〈令和3年11月17日投稿〉
本日の10時より、経済建設常任委員会が開催され、令和3年 請願第1号 「水道料金値上げの中止について」が審査されました。
この水道料金の値上げに関しては、第3回定例会で議案提出がなされ決定しているところです。その詳細については、私の見解を含め以下の投稿をしておりますのでご覧ください。
本値上げについての経過としては、
令和2年12月より岩見沢市上下水道事業運営審議会が開催され、以降本年4月までの審議を経て令和3年5月11日に市長に対し「水道料金の改定について」という答申を行っています。
その答申内容は以下の通りです。
❐持続可能な水道事業を運営していくためには料金引き上げはやむを得ない
(本日の経済建設常任委員会参考資料より抜粋)
❐必要的収支の黒字と内部留保資金の確保可能な料金水準とすることは妥当
❐市民への周知期間の確保を考慮した令和4年4月からの改定は妥当
❐業務用の大口使用者の負担が大きくなっており配慮が必要
この答申に伴い、令和3年7月に6回の市民説明会を開催。大口使用者には文書発送の上、必要に応じて個別説明を行っています。またその内容を9月1日発行の広報いわみざわ9月号にて告知しています。
具体的には基本料金で35%、超過料金で20%の大幅値上げ。しかも水道料金は1ヶ月単位ではなく2ヶ月まとめて請求が来るので、尚さら値上げ額が大きく感じることとなるかと思います。
また一般家庭もそうですが、水道を多く使う事業所等は更に大きな影響を受けてしまうこととなります。
しかし実際には共に39%の値上げが必要と試算されているところ、今回の値上げ額が極力抑えられるように、当面は一般会計から補填をしていくこととなり、約1億8千万円が一般会計から繰入られることとなります。
議会としては、令和3年8月26日に経済建設常任委員会にて所管事務調査を行い、市民説明会の結果報告がなされ、その後、9月に第3回定例会で「水道事業給水条例の一部改正について」が原案の通り可決された次第です。
その後、今月発送された広報いわみざわ11月号で「水道料金改定」の告知がなされています。
今回の請願は4千を超える市民の署名が集まり、それは大変重たいことと認識しています。しかしながら、岩見沢市の水道は元々、北海道の市としては2番目の安さであり、値上げ後でも8番目の位置づけとなります。今後、長い目で考えたときに、益々厳しい財政状況を迎えることになる岩見沢市において、極力一般会計からの繰入を抑制し、受益者負担の原則を重視せざるを得ないことを感じています。
なお、本日の委員会審査において、請願は不採択と決定したことをご報告いたします。
また、この度の新料金への切り替え時期としては
❐検針が偶数月の場合は6月検針分から
❐検針が奇数月の場合は7月検針分から
❐4月1日以降に水道を利用した場合は初回検針分から
ということとなります。
ちなみに参考として、これまでの水道料金が安かった理由等はこちらの電気料金も影響しています。
更に本件からは余談となってしまいますが、この請願や陳情というのは市民が市政に直接的に携わることのできる機会の一つで、請願については憲法で定められた国民の基本的権利となります。
岩見沢市議会の場合は請願も陳情も同様の手続きを経ることとなりますが、請願の場合は議員の紹介が必要となります。今回の水道料金の場合は共産党の上田議員が紹介議員となり、委員会で説明や答弁の役割を担いました。
なお、これまでもいくつかの請願案件を経験していますが、下記のような石油値上がり時における福祉灯油や、医療費無償化等々、市民の方々が願うことを紹介議員が受け、それを委員会で審査するという流れになります。
過去に原油高が著しいときに出された請願は以下のものです。
上記リンクの件についてはその時点での考えですが、今現在の状況であればどう考えるか。
やはりコロナ禍にプラスして、ここまでの原油高となっていれば福祉灯油の実施も否定できないと感じています。
いずれにせよ、請願や陳情は受け止める議会としても非常に重たいものです。
問題は短期的な視点のみならず、長期的な視野をもって様々に判断していかなくてはならず、やはり苦しくもあり難しい判断となりますので、真摯に受け止め冷静に判断していかなくてはなりません。