〈令和元年8月25日投稿〉
2日目は2班に分かれての視察。
一方は現地にいる日本人通訳さんをお願いし、ただ見るだけではわからない、より深い部分の把握を求め現地で携わっている方々への聞き取り調査などを実施。
私のみ初めてのドイツということで、吉岡理事長と二人きりで見学&レクチャーを受けることになりました。
まず最初に行ったのは世界遺産に認定された有名どころでもある〈ツォルフェアアイン炭鉱業遺産郡〉へ。
ここの特徴は、1919年に設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行う〈バウハウス〉という美術と建築に関する総合的な学校で確立されたデザイン。
このバウハウス様式は、スクエアな中にも美がある独特の佇まいで何とも言えない存在感があります。
ちなみに、この施設の中には後付された長大なエスカレーターで中に入ることができ、その内部にはSHOPやインフォメーションなどがあります。
このルール地方の産業遺産群の多くに、人が集えるようなカフェが備わっている傾向がありますが、こちらも当然のようにありました。撮影した時は、まだ時間が早かったため空席が目立ちますが、その後、大勢の人がこの地に集まってきました。
また、この立坑とつながった建物だけではなく、広大な敷地の中にいくつもの建物があります。
そのうちの1つがミュージアム。
独特の佇まいを持つレンガづくりの古い建物のなかで、工業製品等のデザインが展示されていました。
さらにもう一つの建物には、アーティストにアトリエとして場所を貸し出し、展示もしてもらうなどの取り組みがなされていました。他にもインキュベーター的な新しい仕事をする人々へも場所を提供しているようです。
この地も北景観公園の様に、自然が席巻しつつありました。
ここの凄さは現在の私の能力ではうまく伝えることができないのですが、やはり世界遺産として威厳に満ち溢れたところであり、今後種々環境が整備され、益々魅力的な場所になっていくと思われます。
次に向かったのは石炭等を運搬するための水路で、流速を下げるために勾配を抑え、そのために発生する段差をクリアするための施設。
大きな船を水ごと箱にいれて持ち上げる巨大なエレベーターの〈ヴァルトロップ ヘンリチェンブルクボートリフト〉です。
正しく炭鉄港の括りでいくと、港のポジションとなります。
そのスケールはこの動画を御覧ください。
海外ならではの大胆な展示開放と言えると思います。
また展示物も素晴らしく、ここもゆっくりと再訪してみたい場所となりました。
そして2日目の最後はインダストリアルミュージアムのゾラン。
ここは古く趣のある煉瓦造の建築物と立坑があり、中には炭鉱に関連する様々な展示があります。その展示は良いことばかりではなく、事故や後遺症、戦時中のホロコーストの話なども含め、負の部分も事実として伝えていること。
また、現存する施設も素晴らしく、今から116年ほど前の1903年に地域で最も早く導入された電気モーターは、元炭鉱関係者と思われる方々の手によって現在も稼働し、立坑につながるワイヤーを動かします。
以下の動画では賃金支払所の豪華さや、展示の一部、そして立坑の上からの景色と実際にモーターを回している様子などを紹介します。
この日の夕食は、この博物館の中にあるレストランで排気の立坑を見ながら。
いかにもドイツ料理です♪
余談ですが、ゾランからホテルに戻る途中、鉄道と路面電車の線路が十字に交差するポイントがありました。
なかなか見ることのできないものなのでじっくり観察。
日本国外に出ると、見るもの全てが新鮮で刺激的です。
そして本日の歩数は約15,000歩。
博物館などがあった分、比較的少なめの歩行数とのこと。それでも時差ボケの身にはなかなかつらいです!
「〈炭鉄港〉に関連するドイツ先進地視察〈3:2日目〉」への3件のフィードバック