最近の子ども達を取り巻く環境について

数日前、岩見沢市青少年問題協議会がありました。

それをきっかけとして自らの周囲を振り返ってみると、ここ最近の小学生を取り巻く環境にとても危惧を抱いています。

人間には何らかの組織に属したいという帰属本能があります。それは子ども達も同じで、【群れる】中で切磋琢磨し、人としてのコミュニケーション能力を開発していくのが本来の姿のはず。

しかし近年では共働きの家庭も多く、当たり前の事ながら「親が居ないときに友達を家に上げてはいけません。」と言われています。そういう家庭が多くなると多くの子ども達は行き場を無くしてしまいます。(小学生低学年ぐらいまでは地域の児童館等が機能するのですが、高学年になると居場所がなくなります)

少し前まではそうした子ども達が複数で群れ、行き場所がなくてウロウロしているのを目撃することがありました。しかしその行き場所としても、せいぜい近所の公園に行くのが関の山で、中学生などの先客がいると、更に行き場を無くして益々ウロウロという姿が見受けられますが、それもその過程における経験と考えればそんなに悪い事ではないと考えていますし、そんな姿を良く見ることができた様な気がするのです。

それがここ直近では群れる子どもを見る機会が激減したような気がします(決して冬だからということ以上の変化だと感じます)。それはDSやPSP、ipod、タブレット、パソコン等々という「インターネットツール」があまりにも子ども達の世界で当たり前になり、今や子ども達は学校から帰ってくると自分の家に籠もり、その小さなゲーム画面の中で友達とチャットでやりとりをする。そう、リアルで群れずバーチャルの中で群れています。

その結果、これまでも携帯電話所持などで社会問題化しているネットトラブルの加害者・被害者になる可能性を秘めているのは勿論ですが、それ以上に、あまりに受動的、刹那的な行為であることから、人として大事な能力の一つである「相手の表情」も見えない文字だけのやりとりをし、結果としてコミュニケーション能力を開発する機会が失われ、リアルな痛みや辛さ、若しくは達成感や感動などの体感そのものを失いつつあるのではないかと危惧しています。

これは今後顕著化することでありましょうが、この様に育った子ども達が無気力で消極的になり、またコミュニケーション能力が未発達な状況で大きくなっていくことを考えると、これまでの青少年問題がその形を変え、全く異なるケースが表面化してくるような気がしてなりません。

また、表面的な問題だけでなく、アメリカの研究者が2011年8月にニューヨークタイムズによせた記事によれば「2011年度にアメリカの小学校に入学した子ども達の65%は、大学卒業時には今は存在していない職業に就くだろう」という説があり、その65%が現在存在していない職業に就くという事は、言い換えればそれだけの現存する職業が失われていくことにもなると考えられます。

となると、これからの子ども達は臨機応変な対応力、すなわち「転移可能な一般的能力」を高めていく必要がある中で、見事に時代に逆行していってしまうことにもなりかねません。が、残念ながら、今、こうして集まって青少年問題協議会なる会議を開いても、そういう懸念にまで議論が波及することはありません。勿論、今時点の活動には敬意を表します。そして明らかに効果が発揮されていることも多々あります。しかしそれらを考慮しても、時代は更にスピードを上げて変化しており、すでに現実は会議室をずっと後に置いてきてしまっていることを感じずにはいられません。ここは何としてでも教育世代当事者として本領を発揮していかなければならないものでありますし、私自身の社会的責務としても踏ん張らなければと思っています。

そんな思いもあり、これからの岩見沢市の教育(というよりは子育てといったほうが合っているのかしれませんが)のありかたに夢を持っています。また、そんな想いと中心市街地の活性化が連動できたら良いなイメージしています。(まだもう少し言葉になるまでには時間がかかりそうですが)

2月23日(日)には、このような背景を鑑み、所属会派である新政クラブのシンポジウムを開催します。

その詳細はチラシ等が出来た段階でご紹介させていただきますが、予定している講師の方はとても素晴らしい方々でありますので、日曜日の午後ではありますが、是非ともスケジュールを抑えておいていただけたらと思います。

【追記】

あらためて「子ども達を取り巻く環境等について」という枠で簡易的な投稿のまとめを行っています。そちらもご覧いただければ幸いです。
https://hiranoyoshifumi.jp/2016/01/21/7011

「最近の子ども達を取り巻く環境について」への4件のフィードバック

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