〈令和3年11月15日投稿〉
11月12日に開催された総務常任委員会について、公共交通の他にこの岩見沢市土地開発公社の解散について報告がなされました。
岩見沢土地開発公社は昭和48年、公有地の拡大の推進に関する法律第10条に基づき、北海道知事許可を受けて設立。その目的は公共用地、公用地等の取得及び管理処分等を行うことにより、地域の秩序ある整備と市民福祉の増進に寄与すること。となっています。
その具体的な役割としては、例えば、岩見沢市で公共用地を必要とする場合、本来であれば議会の議決が必要になり、タイムリーな対応が難しいこととなるが、地価が安価なタイミングで土地開発公社が先行取得し、実際に市が必要になった時点で市に売却するという国で認められたシステムで、岩見沢市の場合は南小、明成中、駅前広場、住宅地や工業団地を取得、販売するという役割を担っていました。
しかしどの自治体も同様ですが、バブル崩壊とそれに伴う自治体財政の圧迫等もあり、土地開発公社の役割、目的が薄れてしまっていること。また所有している土地に簿価と実勢価格との乖離が見られ、売却先が見つからない、見つかっても実勢価格と簿価に差があることから赤字になるなど経営的に苦しく、それは岩見沢市土地開発公社においても同様の課題となっていました。
そこで岩見沢市の場合は平成24年から10年計画で負債を解消すべく、市による保有地の取得及び欠損金等の財政支援措置を行い、この度、今年度における解散が妥当という判断になりました。
平成24年以降の土地開発公社所有の土地を市が取得・また欠損金の解消を行ってきた状況は以下のようになります。
私が初めて市議会議員選挙に立候補した約8年前、やはり全国でこの土地開発公社の債務状況が話題となっており、その際、関係者に確認した中で岩見沢市は10年計画ですでに対応を進めているということを聞いていました。それが今年度でこのように解消されることを再確認し、あらためて自治体経営の難解さを感じます。
今後の岩見沢市土地開発公社の開催スケジュールは以下のようになります。
参考までに、北海道内の市ですでに土地開発公社が解散されているのは14市。まだ存続しているのは10市となります。
この土地開発公社の問題については、インターネットでも様々に情報を得ることができます。
この記事は問題の仕組みがわかりやすいかと思います。
https://withnews.jp/article/f0170602000qq000000000000000W06r10301qq000015257A
岩見沢市の場合は前市長時代の平成22年1月に「岩見沢市第3セクター等経営健全化計画」を策定し、上記リンク中でも問題となっている第3セクター等改革推進債という借金を活用せず、10年計画で保有地の取得と欠損金の解消が完了し、何とか解散まで進めることができるということになろうかと思います。