カテゴリー別アーカイブ: 市役所新庁舎

市役所庁舎はどうあるべきか?市民クラブシンポジウム〈報告④〉

報告③より続く

前段の情報提供が終わり、いよいよステージセッションに移ります。

ステージセッションは、こちらが提示する問に関して、手元のホワイトボードに記号やキーワードを記載していただき、その理由等を語ってもらうという手法で行いました。

今回協力をいただいた市民の方は以下の4名の皆さまです。

・佐藤恵三氏(北海道教育大学岩見沢校同窓会顧問)
・楠 幸一氏(岩見沢市農民連絡協議会委員長)
・松本雄介氏((一社)岩見沢青年会議所理事長)
・箕島千絵氏(岩見沢市PTA連合会副会長)

そして、当市民クラブからは庁舎検討部会の3名、太田博之、篠原藤雄、豊岡義博が登壇し、私が進行役を務めることとなりました。

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一つ目の問いは、今回の議論の根幹でもあると認識している合併特例債を活用するか否かの部分。

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前項までの事前情報提供でも重要視していた事で、有利な起債である合併特例債を活用しようとすると、かなり議論の幅が狭まってしまうが、それでも大急ぎで建設するほうが良いと考えるか、目先の財源より、長期的な視野に立って今後の岩見沢のあるべき姿から議論すべきであるかという様なニュアンスの選択をしてもらいました。

事前アンケートでもほぼ均衡していた意見ですが、今回のステージセッションでも同様で、やはり2分する結果となっています。

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これは会派の中でも同様で、私自身、明確にAかBかと問われれば、竹を割ったような答えができずにいるのが現実です。(上画像中のA:Bに関しては、我々議員サイドは参加者の意見が偏った場合に、自分の意思と反してもあえて逆意見を述べるという約束ごとを設けてありました事をご了承下さい)

しかし、この選択はとても重要なことと捉えていることもあり、今回は来場いただいた皆様にも意思表示をしてもらうこととしました。

意味合いとしては、トークセッションの一番最初に意思表示をしていただき、議論が深まった最後にもう一度意思表示をしていただき、その変化の様子を確認したいとの想いがあったものです。

下の画像は顔等がわからないように加工させていただいていますが、赤が合併特例債を活用して即急に建設した方が良いと考える方。青がじっくり議論した方が良いのではないかと考えている方です。白は現時点では判断できずという方になります。

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今回の最初の結果としてB:青のじっくり議論の方が多い傾向がありました。

最終的にもう一度お伺いした時にはBの数は変わらなかったものの、白だった方がA:赤に変化した方が数名いた状況だったことを補足します。

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問2として、合併特例債を活用して即急に建設しようと考える場合、最も重視することは何?という問いかけをしました。

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意見としては駐車場、公共交通等の物理的な事から利便性に関すること、市民との対話などという意見が出て共感を得ていました。

 

次の問は問2とは逆に、焦ること無くじっくりと時間をかけて場所や機能等から議論する場合、最もメリットとなるのはどんなことと思いますか?という設問。

それぞれにコンパクトシティの推進、多機能化等、それぞれに色々な意見が出てきます。

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また、他にも「現在新庁舎建設の計画が進んでいる中で、現在あなたが心配していることは何ですか?」という設問に対しても、市民の声が届かない、単発になってしまう、建設のコンセプト、目線がわかりづらい等々の意見がでました。

途中、会場からの問いや意見等を付箋に記載してもらって集めさせていただきましたが、本当に多くの意見が出て、このような設えの中でご来場いただいた多くの皆さまが何らかの意見を持ち、それを伝えにきてくれたことを感じます。

また会場からの問で、現在の市役所庁舎に対する不満は?というものがあり、それも議論の対象とさせていただきました。

そこで「なるほど!」と共通の認識に至ったものの一つが「特にない」というものであり、それこそ日頃から用事がなければ庁舎に行かない多くの市民からすると、現庁舎になんらかの不満等があるわけではないことも浮き彫りになりました。

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限られた時間でもあり、また非常に難しい奥深いテーマゆえ、モヤモヤしたままでの終了となりますのは当初申し添えさせていただいた通りの結果となりましたが、あらためてステージセッションとしてとても多様な意見を聞くことができたこと。また、来場者アンケートにも非常に多くの記載をしていただいたことは価値の高い事業であったと認識しています。

ただ、事が未来予想等を含むものだけに、少しの議論で明確な方向性を導けるものではありません。しかし多くのアンケートに来てよかった。とても有意義だったという意見を拝見すると、どの様に進んだとしてもプロセスを踏まえた対話が必要なことを強く認識するに至りました。

 

また、先日(8月17日)には、市議会新庁舎建設特別委員会がありました。
(その時の資料:http://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/media/k2/items/book/%E6%96%B0%E5%BA%81%E8%88%8E%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E6%A4%9C%E8%A8%8E%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E8%B3%87%E6%96%99%EF%BC%88%EF%BC%A1%EF%BC%93%E7%89%88%EF%BC%89%E2%80%BB%E7%AC%AC%EF%BC%95%E5%9B%9EHP%E5%85%AC%E8%A1%A8%E7%94%A8_170818022413.pdf

この委員会でのやり取り等は後日記載させていただきたいと考えておりますが、あらためてこのようなシンポジウムを経て、個人としても会派としてもより深い悩みの階層に入っていると感じています。

 

私個人の見解として、今、決めていかなくてはならないことは二通りです。

 

・現在、市役所に来庁する市民は限られていること、少なくとも現状の庁舎に不満を持っている市民も少ないこと等を考慮すると、現在地にて合併特例債を活用し、徹底的な執務機能を重視した合理的な庁舎を建設することが望ましい。

もしくは

・今後訪れる人口減少、高齢化、空き地等の増大等々を始めとする社会環境の変化に備え、例えばコンパクトシティの推進の誘発となるような庁舎づくりをしていくこと。そのための議論に市民と一体となって時間を費やし、未来の岩見沢に誇れる決断を行うことが望ましい。

のどちらかであろうと考えています。

現在のところ、私自身、どちらにウエイトがあるかは明言は避けますが、どちらも正解であると認識をしています。恐らく多くの市民の皆さまも似たような状況であることを踏まえ、私自身の意見を明確に持てるよう、この2つの要素をしっかりと考えていきたいと思っています。

以上、私感を交えての報告となりましたことをご了承ください。

 

尚、この度、市役所でも「市民説明会」を開催することとなりました。

概要は以下の通りです。

非常に告知も弱いため、どれぐらいの市民の皆さまが集まっていただけるかわかりませんが、是非、現在抱えている疑問や違和感、また希望などを持ち寄っていただければ幸いです。

 

***以下、市のwebサイトより転載***

庁舎建設に関する市民説明会の開催について(パブリックコメント等に寄せられた建設場所の比較検討について)

【開催日時及び場所】

・平成29年8月27日(日)14:00から

  岩見沢市生涯学習センター「いわなび」2階研修室

・平成29年8月29日(火)18:30から 

  岩見沢市役所本庁舎3階第1、2会議室

  

※事前申込の必要はございませんので、直接会場へお越しください。

市役所庁舎はどうあるべきか?市民クラブシンポジウム〈報告③〉

報告②より続く

今回のシンポジウムでは、新庁舎を建設するかしないかという議論はしていません。原則として現庁舎が耐震基準に達していない状況下、少しでも早い時期に有事の際に万が一の事が発生しない庁舎が必要ということを前提にしています。

その少しでも早い時期というのが、合併特例債を活用するならば、まさに”今”という事になりますし、そうではなくできるだけ早い時期にというスタンスの上で、将来を見据えた議論をしていくとしたら、合併特例債には間に合わないものの、できるだけ早い時期に庁舎建設を進めていくということになると思います。

そこで、今後に向けてどのような庁舎を期待するか、また庁舎にどのような機能を付与すべきかという議論も重要と認識しています。

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例えば、執務機能に特化し、極力無駄を省いたローコストで長寿命な建物を!という意見もあれば、どうせ建設するなら何からかの効果を狙ったものという考え方もあると思います。

 

◇例えば今年の6月に会派で視察を受け入れていただいた白石区役所。

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この区役所は当初は駅から離れた場所にありましたが、老朽化の建て替えに伴い地下鉄白石駅直結の場所に移転したものです。その際、賑わいの拠点として機能するように、隣の商業施設も同時に設置。市役所庁舎の1階にはカフェがあったり、庁舎内に岩見沢でいうと「いわなび」の様な市民利用を主とした多目的エリアがあったり、絵本図書館や子育て支援センターも備わっており、まさしく人の流れをつくり賑わいの創出を目指したつくりになっていました。

 

 

◇こちらも7月に会派で視察を受け入れていただいた北広島市役所です。

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内容は当ブログで以前ご紹介したとおりですが、現地建て替え型で元々急激な人口増時代に庁舎分散していたものを集約しています。執務機能を重視していながら、子育て支援センターや保健センター、市民利用の多目的室があり、更には展望ロビーがあり、そこには石屋製菓のISHIYAカフェが出店しており、やはり人が集まる機能を付与しています。全体的に非常に効率よく、理に適った作りになっている印象を受けました。市の担当の方によると「やはり丁寧な議論が大事」という事を明確に仰っていました。

 

 

◇こちらは県立高校をイノベーションして市役所庁舎とした富山県氷見市です。

昨年の会派視察で非公式ながら調査をさせていただいた庁舎で、非常に感銘を受けることが多かったです。(その時の投稿https://hiranoyoshifumi.jp/2017/07/04/8691

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元々、廃校になった県立高校の体育館と校舎を改築し、ローコストで市役所庁舎化を行ったところです。是非以前の投稿をご覧になっていただきたいと思いますが、あらゆるところにホワイトボードが設置されており、誰でもすぐに議論ができる環境づくりは見事でした。

またこの庁舎のパンフレットに掲載されていた挨拶文がとても感銘を受けるものでしたのでご紹介しておきます。

 

~市民と行政が”共に創る”未来へ~

このキャッチコピーに込めた想いは、『市民の中にこそ、政策を創り上げる叡智がある』という成熟した民主主義に寄せる期待と信頼です。
複雑、多様化する市政へのニーズと指数的な速度で変化する環境への対応を図るには5万人、志民皆さまの衆知による経営が望ましいと考えます。
開かれた庁舎で対話のある市政、皆さまと政策を創り上げてゆく場を目指します。
皆様の新庁舎です。いつでも気軽に足をお運び下さいませ。

 

この理念と庁舎に反映された工夫というのは何より尊いものだと認識します。

 

◇他には合併後の物理的な中心地に移設した庁舎や、市民ホールなどを併設し、まさに人が集まる機能を有した庁舎など、全国には沢山の事例があります。

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もちろん、そのような特別な機能を付与せず、徹底的に執務機能に特化したものも多いと思います。それらを踏まえ、では今後の社会情勢を鑑み、岩見沢市役所新庁舎はどうあるべきか?という事を多くの市民で議論することはとても大事なことだと考えており、それらをシンポジウム前段の事前情報としてお伝えさせていただき、次項のステージセッションへと移っていきました。

 

報告④へ続く

市役所庁舎はどうあるべきか?市民クラブシンポジウム〈報告②〉

報告①より続く

◇まずは岩見沢市の今後の人口推移を紹介。

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現在の岩見沢市の人口は約83,300人。

少し前に地方消滅等の言葉で話題になった、人口問題研究所で試算した岩見沢市の2040年時点での人口は60,523人。それを何とか減少を避けるための施策を実施し、ある程度効果が出た場合の試算が、岩見沢市人口ビジョンで提示している66,882名となります。

いずれにせよ、たった23年後には岩見沢市の人口は6万人台になってしまう可能性が高いこととなります。

 

◇そこで今後の未来予想として、最近話題になっている「未来の年表 人口減少社会でこれから起きること(講談社現代新書発行)」という本を参照しながら、岩見沢人口ビジョン等のデータと合わせて若干の話題提供をさせてもらいました。

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◇こちらはその本の内容と岩見沢市の人口推移のグラフと合わせたものです。si15

2024年 今から僅か7年後には、団塊世代が全て75歳以上となり、社会保障費が大きく膨らんでいく。

 

 

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2033年 今から僅か16年後には、空き家が全国で2176万戸となり、3戸に1戸が無人となる。

 

 

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2040年 今から23年後には全国の自治体の半数近くが「消滅」の危機にさらされる。

 

 

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2050年 今から33年後、現在の居住地の約20%が「誰も住まない土地」となる。

 

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2059年 今から42年後 5人に1人が80歳以上となる。(この時、私も生きていれば辛うじて80歳代のはずです。)

 

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また、様々に構築されてきたインフラが老朽化を迎え、その維持管理や更新費用が深刻な状況となってきます。この本によれば日本全体で最大5兆5千億円に膨らんでくるとのことでした。

では、これを岩見沢市に当てはめるとどうなるか・・・。

 

岩見沢市公共施設等管理計画からご紹介します。

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本計画より抜粋すると。

平成28年から平成72年までの45年間で試算される将来更新費用は約6,521.5億円

内、建築物2,753.2億円、道路や下水道などのインフラが3,768.3億円と試算されています。

これを単純に1年に均すと144.9億円/年かかることとなりますが、現実に充当可能な金額は62.6億円/年と言われています。よって、年間82.3億円の不足が発生することが予想されている状況です。

 

また、岩見沢市は旧栗沢町、旧北村と平成18年に合併しているため、市民一人あたりの公共施設延床面積がとても多い状況があります。

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他の類似自治体平均が一人あたり3.84㎡と言われる中、岩見沢市は5.62㎡と30%以上多い状況。多いのは豊かなことという考え方もありますが、維持管理にかかる費用を一人あたりになおせば、我々市民一人ひとりにかかってくる負担も多くなるという認識となります。

このようなかなり厳しい将来予測がなされている中、新庁舎の建設について様々に慎重に考えることが重要だと認識します。

 

とは言え、現在の本庁舎が耐震基準に対し、著しくその機能を有していない状況下、何らかの手立てをしなければ、有事の際に司令塔がなくなってしまうことは回避しなければならないのも事実。

では、それらの条件を鑑み、どのような庁舎が必要なのかという議論はしっかりとしていかなくてはなりません。

そこで一旦、市民アンケートの結果に戻り、現在、市民は市役所庁舎に何を望んでいるのかを紹介します。

 

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アンケートの結果、最も多かったのが「市民サービス機能」の向上でした。

次に「公共交通の利便性」「駐車場の利便性」という交通手段が多く、その次に「防災拠点」という結果がでました。その次には建設費の軽減や維持費の軽減が続き、それと同程度でバリアフリーや公共施設の集約・復号化などがあり、意外と賑わいの創出やコンパクトシティーなどに対する関心は低いことがわかりました。

それらの中で、今後に向けてどのような庁舎を期待するか、また庁舎にどのような機能を付与すべきかという議論も重要なことと捉えます。

 

報告③へ

市役所庁舎はどうあるべきか?市民クラブシンポジウム〈報告①〉

〈平成29年8月22日投稿〉

非常に密度の高いスケジュールの中、なかなか報告の投稿をすることができませんでした。

遅ればせながら、平成29年7月27日(木)18時30分より開催した岩見沢市議会市民クラブ主催シンポジウム「市役所庁舎はどうあるべきか?」の報告を記載したく存じます。

会場は岩見沢市生涯学習センターいわなびの研修室。座席は120名程度を用意したものの、実際の関心度合いの反映なのか約60名程度の参加者数でした。

シンポジウムの進行としては、まずはあまりこれまで情報に触れてきていない方のことも考慮し、予備情報の提示からスタートしました。

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◇まずはこれまでの経過報告。

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これまでの調査において、現市役所庁舎の耐震強度が著しく低いことが判明。結果、平成28年10月に「市庁舎建設等内部検討委員会」が庁舎内で設置され、「老朽化」「耐震性」「防災拠点」「合併特例債の活用」等を考慮した結果、耐震工事等での対応ではなく、建て替えが望ましいとの結果が本年2月の総務常任委員会で報告されました(過去の投稿参照)。

 

◇そこで提示された予定地は以下の3箇所。

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その後、パブリックコメントの募集があり19件の意見が寄せられたものの、この数から考慮しても決して関心が高い状況ではないことがわかります。(パブリックコメント内容等http://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/index.php/contents/item/3099403

 

◇現在のところ、合併特例債を活用するためのスケジュールはこのようにタイトな状況になります。

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今年中に基本計画を策定し、来年には実施設計まで行う。そして平成31年から着工してギリギリ完成という運びになると思われます。

 

■ここであらためて、会派にて6月~7月に実施した市民アンケートの集計結果の報告。

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アンケート回答数は全部で549名。内男性45%、女性55%という結果になりました。

◇年代別に関しては下記の通り。

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30代未満は少ないですが、それなりに全ての年齢層をカバーできていると思います。

 

◇ここで我々市民クラブの面々が、想像と最も乖離していた結果がこちらです。

Q:現在どれぐらいの頻度で市役所を訪れますか?という問に対し、8割の方が「ほとんど行かない」と返答されました。

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これは今後の意思決定に対し、とても重要な要素となると思われます。

◇来庁する理由も8割の方が何らかの窓口へ訪れることが主となります。

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◇ここで今回の岩見沢市における新庁舎建設の根幹となるポイントとして、以下のような選択をお伺いしました。

財源的に有利な合併特例債を活用しようとすると、今年中に場所等の基本計画を策定し、議論する時間が非常に限られている状況で一気に進行しなければならない。しかし、今後の岩見沢の変化を考えていくと、目先の財源に拘り焦って建設するより、しっかり未来を見据えて議論を行ったほうが良いのでは?という多くの相反する意見に対し、ある程度の意識調査を行うのを目的としたものです。

ずばり、合併特例債を活用して急いで建設すべき。若しくは、じっくり議論する時間を取るべき。という二択の設問でした。

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結果として、549名中、228名(51%)の人が合併特例債を活用して急いで建設するほうが有利である。と答え、222名(49%)の人が焦ること無くじっくり議論した方が将来の岩見沢のためになるのでは?という意見でした。

ただ、アンケートの時点で「合併特例債」という言葉が理解できなかったという方も多く、結果として99名は無回答の設問でもありました。

ここでシンポジウムの中では、あらためて合併特例債についての説明をさせていただきました。

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平成の大合併により合併した自治体に対し、事業費の95%に充当でき、70%を国が負担してくれるという非常に有利な起債です。

8月17日に開催された庁舎建設特別委員会資料の内容を転載すると、建設費が約50億円とすると市の実質負担額は16億7,500万円となり、33億2,500万円もの実質負担額が減少することとなります。(新庁舎建設特別委員会資料:市webサイト

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かなり大きな金額であることが理解できると思います。

とはいえ心配はあります。関心のある方は「合併特例債 デメリット」などと検索すると様々に情報が得られると思います。

 

◇では今回の岩見沢市において、合併特例債を活用することで発生するデメリットとは何か?

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まさしく、今年の10月には建設場所を決定しなければならず、場所や機能等について様々な視点でシミュレーションする期間があまりにも少ないこととなります。

 

建設場所をとっても、市が提示した3箇所を主とし、どこが望ましいかというアンケート項目に関して、現在地が41%、中央小跡地20%、駅北20%という結果となりましたが、その他として「中心市街地」という様に記載してくれた方が15%。また、中央小跡地や駅北にチェックを入れた方も、カッコ書きにおいて「街中に近いから」などと記載していただいた方も多く、それら2箇所の選択をされた方が「街中」という視点で選んだと仮定すると、回答者の65%が中心市街地に市役所庁舎が移転することを期待していると言っても過言ではないかと思います。

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◇何せ今後最低でも50年間、もし80年間使用するとしたら、22世紀まで活躍してもらわなければならない庁舎です。今後大きな変化に見舞われることが予想されている私達の未来にとって、やはり多くの職員が通い、多くの市民が来庁する施設の場所がどこになるか、またどのような機能が付与されるかは、まちのアウトラインに影響を及ぼすことも考えられます。

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そういった意識から、今後の日本、岩見沢の推移を紹介させていただきました。

 

報告②に続く

〈準備中〉市役所庁舎はどうあるべきか?市民クラブ主催シンポジウム

〈平成29年7月23日投稿〉

今週27日に開催する〈市民クラブ主催シンポジウム:市役所新庁舎はどうあるべきか?〉の準備を進めています。

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先日実施した市民アンケートを依頼する際に、言葉が難しくてわからない等のご意見もいただいたことから、今回のフォーラムはそれらの解説や岩見沢市の状況などの予備情報をプレゼンしてからトークセッションに入る展開にいたします。

ここ数日、事前の予備情報として何が相応しいのかを考えながら、前段約25分程度のプレゼンを作成しています。

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そのプレゼンも何とか先程完成に近い状況になりました。

せっかくの機会なので、アンケート集計の過程を考慮し、合併特例債や人口推移、公共施設等総合管理計画、他都市の事例等々を簡単に紹介し、情報共有としたいと思っています。

今回のシンポジウムは、いきなり結果を導き出すことを目指さず、どのような可能性、どのような課題、どのような希望があるのか等々をそれぞれに感じる機会にしたいと思います。

人によってその受け取り方は様々になると思いますが、これを機に市民理解が深まることを目指したいと思っています。

全く難しいことなく、できるだけ飽きのこない設えで準備中です。どなたでもご参加大歓迎いたしますので、お気軽にご来場いただけると幸いです。

開催日時:7月27日(木)18:30~

場所:岩見沢市生涯学習センター いわなび

事前申し込み不要:参加費無料です。

岩見沢市議会 市民クラブ主催 【市役所新庁舎はどうあるべきか?】開催案内!

〈平成29年7月12日投稿〉

先日より所属会派の市民クラブにて実施している、市役所新庁舎に関する市民アンケートの集計結果等を踏まえ、より情報共有度を高めるためのシンポジウムを開催いたします。

開催日時は平成29年7月27日(木)18:30からです。

実施内容・詳細につきましては、まさしく現在大慌てで準備中です。ただ、来場していただいた方に、あらゆる考え方や優先度、制約があること。また、ご自身ならこう思う。などの思いを持てるような時間にしたいと思っています。

何分、世の中は多様性に満ちています。我々議員も、様々な声を聞きながら自分自身の判断軸を形成していく必要性を感じています。是非、お気軽にご来場いただければ幸いです。

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本シンポジウムは、仕事帰りにでもお一人でふらりと立ち寄れるような気軽な設えにしたいと考えています。もちろん、入場無料で事前申し込みも必要ありません。是非お立ち寄りいただき、一緒に岩見沢の未来を考えるきっかけになれば幸いです。

そして最後に自由記載のアンケートに一杯想いを書いていってください。(希望者におかれましては、様々に発言ができる設えも検討中です。)

北広島市の市役所新庁舎を視察させていただきました。

〈平成29年7月4日投稿〉

本日、所属会派の市民クラブにて、先日の白石区役所に引き続き、出来たばかりの北広島市役所新庁舎を視察させていただきました。この庁舎は今年の5月8日に開庁したばかりで、まだ旧庁舎の解体が始まっていないため、外構工事もこれからの状況です。

下の画像で見える1階は元々斜面だったところで、実質2階が通常の1階レベルとなります。

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下のロビーが上画像の1階部分ではなく、2階にあります。

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この様に丁寧な受入をしていただき、説明は議会委員会室で行われました。

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今回説明をしていただいたのは、準備段階から庁舎建設に携わった方で、とても詳しくまた要領の良いご説明をいただきました。やはり想いのある方の言葉はわかりやすく、色々な質問にも的確に答えていくことができました。

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簡単に要点のみをご紹介すると。。(手書きメモを転載しますので、もしかしたら勘違いや聞き間違いがあるかもしれませんことをご了承下さい。)

〈概要〉

・旧庁舎敷地内で建て替え。仮庁舎等を設けず、限られた敷地内にて建てている。
・床面積は岩見沢市で想定しているのと近い約10800㎡。但し地上5階建て。
・1Fには地域子育て支援センターと保健センター、市民が活用できる多目的室で構成され、2階以上が市役所機能。5階が議会関連とカフェ&展望ロビーで構成されている。
・建設費は建物だけで約48億円、備品や外構等々を合わせると約60億円

〈プロセス〉

・元々北広島は町制時代から急速な人口増があり、庁舎増築等が続き最終的には6箇所に分散していたものを集約。
・過去から建て替えの議論は続いており、昭和51年に建て替え意思を固め10億円を基金へ積み上げ
・平成7年に約80億円かけて他の公共施設整備を行ったため公債費が膨らみ、庁舎建て替えは保留
・その公債費が下がり、市役所を建設しても公債費が平準化されるタイミングで踏み切った
・ずっと議論があったため、建て替えに関しては市民も議会も容認
・平成23年に基本構想→各種公共施設等の位置関係もあり、現在地で建て替えることが望ましい
・議会に特別委員会を設置。1年間数多く協議
・基本計画策定に移行後も特別委員会を設置。協議を重ねてコンセンサスを得てきた。議会との協議は綿密に行ってきたが、反面、職員の声を聴く機会が少なかったのが反省点。
・設計者は公募プロポーザルで4社参加。プレゼンは市民に開放。約200名が傍聴。
・平成27年9月に着工、平成29年5月に開庁。

〈防災に関して〉

・構造は耐震(通常の1.5倍)サーバー室のみ万が一のことを考慮して免震構造。◆屋上に大型発電機。燃料は軽油ではなく灯油。ボイラー等の通常使用と兼ねるため常時新しい灯油が用いられる。非常用軽油だと長期保管で使用できなくなるため。◆トイレの水も消化槽の水を利用~万が一の災害時にもトイレが使える。◆下水管が破損した場合に備え、床下にバルブ切り替えで貯留槽がある。◇これらの機能で、大災害によりインフラ等が完全停止しても数日間は市役所として機能できる。
・災害時に他署との連携を視野にいれたかに関しては、それほど高度な連携は想定していない。防災無線と非常電話程度。

 

〈財源等〉

・国庫支出金が11億円(北海道防衛局〈演習場があるための防音機能〉が10億と、地熱・地中熱等の利用(ヒートポンプ)で1億円)
・起債34億7千万円
・基金12億2千万円
・一般財源から1億2千万円
・建物は約48万円/㎡ 鉄筋コンクリートは型枠工不足で建設費が高騰している事情があり、鉄骨造で決定。結果、他の建設物も似た様な傾向となり、鉄骨も高騰。当初よりかなり割高となった。

 

〈基本方針〉

1,市民が親しみ、利用しやすい庁舎の実現
2,社会情勢の変化に対応できる、長寿命で柔軟性の高い庁舎
3,市民の安全・安心な暮らしを支える拠点となる庁舎
4,省エネルギー対策、環境に配慮した庁舎
5,市民の交流が広がる庁舎

という内容。これは全国どこの庁舎でも画一的に言われている当たり前のこと。ここは優先順位と複合施設化するかどうか以外は時間をかけるまでもなく一般的な内容である。ここに時間をかけることなく、基本設計に時間を割くべきというアドバイスをいただきました。

 

という様なものです。

次に庁舎内を非常に丁寧にご案内いただきました。

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当然、市民利用頻度の高いものが利用しやすい下の階に集約され、上階に行くにしたがい執務空間の要素が強くなる作りとなっています。

 

この庁舎が出来たことにより、旧庁舎は全て解体されるかというとそうでは無く、耐震基準を満たしている第三庁舎は書庫や男性更衣室等として再利用されるとのことでした。やはり使用できるものを活用するというのは非常に大事なことと思います。

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また、一番上の画像で2階が正面玄関でメインフロアという構造を記載しましたが、1階は子育て支援センターと保健センター、多目的室が配置される複合庁舎になっています。

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子育て支援センターは多くのボランティアの方もいて、設備もとても明るい印象です。

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この隣には保健センターがあり、奥からも互いに行き来ができて連携が容易になるような構造になっていました。

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(↓)子育て支援センターの屋外遊戯スペースを望む。手前の太いパイプがヒートポンプの地中熱を活用するためのもの。

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議場は明るく障がいのある方にも優しい構造となっていました。また4K画像が各所のモニターに映される最新の設備になっていました。

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この議場と隣接しているのが市民が自由に憩いの場とできる展望ロビーでした。
小さなお子さんがいて議場内で傍聴しにくい場合なども含め、このロビーにある大きなモニターで傍聴できる環境になっています。議場内では私語もできませんが、この様な場所があると色々と会話しながらリアルタイムに議会傍聴できるのは良いなと思いました。

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また、この5階展望ロビーはとても開放感のある場所です。

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北広島市に石屋製菓の工場が出来たこともあり、この展望ロビーにはISHIYA CAFEがあります。

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更にJRの高架線路を見下ろす場所となるので、頻繁に走る電車を見ることができます。ここで驚くのが防衛局の補助による防音効果。ガラスも共振しないように0.5㎜と0.3㎜のダブルとなり、中間に防音フィルムを挟む構造のため、間近に走る電車の音がほぼ聞こえない状況でした。

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そして、個人的にとても良いなと感じたのが、ところどころにシビックプライドをくすぐる仕組みがあること。

2階ロビーには北広島に関係の深い人々のパネルがあります。(その隣には広島市の平和の灯も展示されていました)

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また、議場入り口付近には、地元で産出される軟石を活用した壁面がありました。

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余談として、我々議員の席に資料と一緒にポケットティッシュがありました。
その色が様々に違うことに気づき、良く見ると記載されているコメントも様々。

なかなかウイットに富んだコピーばかりで、聞くところによると市の若手職員が考えたもので、これに伴う動画も多数あるとのこと。

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少し調べてみると、この様なコンセプトでした。

https://www.city.kitahiroshima.hokkaido.jp/hotnews/files/00120000/00120093/20141201_pr.pdf

なかなかセンスが良く、この様な雰囲気が市役所庁舎にも反映されていることを感じます。


今回は解説していただいた職員の方々が非常に的確で、とても理解が進みました。自分たちの岩見沢市に当てはめた時のイメージも想像することができました。

また、これまでいくつかの庁舎を視察させていただいてきましたが、最もコンパクトに良くまとまっていて、尚かつ、防災や他機能との同居など、非常にレベルが高い印象を受けました。こんな身近な場所に良い見本があることを始めて知った次第です。

 

随所において、基本設計に時間をかけ、しっかりと議論と検証をすべきという想いを感じられましたが、岩見沢市は合併特例債ありきのスケジュールのため、すでに基本設計の支援に向けた公募プローポーザルも終わり、事業者も確定されています。残念ながらじっくりと議論するという雰囲気になっておりませんが、私達市議会も追認のための新庁舎建設特別委員会ではなく、密な報告と活発な議論で前向きに協働できる環境づくりをしていかなくてはならないと再認識したところです。

そのためにもまずは私達議員が、自分たちの判断軸を的確に持てるよう、沢山の引き出しを扱えるように情報を集めて行かなくてはなりません。

 

更に、先日投稿した市民アンケートの結果も踏まえ、7月27日 (木)18:30から、岩見沢市生涯学習センター いわなびにて、岩見沢市議会市民クラブ主催で市民向けフォーラムを開催することが本日決定しました。

準備も非常にタイトですが、できるだけ的確な課題抽出と前向きな議論ができるような場にしたいと思っています。

詳細については随時ご紹介させていただきますので、関心がありましたら是非ご参加いただければ幸いです。

市役所新庁舎に関する市民アンケート集計中

〈平成29年7月3日投稿〉

ただ今、所属会派である市民クラブで実施している新庁舎に関する市民アンケートを集計中です。

先日、途中経過として部会の4名で一つずつ拾い上げながら仮集計したものを打ち込み、グラフとして見える化を進めています。またそれと並行して自由記述で書いていただいた内容を抽出し、整理しています。

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現時点で400以上の回答をいただき、明日、会派内での持ち寄りが集まってくると思いますので、500件は越える貴重な資料となりそうです。このアンケート結果の公表につきましては、また後日、全てのデータが出揃った後にご紹介させていただきたく思いますが、まずは明日、会派で北広島市の新庁舎視察を行いますので、その道中で会派内報告ができそうです。

 

このアンケートは随分と多くの方が想いを書き連ねてくれており、一部の方々の関心の高さと想いの強さに触れることが出来る反面、かなりの比率の方々において無関心さが目立つ側面も見えました。今後最低でも50年以上使用すると考えれば西暦2070年、途中で手をかけつつ、超寿命化で80年以上持ちこたえさせるとしたら22世紀まで使用されていく庁舎です。私たちがこれまで経験したことのない人口減少や高齢社会、ICTテクノロジーの変化において、我々のまちの市役所庁舎がどのような役割を果たすべきなのか、そのような要素も含め真剣に考えて行かなくてはならないと思っています。

 

話は変わって、先日の某会合で、とある先輩から「アンケートなんてとってどうするのよ!もうどうしようもないんだろう?」という言葉をいただきました。しかし、あらためてこの膨大なアンケート回答を見ていると、これまで自分で考えていたイメージが少しずつ変化してくることを実感しています。やはり多くの人の声を聴くというのは議員としての原点なのだと思うばかり。

この思考の変化は、これから提示されるであろう基本計画案の途中報告でも、自分なりの判断軸を持つことができる大事な引き出しの一つとなりそうです。

 

ただ、以前も記載した通り、選択肢としては大きく2通りかなと考えています。

合併特例債を活用し、徹底的にローコストで本来の市役所庁舎機能のみを追求していく方向と、今後の岩見沢のまちの形をイメージし、その付加価値や場所を含め、じっくりと議論をし直す方向です。

 

そして今、このアンケートの結果として、約8割の回答が「1年間の内、ほとんど市役所へ行く機会がない。」という様な回答をしており、それをどう判断していくかも大事なポイントだと思っています。

 

まずは今は思考の引き出しを増やしていく努力をします。

岩見沢市役所新庁舎建設に向けての調査

〈平成29年6月21日投稿〉

少し前にもシリーズ的に投稿させていただいている「新庁舎建設」に向けた動向ですが、未来の岩見沢に対し、非常に影響のある事象で判断も難しいと考えることから、あらためて市民の意向を調査する必要があると判断し、所属会派である市民クラブ全員でアンケート調査を行っています。

現在、市内各町会連絡協議会や市内各種200団体への依頼が進行中です。

また、本日も16時30分より、であえーる岩見沢周辺で街頭アンケート調査を行う予定です。

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そこで、少しでもデータが多いほうが良いと思われますので、web上でも広くご意見を賜われればと考えています。

つきましては、下記よりダウンロードいただき、FAXがメールにてご意見を頂戴できれば幸いです。

https://hiranoyoshifumi.jp/data/shiminenq.docx

 

現在、様々な意見を聞いているところですが、やはり中心部に市役所の移転を行うことで、中心市街地に賑わいをもたらす契機としたいというものと、現在地で構わないという考え方が多いと思われます。

また、先日の新庁舎建設特別委員会での質問で明確になったのですが、現在地であれば、現在の水道庁舎等は耐震基準に達していることから、それらを再利用することでよりローコストに建設することも考えられるところです。まずは様々な意向と情報を整理し、よりよい判断ができる様に準備を進めてまいります。

いずれにせよ、今後顕著になる誰も経験したことの無い縮小時代において、大型公共施設が議論も薄くただ建物が新しくなることに疑問を感じている人は多いと思います。あらためてこれからの時代に何が求められるのかを考える契機になるのは間違いないと感じています。合併特例債を活用しようとすると、非常にタイトな時間になりますが、それだけに深くて熱い議論を行わなくてはなりません。

 

自由記述でも結構です。

是非、多様な視点で様々なご意見を賜われれば幸いです。

jimu@hiranoyoshifumi.jp

岩見沢市役所 庁舎建て替えについて(4)

サブテーマ:徒然検討(まとめ)

〈平成29年5月22日投稿〉

(3)より続く

 

ここまで「新しい市役所庁舎は中心市街地へ」という声が多いと記載しました。

恐らく高度経済成長期には、多くの自治体が【中心部にあった公共施設を郊外へ移転する。】という行為を行い、現在に至っていると思います。これは岩見沢市も同様で、元々街中にあった市役所を約50年前に現在地に移転しています。

この高度経済成長期においては、非常に効率よく経済循環が発生する商業地に公共施設が場所を取るのではなく、公共施設を郊外に移することで、高い経済活動が伴うものを中心市街地に集約し、好循環を発生させた背景があると思います。

しかし、現在の少子高齢化、人口減少の時代、つまり全体が「鬆」となりつつある背景、更に中心市街地が疲弊している現状においては、多くの職員が通い、更に多くの利用者が集まる市役所の様な公共施設が中心街に戻ることの効果は、新たな経済活動の誘発と公共交通の活性化等にも期待できるものがあり、これからのまちづくりの視点として検討の余地があるものと認識しています。そしてこれは恐らく多くの市民が感じていることだろうと思います。

では、どこにつくることができるか?

平成33年末までに供用開始という合併特例債の条件に叶うことを踏まえ、現在の検討資料条件にすると、残念ながら選択肢は見つかりません。私が唯一考えられる所としては駅東市民広場ぐらいか?と思っています。(他にも三館跡地などに分庁舎という事も可能かもしれません)

 

著作権上、ここに駅東市民広場に現在の庁舎を重ねたgoogleMAPを出すことができませんが、実はこの広場の面積は約1万6千㎡あり、駐車場を考慮しても申し分ない大きさです。また、公共施設マネジメントの観点から、将来の公共施設面積を大幅に減らして行かなくてはならない岩見沢市の状況を鑑みると、既存の赤レンガホールと連絡通路を結び、利用者の多いホール以外を市庁舎として活用することで、建設費の大幅削減と一人当たり公共施設面積の減少の両立が図れる利点もあるかもしれません。

また、ここであれば、現在、企画財政部の一部が入っている自治体ネットワークセンターと教育委員会が配置されている”であえーる”とも徒歩で行き来することができるため、新たに新築する新庁舎もかなりコンパクトにすることが可能と想像します。

とは言え、やはり検討場所としてすら選定されない「出来ない理由」もあります。

 

本年2月の総務常任のやりとりを参考にすると、最も難しいと思われることは

①この広場の建設には公園の補助が入っているため、それ以外の用途に使用する場合は補助金と起債の残債として約4億5千万円を返さなければならない。

②都市公園法でいう緑地区分のため、これを廃止する場合は中心市街地区域に同等規模の代替地を用意しなくてはならない。

③既存で活用しているドカ雪まつり等のイベントが開催できなくなる。

④床面に市民参加の刻印レンガがある。

という様な事があります。

 

①の補助金は長い目で見たときにそれ以上の効果が期待できれば返還しても問題ないと考えます。

②の区分としても、中心市街地活性化の概念でつくられた公園ゆえ、より中心市街地の活性化に寄与する変更であれば、全面的に関係官庁と相談、交渉し、熱意を持ってかけ合うことで何らかの緩和措置があるのではないかと期待できる。(これは私ができる事ではないので、そもそもその様な掛け合いが可能かどうかを含めて、言うのは簡単、実行するのは難題と思っています。出来たら凄いことであると。。)

③これは簡単に解決できることではありませんが、新たな制約の中での工夫や遊戯道路等の施策も視野に入れることができるかもしれません。

④既存の刻印レンガは一度取り外し、再利用することで庁舎の床面や駐車場に活かすこともできると思われます。

 

という具合に考えますが、これができるかどうかは全く別の話です。恐らく②に関しては相当難しく、簡単に口にできるようなレベルの事ではないことは言えるのだろうと認識しています。よってリスクを冒すべきかどうか、(3)で述べたように「民意の強い後押し」がなければ決断に至るものではないと思います。

 

他にも委員会において、他所に関する質問も出ていましたが、あらゆる想定をしていくことが重要だと考えています。

 

また、そこで蔑ろにしてはならないのが各種計画等との整合性です。

■例えば、公共施設マネジメント

現在岩見沢市では、公共施設の老朽化による将来経費の増加に対し、管理計画等の策定を進めています。また単なる老朽化等のみではなく、岩見沢市の実態として、他の自治体に比べて市民一人当たりの公共施設面積が多いことがあげられます。これは今後の市民負担増が想定されるものです。であるならば、これからつくる公共施設に関しては、それらの概念を踏まえ、既存の施設の再活用なども視野に入れ、一人当たり公共施設面積の減少を進めて行かなくてはなりません。

 

■公共交通のあり方も重要です。

市としても現在公共交通について、種々検討をしています。現在、身近なところでも高齢による運転免許証の返納などの話を聞きます。それに呼応し、公共交通の必要性は一層高まるはずですが、現状ではまだ利用者が減少の一方のため、種々苦労しているのが実態です。先日もバス路線再編成の説明会が市内各所でありましたが、より利用しやすくなる部分が出る反面、郊外の人が現在の市役所に行こうとすると、かなりの路線で乗り換えが必要になるなど、一部利便性の低下も見られます。

これがバスが集まる駅付近に市役所があれば、市内の大抵の地域から1本のバスで来られること、また職員や議員も自家用車通勤ではなくバス通勤が増加することも考えられることから、バス利用者の純粋な増加も期待できるかもしれません。当然、車ではなくバスであれば、帰りに居酒屋で一杯・・なども発生しやすくなり、市内の経済効果も・・・というのは、あまりに安易な絵に描いた餅かもしれませんが・・。

いずれにせよ、現在、高齢者のバス無料乗車券の配布なども行っておりますが、より利用者が増える要素を目指していくのは必要な視点であろうと思います。

 

■中心市街地の活性化は、市の固定資産税収入の減少を防ぐにも非常に重要と捉えています。

過去、中心市街地活性化計画を策定し、様々な取り組みをしてきましたが、現実の人口減少や空洞化は予想を上回る状況で進行中です。しかし市の税収等の面から見て、大きな割合を占める中心市街地の固定資産価値を下げることは、全市に影響することにも繋がります。よって、中心市街地の活性化は、その地域に関わる人だけで行うのではなく、全市体制で取り組むべきものと考えます。そこで現在も「岩見沢市まちなか活性化計画」を策定し、活性化に繋がる努力をしているところです。

 

雑ぱくにこれら3つの関連を考えただけでも中心市街地に新庁舎を!という声が出るのは当たり前のことと感じます。やはりそれぞれ個別の計画等との相乗効果を図ることは、将来に岩見沢にとって大いに価値のあることと考えます。

 

また、ここで補足をすると、先日公募された「岩見沢市新庁舎建設基本計画策定業務」において、市の各種計画との整合性を図ること。という項目がありますが、そこに明記されている各種計画とは、

ア 新岩見沢市総合計画
イ 新市建設計画
ウ 地域防災計画
エ 都市計画マスタープラン
オ その他委託者が指示する計画

と記載されています。是非、「その他委託者が指示する計画」の中に、上記3つの要素も入ってくると良いと思います。

 


さて、ここまで乱雑に色々と記載してきましたが、あらためてここで決断をしていくには、合併特例債の期限が最大のネックとなります。

現状で議論を深めるために工期を延ばし、50億円もの合併特例債の活用を見送ることは大きなリスクとなります。

しかし、今後最低50年以上、恐らく西暦2070年過ぎまで活躍するであろう市役所庁舎です。恐らく現在の鳩が丘で建て替えるのと、中心市街地に建て替えるのでは、岩見沢市街地の姿形にかなりの影響があるのではないかと感じます。その費用対効果とまちづくりデザインにおいて、”急ぐのが得か”、”じっくり議論するのが得か”は残念ながら、私には今ここで結論を導くことはできません。

その決断はどちらを取るのもリスクが発生し、尚かつ、長い年月が経たなければ正解がどちらかわからないと思われます。

 

ここは多くの市民の声を真摯に聴いていくことが重要で、それこそ私自身、議員としての大事な仕事であると認識します。少なくとも自分も現状で結論を導くことが出来ていません。限られた時間の中でどのような展開が考え得るか常に思案していきたいと思っています。

 

尚、この度の岩見沢市議会第19期の後期において、新たに庁舎建設特別委員会が発足しました。ここでも議論が可能になります。是非、身近な議員の方に皆様のご意見をお聞かせいただけると良いかと思います。

 


最後になりますが、現状で考え得る変化の可能性も少し触れておきたいと思います。

今の社会環境においては、これまで綴ってきたような内容が重視され、やはり中心市街地に市役所庁舎が移転することのメリットを感じます。しかし、現在のICTの急速な進化により、もしかしたら私たちが想像するよりもずっと早くに自動車の自動運転技術が一般化すると、公共交通の概念が一変し、例え庁舎がどの場所にあろうと、多少の時間の差はあるものの、問題なく家から市役所まで連れて行ってくれると思われます。また、ICT全般の急速な進化による市役所機能そのものの変化も考えられます。

現在のテレワークなどは、まだまだ行政機能には適さないところですが、これからはわかりません。もしかしたら現在窓口業務で行っていることも、自宅からこなせるようになれば、市民が窓口に行く必要もなくなります。更に進めば市役所職員が庁舎に行く必要性にすら疑問がでるかもしれません。

果たしてこの様な時代が来るのかどうか。来るとしたら何年後なのかを想像する術を持ち得ませんが、もし近い将来その様な事になるのであれば、現在議論していることすらあまり意味のないものになってしまい、結果として、コスト重視で合併特例債を活用して現在地に建設するのが最もメリットがある。という結論になるのかもしれません。

しかし、まだ当面はその様な時代は来ないであろう。来たとしても、初期の自動車発明期からしばらくは、超富裕層にしか所有できなかった如く、その技術の恩恵を享受できる財力が我々にはないのかもしれません。であるならば、やはり考え得る身近な未来までは、中心市街地の価値の確保と公共交通の利便性確保は高い優先度を持つものと考える。

では、それはどのような落としどころか?

市民向け窓口機能の分庁化など、様々に考えて行かなくてはならないと思いますが、やはり多様な意見を基にした集合知を導くことが重要なのだろうと思います。

23日(火)が締め切りですが、是非パブリックコメントでご意見を寄せて欲しいのと、我々誰でも良いので議員に思いを伝えていただければと思います。

 

この庁舎については、どうあることが正しいことか、私もしっかりと情報収集して意思を固めていきたいと考えています。

何とぞ宜しくお願い申し上げます。

 


 

◆今回(も?)どうにも文章がまとまりを失ってしまっています。非常に読みづらい、また誤字脱字等もあろうかと思いますが、お許し下さい。もう少し自分の中でこの新庁舎について整理できてくると記載する内容も変化してくると思いますが、いかんせん焦るばかりが実情です。前述にもある通り、議会でも庁舎建設特別委員会が発足しました。また、会派の中でも検討チームが構成されます。現状はあくまで私個人の上っ面の考えを雑ぱくに記載したものであり、今後、様々に議論していく中で変化してくる事があると思いますので、何とぞご容赦いただきたく存じます。

また、ご意見も賜れれば嬉しく思います。

ご意見はコメントでもメールでも構いませんので、お気軽にお寄せいただければ幸いです。