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殿、利息でござる!から徒然に。

平成28年5月30日投稿

IMG_20160405_122935昨日の日曜日、大事な用事を午前中に済ませたあと、ハチ吉(右画)に悪戯されて傷だらけになってしまったメガネを新調しに札幌へ。そのついでに、5月中旬に公開され、見たい見たいと思っていながら叶わなかった映画、「殿、利息でござる!」を見にいってきました。

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この題名とビジュアルでは、何となくコメディータッチの時代劇と思われそうですが、その中身は全くそんなことはなく見事な感動大作でした。

どうしてこの映画を見たかったかと言うと、この映画の原作は「武士の家計簿」などで有名な、磯田道史氏の作品「無私の日本人」に納められた3作品の中の一つ「穀田屋十三郎」であり、その実話に基づく強烈な史実は、今の日本人にこそ持ち続けなければならないものと認識をしてます。

3~4年程前にこの原作が発表された直後、縁あって手に取ることができ、その内容に大きく感銘を受けたことから、その年の正月休みの期間に東北へいく目的の一つとなりました。

ところが、いざ現地の吉岡宿(大和町)へ行くと、どこを見るべきか、事前に調べたごく僅かのインターネット情報以上のことがわからない。よって役場に聞きに行ったら、窓口も、そして窓口か聞いてくれた別の部署の方々も何の事かわからない・・。

行く前に調べた町議会の議事録でも、これからはこの史実をまちの誇りとして・・的なやりとりがあったのですが、実際には全く浸透していなかったことに、違った衝撃を受けたものです。

という様な事を過去のブログに投稿したら、原作者の磯田道史さんから吉岡宿のゆかりのあるスポットを記載した地図と共にお手紙をいただくという、大変光栄な事がありました。(その時のブログ

その時はこの大和町自体もあまり関心の高くなかった話題(水面下では志を持って着実に進行中だったのかもしれませんが)だったと思われますが、この様に映画化されるとかなりホームページの情報も整理されていました。

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是非、もう一度現地に行ってみたいと思います。

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そしてこの出来事を岩見沢に当てはめてみると・・

岩見沢市は開拓から高々130年少々ではありますが、その中でも歴史と文化というのは何より大事なことだと感じます。

その思いから現在「岩見沢CivicPride探求部」を主宰していますが、それらを進める内に、我々自身、無知ゆえの勿体なさを沢山思い知ることがあります。

例えば、

・宝水の地名の由来は、岩見沢の東町等の付近において、開拓が進み水田が増えてきたことによる水不足を解消(当時の水争いはどこの地方も死活問題につながるので、壮絶だったと想像します。)するために、あのあたりに沢山のため池をつくったことから、まさしく宝の水「宝水」という地名になったこと。

・道内で唯一現存するという勧業の鐘があり、その使用に纏わる背景・・。

・こんな所に松浦武四郎が泊まっていたのか!とか、

・岩見沢発祥の地付近では、榎本武揚やライマンが野営していたり・・。

・etc.etc.・・・

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市内某所で眠っているアメリカ製トラス鉄橋だって、とてつもない価値を持っている。

自分たちのまちの事を知れば知るほど面白い。(その勉強会の一部はこちらから見ることができます。間もなくトラス橋の回も公開されると思うので、それはまた強烈に面白いのでお楽しみに。)

 

また、岩見沢が発展してきた軌跡として、鉄道と炭鉱があります。この発展の背景は、興味がなければなかなか取っつき難いものではありますが、その奥深さは強烈なものです。

つい先日も、駅北にある岩見沢レールセンターがどれだけ岩見沢にとって価値を持つものかというのを、北地区振興協議会で30分ほどお話をさせていただきました。

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講演させていただいた対象は年配の方々が多く、ずっとこの駅北で活躍されてきたばかりのため「恐らく知っていること?」という懸念もあったのですが、皆さん真剣に聞いてくれて「全然知らなかった!」「それは凄い!」「これまで必要無いと思っていたが、本当に貴重なものだ!」などと大いに盛り上がっていただけました。

やはり知ること。それを1人でも多くの人と共有すること。それが地域の誇りに繋がるものと確信しています。

観光一つとっても、何も関連のないことを取って付けた様な手法を行えば、一部の旧産炭地の様なことになってしまう。やはり自分たちの地域で脈々と流れてきたものを感じ、その延長線上に新しい価値を見出していくという手法を目指していきたいと考えるのです。

そしてこれら地味な作業は、吉岡宿の大和町の例にもあるとおり、やはり行政が先頭を切って・・というのはなかなか実現できないものと考えています。それはこの岩見沢に流れる文化、歴史を掘り起こすのも同じで、まずは市民サイドからムーブメントをおこす。それに行政がアンテナを張っていてくれ、しかるべき時に何らかの連携がとれればありがたい。という感じです。

 

今、これらの岩見沢に纏わる情報は、追々発信していく準備が整いつつあります。

その新展開時にはまたご紹介させていただきますが、楽しみながら地道に少しずつ進めていきたいと思っています。

 

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最後にあらためて!

映画「殿、利息でござる!」は本当に素晴らしい作品でした。

私が見たときは小さな会場で自由席。それほど人気の無い状況でしたが、この映画はからなず評価される時がくると思います。是非、1人でも多くの人にみていただきたい。そう心から思える作品でした。

そして映画を見た後に、また原作「無私の日本人」を読み返していただければ更に深まることと思います。3作品中の他の2作品も本当に素晴らしい内容です。

是非見てみてください。

嬉しいお手紙。。「無私の日本人」

先日、宮城県の大和町に行ってきたお話をブログに載せました。

その目的は、磯田道史さん(武士の家計簿の作者として有名です)が書いた「無私の日本人」という本にのっている吉岡宿の有志9名による強烈な史実。

今から約240年前、税の負担も大きく、不況により寂れていく一方の吉岡を救うため、自らを犠牲にしながら大それた手法のもとに地域を救っていく実話です。

詳細は是非とも本を購入して読んでいただく事をお勧めします。三話が収められておりますが、そのどれもが日本人としての矜持を考えさせられ、さらに後書きに重みがあります。

その史実の空気に触れたいあまり、今回東北へ家族で行った際に立ち寄らせていただいたものです。

P1010590しかしながら、最初の手がかりとして立派な建物となっている大和町役場に行ってみたところ、案内係の方に伺ってみても国恩記のことはおろか、過去にそんな史実があったことすら知らない様子。他のカウンターの方へ聞いてくれるも、そこでもちんぷんかんぷん・・。

事前にネット上で大和町の議会議事録等をチェックしてみると、ちゃんとその史実にたいする答弁もあったり、町の広報誌で町長みずからがそのエピソードに触れたりしているものの、地元の方々は意外と知らないものであります。そこで役場では何の情報も得られずにガッカリ。(後で考えると教育委員会に行けば良かったかもしれません)

やむなく事前にネット上で調べた数少ない知識を頼りにこの吉岡の地を廻ってきました。

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←これは九品寺に設置されている「国恩記顕彰碑」

 

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  ↑この石碑建立の賛助者一覧

また、まちの中には、、

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