平成25年6月19日に行われた一般質問の読み原稿を掲載します。
約4,800字 – ゆっくり読んで15分程度の内容となりますので、読むのもエネルギーが必要ですが、ご覧いただければ幸いです。
前半が中心市街地及び駅前通りの再生に向けた質問。
後半が除排雪に関する質問となっています。
*******以下、読み原稿***********
通告に従い一般質問をさせていただきます。
まずは今後の都市計画として、駅前通整備事業における現状と今後の展開についてお伺いいたします。
本事業については、整備の主体はあくまで北海道であり、市としても慎重に関わらざるを得ない状況があろうかと思います。しかし今後、まちのメインストリートとなるべく重要な道路であることを考えると、この機会を中心市街地再生に向けた大きなきっかけとしなければ、せっかくの事業も効果は半減してしまうこととなり、それは事業主体である北海道としても、また、関係する地権者、事業者の方々、そして我々市民にとっても不本意な結果になることが予想されます。ただ現実的なところ、市の立場としても、いくら街の顔となる駅前通りとはいえ、そこにどんな建物を建て、どうやって活用していくかというのはあくまで民間としての土地所有者、事業者の意向であり、それを尊重すべきことも当然のところであります。
しかしながら、この中心市街地の活性化というのは、既存のインフラを有効活用する等のコンパクトシティの概念に則った取組だけではなく、土地に課税する固定資産税の金額割合で見ても、現在の中心市街地活性化基本計画区域内だけで岩見沢市全体の内の約1割を占める現実があります。また土地に関する固定資産税課税標準額でみると、平成24年度の評価を平成20年度と対比すると、市全体としては約16.9%の下落であるのに対し、中心市街地においては約30.7%もの下落が見られます。これはすなわち市の税収にも直結する部分と考えられ、言い換えれば、中心市街地の賑わいを取り戻し、地域全体の価値を高めることができれば、市全体の固定資産税額の向上にも繋がり、それは中心市街地の活性化が商店街のものだけではなく、市民全体に寄与する事として取り組むにふさわしい状況を示していると考えます。
そこで私自身、今回の駅前通整備事業に中心市街地再生に向けた活路を見出したいと考えている一人でありますが、前回の定例会において提出された“岩見沢市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例(駅前通り地区計画へのリンク)”、また、当事者の方々が苦労して策定された“岩見沢駅前通まちづくり要領”等において、建築物などのルールに関しては承知しているところではありますが、その後の展開を懸念しているところであります。
この度、数人の地先関係者の方々にお話を伺ったところによると、事業に伴い建物が解体された土地において、少数とは言えない規模で新たに店舗が建たず、空き地として残る可能性が高いのではないかと心配している声があります。また、岩見沢駅前通まちづくり要領において、建築意匠について「駅や駅前広場との調和に配慮する」としたものの、その基準は主観的な面が大きいがゆえに幅が出てしまい、これから申請される物件としても明確な統一感を出すことは難しい状況であろうと心配されている声も聞いています。こういった現状について、市としてどのように把握されているか見解をお聞かせください。
また、この駅前通整備事業は岩見沢市民としても大いに歓迎するものであり、今後のまちづくりの起爆剤として期待すべきものであります。しかしながら現状においては、商店街再生のための前向きな計画として、「岩見沢駅前通まちづくり要領」ができた他には、当事者である通り商店街としてもこれ以上の実行アイデアを生むことが難しい状況と聞いております。日本中、地方都市は中心部の疲弊が著しく、道路だけが綺麗に整備され、商店街はシャッターが下りていて人通りもまばらという街が少なくありません。この岩見沢も決してそうなってはならないという想いの中で、前回の予算審査特別委員会第2分科会においても、1・6地区を含め、今後まだまだ市民の意見などを反映する機会があるかどうかという質問をさせていただき、結果、中心市街地活性化基本計画の2期計画を作っていく中で、「色々な考え方を集約し、それを議論する場をつくりたい」ということをお伺いしましたが、それらを含め、私は今、時間の期限が迫る中で最も重要なことは、今後の駅前通りの計画を中心市街地活性化協議会と緊密にリンクし、専門的な知識と幅広い視野を元に地域の方々と共に汗をかきコーディネートしていくことができる、実行力のあるエリアマネジメント組織を速急に立ちあげ、それがしっかりと機能するように市が側面支援していくことではないかと考えています。このエリアマネージャー及びエリアマネジメント組織に関して、現状は不在の状態が続いております。先日の市長答弁にもありましたが、あらためてこの設置の有無に対する方針を含め、岩見沢市としての考え方をお聞かせ下さい。
次に「岩見沢市都市計画マスタープラン」についてお伺いいたします。
私自身、様々なまちづくり活動を行う際の指針として、この2006年度に策定された岩見沢市都市計画マスタープランを参考にすることが多いのですが、2006年の段階において、先日、人口問題研究所から発表された岩見沢市の今後の人口減少の数値とも大差なく予測してあり、近い将来訪れる社会情勢を見越してつくられた実行性のある計画だという認識をしています。中でも「都市づくりの基本目標」や「目指すべき方向性」の中の[まち歩き文化を育む]、[緑住文化を育む]、[ネオ・コミュニティ文化を育む]という3つの方向性は、詳細にわたっても非常によく作られており、理想論ではあるかもしれませんが、この目標を目指して進んでいけば素晴らしい街になるということが想像できます。
今回の質問の冒頭でも述べた中心市街地及び駅前通りの課題に関しても、この都市計画マスタープランの中にはヒントとなりうるべきものが多く記載されている状況です。しかしながら、第5章の「実現に向けて」という部分を見ると、現在の時期的には概ね5年以内に着手する短期計画のステップ1の時期をとうに過ぎ、概ね5年~10年内に着手をするステップ2の中期計画も半ばに入っていなければならないタイミングであるものの、その記載内容と対比すると、まだまだ断片的に実行されている程度と感じられるところであります。
そこで、この岩見沢市都市計画マスタープランの進行管理について、新岩見沢総合計画、並びに岩見沢都市計画区域の統合変更に伴い、随時計画の変更等が為されている状況ではありますが、全体的な計画進捗状況のチェックや成果に対する評価など、市としての現状分析と今後の見通しをお聞かせ下さい。
次に除排雪事業についてお伺いいたします。
この除排雪の問題については、人口減少、経済縮小、また、高齢化社会における社会保障の増大、インフラの維持管理問題等々、今後訪れるであろう社会問題の縮図として、行政と市民とのより良い関係構築において積極的に検討していく課題であろうと考えています。そういった考えを踏まえた中で数点のご質問をさせていただきます。
平成23年度に引き続き、平成24年度も豪雪に悩まされた年でありましたが、豪雪対策本部と業者の努力、並びに市民の協力により何とかシーズンを終えることができたと考えます。中でも、特に岩見沢市の除排雪業者の技術水準は他都市に比べても十分高い水準をもって業務を遂行していると認識をしているわけですが、それでも多くの市民のニーズにきめ細かく対応することはできないのが実情であります。その様な中で、平成24年度の除排雪事業における市民からの苦情、要望等で最も多かったものはどのようなものか。また、それは近年の推移として、変化する傾向があるのかどうか。それに対する市の考え方をお聞かせ下さい。
私自身、平成23年度まで除排雪業務に携わっていた人間の一人として実感していることでありますが、市民からの苦情要望で最も耳にしたのは、間口への置き雪に関するものや雪堆積場所の不足に関するものが大半でありました。これらの対応を行うとなると現状の除排雪事業予算ではまかなえるはずもなく、となれば今後の経済縮小の流れの中においては市民との役割分担というものを明確に打ち出していく必要があろうかと認識をしています。しかし今回、それと並行して改善の検討が必要なのが、路線除雪に関する請負金額ではないだろうかと感じています。
これは、設計の歩係においては8t級の除雪ドーザーで積算されていると思われますが、業者側の実情として、力と重量のバランス、作業性、市民ニーズへの細やかな対応等々を考慮すると、8t級では力不足の傾向があり、11t級ないし13t級のマルチプラウ付きのタイヤショベルを使用するのが主流になってきており、その結果、設備投資、ランニングコスト等の増大にも繋がっているとともに、近年、益々高度になる住民ニーズに対応するがゆえに、1㎞あたりの作業時間が積算想定を大きく上回る0.8~0.9h近くかかっているという実情があります。
この度、聞き取りを行った複数の業者の共通認識として、最も住民と接する環境下で、気苦労の絶えない路線除雪が、最も経費的にも厳しく、いわば報われない状況になっている事から、今後積算基準の検討を含め改善の余地があるかどうかをお聞かせください。
また、より良い岩見沢市の除排雪環境を構築するために、様々な官民連携を模索、検討されていることと認識をしておりますが、今年度における地域自主排雪制度の推進、地域除雪センターの拡充、高齢者・障がい者に関する助成、除雪ボランティア制度の充実等々に関して新たな取り組みや検討している事があればお聞かせ下さい。
最後になりますが、昨年の第4定例会でも質問させていただいた3方良しの環境を構築するために、これまでも様々に意見を聞く場を設け、自分なりに検討を重ねてまいりました。そこで最も重要であろうことは、やはり市民、業者、行政の3方による情報の共有ということに行き着くわけであります。
たとえば、間口への置き雪に関して、近くに公園や空き地等の雪堆積場がある場合にはそこまで雪を抱えていけないのかといった意見や、朝方に降雪があった場合に出動しない事情等々、一般の市民の方からするとどうしてできないのかがわからない部分についても、意見交換会や勉強会等で重機の特性や関連するやむを得ない事情等を説明すると、十分理解していただけることがほとんどです。と言うことは、そういった素朴な疑問に対し、市と業者が連携し、丁寧に情報を発信することで、出来ないことに対する市民の理解も深まり、ひいてはそれが3方良しの構造構築に直結してくると再認識をした次第です。これに関しては、市としても同様の認識を持っていると思われ、昨年度の対応として、岩見沢市ホームページ上に除排雪作業に関するQ&A集なども掲載され、素早い対応をされていたと考えますが、それをもう一歩進めて札幌市の例にあるように、除排雪作業に対して何ができて何がどうして出来ないのか等々、子どもにも大人にもわかりやすい45ページにわたる質の高い絵本があったり、また、それをもう一歩噛み砕いて、誰でも気軽に読むことができるマンガをつくって広く発信し理解を求めているところなどは大いに参考になると思われます。また、札幌市のホームページ上には、除排雪作業の手順を詳しく紹介する動画までアップロードされています。
この岩見沢市においても、約8万8千人が住む都市としては世界でも有数の豪雪地であることを個性と捉え、都市計画マスタープランにもある通り、「ネオ・コミュニティ文化」を育む施策体系にも掲げられている、雪を克服する「克雪」の大きなステップとして、是非とも優れた除排雪体制に市民も誇りを持ち、そして官民連携が一歩進んだ素晴らしい地域環境を構築できることに繋がることを期待するわけですが、こういった市民との情報共有に向けた取組の推進について市長の考えをお聞かせ下さい。
以上一般質問とさせていただきます。
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この後、市長答弁をいただき、再質問2項目、再々質問を1項目させていただきました。
その答弁と再質問のやりとりは正式な議事録が作成されましたらご紹介させていただきます。
安全な歩道について
最近改修された歩道(一部車道にも)がレンガになっておりますが、非常に危険です、我が家でも家族が2人舗道のレンガにつまずき負傷しました。知り合いも多数転んでいます、見てくれは良いけれど、安全面で問題有りの歩道をこれ以上造らないようにして下さい。
一村様
コメントありがとうございます。
そうですか。そんな事がありましたか。レンガ敷きは非常に見た目も良く、私も大好きな景観でありますが、北海道の場合、凍害による盛り上がりや軟弱地盤による沈下などで、つまづきが発生しうる凹凸が発生します。公共物ゆえ『安全性が最優先』されるべきであろうと考えますので、その経過については私自身、注意深く考えて見たいと思います。
また、相反してしまいますが、その場所の魅力をたかめるためには景観の良さというのも大事な要素の一つでありますので、いかに危険な要素を排除し安全性を確保することができるのか、さらにその費用対効果はどうなのかという部分も含め、自分の中における今後の検討課題の一つとさせていただきたく存じます。