〈平成30年8月18日投稿〉
【注】この投稿は私個人の考えであり、あくまで以前考えていた一つの考え方であり、あくまで余談であるということをご了承ください。
昨年10月に現庁舎敷地で庁舎を建て替えることに決定してしまったことから、自分なりに「では現庁舎敷地で建て替えるとしたら、どの様な庁舎が望ましいのか」を本年の正月に作成し、議会としての提案書を作成する前段階として、会派内で提案させていただいたものです。
今更この様なモノを出しても全く意味がありませんが、現在も継続している思いの中で、余談としてご紹介させていただきたく思います。
その作成にあたり、まずは3つの要素を考えてみました。
①ローコストで長寿命な庁舎~できるだけ華美なつくりは避け、質実剛健な庁舎が望ましい。
②市民協同の具現化~実は議場というのは年4回(延日数では2ヶ月少々?)の議会開催時以外は誰も使用していない広大な空き部屋となります。であるならば、議会として使用していない時は、庁内の会議やイベント、市民活用ができるように開放することも検討すべき。そのためには議場は最上階にあるより、長岡市の例の様に1階にあると良い。その効果は以下の周辺環境とも関連する。
③借景的思考で周辺環境との相乗効果を高める~市役所の北側には北海幹線が流れていて、その上は素晴らしい公園として水環境が整備されています。現在は庁舎と段差もあり、距離も離れていることから一体感はなく、市民の利活用も盛んではありませんが、新しい議場をこの高さ付近に下げることで市民が水環境広場等を活用する際の拠点となりうること。また、現在地に庁舎が建て替えられることになるのであれば、東山公園一帯、神社、陸上競技場も合わせて一体感を纏うイメージを築くベースとすることができると思います。
その様な観点から議場を別棟とすることで、市民活用が可能となり、尚且、議会と市民の距離を縮めることもできるのではないかと考えたものです。(上図:見づらいですが、赤枠が既存公園、黄色が本庁舎、青が議場となります)
正しく、周辺にすでに存在するものをフルに活用し、【あるものを活かし、価値を高める】こと、そして都市計画マスタープランでも大きく掲げられている【ネオ・コミュニティ文化】を具現化することに繋がるのではないかと思います。
(上図:既に存在する水環境を活かしたつくりとし、周辺の神社、東山公園一帯、陸上競技場などを含めた全体の価値向上を図る)
また、議場を多目的に使用する際には、段差や固定式の演壇や椅子等が支障になると思われます。そこは消防組合議会の様に、通常の会議室に通常の会議用テーブルを並べて議会を開催することに何ら問題はないはずです。ならば、この新しい議場も傍聴席との境は工夫しなければならないかもしれませんが、床面等は単なる会議室の装いで良いと思われます。
時折、議会・議場には権威が必要の旨を耳にすることがありますが、少なくとも地方交付税(≒親の仕送り)がなければ、経済的に自立できない分際で議会の権威等を口にすることが愚かに思えてなりません。
と、この様なことで提案していたのですが、残念ながら会派である市民クラブ内では共感を得られたものの、その上の他会派との協議段階で却下(民主主義は数の力)となり、議会としての公式なものとして、何一つ日の目を見ることはありませんでした。
時折開催される新庁舎検討特別委員会においても、この利活用の話を幾度かさせていただいていますが、全体への共感を得るにはほど遠い状況。
確かに新しい事を行うには「出来ない理由」が多く存在しますが、既存の価値観が重要視されるのは行政も議会も同様です。既にそれではいけない時代になってしまっていることは誰もがわかっているはずなのですが、その新しく向かうべき方向が全員一致で定まるのもまた奇跡でもなければありえないことなのだろうと認識しています。この変化に対する重さは議会にとって重要なことでもあり、同時に大きな欠点であると感じています。
現在は基本設計(中間報告)でも、新庁舎は一般的な4階建とし、議場は最上階に段床式の議会専用として建設される予定となっています。全てにおいて議会内における数の理論を喝破できない私の力不足を痛感するところですが、せめて議場の備品は新規購入することなく、既存のものを加工して大事に流用していくことが望ましいと考えています。
以上、余談でした。
「〈余談〉市民に親しまれる市役所新庁舎案」への1件のフィードバック