岩見沢駅前通りについての一般質問

 この度、平成25年12月9日(月)に、私が行う一般質問の読み原稿を記載します。

P1060078 自身で種々市政に関するテーマがある中、今回はまだ調査・準備段階のものが多いため、本定例会における一般質問は非常にシンプルに「駅前通り」の件のみとしています。

 今回の質問に至った背景としては、岩見沢の玄関口といえる「駅前通り」が、せっかく数十年に一度あるかないかという、貴重な生まれ変わる機会に恵まれた中で、それが市民にも情報が共有されておらず、また、計画自体も機運の高まりにかけることから、このままでは単に歩道が拡幅され、周辺の建物が新しくなる。しかも店舗の閉店、移転等によって空き地増も心配される・・・。という、何のために整備をするのかの根幹を見失ってしまいそうな状況であり、まさに「仏つくって魂入れず」といった状況に陥ってしまうのではないだろうか。という強い心配であります。

実際には、地先関係者も中心市街地活性化に関わる方々も、そして行政も、それぞれ真剣に取り組んでいる状況ではありますが、それぞれにご尽力されていながらも、それほどに中心市街地の活性化というのは成果を出すのが難しいということでもあります。

しかし、現在人口約8万8千人の岩見沢市も西暦2040年には約6万人と予測される人口減少社会の到来に対し、できうる限りの対策を行い、健全な市政運営を目指していく事が大事だというのは共通の認識になりうるものであろうと考えます。(勿論、その減少傾向に合わせて様々な対応を合わせていくことも重要なことです。)

その街再生の切り口としても非常に重要な要素を含む中心市街地・駅前通りでありますから、我がまちとしてこのチャンスを活かさなければならないと信じています。

そのような観点から、是非とも次世代に誇れる行動と判断をしていきたいと思っているものであります。

何より現在においては、「何のための駅前通り整備なのか?」という面が見えにくく、故にそれが今後どう岩見沢市にとって活性化の効果が出るのか?といった部分すら確認できない状況でありますので、最終的な目標としては、市民が共有し、夢を見ることができる「岩見沢らしさ」・「ビジョン」をつくり上げることだと信じています。その布石としての質問となりますので、明確に答弁を貰えるような性質の質問ではありませんが、少しでも行政、そして市民の間に共感が広がっていくようなステップを踏んでいきたいと思っています。

 


《以下、一般質問の読み原稿(案)》
 

通告に従い、今、まさに沿線建物の解体、新規建設が進んでいる駅前通りについて質問をさせていただきます。これは6月の第二定例会においても質問し、答弁をいただいた部分を踏まえ、新たな視点でお伺いをさせていただきます。

 現在、新規着工の建築物も姿を現しつつあり、多くの市民の期待を集めるべきところではありますが、岩見沢駅前通り地区地区計画の建築物等の整備の方針では、《JR岩見沢複合駅舎や駅前広場との調和に配慮した良好な景観形成及び地区全体としての調和を図るため「建築物等の形態又は意匠の制限」を定める。》とあります。

 さらに、建築物等に関する事項による記述では、

1、 駅前通に面する建築物は、JR岩見沢駅舎及び駅前広場等周辺環境に配慮した形態及び意匠とする。

2、 建築物の外壁又はこれに代わる柱の色彩は、暖色系を基本とし、原色や蛍光色などを避け、周辺環境に配慮した落ち着きのある色調とする。

 という記述があり、それを受け駅前通り商店街などの当事者の方々が苦労して策定された「岩見沢市駅前通り地区まちづくり要領」においては《新設する建物の正面は、JR岩見沢駅舎や駅前広場のデザインとの調和に配慮し、外壁は原色を避け、落ち着いた色彩を基調とするよう努める。(個々の具体的な調整は運営委員会で行う)》というルールが定められました。

 しかしながら、その判定をする駅前通り地区まちづくり運営委員会の方々は民間主体による当事者であるがゆえに、様々な要素の中でその徹底は難しいこととなり、せっかく数十年に1度のチャンスとも言える、まちの玄関口となる駅前通りの景観形成という大事な機会を逸してしまいつつあるといっても過言ではない状況かと感じています。

 そういった懸念は以前からあり、6月の第二定例会にて《岩見沢市駅前通り地区まちづくり要領の建築意匠について、その基準は主観的な面が大きいがゆえに幅が出てしまい、これから申請される物件としても明確な統一感を出すことは難しい状況と聞いている。こういった現状について、市としてどのように把握されているか。》という質問をさせていただき、それに対し、「色合いなどについては厳しく限定するものではなく、ある程度の範囲の中で統一を図ろうとするものであるが、市としても、地元関係者の合意によりつくられたものであることから、将来にわたって、良好な景観を備えた地域を形成していただけるよう、地区計画に基づき、指導・助言に努めてまいりたい。」という答弁を頂きました。

 更には、本年10月5日に行われた子ども市議会も傍聴させていただきましたが、その中で子ども達からあった駅前通りに関する質問に対する理事者側の答弁としては、「新しい建物の色は、岩見沢駅や駅前広場を特徴づけるレンガと同じような暖かみのある落ち着いたものにして、統一感のある岩見沢市の玄関口にふさわしい街並みをつくる。」また、「将来もずっと多くの人に愛され続ける駅前通りにしていきたい」という答弁をしていたかと思います。

 その状況を踏まえ、改めて自身の足で駅前通りを歩いてみると、現実的な感覚としてこれまでの答弁にあったような内容を認識することは難しく、今後、建築物の意匠だけではなく、【緑地】、【ポケットパーク】等の整備の方針、及び【看板など広告物】の決まりについても、明確な数値がないがゆえに、なし崩しになってしまう懸念があります。そういった調整、判断をする立場である駅前通り地区まちづくり運営委員会の方々は様々に大変な苦労をされていることが想像され、それに対し「市の役割としての指導、助言」は機能しているのかが見えにくい状況であります。この景観形成を主とした計画と現実のギャップについて、市としてどういう見解を持っているかをお聞かせください。


 次に、今後の進展についてであります。前述の内容については、あくまで民間主体の判断となることから「厳しい条件で指導、助言をしていく。」とならないことは誰もが理解するところであります。

 そのような中で、今後、まちの顔となるべく、多くの市民に愛される中心部、駅前通りとするためには、関係者や市民全体で共有できるビジョンと、それに基づいた合意形成の場が不可欠であると考えます。しかしながら、現状においてはこれまでも中心市街地活性化協議会を始めとする様々な活動の中で関係各位がご尽力されてきたものの、どうしても個々の事業の集合という傾向が強く、全体を通しての方向性を導くには至っていないと感じています。

 この度、第2期中心市街地活性化基本計画の認定申請も見送ることとなり、それに変わる新たな活性化計画として、10カ年のビジョン編、5カ年のプラン編の立ち上げを予定していると承知しており、大いに期待をするところでありますが、今、まち再生にとって最も必要なことは、大胆な発想と多くの関係者が共有できる具体的なビジョンやコンセプトといったものであり、それを元に、関係者それぞれが自らは何をすれば良いのかを感じられることであろうと思います。

 しかし、現状においては多くの市民が、この駅前通りが今後どう変わっていくのかの情報を有していない状態の中、今後のより良い進展のためには、まずは議論を活発化し、多くの市民及び関係各位との合意形成を育むことが重要であると考えます。そのためには、議論の場をコーディネートする、また話題をリードするといった役割が重要なのは言うまでもありません。

 6月の第二定例会においても、「どのような体制が望ましいのか、中心市街地活性化協議会やまちづくり会社でもある振興いわみざわと協議を進めてまいりたい。」と述べておられえましたが、今回、新たな活性化計画を策定することをチャンスとして、あらためて今後の中心市街地周辺のまちづくりデザインを練り直すべく、多くの市民参画の機会や、プロフェッショナルとして計画支援を行うことができる専門家の力を借りて、中心市街地の今後、及び駅前通りの進展に関する機運を盛り上げていくべきと考えておりますが、市としての考えをお聞かせ下さい。

以上、一般質問とさせていただきます。


前半は意匠等に関する部分であり、民間が主体であるがゆえ、すでに手の施し様のない部分でありますが、まだ沿線全体に統一感を出していく手法は幾つか考えられます。そして、今後は商店の看板等においても、要領で定められたルールが守られるよう、市としてもリーダーシップを発揮し、気を配っていってほしいという思いを含めた質問となります。

想いの主となるのは後半の部分でありまして、今回、内閣府の認定申請を見送ることとなったのは非常に残念である反面、新たな活性化計画を策定することとなったのは、この岩見沢市にとってとても良い機会であると感じています。前回までの質問等においても、エリアマネージャーやトータルデザインなどにおける公募プロポーザルの外部委託という考えもありましたが、まずは行政、中活関係者やまちづくりに携わる個人、団体等々でこの岩見沢をどうしていくべきなのか。という根幹の議論を深め、それを基に外部のプロフェッショナルの力を借りて、そのコンセプトを具現化していくという作業が的確ではないだろうかと考えています。(議論を深める段階においても、ファシリテーション等の見識の深い専門家の力を借りれば、よりビジョンのクオリティが向上すると思います。)

それができれば「岩見沢といえば◯◯」というまちの色をつくっていけるのではないだろうか。と考えている次第です。

また、それが出来なければ、前述のように見事な人口減少社会が訪れ、これからは自治体間でも生き残りをかけて施策を打っていかなければならない中で、どんどんと人口社会減に拍車がかかることになると感じます。

他都市と違うことをしていくというのは非常に大変なことではあります。当然良いことばかりにはならないと考えられますので、もしネガティブな面があったとしても、それを行政の責任にするのではなく、やはり多くの市民の手で後押ししていけるような空気をつくることが大事なのではないだろうかと感じています。と、、言っている自分がまずは汗をかくべきでありますので、そこは積極的に行動を起こしていきたいと思っています。

「岩見沢は元気あるなぁ!」

そんな風に言われるまちを目指したいと思っています。

 

《参考資料》

以前ご紹介した駅前通りまちづくり要領に伴うブログ記事

駅前通りに関する過去記事一覧*過去記事に関しては、様々な情報や経験による判断の変化等により、その時と現在の考え方が変わっている部分もありますが、そういった部分も追々言葉にしていければと思っています。

「岩見沢駅前通りについての一般質問」への4件のフィードバック

  1. 首長が変わっても行政は継続と言われております、そのことは良くご存じと思いますが能勢市政から渡辺市政にバトンが渡ったときに行われたことを一度検証する必要があるのではないでしょうか、現首長はその継続の中でどの様に自らの思いを形に変えていこうとしているのか悩んでいるところだと思います。
    その課題を一つずつ私が取り上げなくても議員はご承知の事と思いますので上記の質問に期待します。

  2. 大和先輩ありがとうございます。
    おっしゃる事は理解しているつもりです。物事には必ず表裏があると思いますので、改善すべきところは全力を尽くし、良きものは更に伸ばしていける様に努力して行きたいと思っています。今日は期待した通りの答弁をいただいたと感じています。今後に向かってベストを尽くします。

  3. 駅前通りの再整備は結局失敗に終わりそうですね。

    私自身、ほぼ毎日のように駅前通りを歩いているのですが、3条西5で薬局と耳鼻科が目と鼻の先の位置で別々に新築しているの見てそう感じました。
    もし仮に1階に薬局・2階から上を耳鼻科という構造の1棟に集約にして新築していれば、2階で診察受けた後そのまま1階で薬を貰うという流れが可能になり、患者は暑い夏も寒い冬も快適な室内で用件を済ます事ができる大変便利な施設になっていたでしょう。
    また使う土地も節約でき、余った分は駐車場にするなり、新規出店の受け皿として売却するなり、オープンスペースにして通行人の溜まり場にするなり用途はいくらでもあったと思います。
    きちんと事前に当事者同士が話し合っていればこうした形態も不可能ではなかったはずです。結局のところ市や通行人がどんなに期待を寄せようが危機感を持とうが蚊帳の外で、道と商店街の人達で勝手に話が進んでいっているという印象を受けました。

    おそらく他の街区もこれと同じ様な形でささっと適当に建て替えて、市議が過去の記事でも書かれている「見た目だけ綺麗なシャッター街」という結末に終わるでしょう。工事が進めば進むほど私の頭の中ではそうしたイメージがどんどん強まってきています。今からでは軌道修正できるかも怪しく感じます。

    1. 匿名様

      いつもありがとうございます。
      仰る通りで、この問題は非常に根が深いと思っています。
      実際にリスクを負って投資を行うのが民間であり、更にはそれぞれに利害が伴う関係上、行政としても遠慮がちな対応になってしまっているのが事実かと思います。そのせいもあり、結局は計画自体が煮え切らず、益々地先関係者も半信半疑で事を進めるしかないということなのかもしれません。それが地先関係者同士の連携を難しくし、それだけではなく、意匠性等々のバラツキ、一体感の欠如として見えてきているのだろうと感じています。

      そのあたりも他都市の成功例でいけば、実際には行政と民間がしっかりタッグを組んで、熱意をもって邁進する空気が出来上がっているところばかりです。しかし残念ながら、今の岩見沢市ではそのどちらも一歩下がってしまっているように見えてしまいます。

      更には市と道と地先という3方が存在するがゆえに、益々身動きが取れない状況になっていると思います。こういったバランスを変えていくのに最も力を発揮するのが「民意」だと思っております。私自身、非常に微力ではありますが、その民意を高めることができるように種々手を打っていきたいと考えております。

      また、これから自治体間の生き残りをかけていかなければならない状況の中、少しでも価値あるものを後生に残していかなければなりません。匿名様も「今からでは軌道修正できるかも怪しく感じます。」と感じている通り、非常に難しい事が事実ですが、諦めてしまってはそこまででありますので、私の責務の一つとして何とか気運を高めていけるように努力していきたいと思っています。(本当に微力ですが・・)

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