〈炭鉄港〉に関連するドイツ先進地視察〈4:3日目〉

〈令和元年8月25日投稿〉

*2日目から続く

視察3日目も2班体制。

しかし本日は吉岡理事長と私の二人行動ではなく、Y女史が合流し、3名でズリ山登山を主体とする視察を実施することに。

最初に向かったのはボットロップという地にあるテトラエーダー。

この「ズリ山」は地下から採掘したものを石炭とそれ以外に分ける過程で出た廃棄物。

このルール地方は平野なので、基本的に山はほぼありません。よって、あらゆるところに見える小高い山は、全て人間が採炭をした際に出た廃棄物が積み上げられたもので、いたる所に見ることができます。

なにせこのルール炭田は、最盛期には約230もの立坑があり、そこから産出された石炭は産業革命期より、我々の近代的な変化の下支えをしてきたもの。

その様に大量にあるズリ山の中でも、特徴的な2つをめぐることとなり、その最初がこのテトラエーダーです。

以下の動画は登山終盤からの撮影ですが、どれぐらいの規模のズリ山なのかが良くわかるのではないかと思います。

行きとは違うルートで降りると、スポーツ選手がトレーニングをしていました。フットボール?と聞いてみるとボクシングとのこと!

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日向ぼっこをしている若い女性がいたり、トレーニングをする男性がいたり、はたまた高齢のご夫妻が散歩をしていたりと、地元の人たちにとって生活の場になっていることを感じます。


2つ目のズリ山はHorizontobservatorium(ホーリゾンアッブサーバトーリウム、、という読みがなであっているかどうかわかりませんが)というズリでできた展望台です。

老若男女問わず、地元の方々がゆっくり散策したりピクニックしている光景が見えます。

ここは下から見るよりも遥かに広大で、まるで巨大な台地がせり上がってきた様な雰囲気があり、この莫大な堆積物が人間が地下から採掘して積み上げたものの一部かと思うと感慨深いものがあります。

しかしこれはヨーロッパに限ったことではなく、実は私達の空知にも膨大なズリ山があり、そのほとんどが山の中にあるために気がつかない状況とのこと。あらためて足元を知ることが大事だと痛感。

このズリ山を登頂時と異なる面から降りると立坑がありました。
https://goo.gl/maps/ogPFJ4iGRvVdknpD7

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ここは歴史的に価値が高く、最も古い時代から4世代の立坑を見ることができる場です。

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あらためてルール炭田のスケールの大きさを感じるとともに、GoogleMAPの評価をみてもドイツ人の国民性がこの様な遺産を支えている様子を垣間見ることができます。


そしてその国民性といえば、、

この2つのズリ山を移動する間に見学した鉄道博物館は、愛好者達が運営する民間の博物館。

ドイツでは通常別の仕事を持っている人々が、趣味の範囲で力を持ち寄り、この様な活動をすることは決して珍しくないとのこと。

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そして保管されている蒸気機関車のかなりの車両が実際に走行可能な模様。

この下の写真の車庫に入っている車両は、煙突の上に排煙装置があります。

それにしても岩見沢市内でも保存されている国産のC57やD51などと比べると、その車両サイズが桁違いの大きいことを感じます。

レール幅が日本の在来線の1067mmと異なり、新幹線と同じく国際的な標準軌の1435mmであることを考えると、相対的に大きくなるのは当然ですが、それゆえに日本の鉄道敷設の際、イギリスから輸入したサイズが植民地サイズであったことが悔やまれる思いです。

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また、ここの展示を見ている際、なぜか車庫内に植樹があることに気づいきます。

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何かと思ってよく見ると・・

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ナチスが使用していた故の鉤十字のマークがありました。

この様に、過去をなかったことにするわけでなく、しかしそれなりの配慮を行うという気遣いの配慮に国民性を見たような気がします。


そしてその後、2班に分かれて活動していた同士が合流。

立坑が隣接するホテルの前のカフェとなります。

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こうして両班の情報交換をしながらドイツの夜が更けていきます。

尚、この日の朝にK大のI氏は別行動となって、より深い視察へと向かい、NPO理事で土木学会等でも活躍されているI氏はこの夕食の後に個別で視察したい炭鉱遺産があり、別行動となるべく分離。

翌日からの調査隊は5名体制へと変化します。


この日は2つのズリ山を登ったこともあり、2万歩超えで登った階数も58階相当分となりました。

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*4日目へと続く

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