企業会計決算審査特別委員会(病院会計)

10月30日、31日の両日、企業会計の決算審査が行われました。

内、30日が病院会計でありました。昨年の私は一般会計が担当だったため、この企業会計は初の経験です。故に恥ずかしながら大いに未熟な身であります。

通常、理事者側から提出される資料は前年度との比較となるため、中期的視野で状況を把握することができません。そこで今回は議会図書室で平成20年度からの資料をお借りし、ある程度の流れが見えるようにデータ化してみました。(すでに過去に公表されているデータを集めただけなので、オープンにするのも全く問題ないと思いますので、作成したデータの一部を貼り付けます。)

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↑ これは病院会計の過去5年間の収益決算額のデータです。

上図の中段、下段はその中で総合病院・栗沢病院の内訳を抜粋したもので、黄色のセルがそれぞれのピークの年度となります。(ちなみに病院事業全体の決算としては黒字ではありますが、実際には一般会計から7億円の拠出があって成り立っています。)

↓ こちらは、各業務量の推移であり、ここから読み取れるのは平成23年度から患者数の減少傾向が強まっていること。また、1人当たり診療費が増加傾向にあること、、そして、患者数の減少が医師不足と言われつつも、実は平成20年度から医師数は変わっていないことなどが読み取れます。しかし、質問に対していただいた答弁からは、実際にはこの医師数は診療を行わない研修医も含んだ数字であり、その比率は年々増えていること、また、大学から応援のために派遣される医師は含まれていない等があり、実態を読み取るにはちょっと情報が足りないことがわかりました。

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↓ こちらは各科毎の推移となります。

薄い赤系のセルは減少傾向の強い科であり、グリーンは比較的横ばいを維持できている、若しくは若干増加傾向にある科であり、数字に色がついているものは特筆すべき傾向があると思われる部分です。

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こちらも、昨年の議事録や他の答弁からいくと、産婦人科が慢性的な医師不足にありながら、患者数は平成21年に一度落ち込んでからは毎年微増傾向で順調に推移している。これは、医師不足を補うために大学からの協力があるため、実現できている数字であるとのことでした。


今回の決算審査特別委員会においては、上記を始めとする様々なデータを作成し、状況を確認したい項目として以下のような質問をさせていただきました。

①昨年の議事録や報道等によると患者数の減少の大きな理由の一つとして医師不足の要素が大きいと言われているが、業務実績表を過去5年間遡ってみると、医師の数は平成20年から平成24年度までほぼ変わりなく、むしろ平成23年度が一番多い数で記載されており、尚且つ、全職員数に関しては平成24年度が一番多い状況となっている。恐らくこの数字だけでは読み取れない事由があると思われるが、この記載数字と医師不足という表現がどう関連してくるのか?

②内科、小児科等で入院の患者数が大幅に減ってきている中、産婦人科が過去4年間で微増傾向にあること、また、眼科入院が今期大幅に増加したことは明るい兆しであると想像するが、それぞれどういう理由があるのか。

③栗沢の外来については減少傾向に歯止めがかからない状況に見えるが、内科入院に関しては平成20年度に比較すると188.8%となり、前年度とくらべても8.5%(1,096人)の増加となっている。これはどういう経営戦略に基づいた結果か。また今後の傾向はどうなっていくのか。

④人工透析数に関して、入院、外来共にこれまで毎年順調に増加し続けてきたものの、今期は入院、外来共に減少に陥った。その理由は?

⑤市民健康センターにおいてはここ3年間、平成20年度比で113%程度で順調に推移していると思うが、直近3年間で変化が無いということは、施設、スタッフ等の都合上、これで頭打ちの要素が強く、今後の伸びしろは期待できないということなのかどうか?

*これら質問の答弁につきましては、私のメモ記載ミス等の誤解がある恐れもあるため、正式な議事録が出来たら改めて掲載させていただきたく思いますが、大まかな部分を簡単に抜粋すると、①は前述の通り、この表の数字では変化がないものの、実際には診療を行わない研修医等の比率が上がっているとのことです。②は医師不足ではあるものの、表の医師数に反映されない応援の医師がいたり、また、婦人科の需要が高まっている等の事情があり、微増傾向にあるとのこと。③は数字の上ではそう見えるものの、実際には介護病床の数字がカウントされていなかったものが平成23年度から統合されたために数字上では増えたように見える結果となっているが、実態は全体としては微減傾向であること。また、外来については常勤医師がいなくなり非常勤医師になったための減少であるとのこと。

④については、オーバーベットの傾向があったものを調整した部分もある。しかし、全体としては曖昧な表現もあったと思われるため、正確な答弁は議事録をお待ち下さい。

⑤はまだ伸びしろがあるとのことで、今後更なる充実に向けた策を打ち出していける予定であるとのこと。

 


他には、用意したものの他の委員と被り気味のものはその場で省きました。それが以下の項目です。

①消費税増税の影響により、今後収益が更に厳しくなることが予想されるが、今後の増税に向けて日本医師会や全国自治体病院協議会等の動きはどうなっているか?

②直近5年間の業務実績を比較すると、全般的に入院、外来共に患者数は減少している状況だが、特に入院患者については平成23年度からその減少の傾向に拍車がかかり、毎年約9千人(約5%)ずつ減っていると思われます。これはどういった理由によるものか。

③平成20年度からの5年間推移において、病院業務実績の数字の多くが減少傾向の中で、着実に増えているものが患者1人1日当りの診療収入である。特に外来の1人1日当り診療収入に関しては、平成20年当時は15,131円だったものが、平成23年には16,800円、平成24年には17,698円と、約17%も値上がりしている。これにはどんな事情があるのか?

 

 

他の医院の質問としてはやはりジェネリック薬品に対しての関心が高く、こちらも岩見沢市では使用率が非常に低いことから、今後慎重に検討を進めていくとのことです。こちらも正式な議事録をお待ち下さい。

 

以上、今回の病院会計に関する決算特別委員会の私の質問抜粋です。

いずれにせよ、正確な答弁等については正式な議事録をお待ち下さい。市としてもしっかりと行っている部分をかいま見ることができると思いますし、大きな問題である医師不足という面に関しては、全国的にかなり深刻な状況であることを感じることができるかと思います。

この医師不足解消については、病院だけの問題ではなく、岩見沢全体の魅力を高めることで「岩見沢に住んでも良い」と考えてもらえるような施策がなによりも重要であろうと感じます。そのための重要な柱の一つがこんな事が重要なのでは?と考えています。

 

*尚、表の数字については、一応チェックをしていますが私の手打ちのため、もしかしたらミスもあるかもしれないことを申し添えます。

「企業会計決算審査特別委員会(病院会計)」への1件のフィードバック

  1. 【補足】(11月5日記載)

    文面が誤解を招く表現になっています。

    例えば、患者数=病人等が増えるのは良いことだと感じるような表現を始め、患者が増えることが良いことの様な表現記載がありますが、これは「経営状況から見た数字」に偏重した見方であります。決して世の中の患者数が増えることを良しとするわけではありません。また、市立病院にかかる患者数が減ったことが問題なのではなく、その減り方、理由に課題があるのではないだろうかという視点の中で病院の経営改善の立場からに偏った文脈となっています。

    一般的な視野から考えれば、非常に不適切な表現を使用してしまっておりますが、今回はこれを修正するのではなく、あえて自分の反省も含めてこのまま、この補足で修正に変えさせていただきます。今後はこのような偏った表現にならぬよう気をつけていきたいと思います。

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