令和2年度 民生常任委員会所管事務調査〈市立病院〉

〈令和2年8月7日投稿〉

7月30日に表記所管事務調査がありました。

例年であれば5月の開催となりますが、今年は新型コロナウイルスの影響で開催時期を変更して開催されました。

その中で市立病院に関し、いくつかの確認をさせていただいておりますのでご紹介いたします。

*以下、質問文面と答弁内容は正確な議事録からではなく、あくまで要旨であることをご了承ください。


■新型コロナウイルス感染症の影響を受け、患者数推移も変化しているものと思われるが、どのようになっているか。

□令和2年3月から6月末までの直近を前年度比較

〈入院患者延数〉43,519人→35,680人(△18%)
〈外来患者述数〉73,744人→63,841人(△13.4%)
〈入院外来合計〉117,263人→99,521人(△15.1%)

要因として、新型コロナウイルス感染拡大に伴う、緊急を要しない手術の延期や、感染不安に起因する受診抑制等が考えられる

 

■患者数の減少等に伴い経営的な影響も受けてくると思われるが、どのような見通しを持っておられるか。

□全国的に経営悪化を招いている。岩見沢市立総合病院についても医業収益の減少があり、入院・外来合計は以下の通り。

〈4月〉約1億1千万円減(△13.1%)
〈5月〉約1億3千万円減(△14.8%)
〈6月〉約1億3千万円減(△14.8%)

と厳しい状況にあり、経営への影響は避けられないと考えている。

この様な状況を踏まえ、国は中等症以上の患者の診療報酬の引き上げに加え、第2次補正予算において、医療期間における感染症患者等の病床確保に対する交付金制度を創設。

しかしながら減収分に対し十分とは言えず、先般、全国市長会は公立病院の安定的経営を確保するため、必要な財政措置を講ずるよう国に求めている。

 

■今後、withコロナの時代と言われる中で、病院全体としても感染防止対策なども常に細心の注意を払っているものと思われるが、具体的にどのような対応をされているか。

□総合病院では、総合窓口や外来窓口の間仕切りパネル設置等による飛沫予防策や、定期的な清掃・消毒等の接触予防策に加え、出入口と開放時間の制限、面会の原則禁止、換気やソーシャルディスタンシングによる3密回避を実施。

来院者に対し院内放送や掲示によるマスク着用や手指消毒徹底の注意喚起などの感染防止対策を行っている。

また、5月下旬からは、入場口で来院者に対し非接触型の体温計による検温を実施し、検温によりスクリーニングされた発熱者については専用のブース内で問診等を行うなど、可能な限り発熱のない患者との接触を避けるよう、それぞれの患者の動線とゾーニングを分ける対応を図っている。

 

■現在、空知や岩見沢市内の感染は小康状態を保っていると認識しているが、札幌近郊ではまだまだ予断を許さない状況が今後も続いていくと思われる。よって市外からの感染者受け入れなどもあろうかと思いますが、あらためて新型コロナウイルスに直接的に携わる医療従事者の心身のケアはどのようになっているか。

□南空知医療圏で唯一、第2種感染症医療機関に指定されている総合病院においては、新型コロナウイルス感染症への対応の長期化を踏まえ、職員の希望を考慮した定期的な配置転換に加え、道内の他の公立病院に先駆けて、医療従事者に対する特殊勤務手当(いわゆる危険手当)の支給、医療従事者の負担軽減及び家族等への感染防止のため宿泊施設の借上げ制度を創設するなど、医療の最前線で従事する職員の心身両面でのケアに取り組んでいる。

総合病院におけるメンタルサポートの取組みとして、新型コロナウイルス感染症の治療法が限られ、予防法も確立されていない中、不安や緊張で強いストレスを受ける医療従事者が少しでも安心して勤務することが出来るよう、自分自身の心の健康を管理する最も重要なセルフケアのためのチェックリスト、ストレスへの対処法、院内外の相談窓口等を記載したリーフレットを作成し、院内の全職員に周知・啓発を実施している。

職員自身のセルフケアを補完する院内の相談体制としては、上司や同僚との継続的なコミュニケーションによるラインケアやピアサポートに加え、感染症の専門的知識を有する医師や看護師が所属する「感染防止対策室」と、産業医を含む院内各部署の職員で構成する「安全衛生委員会」が職員の相談窓口となっている。

また、院内の感染管理を十分に行う事も職員の不安を解消し、メンタルサポートに繋がるものと考えており、引き続き感染管理を徹底しながら、職員の心身のケアとサポート体制の充実を図ってまいりたい。

■今後、大きな意味合いとしての第2波が懸念されているが、そのための備えとしてどのようなことをしているか。100年ほど前に流行したスペインかぜも第2波の方が非常に厳しい状況に陥った例もありますが、人的な部分としても必要に応じて応援体制なども整備されているのか

□第2種感染症指定医療機関として、専門的知識を有する医師や感染管理認定看護師の指示・助言の下、新型コロナウイルス感染症患者の人数や症状等に応じ、夜間休日を問わず適時万全の体制で診療に当たっている。

具体的には、感染症患者に対する診療については、呼吸器内科及び小児科の医師が専任で対応するとともに、看護体制については、一般病棟と同様に日勤・夜勤の交代制で対応。

今後、特にこの秋・冬以降については、新型コロナウイルス感染症のみならず、例年流行する季節性インフルエンザ等への同時対応が求められることから、現在、感染症病床をはじめとする院内の諸設備の充実に加え、発熱者と一般患者を別に診療する「発熱外来」の設置の検討を進めているが、マンパワーについても、他の診療科の医師の応援をはじめ、看護師、医療技術職など、感染拡大期における人的応援体制の具体的な検討も進め、病院一丸となってハード・ソフトの両面で最大限の対策を講じていきたい。

 

■備品に関して、当初、医療従事者の防護服やマスク等が不足する傾向で強い懸念があったと思うが、今後の事態を踏まえ、備蓄の基準等は増量されているのか。また医療機器等の整備等は必要に応じて追加できているのか。

医療資材の確保については、サージカルマスクをはじめ、ゴーグル、フェイスシールド、長袖ガウン等の個人防護具や手指消毒用アルコールなどの医療資材については、業者からの優先納入や国からの配布等を受けているため、必要な数量を確保出来ている。引き続き在庫管理を徹底し、医療資材の確保に努める。

医療機器等の整備は、発熱外来の設置、感染症病床の設備充実に加え、検温システム(サーマルカメラ)や外来待合用空気清浄除菌脱臭装置などの備品、さらには人工呼吸器、超音波画像診断装置やCT撮影装置などの高度医療機器を導入し、医療提供体制を拡充・強化するべく、国の第2次補正予算による厚生労働省の各種補助メニューを最大限に活用し、感染拡大防止対策に資する医療機器等の整備について、現在、検討を進めている。


種々確認をさせていただいたところ、この様な状況ということでした。(*上記答弁は正確な議事録ではありませんので、多少の相違があるかと思いますが、要旨として捉えていただければと思います。)

この後、8月11日に臨時議会が招集され、市立病院事業会計については前述体制強化や医療機器の購入等々で5億7千万円の補正が審議されることとなっています。

一刻も早く新型コロナウイルス感染症が終息することを祈りますが、現実として当面の間は共存していく必要に迫られると思いますので、医療従事者の方々はもとより、私達一人ひとりも感染しない、させないための意識が必要だと思っています。

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