北海道に自由な小学校をつくる会〈岩見沢でお話会〉に参加してきました。

〈平成30年11月26日投稿〉

11月24~25日に岩見沢市栗沢町上幌の会館でお泊りプレーパークが開催されていて、その中の別枠として、表題の北海道に自由な小学校をつくる会〈岩見沢でお話会〉がありました。

とても考えさせられる時間となりましたので、少しご紹介させていただきます。

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今回は來嶋さんのご縁で、このお話会が岩見沢で開催されることになったものです。

講師は北海道に「自由な小学校」をつくる会の呼びかけ人である細田孝哉氏。現職の養護学校教諭でもあります。

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この日は、前日からのお泊まりプレーパークに参加された親も多く参加しておりました。

「自由な小学校」というと、若干掴みどころのない感じですが、モデルとなるのは和歌山県の「きのくに子どもの村学園」とのこと。戦後初めて学校法人として認可された自由な学校となります。

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特徴としては、

■中心はこども。自発的な学び、体験的な学び、協同的な学び。等々・・。

この言葉だけでは現在の学校でも過去から脈々と掲げられている言葉です。

しかし、既存の公立小学校と異なるのは、それを具現化するために以下ことをしています。

■宿題もテストもない。
■学年の壁もない。
■「先生」と呼ばれる大人もいない。

その様な中で、どのように教育が展開されていくか下の時間枠(例)から説明すると。

登校

基礎学科

プロジェクト

基礎学科

基礎学科

プロジェクト

自由選択

プロジェクト

プロジェクト

自由選択

プロジェクト

自由選択

プロジェクト

基礎学科

プロジェクト

ミーティング

帰宅

プロジェクトとあるのは、「劇団」「工務店」「おもしろ料理店」「ファーム」「クラフト館」の5つの中から年に1回選択し、1年を通して学ぶものです。

そのプロジェクトの詳細はこちらのリンク先を御覧ください。本当に驚きます。http://www.kinokuni.ac.jp/nc/html/htdocs/index.php?page_id=71

そして基礎学科は「数の時間」「言葉の時間」などに分かれ、プロジェクト等の経過に応じて、必要なことを学んで行きます。結果、工務店ではものづくりを通して数学の学習指導要領を超えるようなことを学ぶこともあるし、言葉でもその枠にとらわれない、実践に基づいた学びができます。

選択では体育や美術、英語等々を学ぶこととなり、結果、6年間のトータルで学習指導要領をクリアするようになっているそうです。

また教える大人も「先生」ではなく「コーディネーター」の役を担い、試験も市販のペーパーではなく、それぞれのプロジェクト等の進行に合わせ、学力が自然と身につくように、都度オリジナルの試験問題が作成されるとのこと。


この様なお話を聞くとワクワクします。

今回はお話会ということもあり、細田さんからの説明のあとに質疑応答や意見交換の時間がありました。

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ここからは私見をお許し下さい。

その中で出た意見の流れとして、「既存の学校教育を否定するものではない」という前提。少なくとも今この時点において、学校教育に力を注ぎ、その環境づくりに尽力されている方々。また直接的に子どもたちに熱心に指導し、良質な時間を構築すべく努力してくれている先生が沢山いること等、その功績を十二分に認めた中において、しかしながら、現在の学校教育システムに制度疲労的な懸念があるのも感じるところかと思います。

そのことに関し、私自身、最もしっくりくる言葉として以下のものがあります。

1980年に発行された「第三の波」の執筆者であるアルビン・トフラーは、きょうの日本の最大の問題を「教育である」と断言しています。

「日本が国際社会で生き残るためには、何よりも『Think』考えることです。教育の現場を見てください。時間どおりに生徒が教室に集まり、大人数で授業を受ける。これは、工場で働くための練習みたいなものです」という指摘をしています。
https://hiranoyoshifumi.jp/2016/01/20/7026

そしてこの傾向は様々な危機感の中から新学習指導要領やアクティブラーニング等の展開につながってきていると思われますが、それはやはり既存の教育の延長線上で展開せざるを得ないものと感じています。それにはもちろん、保護者を始めとする”世間”のニーズが強くあることも理解してるつもりです。

今、時代の価値観が大きく変化していこうとする中で、子どもたちに期待されていることは、ゼロから1を作り出す能力や粘り強さ、物怖じしない積極性や創造力。また課題を発見できるセンサーと、それを解決できる対応力やコミュニケーション能力等々、机上では身につかないことの比率が益々高まっていっていると思われます。

少し前の投稿でも触れさせていただいていますが、「すぐに役に立つものは、すぐに役に立たなくなる」の言葉の通り、これからを生きる子どもたちには「すぐに役に立たない」知識や経験を糧にして、人生における生きる力を育まなければならないということ。

その視点の中では、今回話を伺った「自由な学校」の可能性を感じずにはいられません。

岩見沢では、日頃お母さん達が中心となって活動しているプレーパークや森のようちえん、また、以前紹介した信州やまほいくの例もあり、やはりこれからは、今の教育システムや多くの保護者が良しとする、既存の試験点数評価を最優先するのではなく、人間形成に重要な非認知的能力を重視する教育にシフトしていく具体的な流れができつつあるのだと感じます。

それらを踏まえた中で、急にシフトすることは難しく、やはり多様な価値観を認めあいながら、出来る人が出来る範囲の中で実施、継続していくことが大きなムーブメントになっていくと信じています。そのために自分に何ができるかを考え続けていきたいと思っています。


現在、文科省の認可を得た自由な学校は、和歌山県から始まり、福井県、山梨県、福岡県の4ヶ所となっているとのこと。

是非、この学校の日常の姿を見てみたい。それも短時間ではなくしっかりと見てみたい!

(使用画像の一部は來嶋さん提供です)

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