2月2日(日)
ボランティア活動による広域交流イノベーション推進研究会による「雪はねボランティアツアー」がありました。
この事は昨年12月に岩見沢市内で行われた「防災フォーラム 平成24年岩見沢大雪講演会」にて伺っており、その後フェイスブックで繋がった主催者の小西君と連絡を取り合いつつ参加したものです。
私自身はこの”作業そのもの”に興味があった訳ではなく、昨年から大変な豪雪に悩まされている現状下、今後進行していく街全体の高齢化率の上昇に対する観点、、いわばごく近い将来に迫り来る社会問題の縮図として考えていかなければならないとの思いから参加させていただきました。
さて、バスは札幌から来るので、私は時間を合わせて現地直行。
ラジオ体操からの合流と相成りました。するとテレビ局が3社、新聞社が2社来ているという注目の高さ。参加者は事務局スタッフ、岩見沢在住現地集合が私と、今回お知り合いになれた道職員の方1名を含め26人での作業。
当日の流れとしては、暖気による小雨が降る中、ある程度の班編制に分かれそれぞれ実流渡町内会の方々の車に便乗して現場へ向かう。
最初の現場はこちら。
屋根の落雪が地面と繋がりトンネル状になっています。これでは部屋の中も真っ暗でしょう。
(下画像)ちなみにこのおばあちゃんはお隣にお住まいの方で、自分の部屋の屋根雪は別に頼んでやっていただいたそうです(業者か身内かは聞けませんでした)。
今回、他にも色々とお話をお伺いしたかったのですが、どうにも耳が遠いらしく、うまく会話を繋げることもできず。ただ、費用請求をされてしまうのでは?という不安もあったようで、事情を把握してホッと笑顔になっていました。
↓屋根からのトンネル状の雪はほとんどが氷になっています。結局は表面の雪をよけてからツルハシで氷を砕いていく作業となりました。
一軒目のお宅はこれにて完了。
玄関先でお会いした住人の方(当事者)は比較的若く、体つきもしっかりとした男性。。「おやっ?」と思って、後から町内会長さんに事情を伺うと、実は目が不自由とのこと。それで玄関の呼び鈴を押してから相当待たされた訳です。
そんな状況では屋根の雪下ろしなんて不可能でありますし、ご近所さんが協力するにしても、みんな自分のところすら作業できない高齢の方がほとんど・・。
大いに深刻な状況であります。
次に向かったお宅は88歳のおばあさんのお宅。
悪いことに、屋根の落雪が玄関までの通路を塞いでしまうような構造のお宅です。今度屋根から落雪があっても処理しやすいように通路を拡げる作業。
きっとこれまでも屋根の雪が落ちる度に大変な苦労をされてきたはず。若い頃やご家族同居だった頃は何とかなってきたと思われますが、このように独居となると本当に大変なことになってしまいます。今後はこのようなケースが山ほど出現してくると思われます。
この2軒で午前の部は終了。
バスでメープルロッジに向かいランチタイムへ。
今回はメープルロッジさんの協力もあり特別メニュー。
担当の方が色々とメニューを説明してくれたのですが、すみません・・・。あまり料理に関心がないものですっかり忘れてしまいました。○○ライスに○○カボチャ。中には○○・・・(汗)
カボチャも全て食べる事が出来、とっても美味しかったです(笑)知識はないけれど味は保障します♪
さて、ランチの後は主催の小西君より一言あり、、、
その後、北方圏体育スポーツ研究会の須田先生によるミニ講演。除雪についての身体作りや様々に取り巻く問題等をお話いただきました。
この須田先生、、前回の私のブログを見ていてくれていたのか、私の事を知っていてくださり。その後も色々とお話を聞かせていただきました。ありがたい事です。
そして午後の部。
この午後の部に関しても、お年寄りの方が住まわれているお宅で、屋根の雪が完全に地面まで繋がり、にっちもさっちも行かなくなっている状況。これらを2班に分かれて作業し無事終了。
私の本来の目的である、ボランティアを受ける方の事情と、参加者の動機は一体何なのか。という部分。。
受ける事情は良くわかりました。
勿論、根掘り葉掘り詳しく聞くには至りませんでしたが、確かにご高齢であったり、身体が不自由であったりというのは間違いなく、自らがその雪に対応できる状況ではありませんでした。また、地域全体による互助というのも、老老介護と同じと言っても過言ではない状況下、自助、互助のレベルではクリアできなくなるリスクが年々高まっていくのが現実だと思われます。
逆に今回ボランティアに参加された方々に聞いてみると・・
意外とお一人様の単独参加が多く、ランチ時にお隣にいた方は学校の先生で、311の時にも東北へボランティアに行った方でありました。他にもチラシを見たので何となくとか、そんな深い意味はないけれど参加してみました!などの方々が多く、年齢的にも若者から50代ぐらいまで性別問わず千差万別。
それぞれに「困っている人がいるならば・・」と純粋な気持ちで参加されている方が多いのに驚きました。
ここで話は変わって、、
現状こういった高齢の方々の除雪に対応しうる岩見沢市のバックアップというのは、種々条件をクリアした方へ年2回までの上限2万円の費用負担のみ。
これで対応しうるかどうかというと、今回の経験でいくと長屋に住んでいる方々は「一戸建ての住宅に居住していること」という条件で既にこの助成対象からは見事に外れてしまいます。
また、生活保護世帯が受けられない、世帯全員の市民税が非課税であるかなどの制限もあります。申請場所に関してはそれなりに細かく対応されているのですが・・、いずれにせよ誰かの手をかりなければならないのだろうとも想像します。
限られた財源の中で、どこで線引きを行うかという議論も十分にしていかなければならないと思われますが、いずれにせよこれから益々厳しくなる状況において、行政としてもどういった方法がベストかという事を模索していかなければならないと強く確信しました。
今のままで対象者に一部費用負担のみで「対策を実施している」というのはあまりにも現実離れした発想と言わざるを得ないかも知れません。
果たして市役所の担当ではどこまで考えているか・・・。
次の機会に確認してみたいと思いました。
今回のボランティアツアーも広域交流イノベーション推進研究会の努力によって実現しています。
例えば、今回は一人1,500円の参加費だったのですが、札幌から貸切バスを手配して、お昼ご飯を食べて温泉にまで入れる。それがその金額で実現できるわけもなく、誰かが費用を負担しているわけであります。
そのカラクリを聞いてみると、今回は公の助成金も見あたらず、主に企業、個人の協賛金で費用負担をしているそうです。イベント等を経験した方は良く理解できると思いますが、どんな事業を行うにしても、このお金集めにエネルギーが消費されるほど、最も大事な中身へのエネルギーが削がれる事実があります。それだけ資金集めは大変です。
それをクリアして、計5回の事業を成し遂げる彼らのエネルギーは凄いものがあります。
また、今回は後志総合振興局の方も3名視察に見えておりました。(視察というよりも、本当に我が事としてたっぷりと汗をかいておられたのが印象的な素敵な3人組でした)ご挨拶をしてお話させていただいたところ、今後、後志地方においてもこのボランティアバスツアーを実施する予定で、そのシミュレーションに来ていた様子です。
さて、この豪雪における諸問題を抱える中で、岩見沢市はアクションを起こすことができるのでしょうか。例えば、年に何度かバスをチャーターして、参加者に動機を用意できれば参加者は意外と集まる気がしました。
あとはどこにどのようなニーズがあって、それらをうまく人員コントロールできればすぐにでも実現可能だと思います。今後、更に顕著化するであろう、高齢化と雪の問題は呑気に構えていては絶対に手遅れになります。
そのような状況下、またもや行政から危機感は・・・。
日頃のまちづくりと同じく、また実働は民間にまかせて自分達は監督者的立場でいるのでしょうか・・・。岩見沢市においては、議会は勿論、行政もリーダーシップを発揮してモノゴトを発案、実施するという能力が不足しているのを感じています。
この雪の問題は単なる雪による困り事ではないはず、近い将来において顕在化する社会問題が、雪によって一足早く一部顕在化したものであると思っています。これからはもっと大変な事が見えてくる。
私たちはもっとこの現実に目を向けなければならないと思っています。そのためには柔軟に、そして失敗を恐れずに実行するということが何より大事ではないでしょうか。
そして例え結果がでなかったとしても、その実行を評価できる世論でいてほしいと願っています。
関東地方は昨日の大雪で大変なことになりました。除雪や屋根の雪落としなどその他いろいろな障害やらで活動も困難な状況です。帰宅困難者が出たり、道で人が倒れたり、車が動かなくなっていたりと。こういうときこそボランティア活動が生きるのだと思います。
関東 大雪様
webサイト見させて頂きました。
このような状況下においても、日常的にすぐに対応できる体制をとっているところが素晴らしいですね。勉強になります。