらゆる年代の子ども達が集う」ことで社会性や遊びの伝承が行われると期待されるが、そのハードルが著しく高くなる。
小学校も中学年や高学年になって歳を重ねていくと、このような遊び場自体にあまり関心を持たなくなる傾向があると思われ、自動的に来場者は減ってくる。しかし、その中からリーダー的な立場の子ども達が育ってきて、言わばプレーリーダーの補佐的な役割を担うようになり、それがまた子ども達の社会性を豊かにしていくという好循環が発生することが多々ある。しかし、この100円の徴収は、その機会すら奪ってしまう非常に残念な状況と言わざるを得ない。
さらに、委員会の中では発言しそびれてしまいましたが、100円を徴収することにより、本来、自由な遊び場であるための条件として、保護者や遊ぶ子ども達も共に主体性を持ち、運営者と一体となるという意図に反し、「サービスを受ける側、与える側に分かれる」という意識格差が発生することが考えられ、考え過ぎかもしれませんが、クレームの誘発等、更なる弊害を生むことも考えられます。
まだ実際に稼働していないこと、また最終的な広場環境の確認ができていないので何とも判断することはできませんが、是非、実際の運営をもって検証を進めた中で、しっかりと方向性を定めていって欲しいと願っています。
ただ、今回の条例案を確認し、また、前回の一般質問の答弁や今回の委員会答弁でも垣間見る結果となりましたが、運営側のコンセプトとしては、創造性を育む冒険遊び場的な市民ニーズを満たし、子ども達が成長するためにベストな環境は何か?という視点が主ではなく、保護者の利便性等を最優先とし、あくまで《遊具が整った屋内公園》 をイメージしているのではないか?という印象を受けるに至りました。それはそれで一つの正しい方向性ではあると思いますが、行政が一方的にサービスを提供するのは、市民との協働の観点、住民自治意識の醸成からいっても勿体ないと感じています。
VIDEO
表面的にはこの動画と比べる様な性質のものではありませんが、子どもの遊びから創造性、社会性を育むという【マインド】は大いに参考にしていきたいと考えています。
いずれにせよ、多くの親子に愛される施設になるよう、大いに期待すると共に、私達議会としても努力をしていかなくてはならないと思っています。