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北広島市の市役所新庁舎を視察させていただきました。

〈平成29年7月4日投稿〉

本日、所属会派の市民クラブにて、先日の白石区役所に引き続き、出来たばかりの北広島市役所新庁舎を視察させていただきました。この庁舎は今年の5月8日に開庁したばかりで、まだ旧庁舎の解体が始まっていないため、外構工事もこれからの状況です。

下の画像で見える1階は元々斜面だったところで、実質2階が通常の1階レベルとなります。

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下のロビーが上画像の1階部分ではなく、2階にあります。

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この様に丁寧な受入をしていただき、説明は議会委員会室で行われました。

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今回説明をしていただいたのは、準備段階から庁舎建設に携わった方で、とても詳しくまた要領の良いご説明をいただきました。やはり想いのある方の言葉はわかりやすく、色々な質問にも的確に答えていくことができました。

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簡単に要点のみをご紹介すると。。(手書きメモを転載しますので、もしかしたら勘違いや聞き間違いがあるかもしれませんことをご了承下さい。)

〈概要〉

・旧庁舎敷地内で建て替え。仮庁舎等を設けず、限られた敷地内にて建てている。
・床面積は岩見沢市で想定しているのと近い約10800㎡。但し地上5階建て。
・1Fには地域子育て支援センターと保健センター、市民が活用できる多目的室で構成され、2階以上が市役所機能。5階が議会関連とカフェ&展望ロビーで構成されている。
・建設費は建物だけで約48億円、備品や外構等々を合わせると約60億円

〈プロセス〉

・元々北広島は町制時代から急速な人口増があり、庁舎増築等が続き最終的には6箇所に分散していたものを集約。
・過去から建て替えの議論は続いており、昭和51年に建て替え意思を固め10億円を基金へ積み上げ
・平成7年に約80億円かけて他の公共施設整備を行ったため公債費が膨らみ、庁舎建て替えは保留
・その公債費が下がり、市役所を建設しても公債費が平準化されるタイミングで踏み切った
・ずっと議論があったため、建て替えに関しては市民も議会も容認
・平成23年に基本構想→各種公共施設等の位置関係もあり、現在地で建て替えることが望ましい
・議会に特別委員会を設置。1年間数多く協議
・基本計画策定に移行後も特別委員会を設置。協議を重ねてコンセンサスを得てきた。議会との協議は綿密に行ってきたが、反面、職員の声を聴く機会が少なかったのが反省点。
・設計者は公募プロポーザルで4社参加。プレゼンは市民に開放。約200名が傍聴。
・平成27年9月に着工、平成29年5月に開庁。

〈防災に関して〉

・構造は耐震(通常の1.5倍)サーバー室のみ万が一のことを考慮して免震構造。◆屋上に大型発電機。燃料は軽油ではなく灯油。ボイラー等の通常使用と兼ねるため常時新しい灯油が用いられる。非常用軽油だと長期保管で使用できなくなるため。◆トイレの水も消化槽の水を利用~万が一の災害時にもトイレが使える。◆下水管が破損した場合に備え、床下にバルブ切り替えで貯留槽がある。◇これらの機能で、大災害によりインフラ等が完全停止しても数日間は市役所として機能できる。
・災害時に他署との連携を視野にいれたかに関しては、それほど高度な連携は想定していない。防災無線と非常電話程度。

 

〈財源等〉

・国庫支出金が11億円(北海道防衛局〈演習場があるための防音機能〉が10億と、地熱・地中熱等の利用(ヒートポンプ)で1億円)
・起債34億7千万円
・基金12億2千万円
・一般財源から1億2千万円
・建物は約48万円/㎡ 鉄筋コンクリートは型枠工不足で建設費が高騰している事情があり、鉄骨造で決定。結果、他の建設物も似た様な傾向となり、鉄骨も高騰。当初よりかなり割高となった。

 

〈基本方針〉

1,市民が親しみ、利用しやすい庁舎の実現
2,社会情勢の変化に対応できる、長寿命で柔軟性の高い庁舎
3,市民の安全・安心な暮らしを支える拠点となる庁舎
4,省エネルギー対策、環境に配慮した庁舎
5,市民の交流が広がる庁舎

という内容。これは全国どこの庁舎でも画一的に言われている当たり前のこと。ここは優先順位と複合施設化するかどうか以外は時間をかけるまでもなく一般的な内容である。ここに時間をかけることなく、基本設計に時間を割くべきというアドバイスをいただきました。

 

という様なものです。

次に庁舎内を非常に丁寧にご案内いただきました。

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当然、市民利用頻度の高いものが利用しやすい下の階に集約され、上階に行くにしたがい執務空間の要素が強くなる作りとなっています。

 

この庁舎が出来たことにより、旧庁舎は全て解体されるかというとそうでは無く、耐震基準を満たしている第三庁舎は書庫や男性更衣室等として再利用されるとのことでした。やはり使用できるものを活用するというのは非常に大事なことと思います。

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また、一番上の画像で2階が正面玄関でメインフロアという構造を記載しましたが、1階は子育て支援センターと保健センター、多目的室が配置される複合庁舎になっています。

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子育て支援センターは多くのボランティアの方もいて、設備もとても明るい印象です。

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この隣には保健センターがあり、奥からも互いに行き来ができて連携が容易になるような構造になっていました。

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(↓)子育て支援センターの屋外遊戯スペースを望む。手前の太いパイプがヒートポンプの地中熱を活用するためのもの。

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議場は明るく障がいのある方にも優しい構造となっていました。また4K画像が各所のモニターに映される最新の設備になっていました。

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この議場と隣接しているのが市民が自由に憩いの場とできる展望ロビーでした。
小さなお子さんがいて議場内で傍聴しにくい場合なども含め、このロビーにある大きなモニターで傍聴できる環境になっています。議場内では私語もできませんが、この様な場所があると色々と会話しながらリアルタイムに議会傍聴できるのは良いなと思いました。

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また、この5階展望ロビーはとても開放感のある場所です。

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北広島市に石屋製菓の工場が出来たこともあり、この展望ロビーにはISHIYA CAFEがあります。

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更にJRの高架線路を見下ろす場所となるので、頻繁に走る電車を見ることができます。ここで驚くのが防衛局の補助による防音効果。ガラスも共振しないように0.5㎜と0.3㎜のダブルとなり、中間に防音フィルムを挟む構造のため、間近に走る電車の音がほぼ聞こえない状況でした。

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そして、個人的にとても良いなと感じたのが、ところどころにシビックプライドをくすぐる仕組みがあること。

2階ロビーには北広島に関係の深い人々のパネルがあります。(その隣には広島市の平和の灯も展示されていました)

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また、議場入り口付近には、地元で産出される軟石を活用した壁面がありました。

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余談として、我々議員の席に資料と一緒にポケットティッシュがありました。
その色が様々に違うことに気づき、良く見ると記載されているコメントも様々。

なかなかウイットに富んだコピーばかりで、聞くところによると市の若手職員が考えたもので、これに伴う動画も多数あるとのこと。

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少し調べてみると、この様なコンセプトでした。

https://www.city.kitahiroshima.hokkaido.jp/hotnews/files/00120000/00120093/20141201_pr.pdf

なかなかセンスが良く、この様な雰囲気が市役所庁舎にも反映されていることを感じます。


今回は解説していただいた職員の方々が非常に的確で、とても理解が進みました。自分たちの岩見沢市に当てはめた時のイメージも想像することができました。

また、これまでいくつかの庁舎を視察させていただいてきましたが、最もコンパクトに良くまとまっていて、尚かつ、防災や他機能との同居など、非常にレベルが高い印象を受けました。こんな身近な場所に良い見本があることを始めて知った次第です。

 

随所において、基本設計に時間をかけ、しっかりと議論と検証をすべきという想いを感じられましたが、岩見沢市は合併特例債ありきのスケジュールのため、すでに基本設計の支援に向けた公募プローポーザルも終わり、事業者も確定されています。残念ながらじっくりと議論するという雰囲気になっておりませんが、私達市議会も追認のための新庁舎建設特別委員会ではなく、密な報告と活発な議論で前向きに協働できる環境づくりをしていかなくてはならないと再認識したところです。

そのためにもまずは私達議員が、自分たちの判断軸を的確に持てるよう、沢山の引き出しを扱えるように情報を集めて行かなくてはなりません。

 

更に、先日投稿した市民アンケートの結果も踏まえ、7月27日 (木)18:30から、岩見沢市生涯学習センター いわなびにて、岩見沢市議会市民クラブ主催で市民向けフォーラムを開催することが本日決定しました。

準備も非常にタイトですが、できるだけ的確な課題抽出と前向きな議論ができるような場にしたいと思っています。

詳細については随時ご紹介させていただきますので、関心がありましたら是非ご参加いただければ幸いです。