本日の委員会にて新病院建設地決定の報告がありました。

〈令和4年4月28日投稿〉

【最初に、先日の新病院の骨格(案)に対するパブリックコメント等において、貴重なご意見をお寄せいただいた皆様に私からも感謝を申し上げます。】


本日10時より新病院建設特別委員会が開催されました。

内容に関しては、先に配布された資料に基づく「新病院の骨格(案)に対するパブリックコメント等の結果について」となるのですが、今回は市長出席の申し出があり、委員会開始冒頭において、市長から新病院の建設地を北海道中央労災病院用地と決定する旨の発言がありました。

理由としては総合的に勘案した結果ということになりますが、やはり建設の早期性、経済性、災害発生時を考慮した条件、国道12号線に隣接した立地等々が勘案されてのこととなります。


既存の市立総合病院の敷地が借地(約5,000㎡)を含めても約24,000㎡であることを考えると、特に冬季間の駐車場不足や隣接して健康センター等の必要施設を備えるとなれば、理想として40,000㎡の敷地が必要であり、その条件に合致する候補地(主として公有地)として、旧競馬場跡地(約475,000㎡)、大和地区公共用地(約308,000㎡)、旧駒岩跡地(約112,000㎡)、北海道中央労災病院跡地(約76,000㎡)が提示されてきました。

この度のパブコメ等でもあった中央小学校跡地は、残念ながら敷地的には小さすぎて合致せず、市役所周辺の都市公園では都市計画公園ゆえの計画変更や同面積程度の代替地が必要などの条件等々、早期性のみならず代替地等の難易度、経済性からも選択肢を外れていきます。また、農地を購入してという意見もありましたが、これも早期性に合致せず、なおかつ浸水リスクもあること、さらに提示された各候補地においても、交通利便性や浸水リスク(河川の浸水想定区域(ハザードマップ)を考慮すると、ここは北海道中央労災病院跡地が最も適する場所ということに対し、私自身の考えも異議のないものでした。

ただし、パブコメの結果においても、公共交通の利便性に大きな懸念があることから、ここはやはり今後の公共交通計画等に注力し最善を尽くすことでカバーできる要素となります。

また様々に時間をかけてじっくりと検討していけば、より岩見沢市の抜本的な改善として、人口減少・高齢化社会に徹底的に適応すべくコンパクトシティの実現に向け、用地買収を絡めて新病院は駅直結等々のビジョンも描けるかもしれませんが、やはり相当な時間と費用を要するのは間違いなく、現状の市立病院において前述の駐車場の不便、設備の老朽化、そして夏の気温も著しく高まっている昨今において冷房が存在しない等々、様々に早期着工を望む声が多いことは間違いありません。

また今後の交通形態の変化において、私たちの生活が今現在をベースに今後20~50年後を考えると、ちょっと危惧すべき点も考えられます。

自家用車による移動が中心の都市部における2030 年の将来像
〈内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室作成〉
出展:官民ITS構想・ロードマップ(2021年6月15日)
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議

上図、今から8年後の2030年目標ではまだ劇的な変化はないと思いますが、その後の10年ではモビリティ環境に大きな変化が現れ、より個々人が安全に快適に移動できる環境が整っており、それに伴い場所の議論があまり重要でなくなっている可能性もあります(市役所新庁舎の際にも同様の考えが過っています)。

ということは、現状において優先すべきは経済性・早期性を実現しつつ、様々な環境がバランス良く実現できる場所ということになり、私個人としても、新病院の建設場所は北海道中央労災病院用地となることに納得をしています。

あとはこの度の「新病院の骨格(案)」から、もう一歩進んだ計画が提示され、議論していくこととなります。引き続き新病院建設特別委員会の一員として努力していきたいと思っています。


今回の委員会において、前述の建設場所を除き、配布資料に基づく内容に対し質問していますので、簡単に報告いたします(要約)。

■パブコメ募集に対し、YouTubeによる音声解説動画を公開した件について

〈質問〉32日間で再生数560回というのは、この様なコンテンツとしては有意義に活用されたと評価できる。そこで今後の参考として、本動画のアナリティクスで平均視聴時間並びに平均再生率はどのような値になっているか?

〈答弁〉約15分間の動画の平均視聴時間は約4分で平均再生率は約27%であった。今回が初の試み。今後、基本計画の素案を示す際にも動画配信を行う予定。

〈平野私感補足〉再生数560回、平均視聴時間約4分、平均再生率27%、これは一見低い数字に見えますが、この様な公的な発信として捉えると決して低い数字ではないと判断しています。多くの市民の方へ情報を提供するという意味でも大事な試みであったと評価すると共に、今後はこのような配信もスタンダードになっていくものと思われます。


■院外処方の考え方について

〈質問1〉院内処方は収益という面でメリットがあると思われるが、厚労省の働きかけもあり、医薬分業が進行している現在は、院内処方をしている病院の方が少ないと思われる。全国の病院の院外処方の導入状況はどうなっているか?

〈答弁1〉厚生労働省の令和2年社会医療診療行為別統計によりますと、全国の病院における院外処方率は80.8%であり、平成28年度の77.5%と比較しますと3.3ポイント伸びており、院外処方率は年々上昇している傾向

〈質問2〉現状では処方できる薬剤が院内採用薬に限定される傾向。また昨今、この様な大きな病院においての薬剤師さんの役割は、病棟薬剤師としての業務にシフトしてきていると思うが、今後において、この院内処方に関し、どのような考え方を持っているか?

〈答弁2〉導入については、調剤時間の短縮、薬局選択の自由、医師が選択する薬剤が限定されないなどのメリットがある一方、薬の受け渡しが病院の外になることや、保険調剤薬局における技術料などにより患者負担が増えるというようなデメリットもあることから、慎重な対応が望まれる。 新病院の建設に向け、これらのメリットやデメリットの検証に加え、国における薬価改定や医薬分業の動向を注視するとともに、北海道中央労災病院においては、すでに平成25年度から院外処方を実施していることなどを踏まえ、引き続き院外処方の導入について検討を進めていく