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a)子どもを取り巻く環境の変化

少し前まで、私を含め子ども達の多くは外あそびが主でした。近所の道路や空き地が遊び場であり、多くの子ども達が年齢の枠を越えて群れて遊んでいたような気がします。この群れる行為は人間としての本能です。人間の子どもは群れて遊ぶ中で、種々伝承を含め、様々な社会的能力を身につけていくのだと思っています。

しかし、今、幼児期の子ども達の多くは、ゲームやインターネット、そして習い事で1日の大半の時間を失ってしまっているように思われます。

それの何が悪いのか?という意見もあろうかと思います。ここのまとめシリーズでは、少しずつそんな事を掘り下げてみたいと思います。


◇人間の成長に不可欠なもの → あそびを通して人間性を育んでいく〈本能〉

環境建築家の仙田満氏の論文を参考にさせていただけば、脳科学の進歩によって、人間の脳は8歳頃までに約90%が形成されることがわかっており、その頃までのさまざまな体験が、その後の人生に大きな影響を及ぼすといわれています。また、その8歳以下の子どもたちの成長は、あそび環境によって主に5つの能力を開発すると考えらています。

その5つの能力とは、群れてあそぶことによって、体力、運動能力を発達させる【身体性】の向上。アメリカの作家ロバート・フルガムの『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』という本のタイトルにもある通り【社会性】の向上。自然あそびを通して感受性、情緒性を育む【感性】の開発。偶然性をはらむあそびの中に新たな発見、発明をもたらす【創造性】の開発。自由な意思を持ち、失敗しても何度も繰り返し、征服したときの喜びを忘れない【挑戦性】の開発。

これらの背景を踏まえた中から現状の岩見沢市の子育てを考えると、日本全国あらゆる都市と同じような状況であり、子ども達のあそび環境は、群れる場所がない、伝承がない、ゲーム、テレビ、稽古事等の影響により、空間・時間・コミュニティ・方法という要素が相互に作用しながら悪い循環に陥っていると思われる。(2013年第三定例会一般質問より抜粋

 

それらを考えていくと、今、多くの子ども達が家の中で画面に向かってネットゲームをしていたり、タブレットでyoutube等の動画サイトにかじりついたりしている光景は、あまりにも受動的&刹那的な魅力にとりつかれて、リアルな成長の機会を逸しているような気がしてなりません。

それは地域のあそび環境から、保護者の気の持ちようまで、社会全体で改善していかなければならない、非常に危惧すべき状況であると言っても決して過言ではないと思っています。

子ども同士が群れてコミュニケーション能力を磨く、自然を相手に遊びを発明し、創造性を育んでいく。 更に保護者が見守り力を身につけていくことで、子どもへの接し方が劇的に変わっていく。

大人の見守り力 ~ 平成26年2月に開催した、当時の所属会派のシンポジウムのトークセッションで最大の切り口になったのが、「子どもが悪いわけではない。すべては大人が起因。」ということ。

 

お時間ありましたらご覧下さい。

 

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プレーパーク!『利別原生林 みどりの探検隊』の告知

[平成27年10月22日投稿]

今の子ども達を取り巻く遊び環境に懸念を抱き、もっと創造性を豊かに育むために自然や工夫を活かした遊びを沢山経験させたい!という思いの中で立ち上がった岩見沢プレーパーク研究会ですが、早いもので1年と少しが経ちました。

代表の林さんやH田さんを始めとするスタッフの方々の地道な活動により、少しずつ共感の輪が広がりつつあります。

その様な流れもあり、今回は11月1日(日)に「岩見沢市役所建設部公園緑地環境課」主催でプレーパークが実施されることになりました。

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市役所で開催する主旨としては、以下の画像中の文の通りでありますが、岩見沢における貴重な資源である「利根別原生林」のより良い活用にむけた基本計画を策定する過程において、これまで複数回のワークショップが展開され、そのメンバーとして岩見沢プレーパーク研究会の林代表も参加していることから、プレーパーク的な利活用を摸索するものです。

 

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ただ、今回は熊の出没などの要素もあり、場所は利根別原生林ではなく栗沢で開催することに。よって、市役所に集合し、バスで向かうこととなります。

先日から小学校でもチラシが配られていると思いますが、プレーパークってどんなものだろう?と思った方は是非ともこちらをご覧下さい


あらためて参加申し込み書等はこちらです。

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本来子ども達が大好きで、自分の能力を開発していくための「アブナイキタナイウルサイ」を目一杯体験するために、是非、汚れても良い暖かい格好をしてお子さんを参加させてみては如何でしょうか(着替えもあった方が良いですね)!!

ついゲームやインターネット等でズルズルと時間を過ごしてしまう子ども達は、最初はこの様な自然の中での遊び方がわからずに戸惑ってしまうかもしれませんが、すぐに周囲と仲良くなって工夫を伴う遊びを楽しむはず!

その子ども達の【遊びの重要性】に関してはこちらをご参照ください。
https://hiranoyoshifumi.jp/2015/09/17/6568

私も見学に行ってみようと思っています。

教育と遊育 ~幼児期の遊びがとても重要な理由(メモ)~

平成27年9月16日(水)

こども環境学会からの案内で、第20回園庭研究会in恵庭&札幌という講演会に参加する機会を得ました。

8月28日(金)には、こども環境研究会北海道第2回研究会【札幌】があり、そこで恵庭幼稚園の非常に進んだ取り組みを井内園長直々にお話を聞かせていただき、これまで自分でも関わってきたプレーパークの理念や今回のお話が重なって、色々なことが腑に落ちました。

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(↑8/28 恵庭幼稚園 井内園長の講演)

(↓9/16 NPO法人 園庭・園外での野育を推進する会 天野秀明理事長)
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せっかくなので、この両方で得た事を少しだけご紹介したいと思います。

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岩見沢市あそびの広場設置条例等に関して

平成27年9月10日(木)

第3定例会中において、総務常任委員会が開催されました。各種補正予算等の他に、であえーる岩見沢に整備中の「あそびの広場条例の設定」についてが上程されました。

この施設は、こども・子育てひろば「えみふる」(公募による愛称決定)のひとつの目玉になりうるものと考えており、平成26年第4定例会でも一般質問をさせていただいたもの。

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(↑平成26年4月18日に開催された総務常任委員会で示されたイメージ図)

 

本施設に関しては、今の子ども達を取り巻く危機的環境を改善するための一つの要素になりうると大いに期待しているものですが、今回の条例案を確認すると小学生以上は100円の利用料がかかってしまう。

これでは残念ながら、本来こどもたちに必要とされる、「自由に群れて遊ぶ中で、社会性や創造性などを育む」という、現在の子ども達を取り巻く環境において、抜本的に不足している要素を補完するものとして機能するのは難しいと感じるところです。

本条例の第一条には、この施設の意味合いを記載した3行少々の文中において、子どもという単語が3回出てきます。

*子どもの成長に応じた安全な遊び場を提供。
*子どもの心身の発達。
*子どもを中心とした交流の場。

この子どもというのは無料で利用できる未就学児だけが対象なのか?という部分では、決してそうではなく小学生等も含むという事です。

教育委員会としても、様々に検討を重ねた中で出てきた結果であるという事を鑑み、まずはこれでスタートすることを了承するものの、しっかりと検証を進めた中で、適切な改善を求める発言をさせていただきました。

というのも、子ども達から100円を徴収することのデメリットとして、他のプレーパークや冒険遊び場的なものを考えると、「あらゆる年代の子ども達が集う」ことで社会性や遊びの伝承が行われると期待されるが、そのハードルが著しく高くなる。

小学校も中学年や高学年になって歳を重ねていくと、このような遊び場自体にあまり関心を持たなくなる傾向があると思われ、自動的に来場者は減ってくる。しかし、その中からリーダー的な立場の子ども達が育ってきて、言わばプレーリーダーの補佐的な役割を担うようになり、それがまた子ども達の社会性を豊かにしていくという好循環が発生することが多々ある。しかし、この100円の徴収は、その機会すら奪ってしまう非常に残念な状況と言わざるを得ない。

さらに、委員会の中では発言しそびれてしまいましたが、100円を徴収することにより、本来、自由な遊び場であるための条件として、保護者や遊ぶ子ども達も共に主体性を持ち、運営者と一体となるという意図に反し、「サービスを受ける側、与える側に分かれる」という意識格差が発生することが考えられ、考え過ぎかもしれませんが、クレームの誘発等、更なる弊害を生むことも考えられます。

まだ実際に稼働していないこと、また最終的な広場環境の確認ができていないので何とも判断することはできませんが、是非、実際の運営をもって検証を進めた中で、しっかりと方向性を定めていって欲しいと願っています。


ただ、今回の条例案を確認し、また、前回の一般質問の答弁や今回の委員会答弁でも垣間見る結果となりましたが、運営側のコンセプトとしては、創造性を育む冒険遊び場的な市民ニーズを満たし、子ども達が成長するためにベストな環境は何か?という視点が主ではなく、保護者の利便性等を最優先とし、あくまで《遊具が整った屋内公園》をイメージしているのではないか?という印象を受けるに至りました。それはそれで一つの正しい方向性ではあると思いますが、行政が一方的にサービスを提供するのは、市民との協働の観点、住民自治意識の醸成からいっても勿体ないと感じています。

表面的にはこの動画と比べる様な性質のものではありませんが、子どもの遊びから創造性、社会性を育むという【マインド】は大いに参考にしていきたいと考えています。

いずれにせよ、多くの親子に愛される施設になるよう、大いに期待すると共に、私達議会としても努力をしていかなくてはならないと思っています。