Oka-biz〈経済常任委員会他都市調査〉

平成26年10月6日(月)

台風18号が本州を直撃しているため、千歳空港で2時間10分の足止め。すでに疲労蓄積・・。

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実は昨年の経済常任委員会の視察も同じような境遇で、非常に大型の台風とブッキングする状況でした。

しかし、どちらも大きな影響もなく、調査は無事遂行。


今回のメインとなる視察は、愛知県岡崎市のOka-biz〈岡崎ビジネスサポートセンター〉です。

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これは、どこの都市でも同じ状況でありますが、郊外のFCや大型店に押され、地元の企業がどんどんと売上を落としてしまう状況。さらに小売業だけでなく、工業おいても地域産業が勢いを失いつつある状況において、市と商工会議所が連携を行い、地域の企業のためになる「よろず相談」を受ける窓口を設置しているものです。

とは言え、その実績は凄まじく、一見よく聞く「相談所」とはその質が大きく異なっています。

すでに開設から1年が経過している施設ですが、当初、月間の相談件数の目標が50件であったものの、先月の9月では過去最多で150件/月。一日平均9.5件で、なんと1ヶ月先まで予約が埋まっている状態。特筆すべきは8割近くがリピーターとのことで、付け焼き刃の形式だけの相談所とは格が違うことが想像できます。

その岡崎市の本気度を感じる大きな特徴は「携わる人的パワー」が普通ではありません。

当初、この岡崎市が先進事例として参考にしたところが富士市産業支援センターf-bizという場所。

staff-okabizakimotosyoujiそのセンター長の小出宗昭氏からの紹介で、岐阜で活動をしていた秋元祥治氏をOka-bizのセンター長に招いたとのこと。

この秋元祥治氏は若いながらも「まちづくり」の分野では突出したものを持ち、私も以前(もう10年ぐらい前になると思います。)、講演を聞いたことがありますが、当時から勢いと知識に裏付けされたアクティブなエネルギーを持ち、今はその経験も大きく増している中で強力なネットワークと更なるパワーを身につけているのであろうと想像すると、物凄く羨ましい人選です。

その秋元センター長をトップとして、副センター長に高島舞さんという女性が活躍し、その下に商工会議所経由で、それぞれに得意分野を持った中小企業診断士が4名。ITのプロとしてアドバイスできる人が2名の計8名がローテんーションで対応するとのこと(左記画像よりリンク先をご覧ください。)

この様な優れた人材が本気で相談に答えることで、大きな成果を上げ続けている様です。


その事業内容は

①相談
DSC_0141 ・販路拡大サポート(売上増への課題解決支援、具体的な提案)
 ・経営サポート(経営全般にわたるアドバイス)
 ・起業・創業サポート(起業・創業計画、資金計画作成のサポート)
 ・資金サポート(有志あっせん、国・県等補助金交付申請サポート)

②アドバイザー指導
 ・相談内容に応じて必要な専門的指導、支援機関へのマッチングを実施

③情報発信
 ・中小企業の課題解決及び企業・創業支援に資する情報を収集し発信
  ○セミナーの開催(定期的に経営支援に関する情報を収集し発信)
  ○支援制度等の情報の収集・発信(行政機関や金融機関、経営支援団体等が実施するセミナー等のイベントや各種支援制度情報)

となっています。


これだけ見ると、よくある経営相談的なものと大差ないと思いますが、担当の方も力説していた部分で、いわゆる「コーチング」に近い要素が強く存在する様です。

例えば、売上を上げたいという相談に対しても、、

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①「きく」(各回1時間)~ 「売上を伸ばしたい」「新しいことをしたい」と思い立った時点で相談聞く。業種に関係なく、あらゆる事業の相談に応えます。

②「みつける」(何度でも)~ 「売上が伸びない」課題や強みは自分では分からないもの。課題や強みを見つけ、何をしたら良いかを明らかにしていきます。

③「ささえる」(無料・専門家紹介も)~ 相談を聞くだけでは終わらず、相談者と同じ目線で親身に前向きな解決策を一緒に考え、コーチングの要素を交えながらチャレンジをサポートし続けていく。

また、新サービスの開発や他業種間のコラボレーション等もマッチングさせていく。これも言葉だけでは簡単なことであるものの、実際に自動車用樹脂部品を主力にした会社が、オカビズに新規開拓の相談をしたところ、これまで読んだこともないような趣味の雑誌を紹介され、読むうちに顧客層が明確になり、杉の間伐材を練り込んだバイオマスプラスティックの鉢をつくって新たな販路を作り出したり、デザイナーや異業種のコラボレーションを積極的にマッチングさせたり、はたまた、別の相談においては楽天等のネットショップに進出し、その特性にあった売り方等を指南、分野別1位を取る企業も少なくない状況になっているとの事。

このような実績がリピーター率7割という驚異の実績を誇ることにつながっています。


その取組みに至る経緯の中には、事前に実施したニーズ調査の分析があったようです。

下のグラフは平成24年に岡崎市商工労政課SBCB事業アンケート調査によるデータです。

この経営課題に関しては様々に抱えているものがありますが、むしろその課題を誰に相談するか?という部分でオカビズの必要性が発揮されてきます。

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下グラフは主に相談する相手を示しています。最も多い税理士、会計士さんなどはどうしても数字上のことに特化してしまうこと、また、他の相談相手にしても、既存の相談機関は欠点の指摘にとどまることが多く、なかなか個々の強みを活かす方向に進展しないことが課題でもありました。

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これらの分析から見えてきたもので、⑦相談したことがない、⑧相談方法がわからない、⑨相談しても解決しない。結果として、60%近い経営者が「売り上げ改善」を望み、30%が「販路拡大」を望むのに対し、経営のプロに相談する人は10%にも満たないという現状が明確になりました。

この様な部分に注力し、その解決に向けて稼働しているのがこのOka-bizという事になります。


・運営主体は岡崎市と岡崎商工会議所

・体制は前述の通り、常時2名体制とし、ビジネスコーディネーター2名、岡崎商工会議所派遣ビジネスコーディネーター4名(火曜日のみ)、デザインアドバイザー1名(木曜日のみ)が交代で勤務にあたります。

・相談日は週4日。1日平均9.5件の予約で1ヶ月先まで埋まっているニーズの高さ。

また、これらOka-bizの実績が評価され、今年の5月からは「官・産・金」の連携、すなわち、岡崎市、岡崎商工会議所、岡崎信金の3者連携が実現しています。

当初は金融機関が相談に入っていなかったものが、この連携により週2回、岡崎信用金庫の職員が相談員として常駐していて、その職員もオカビズが事業モデルとする富士市産業支援センター(F-biz)の研修に参加し、ノウハウを得た人が行っているそうです。


これらの直接相談の他に、チャレンジセミナーと銘打ち、チャレンジする精神を学ぶという趣旨において講演会等も主催されています。

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(現在募集中のセミナー(H26.10月現在)

他にも「ビリギャル(略)」の著者である坪田信貴氏や、藻谷浩介氏、ヤフー執行役員の小澤隆生氏などなど、かなり実績のある方々がずらりと名を連ねているセミナーですが、これも秋元センター長を始めとするスタッフの人脈の凄さなのだと想像します。

ちなみに、この相談を受けたり、セミナーに参加するのは岡崎市内の企業とは限らず、他都市からも受け入れをしているとのこと。それはこの相談等がきっかけで岡崎市内で起業してくれる人が増える可能性もある。という育成の観点からくる方針です。

このような施設があると、実際に相談したくなるのも事実。もし岩見沢市内にあったら・・と過程すると、様々に可能性が広がります。


実はこの制度は、先進のf-bizやOka-bizを参考に国の中小企業庁によって、平成26年度より日本全国47都道府県に1拠点ずつ設置されます。

(よろず支援拠点 http://www.smrj.go.jp/yorozu/087939.html

調べてみると、この北海道でも札幌に「北海道よろず支援拠点」があります((公財)北海道中小企業総合支援センターが受託運営)。そして札幌だけではなく各地6箇所の計7箇所に存在している状況です。http://yorozu.hokkaido.jp/

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「だったら岩見沢単独で行う理由はないのではないか?」という考え方もあるかもしれませんが、愛知県においても中小企業庁による「よろず支援拠点」が存在し、それとは全く別に岡崎市の「Oka-biz」が存在することから、岩見沢の企業育成という括りの中で、横の連携を含めた提案が出来るような場が出来ると非常に心強いと感じます。

例えば岡崎市では人口が約37万人。対して岩見沢市は8万6千人。

岩見沢は単純計算で4分の1の規模であることから、岡崎市のOka-bizが週4回の開催であれば、岩見沢では週1回の開催でまかなえる可能性があります。

であれば、秋元センター長のような非常に優秀な人材を月に2~4回招くことができれば、市内での連携、携わるスタッフの育成を通し、かなり効果的な活動を展開できる可能性もあります。

DSC_0135人口減の時代の中で、生産年齢人口層にとって魅力的なまちにするためには雇用が重要な課題なのは言うまでもないこと。そのためにも健全な企業が育ち、外と勝負できる企業を増やすための本格的な「よろず相談」を受けつけ、様々な実践的アドバイスや市内外のネットワークができていく場所ができると理想的だと感じた次第です。

いずれにせよ、岡崎市で対応していただいた市役所の担当の方々も本当に熱意がありました。だからこそ、このような効果的な事業を立ち上げることができ、今後も大きく発展させていく気概に溢れているのだと感じます。実際、私達が伺った時も、実際に相談者が複数訪れており、熱気あるやりとりがなされていました。

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このOka-bizが設置されているのは、岡崎市図書館交流プラザという非常に大きな建物の中です。

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中には中央図書館/市民活動総合支援センター/内田修ジャズコレクション展示室/岡崎むかし館/ホール・スタジオ/カフェ&レストラン等が入っている複合施設で、多くの市民の方で賑わっている場所でした。

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Oka-bizが実施している内容はこの岩見沢においても積極的に活用すべきと感じるものでした。また、建物の使い方に関しても、岩見沢とは人口規模は違うものの、人が集う場所を効果的に集約していくこと、また異なる施設が同居することによる相乗効果等を含め非常に参考になりました。

以上、取り急ぎ平成26年度の経済常任委員会のメイン視察の岡崎市の様子をご報告いたします。(あくまで委員会公式の報告ではなく、私個人としての見解であることをご了承ください。)

実際の公式な報告は、後日あらためてご案内させていただきますが、11月6日に4委員会合同で他都市調査報告会を実施いたします。

4 thoughts on “Oka-biz〈経済常任委員会他都市調査〉”

  1. ご来訪ありがとうございました。
    またお役に立てることがあれば、お声がけください。
    よろしくお願いします。

    1. 秋元様
      直々にコメントいただきありがとうございます。
      また言葉足らずな部分も多々あり、Oka-bizの良さを伝えきれていないことお詫びいたします。

      若かりし日の秋元さんが岩見沢で講演をした時にお話を初めて聞かせていただきました。その時に最後の質疑応答の時にもお話をさせていただいたことを覚えています。今回の視察でも沢山の刺激をいただきました。これをただの刺激で終わらせないように必死に努力していきます。

      また何かありましたらご教示のほど、宜しくお願い申し上げます。

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