北海道「炭鉄港」市町村議員連盟 平成30年度定期総会報告

〈平成30年4月24日投稿〉

4月19日(木)小樽の地で炭鉄港議連定期総会が開催されました。

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昨年3月に創立してからあっという間の1年となります。

1年目は夕張、赤平、室蘭で研修会を開催し、盛りだくさんの内容となりましたが、今年は少しペースを落としてでも大事にじわじわと浸透していくような活動を展開できればと目論んでおります。

総会終了後は、小樽市総合博物館の石川直章館長様にご協力いただき、「小樽の歴史と遺産を知る」と題してご講演いただきました。炭鉄港の取り組みにおける小樽の重要度を再認識することができます。

夜は小樽の観光で多大なる貢献をされているオーナーが経営する藪半さんで懇親会を開催し、翌日は北海道開発局 小樽開発建設部 小樽港湾事務所の多大なるお力添えを賜り、まずは小樽港に関する事務的なレクチャーをいただきました。

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その後、資料展示を解説いただき、船に乗り換えて北防波堤の見学へ。

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この北防波堤とは明治30年に着工した日本で初となるコンクリート防波堤で、設計施工は広井勇博士。現在、100年以上が経過しても現役で船の安全を守っている様は見事です。

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この指さしている先が北防波堤です。

下の斜めになっているコンクリートブロックが広井博士の設置した100年以上前のもの。斜めにすることで互いに支え合うようになり強度が出るようです。上部のコンクリートは昭和になってから嵩上げされたものとのことです。


午後からは、小樽市総合博物館の石川館長にご案内をいただきました。

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まずは敷地外の道路沿いにあるレンガ擁壁の説明からとなりました。

このレンガの上は、元々線路が敷かれていたところで、船積みするための高架桟橋に向けて機関車が走れる勾配にするために、かなり手前からじわじわと標高を上げていくための通路でした。

その高架桟橋とは下の展示物のような構造で、石炭を積んだ貨車が下の舟に自動で石炭を投下すると、スイッチバックして下に降りていく構造になっています。

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この高架桟橋は小樽と室蘭に全く同じものがあり、写真では背景が写っていないとどちらのものかわからないとのことです。尚、この効果桟橋を管理していたのは北海道炭鉱汽船株式会社、すなわち北炭です。

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模型の貨物船の煙突にも岩見沢レールセンターにあるのと同じ北炭の社章が描かれています。


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博物館の入り口にあるのは「しずか号」です。

この顎の部分はカウキャッチャーと呼ばれる牛よけの部品。また煙突が大きいのは、石炭ではなく薪をくべた際に火の粉が飛散するのを防ぐフィルターが入っているとのこと。

これは実は牛のいない北海道。石炭を運ぶために輸入された機関車が薪をくべるはずがないので、発注時に何らかの事情があって、アメリカ仕様の標準機が日本にきているそうです。こういう背景を知ると面白いですよね。

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他にもSLの部品が数多く展示され、炭鉄港のくくりでいくと小樽は港という位置づけですが、実は鉄道の街でもあったことが良くわかります。

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またこれから修理に入るアイアン・ホース号も近くでじっくりと見学させていただきました。

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ボイラーの中を覗くと耐火レンガが積まれていたりと、見たことのない部分を見せていただきました。

このアイアン・ホース号は、現在ボイラーの修理のために大阪に向かっている途中だと思いますが、官営幌内鉄道が全通した明治15年に、この北海道を走った義経号や弁慶号と同じポーター社でつくられた100年以上走り続けている機関車です。

現在、その修理費用の捻出のためにクラウドファウンディングが始まっていますので、ぜひ多くの方々に応援していただければと思います。

https://www.city.otaru.lg.jp/simin/sisetu/museum/iron_horse/GCF.html


この様に、小樽での研修は大変有意義なものとなりました。

港と鉄道を、それぞれの専門家からお話を聞き、また実物を見ることができたという何とも貴重な時間となりました。

炭鉄港市町村議員連盟は、今年もより地域にフィードバックできる活動を展開するために努力してまいります。

そして最後に告知をさせていただくと、4月28日より夕張石炭博物館がリニューアルオープンします。石炭で栄えた空知の一員として、この博物館は必見です。ぜひGW中にも足を運んでみてください。私は5月2日と6日の二日間、スタッフとして現地におります!

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