平成26年2月7日(金)10時~
岩見沢市議会 中心市街地活性化特別委員会が開催されました。
内容としては、これまでの内閣府の認定基本計画申請を一旦取り下げ、今後、より実態に即した「(仮称)まちなか活性化計画」として4月からリスタートを切るにあたっての叩き台資料についての議論となります。
その計画資料としては、近々岩見沢市のwebサイトでも公表され、市民意見募集が始められる予定となっていますので、その時に再度ご紹介したいと思います。
今回は私の考えだけを述べさせていただきます。
その前に中心市街地活性化協議会とは何ぞや?というところからおさらいします。(そもそもの詳細はこちらをご覧下さい)
この岩見沢市においては、上図の黄色い枠で囲まれた範囲が「中心市街地活性化協議会」として組織され、核となって実質的に仕切るのは「岩見沢市」「岩見沢商工会議所」、まちづくり会社である「㈱振興いわみざわ」の3組織となります。
それにプラスして、黄色枠内記載の関係団体・組織が構成員となり、国へ申請する事業等のチェックを行ったり、今後の中心部の活性化に向けた活動をする事となります。
しかしながら、どこの都市も似たような傾向と聞いていますが、岩見沢市における現状は、エリアマネジメント組織の不在もあり、前向きな議論を進める”活気のある組織体”になるにはあと一歩のところであり、諸団体から上がってきた補助金申請をチェックするのが主の審査機関になりがちです。
それでもこの岩見沢市の協議会は、専門部会を立ち上げて積極的な議論を続けてきたり、今回の二期計画に向けた素案づくりにも丁寧に時間をかけて議論をしてきたりと、その努力を惜しまず多大な労力を費やしてきています。また、似たような規模の自治体でここまで多用多種の取り組みを実施してきたのは非常に珍しいケースで、内外からも評価されていると聞いています。
それであっても、居住者数、雇用者数、歩行者数等々の目標値に対する結果は厳しい状況となっています。(この結果を批判する方もいらっしゃるかもしれませんが、考え方としては、これだけやって来たからこの減少ですんでいる。という言い方もできると思いますし、本組織立ちあげから実活動までの経過を通して、私自身、この活動に敬意を表する一人です。)
これまでの反省要素としては、本計画に基づく取り組みが、あくまで各団体等の点と点の動きにすぎず、全体をコーディネートしつつ旗印を掲げベクトルを合わせていく体制がとれなかったことにあると感じています。今後の課題としても、その事は十分に認識され、新計画にもしっかりと文言として記載されていることから、関係各位の「何とかしなければならない」という想いを十二分に読み取ることができます。
ただ、今回の資料を読み込んだ中で、将来像、計画、指針、目標等々、多くの共感できる「方向性」が記載されていながら、ほぼ全ての項目において、それは期待と理想の記載であり、残念ながら「いつ」「だれが」「どのように」という具体的な方法が示されていないため、どんなに耳障りの良い美しい言葉を並べても絵に描いた餅になってしまう可能性が高いということです。
それらも4月からスタートする「(仮称)まちなか活性化計画」の新体制の中で具体案を議論していくことになると思われますが、その資料記載の“地域が一体となって事業展開する体制”及び、“マネジメント体制の確立”についてどうやって実現していくのかが表現されていなかったので確認をさせていただきました。
答弁を簡潔に表現すると、これまでとほぼ同じ体制であるが、プラスして活動諸団体との連携を行う。
という上の(図1)にある様な体制とし、これまでは黄色い枠内が主力でやってきたものを、事業実施主体も加え、行政とも横の連携を取っていく。というものです。
これは個人的な意見となりますが、この岩見沢市の魅力を高めるためには、現状の対処療法ではいけないと思っております。そのためには、抜本的な議論として「岩見沢の魅力」「将来像」をしっかりつくり上げていく必要があります。
一例として、本資料の[計画の基本的な方針(上図)]で考えると、、、
基本方針1[住みたいと思う暮らし環境づくり]~とは何をもって住みたいと思ってもらう特色としていくのか。
基本方針2[ふれあいと交流のある賑わいづくり]~とは何をもってふれあいと交流を目指すのか。どんな賑わいをつくるのか。
基本方針3[地域産業の活力を生み出す環境づくり]~とは、その実現のために何が必要なのか。
こんな事を一つひとつ紐解いて共有できるビジョンをつくっていかなくてはなりません。それが図1に記載されている体制だけでできるのか?という疑念に苛まれるのです。
だからこそ、体制をリードしていくエリアマネジメント組織が必要では?という思いから、エリアマネジメントができる組織体を設け、全ての関係機関との調整を含めて、岩見沢市の取り組みをリードしていくべきではないかと1年ほど前までは考えていました。(2013年6月定例会での一般質問 https://hiranoyoshifumi.jp/2013/06/19/1660)
しかし、もう一つの考え方としては、本格的なエリアマネジメントができる存在というのは、いわばスーパーマンの様な人材でなければならず、そんな人材が多額とは言い難い報酬で確保できるかどうか。という懸念も出てくるのです。
であるなら、諸活動を行っている市民や団体、またしかるべき組織においても「もっとこうしたら?」「こんな事がしたい。」という様な想いをもっている人も多々いると思われます(私も含め)。。その想いを吸い上げ、集約できる「ファシリテーター」的な役割を担う組織構造が必要では?という考え方に変わってきました。
そんな思考の変化はこのカテゴリーを追ってもらえると感じてもらえるかと思いますが、この場では割愛させていただきます。
私の考えでは、この中心市街地の議論にしても、まずは「あたらしい岩見沢の将来像・理想像」をみんなで描いてみるというのが何より大事ではないだろうかと思っています。そのためには抽象的な事だけ言っていても始まらないので、しっかりと現実に即した実現可能な具体案まで落とし込んで行かなくてはなりません。
しかし、それは残念ながら、私も含めて専門知識の無い集団では非常に難しいことです。
であるならば、理想は(図1)の構成団体を始めとし、興味ある市民も交えた中で現状の中活協議会の亜種的な「(仮称)あたらしい岩見沢の将来像をつくる会」みたいな組織を立ちあげ、そこで以下のようなステップを踏んで行くべきではないかと感じています。
《現在朧気に考えている4ステップ》
①勉強1【まちの現状認識・課題・危機感の共有】 ~ このまま活力を失っていけばどうなるのか。逆に活力が高まればどうなっていけるのか?そのためには何が課題になるのか等々の基礎情報の認識。また根幹に流れる岩見沢のポテンシャル(魅力、優位性・可能性等)を共有。
②勉強2【ヒントの咀嚼】 ~ 限られた知識の中でいくら頭を捻っても、抜本的になりうる策は産まれてこないと考えます。であるならば日本中、世界中で実施されている事例を勉強し、それを①で共有したまちのポテンシャルに則った形態に咀嚼して落とし込んでいく=思考の器をつくっていく。
③アウトプット【それぞれが描く点を合わせる】 ~ ②で得た知識によって、団体・個人がこれまで活動してきた中で発生している、「もっとこうしたい。」「もっとこうなれば良いのに。」というような想いは必ず進化します。これまで、あくまで点でしかなかったり、表層的なレベルであったりするものが深みを帯びてくるので、それを抽出、融合、変化させつつ、議論の中で新たな将来像を描いていく。
④共有と実行【ベクトルを決める】 ~ ③で描いた将来像を具体的に検証し、尚かつ市民みんなで共有できるようなものにまで高めていく。それにより、各団体・個人・企業等も、モノゴトの核を見据えた中で枝葉を担うそれぞれの活動ができると考える。
このような4つのステップを丁寧に実施していけば、楽しい議論、激しい議論がおこり、市民同士の化学反応が必ず良い結果を生むと想像しています。
ただし、そのためには①②の勉強の場で質が高く適切な情報を提供してくれるプロフェッショナルが必要です。そして、③のアウトプットにおいても、多用な思考、場を導いていく有能なファシリテーターが必要です。そのための予算は最低限必要ですが、投資としての費用対効果は十分高いコストパフォーマンスを得られるだろうと期待します。
また、時間もかかると思います。
しかし、焦って対処療法に追われるよりも、数ヶ月、若しくは1年以上の時間をかけて、まちの今後を決める大事な根幹を議論していくのが理想的なのではないかと考えています。
今現在は朧気ながらこんな事を考えています。
これらが具現化してきて、尚かつ本格的な実施にむけて国の補助等が加わってきたら、その将来像は現実のものとなり、恐らく人口減少にも効果を発揮し、このまちに住む私達一人ひとりの思いに《シビックプライド(自分達のまちへの愛着)》が育まれ、それが更なる好循環を生んでいくものと思っています。
まだまだ細部は詰めていかねばなりませんが、概ねこの方向性ではどうでしょうか。
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