私がこのレジリエンスという言葉を知ったのは、恥ずかしながら平成26年3月に開催された「教育を考える市民の会」の学習会にてでした。
この時は児童虐待を主としたテーマでありましたが、話を聞いていく中で、全ての子ども達、そして大人にとって重要な要素という認識に至りました。そこで少しだけですが、ここであらためて考えてみたいと思います。
例えば、虐待を受けた児童すべてが精神的に回復しないわけではなく、厳しい状況にあっても、ネガティブな面だけでなくポジティブな面を見出すことが出来、自分のいる状況に対して前向きに、しなやかに逆境を乗り越え成長していく児童もいる。こうした心の持ち方、心の力をレジリエンスと言います。
◇そのレジリエンスを構成する要素とは
①音楽、運動、呼吸法、作文等々、自分のオリジナルの方法で感情をコントロールする
②過去の体験がもたらしたネガティブな認知や思考を自ら修正し、楽観的な思考を備える
③成功体験を積み重ねることで、自分に対する有能感、信頼感を高め自己効力感を身につける
④自分に対する内外の評価でも、特にポジティブな感情を重視し、自尊感情を高める
⑤応援団的な存在として、自分を支えてくれるサポーター等の人間関係を形成していく
などでレジリエンス能力が高まっていきます。
これらレジリエンスは、生まれつきの能力の部分もあると言われていますが、現在は適切なトレーニングで高めることができると言われています。子どもの頃から意図的に高めていくことができれば、それは生きていく上での大きな武器となります。
特に現代を生きる多くの子ども達にも欠如しがちな要素であり、右図資料においても、感受性期において、どれだけレジリエンス能力を身につけさせることができるかが私達大人が大事にすべきことだと思います。
余談になりますが、それらを考えていくと「幼稚園で英語を教えてほしい。」という様な現状の保護者ニーズが本当に正しいのかどうかを考えるきっかけになるものであり、いかに幼少期に「活きた経験」を五感を使って養っていけるかが本当に必要とされることではないかと感じています。(札幌トモエ幼稚園の項をご参照ください。)
さて、現代社会においては、創造性のページでも述べた通り、全く予測のできない時代が訪れようとしています。そこで必要なのは言われた事を言われた通りに正確に実行するロボットのような人材ではなく、失敗しても、それにへこたれずに更に工夫を重ねて逆境を切り開く能力だと考えています。だからこそレジリエンスの向上が重要です。
私達は今一度、この失敗に負けない能力としての回復力、逆境に立ち向かうことのできる逞しい能力の重要性を認識し、それらを身につけさせる事ができるように環境づくりをしていかなくてはならないのです。
このレジリエンスに関心を持たれましたら、インターネット上に多くの情報がありますので、是非検索してみてください。
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