「冬みちアドバイザー認定講座」の素晴らしさ。

平成26年1月28日(火)

今日は札幌市にある某小学校において、区で実施している「冬みちアドバイザー認定講座」に参加してきました。

というのも、昨年11月に西区で行われた「地域と創る冬みち懇話会を視察(https://hiranoyoshifumi.jp/2013/11/20/2214)させていただき、札幌市が実施する取組に大いに感銘を受けたこともあり、その続編的なものを探っていたところ小学生向けの講座を行うことを知り、その視察受け入れをお願いしたのですが、紹介していただいた方が知り合いだったこともあり、「それならテーブルコーディネーターのスタッフとして参加しませんか?」というありがたいお申し出をいただき、お言葉に甘えて運営参加してきた次第です。

そしてこの研究は、私個人としての活動と、岩見沢シチズンのテーマとシンクロするため、同じくテーブルコーディネーター役として、内田氏&和田氏と共に、それぞれ3テーブルを受け持たせていただき、どっぷりと講座に参加させていただきました。

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この「冬みちアドバイザー認定講座」は、昨年12月中旬に除排雪の基礎知識を高めるための「雪の基礎講座」を開催し、その宿題として冬休み中に自分の通学路内での危険箇所と安全な箇所をそれぞれチェックしておき、それをこの第2回目の講座で発表し、危険場所マップを作成していくという流れです。

そこでこの第2回では、開会の挨拶から始まり、早速危険場所マップの作成となりました。

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(*子ども達は顔がわからないように加工させていただいておりますことをご了承ください。)

班構成は7~8人が1テーブルで、それぞれ同じ通学エリアの子がグループとなっています。

わずか45分間ぐらいの間で、マップ作成~各班の発表とタイトなスケジュールですが、子ども達はとても快活で意見もはっきりと述べ、発表も物怖じないなど、とても凄い校風でした。教育が行き届いているというのはこういうことなのか。とかなり関心した次第です。

この危険マップも、スクランブル交差点における車の間違いによる飛び出しの危険や、ビルからの落雪・つららの落下、狭い道路での歩道が埋まってしまう状況、スーパーの駐車場への車両の出入りが雪山で見えにくい、マンホール箇所の凹凸、つるつる路面等々、地図を指さしながら、どんどんと意見がでてきます。

安心箇所は、滑り止めの砂巻きをしている箇所、地域の人が綺麗に雪はねをしてくれるところ、街路樹の枝が切られ、落屑の恐れがないところ等々、これまた、鋭い観察が続きます。

それらをまとめ、各班毎に発表となるのですが、私の班は意見が盛り上がりすぎて時間配分を誤り、発表者等を決めることが出来ない状況に・・・。それでも小声で、これ言える?君司会やって!君と君で地図の紙を持って・・などとぶっつけ本番で挑むも、見事にクリア!イマドキの小学校6年生の能力というのは凄いものです(笑)

私の息子も小6ですが、こんな風にできるのかな?と思うと、ちょっと心配になってきます(汗)


このマップづくりが終わったら、次は区役所からの説明~除排雪の諸要素がわかりやすく詰まった紙芝居を見ます。その時に、すかさず札幌市の除排雪のキャラクターである「雪だるマン」が出てくるところが本気度抜群です。

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この紙芝居の後は体験学習として、「除雪説明体験」という電話対応のシミュレーションです。

各班に電話機を4つずつ配置し、二人一組で片方は市民として要望・苦情を伝える。もう一人は土木センターの職員になりきり、その対応をするという内容です。

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〚苦情役〛例えば、◯◯の◯◯といいます。今朝、除雪車が家の前の道路を除雪していった時、家の前に雪をおいていきました。すぐに雪をどけてもらえませんか?

〚対応役〛除雪車でかき分けた雪は、それぞれの家庭で除雪をお願いしています。時間とお金に限りがあって、かきわけるだけで精一杯なのです。

とか、

〚苦情役〛私は、高齢で体調も崩しているため、1人で除雪をするほどの体力がありません。近くに親戚もいないので、なんとか市役所で除雪してもらえないですか?

〚対応役〛除雪に困っている高齢の方たちには、福祉除雪という制度があります。これは地域の方の協力により、個別に除雪を行う制度です。是非利用を検討してみてください。

等々のやりとりがアドリブ付きで展開されます。

子ども達が直接こういうやりとりをすることで、幼い頃から行政ができることと出来ないことを判断する力が養われていくことと、家庭において、親の行為がルールに反しているものであれば、子ども達から注意を促すということにも繋がるかと思います。

本事業としては、最後に紙芝居が配られます。

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この紙芝居がよくできていて、札幌市の除排雪の概要から歴史、そして要望は増えるがそれを叶えることは難しいこと、除雪に使えるお金は限られているため、できることとできない事がある。だから、市民に協力してほしい。というようなことも明確に伝えれています。

この紙芝居の用途は、子どもが家庭において家族向けに実施することを想定していて、まさに子どもを通して市民に広がっていくという期待を込められています。そのため、今回の講座の最後にも、家庭用のアンケートが配られ、後日家の人から子どもが行った紙芝居についての感想なども集約できるようになっています。


この様な流れであっという間の約1時間半!

いよいよ最後に、冬みちアドバイザーの認定証を授与されて終了となります。

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この認定証と一緒に、区のキャラクターの入ったボールペンと定規も配布され、子ども達はまんざらでもない様子。

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そして、この認定証を2月に開催される地方の雪まつりに持って行くと、記念品がもらえる仕組みになっています。そうすることで、その地域雪まつりの集客にも繋がるという念の入れようでした。

全体と通して、札幌市は行政でできること、できない事を明確に市民に伝えようとしている印象を受けました。11月に西区の懇話会で行政担当者に伺ったことでもある、行政の仕事は苦情対応ではないはず。1軒でも苦情が来るような事態を発生させないことが大事。それは満足度ではなく納得度を上げることで、行政から正確な情報を粘り強くあの手この手で発信していくことだと言っていたことと通じます。

今回はそれにも増して、子ども達の教育分野に入り込むことで、子どもを媒体にしながら大人の教育もすすめることができるというのが画期的な取り組みだと感じました。

勿論、そんな簡単に結果がでるようなものではなく、これだけ本格的に市民へ情報を発信している札幌市でさえ、多くの市民はそのことを知らない状況と聞いています。(私の知り合いの方に聞いても、市の取り組みはまだ浸透していないことを感じました)ただ、こういった事は、浸透するのに時間がかかるものでありますが、それぞれ担当の市の職員の本気度を見ると、これらの活動は必ず実を結ぶものと考えます。

私達、岩見沢市においても、市民に対する行政の役割分担を明確にしていく中で、もう一歩進化した岩見沢らしい除排雪構造をつくっていけると確信をしておりますので、今後も様々な研究、検証、提案をしていきたいと思っています。

最後に、私達を運営のお手伝いとして参加させていただいた関係各位に心より感謝申し上げます。

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