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会派研修【炭鉄港&道総務部長講話】

〈令和6年7月13日投稿〉

7月12日(金)は所属する会派の市民クラブにて研修三昧の一日!

午前中は日本遺産「炭鉄港」を学ぶをテーマに、夕張市石炭博物館や現役の採炭施設である「高松ズリ山水選炭事業所」を視察。

石炭産業の過去未来を様々な視点で解説した後、万字峠を経由して岩見沢の旧産炭地域である万字、美流渡、朝日に残る関連遺構等々を巡ってきました。

この東部丘陵地域には、岩見沢市民も気づいていない魅力がたくさんあります。

栄枯盛衰の現実を掘り下げるべく、地域の歴史を知らずに未来を語ることはできず、その歩みそのものに価値をもたせるという意味で〈日本遺産 本邦国策を北海道に観よ!北の産業革命「炭鉄港」〉は今後の地域の価値向上に大きく寄与するものと確信しています。

今回はその片鱗ではありますが、同志の会派の皆さんと共有できたのはとてもありがたい事でした。

その後、会場を岩見沢生涯学習センター「いわなび」に移し、村木道議のお力添えの下、総務省から出向され、現在北海道庁総務部長の役を担っている山本部長に岩見沢にお越しいただき、国の税財源配分等の仕組みや北海道の財政に関する事、岩見沢市の財政の読み方。新病院に関すること等々の講話をいただき、非常に濃密な学びの時間を過ごすことができました。

朝9時から夜の懇親会まで、学びの多い密度の高い1日となっています。

無事退院しました

〈令和6年7月8日投稿〉

本日、岩見沢市立総合病院から退院してきました。

と書くと、重たい感じになりますが、私の場合は比較的軽微と言える胆石症に伴う胆嚢摘出手術でした。

遡ると3月29日金曜日、朝からみぞおちから背中にかけて嫌な痛みが続き、お昼ごろには車の運転に支障がでるほどの痛みで脂汗がでる激痛に変化。

午後からかかりつけの病院で診察を受けると、胆石に伴う胆嚢炎ではあるものの、血液検査の結果では数値的に急いで手術するほどではない。とのことで1週間ほど薬を服用することになりました。

ちなみに胆嚢というのは、油っぽいものを食べると消化を助けるための胆汁を放出する器官で、和食などあっさりしたものを食べている分には胆汁を必要としないので胆嚢が動かず痛みが発生しない仕組みになってます。したがって胆嚢を機能させないように摂生し、炎症が完治すればまた普通の食事ができるとのことでした。

それからはカレーもラーメンも肉類もパンも食べられない、和食ばかりの食事制限をしながら「そろそろ完治したかな?」と、少し脂っこいものや宴席でのアルコールなどを試してみると、残念ながらまた痛みが出る状況が2度ほどあり、いよいよ5月末に「もう大丈夫かな?」と多少解禁しはじめたところ、6月上旬に慶事があり、これまた少しの食事とビールを200mlぐらい飲んだところで激痛に苛まれることに。

それがあまりに激痛だったため夜間救急センターに電話相談し、これまでの経過や現状を相談して受診してもらうことに。診察後すぐに市立病院の救急外来に転送となった次第です。

それからは胆嚢を取ることを前提に手術の準備となる各種検査が行われ、6月議会が終わったあとのタイミングの7月4日(木)に入院、5日(金)に手術で、本日8日(月)に無事退院となりました。

手術自体は腹腔鏡手術といって、私の場合はお腹に3箇所(管の穴を入れると4箇所?)の穴を開け、そこから器具を通して胆石の入っている胆嚢ごと撤去するものでした。よって開腹手術に比べると格段に負担も少ないものです、(とはいえ身体に傷を負うので痛いのは当然で、退院した今この時もそれなりに痛みがあるのは否めませんが、時間の経過とともに落ち着いていきます。)


さて実は私自身、これまで大変運が良く、ず~っと健康体で過ごすことができたため、全身麻酔、手術などを含め入院そのものが全くの初体験でした。今回は岩見沢市立総合病院にお世話になりましたので、以前から老朽化している施設ゆえ、エアコンがなく夏の厳しさは相当なものと聞いていて、私の現在の立場からもそれらを実際に体感できる最良の機会と捉え、しっかり確認してこようと思ってました。

しかし、入院期間中は蝦夷梅雨のような天候が続き、比較的過ごしやすい気温でその思いは達することはできませんでしたが、施設の至るところに老朽化の状況が見えること、窓際のベッドだったゆえ、一時日が差す瞬間の印象や、実際に従事される看護師さんたちのお話を聞き、十二分にその過酷な環境を感じることができました。

その行き着くところは、やはり「新病院の建設を一刻も早く!」という思いに至るのですが、事は残念ながらそう簡単なものではなく、現状の建設費等々の著しい高騰や、人口減少、少子高齢化に起因する労働供給制約社会等の今後の社会変化の行き着く状況等を鑑みると、やはり現在その作業が行われているように基本計画をしっかりと見直し、今後はより慎重で厳格な収支シミュレーションを行いつつ、将来の岩見沢に過度な負担を残さない方法を模索していかなくてはなりません。

それらをしっかりとクリアできれば、患者さんにも医療に従事される方々にも、より良い環境で過ごすことができる新病院の完成を目指し、多くの人々の期待とともに鋭意進行していくことになります。私自身、ぜひそういう結果になるように努力したいと強く考えています。

最後になりますが、今回、入院、手術を受けるにあたり、医師の皆様、看護師の皆様を始め、医療に従事される皆様に大変お世話になりました。特に診察や手術をしていただいた先生、対応していただいた看護師の皆様には、常に明るく優しく丁寧。そして的確で100%安心して身を任せることができました。この場をお借りし改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

また、本入院に際し、学校で予定されていた授業日程の変更や、会議の欠席、打ち合わせ日程の変更、また立会が必要であった中での代理のお願い、更には私の居ない穴を埋めていただいた仲間の皆様などなど、様々にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。少しだけ安静を保ちながら、速やかに日常生活に戻る予定です。

何卒よろしくお願い申し上げます。


【追記】元来ジャンクフード好きで和食が苦手なお子様系の食事を好む性質上、この3ヶ月の食事制限で体重が10kg減りました。これからはそれら食事制限が解除されることで、大きなリバウンドを恐れています。何とかそうならないよう、落ちてしまった筋力を取り戻すべく、運動でも再開しなきゃならないと考え中です。ただその部分の意思は弱く、この痛みが引くまでの間に気力が萎えるといけないので、ここで少し宣言しておきたいと思います。絶対にリバウンドは避け、筋肉量も増やしていけるように運動を再開します!さて、何から始めようか・・・。

第一回会議規則等改正検討委員会が開催されました

6月28日(金)が令和6年第2回定例会の閉会となりました。

その前日となる6月27日(木)は、この度、新たに設けられた会議規則等改正検討委員会の第1回目が開催され、正副委員長の互選により、僭越ながら私が委員長としてご推挙いただきました。



この委員会は主に「議会のデジタル化」に関するものの規定等を整理するものであり、各手続きのオンライン化や、必要に応じて委員会のオンライン開催を可能とするための細かなルールづくりなどが主となります。

他には岩見沢市議会会議規則や委員会条例の整理を行うこととなります。

特に諸手続きや委員会のオンライン化においては、正式なルールを定めるために検討すべき課題が多岐にわたり、数多くの想定と議論が不可欠になりますが、しっかりと努めさせていただきます。

岩見沢の交流人口や関係人口を高める【炭鉄港】の取り組みの一つ〈ぷらぷらヤマ歩きSPL 万字炭鉱跡を巡る〉を開催しました

〈令和6年5月13日投稿〉

午前中は市民との意見交換会を行い、その後、着替えてすぐに万字炭鉱跡に向かいました。

これは先にぷらぷらヤマ歩きのスケジュールを告知してから、市民との意見交換会が入ってしまったので、ちょっと綱渡り的な感じでしたが、主催のNPO法人炭鉱の記憶推進事業団のスタッフのお陰で、無事に事なきを得ました。


さて、このイベントは炭鉱遺産の価値向上と、私の役割的な位置づけとしては、今後の岩見沢(空知他炭鉄港地域全般)の交流人口や関係人口を創出するための実験的な視点を持って開催しています。

いつものこの様な主催事業ではNPOの役職員や会員さんがガイドを努めたりするのですが、今回は国内の産業遺産探索系では恐らく最も有名な方の一人ではないか?と思われる「スケキヨ氏」にガイドをお願いしました。

というのもこの万字炭鉱跡は、普段よく行っているズリ山のある万字炭山森林公園のエリアとは異なり、原則、立ち入りには許可が必要な場所です。我々はNPOという社会的責任を負っている法人ゆえ、やはり法令の遵守は徹底しなければならず。私自身も岩見沢市民でありながら、この万字炭鉱跡へは立ち入ったことがありませんでした。

そこで今回は事前に関係各所と協議を重ね、正式に立ち入り許可をいただいてのイベント開催となっています。

この様に、普段簡単に立ち入れない場所に合法的に、しかも探索系のカリスマとも言えるスケキヨ氏がガイドとなることで、まずはNPO会員への日頃の感謝を込め、会員限定で先行申し込みを行い、その後余裕があれば一般参加を受け付ける段取りで実施しました。

するとなんと!

24時間を待たず、あっという間に満員御礼となり、昨日の本番を迎えることとなります。

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岩見沢市議会 市民との意見交換会を開催しました。

〈令和6年5月13日投稿〉

5月12日(日)10時30分より、北ふれあいセンターにおいて、市民との意見交換会を開催いたしました。

岩見沢市議会広報広聴事業としては、平成26年から様々な手法で試行錯誤しており、コロナ禍で一時休止したものの、オンライン開催も含め、それなりに継続進化してきています。

これまでは常任委員会単位であったり、市内一箇所開催で全議員が出席であったり、その年によって開催方法を変更していきていますが、今回は市内8箇所で各会場に議員が3名ずつ担当する形となっています。

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open-hinataというWEBGISが凄い!

〈令和6年5月10日投稿〉

先日、SNSの〈X〉で流れてきたリンクで各地の人口ピラミッドの推移を可視化したものがありました。

早速やってみると・・・

という感じで岩見沢市における1980年から2045年までの人口ピラミッドの推移がわかりやすく見ることができます。

他にも、背景を変更することにより下記のような標準図から


航空写真


治水地形分類図や・・・


それぞれを重ね合わせ、シームレス地質図と河川の2面を合わせて!なんてこともできる。

なんとも凄いサイトを作られたものです。

これらが無料で活用できるところがまた尊い!

ぜひ活用してみてはいかがでしょうか!

https://kenzkenz.xsrv.jp/open-hinata/#sqHLVk

↓ 以前紹介したこのサイトも使いやすくて何かと助かってます。

どんどん便利になりますね。

色々な資料を作ったり、分析したりするときに、この様なサイトは本当に役に立ちます。多大な労力と能力を活用して公開してくださる方には本当に感謝しています!

岩見沢市議会 市民との意見交換会のご案内

〈令和6年5月9日投稿〉

この度、表題のとおり市民との意見交換会を開催いたします。

今回は市内8箇所にて開催されることとなります。

ちなみに私の担当は5月12日(日)午前10時から北ふれあいセンターとなります。

当会場において私の他には、豊岡議員、大和議員との3名での参加になります。

手法的には特定の話題を設けず、ざっくばらんな意見交換という想定です。

ぜひお気軽にお話を聞かせていただければと思っています。

ゴミのポイ捨てから思う。モラルってなんだろう?

〈令和6年4月6日投稿〉

昨日は小・中学校の入学式でした。
この度入学されたお子様、保護者の皆様に心からお喜びを申し上げます。

***

今回、お招きいただいた第一小学校ではこの様なめでたいお茶を出してくれました。

桜花の塩漬けはほんのりしょっぱく、見た目も可憐で一足早い桜を楽しめ、とても素敵な気分を味わうことができました。

ありがとうございました!


さて、その入学式に合わせてというわけではないのですが、雪どけから何回か自宅周辺通学路のゴミ拾いをしました。と言っても大したことはなく、朝の犬の散歩ついでに火ばさみと袋を持って歩くだけのことです。

そこでここ最近もの凄く目立ってきたのが、加熱式の電子タバコのフィルターです。

一定数、非常によろしくない人がいるようで、冬季間に何度か車中から纏めて廃棄したと想像されるのですが、数十本のフィルターと綿棒などのゴミがひとかたまりに捨てられているのを3個所ほど片付けました。

ちなみにこの画像のところはまだ少ない方で、事前に拾った他の場所では更に大量のフィルターとタバコの空き箱なども一緒に捨ててあった状況。

これらタバコ(電子も一般的なものも)のフィルターは通常は長めの一本ものなのですが、構造的には短いフィルターを数本つなげて紙で巻かれているようで、水に濡れると短く分散されてしまう。これをひとつずつ拾うのはとても手間がかかります。

そして実はこのフィルターは紙ではなくプラスティックを多く含むようで、UNEP(国連環境計画)が示すゴミが分解されるまでの時間は10年間とのこと。紙の部分は数ヶ月で分解されるのに、このフィルターは10年経たないと分解されないというのは、昨今いわれているマイクロプラスティックによる生態系への影響にもつながってくるわけですね。

実際にポイ捨てをしている人は、当然その様なことを思い描くこともなく、自分の車内やポケットから不要なものが消えるだけなのかもしれませんが、その結果、道路には醜い「ゴミ」が散乱することとなり、それを見た子ども達が何を感じるのか。また、その延長線上には生態系にも影響を及ぼす環境破壊に繋がっていくことまでには到底思慮が及ぶことは無いのだろうと思います。


毎年のことですが、傾向としては日々の通勤途中?に車から捨てる人や、歩道を歩きながら吸い殻やタバコの空き箱をポイ捨てする人がいるようで、落ちているタバコの銘柄もかなり限定的な状況。もちろんタバコだけでなく、コンビニなどで買って食べ終わった袋等を捨てる飲食系のゴミも相当数あります。

現在は冬季間に蓄積したものが、雪解けとともに可視化されてきたので特に大量です。

昨朝もわずか30分でちょっとした買い物袋ひとつ分のゴミが集まりました。

少なくとも市政に関わる身としては、これを仕組みでなんとかしようと思えば、先進地で行っているような条例の制定等が考えられますが、その抑止効果はあまりにも限定的です。いくらルールや罰則を設けても誰も見ていないところでは人間は弱いものです。

ジャン=ジャック・ルソーは「法律は少ないほど良い国だ」と考えていたようですが、最終的には人間それぞれが社会の一員としてどう振る舞うのか。それをモラルというのでしょうが、社会契約論の視点の一つでいけば「社会を構成する人々に理性を強いる」ということになるのかもしれません。

結局のところ、多くの人々それぞれの自主的な行動として昇華するには、教育という概念が不可欠であろうと思わざるを得なく、この「モラル」という面においては、その最たる効果を発揮するのは「大人が見本となる良き背中を見せる」ことに他ならないのだと思います。

でもとても難しいことですよね・・・。
人ぞれぞれの環境が異なり連鎖があります。

だからこその想像力であり、想像力と言って思い出すのは・・・

ユヴァル・ノア・ハラリは、著書の『サピエンス全史』(柴田裕之訳〈河出文庫〉)の中で、人間と他の動物との大きな違いとして「虚構を信じる力(想像力)」があると述べています。例えば神や貨幣、法律、法人、ブランド、国家、人権や平等など、まさしく「虚構」でしかないものを「集団で信じる」がゆえに私たちの今の社会があるということになります。

この虚構を信じ守ることがモラルでありルールでもあるし、そのためには社会を構成する一人ひとりに理性を強い「イマダケ カネダケ ジブンダケ」では世の中が立ち行かなくなることも想像しなければならないのだろうと思うのです。

とはいえ私自身・・・、

今回のごみのポイ捨てのようなことに関しては、正義を振りかざしながらこのような行動をしているものの、他の部分においては全くもって至らぬ、、、他者から見れば「想像力が足りない」と思われてしまうような要素を併せ持っているのだろうと思います。だからこそ今回のような気づきの中で「人の振り見て我が振り直せ」という言葉を信じ、自分がちゃんとやれているのかどうかを謙虚に省みる機会にできたらと思っているのですが、まぁ、それでもなかなか気づけないのが人間なんですよね・・・

少なくとも、「人に迷惑をかけない」という概念と「自分も生きている以上、誰かに迷惑をかけているのだから、あらゆるモノゴトを寛大に捉えよう」との両面をバランス良くストレスの無いように生きていかなくてはならないのでしょうね。


最後に、春先に一番最初に咲く花はビニール袋などでできたごみの花です。

これらも道路などで何気なく捨てたゴミが側溝や雨水桝を通って川に流れ込み、鼻毛にひっかるかの如く木にひっかかったのが可視化されただけで、この何十倍、何百倍?ものゴミが海へストレートに流れていっているのだろうと思うと・・・

人間は愚かです。

当然自分も含めてです。

日本と他国の人口ピラミッドから徒然に〈雑記〉

〈令和6年3月24日投稿〉

色々と作業に追われてしまっていて、私の容量の少ない頭もフリーズ気味になっているので少し現実逃避の気分転換で全く関係ないことを見てみました。

まず、日本の人口ピラミッドと他国の状況について。

よく炭鉄港系の講演などで、世界中の先進国は人口減&高齢化が進行し、日本はその中でもトップランナー的なことを言わせてもらってますが、果たしてそれが他国と比較すると実際にどれぐらいの違いなのか?

【出典:総務省統計局 世界の統計2024より

上記グラフは各国男女5歳階級別人口になります。

これらを良く見ると、日本はやはり少子高齢化のトップランナーであることがわかります。日本と似ている傾向があるのがイタリア。共に若い層がしりつぼみに減っていきます。また人口の最も多い層が日本では70代にひと波あり、更に50歳前後でもう一つの山があります。イタリアも50歳前後で波があるもののその上は減少傾向。

上記グラフを見る限り、少子高齢化の形としては日本がトップランナーなのは間違いなさそうです。

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人口規模とサービス施設の関連から、岩見沢新病院建設について考えてみます。

〈令和6年3月16日投稿〉

前項の続きとして新病院建設に関して徒然に思考してみたいと思います。

これはあくまで資料等を元に考察するだけで、決して深い推察もなければ結論もありません。というのも、この新病院建設に関しては簡単な事象ではなく、誰もが正解がわからない中で熟考を重ねていくことが必要なのだと思っています。

よって多くの市民の皆様に一緒に考えていただけたら!という願いを込めて投稿いたします。

国土交通省が参考資料として公開しているものに、人口規模とサービス施設立地の確率をデータ化したものがあります。その元データはこちらです(https://www.mlit.go.jp/common/001042019.pdf

前項ではその一部を紹介していますので、まずはそちらをご覧いただければわかりやすいかと思います。


さて、そのデータ中の〈医療・福祉〉の項目を見ると、地域医療支援病院は97,500人の人口規模で50%の存在確率ということになります。現状の人口が約75,000人で今後更に減少が予想されている岩見沢市においては、新たに「地域医療支援病院」として承認、設置されることはあまり現実的ではないこと。ましてや「先進医療を実施する病院」の設置にはほど遠い現実があることがわかります。

しかし現状の岩見沢市立総合病院としては、「南空知の中核病院」という位置づけと、表中の「救急告示病院」というくくりであることを考えると、現在計画されている新病院を建設することそのものは懸念すべき状況ではないことがわかります。

*ちなみに新病院建設を機に、「地域医療支援病院」への承認を得ることを検討されたかどうかを非公式に聞いてみたところ、『当該病院の承認を受けることは、地域の医療機関との機能分化を推進し、診療報酬上もメリットがあるものと考えているが、一方で、当該病院の承認を受けた場合、診療科一律で、紹介状のない患者から定額負担(初診時で7,000円)をいただけなければならないことから、市内の医療機関の現状や患者負担の増を踏まえると、現在の制度では本地域医療の提供体制には馴染まない』とのことで、この基準に関しては現行のままで、上の表中では「救急告示病院」というカテゴリーになろうかと思います。

そこで、新病院の建設そのものは懸念すべき状況ではないと認識すると、あとは健全経営で持続可能な体制をどう設定するかが重要になると考えていて、そこは前回の一般質問でも行った通り、現在の基本設計の規模では到底持続可能な状況にはなり得ないのではないかと私自身は考えています。


下の図は【岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)】の中から引用したもので、南空知医療圏内の人口構成別推計と高齢化率になります。

*この病院事業経営強化プランの資料も参考になることが多いのでぜひ御覧ください。


下の図は同じく【岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)】から引用したもので、岩見沢市の人口構造推移となります。

これらは以前、動画でもお伝えした内容の主旨と差は無いと考えるところですが、やはり生産年齢人口の急激な減少は、医療関係のみならずあらゆる産業で働き手不足に陥る可能性を含んでいます。また、同じく【岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)】から引用すると、下表のように岩見沢市立総合病院の「入院患者数推移」、「1日当たり入院患者数と病床利用率の推移」、「外来患者数の推移」を見ても減少傾向にあることが読み取れ、またこれはコロナ禍の影響が強く出たものと考えるも、すでに感染症法上の分類が5類へと変更され、間もなく1年が経過する状況下、これら患者数は現時点でも戻ることはなく、今後は非常に難しい判断をしていかなくてはならない状況と認識しています。

そしてこれは岩見沢市立総合病院のみならず、今回の市政方針で市長から「早期経営統合を目指す」とあった北海道中央労災病院も同様の傾向とのことで、この状況から未来予想を誤ると、自治体財政に多大な負担をかける病院となってしまう可能性があります。

というのも、一般の病院とは異なり、自治体が運営する総合病院は「地方公営企業」として運営し、原則独立採算制をとっていますが、「性質上能率的な運営を行ってもなおその経営に伴う収入をもって充てることが客観的に困難であると認められる経費(政策医療・不採算医療など)等については、総務省が毎年度示す繰出基準に基づいて、一般会計が負担すべきと定められています。〈引用元:岩見沢市病院事業経営強化プラン(素案)〉となっていて、その内容は以下の様になっています〈引用元:同〉

特に表の上から2番めの「中核的な病院機能の維持に関する経費」となると、新病院建設計画に見通しより厳しい状況に陥ると、病院経営上の赤字補てんを市の一般会計から拠出し続けることとなると思われ、ただでさえ財政状況に余裕のない岩見沢市(下記リンク先参照)としては、病院建設の結果によっては、未来の岩見沢像に大きな影響を及ぼすこととなってしまう事を懸念しています。

これらのことから、令和6年3月末現在で基本設計のパフリックコメント募集まで進行している新病院建設ですが、様々な要素によって「慎重で柔軟な対応が不可欠」であると信じています。

ぜひ、多様な目線で注視いただければ幸いです。

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というところで一旦投稿していたのですが、今朝の北海道新聞空知版において「労災病院 外来入院中止」という大きな見出しが出ていました。

新聞記事によると”労災病院の入院患者数は2019年度は約7,800人だったが、22年度には約6,200人と2割減少。外来数も19年度約8,100人だったが、22年度は約7,300人と1割減。特に全身麻酔を伴う大きな手術数の減少が顕著で、同病院は「近年は大きな手術を札幌で行う人が多い」”とのこと・・・

また、統合する両病院の外科医はともに北大病院からの派遣を受けており、当医局の判断によって岩見沢市立総合病院との統合を待たずに札幌等の病院への異動となったとも記載されています。しかし地域への影響を最小限にするため、現在の常勤医は4月以降も労災病院へ出張医として外来に当たっていただけるようです。

これらは患者減による経営状態の悪化という現実と、医師不足が課題となっている他地域との兼ね合いによるもので、決して誰かを責める様なことではなく、時代の流れにおいて課題の質の変化が明確になってきたという事だと感じます。

よって、これからの両病院の経営統合、そして新病院の建設においても、これまで誰も経験したことのない社会情勢の中、まさに正解が見えない中で必死に最適解を見つけていかなくてはならない状況につながるものと考えています。

担当レベルの苦労もそうですが、最終的な責任を伴う首長も議会も、地域医療の健全なる持続性と厳しい課題が山積する行政運営のバランスを熟考しながら、様々な決断をしていかなくてはなりません。

岩見沢市民憲章の前文にあるように、「伸びゆく産業、交通の中心のまち、かおり高い文化のまちとして、未来に大きな夢と願いをもっています」という状況であった時代が懐かしく、現段階では産業の衰退をどう回避していくか、公共交通の維持もどうやって実現していくかなど、ネガティブな要素ばかりが増えています。

しかしどんな状況であれ、「未来に大きな夢と願いをもっています」という志を忘れることなく、そして「わたしたちは、このまちに住むことに誇りをもち、品性豊かな市民となるため、こころをあわせて市民憲章をさだめます。」という言葉を胸に、時代のフェイズが変化したことによる困難に対し、思考停止となることなくしっかりと立ち向かっていかなくてはなりません。