平成24年11月26日(月)
昨日、私のフェイスブックのウォールに知り合いのTさんより以下の様な書き込みが投稿されました。
市と市が委託している除排雪業者の方々は、専門的な判断に基いて出動するか否か、また路線の優先順位を決めている(はず)。一方で市民から「何で除雪してくれないの」「どうして向こうを先に除雪するの」「家の前に雪を置いていくのやめて」という声は絶えない。
それなら一度、業者さんによる除排雪の仕組み解説みたいなのをやるのはどうだろう。こういう技術的な理由、こういう判断で、除排雪の判断がなされているというシステムの解説。また雪捨場の容量や除雪機械(ロータリーなど)の仕組みや性能など、いろいろと話すネタ・聴いて面白い(聴いてみたい)ネタは事欠かないと思う。それに、市民の意識を高めるきっかけにもなる(道路に雪を出すことの迷惑さとか)だろう。
ドカ雪のマチに生きている以上、「豪雪ツライ」で終わらせず、当事者の我々が理解を深めて住みやすいマチにするためには、除排雪の仕組みを知ることは大事なんじゃないだろうか。そしてそれは、案外可能なことではなかろうか。
ということで、お忙しいとは思いますがネタ的に 平野 義文 さんあたりに振るとよさそうなのですが、いかがでしょうか……。
という投げかけであり、それに対して私が返答した文章が以下の通りです。
Tさんご指名ありがとうございます。
そういう疑問は大事ですよね。現在は除雪に関して何が良くて何がダメなのかという情報の共有もできていない状況ですからね。
ちなみに市道に関してですが、基本的に出動するのは積雪10センチ以上という基準があります。ただ、危険なので朝の通勤・通学時間までに終了するのが原則ですので、朝方に大雪になった場合等は対応が間に合いません。
したがって「朝こんなに積もっているのに何で出動していないの?」というのはこういう場合が多いです。また、日中に出動するのも10センチ程度だと交通渋滞を引き起こす恐れと人身事故の恐れがある(他にも、除雪車の音が聞こえたらせっせと自宅敷地内の雪出しを始める人もいたり・・、酷い時には除雪車が一度通った後に山のように道路に雪出ししておいて苦情の電話をいれる信じられない人までおります。)ので、深雪で車が立ち往生したりする交通傷害が予想される場合でなければあまり出動しません。なんせ重機は死角が多いので危険です。
また、一晩中降り積もるような場合、早い時には午前0時ぐらいから出動しないと間に合わないので、最初に除雪したエリアは朝方には結構積もっているような状況が多々あります。しかし、これでは不公平ではないかという声もありますが、住宅街の雪押し場の位置、幹線交差点への進入方向等々の条件で、一概に毎回作業する方向を変えたりする事が難しかったりもします。(オペレーターのスキルの要素も多々あるかもしれません。)そして、あくまで車道除雪は「掻き分け除雪」が原則ですので、住宅間口に雪が残るのは当たり前が前提なのです。これで苦情がくると本当に切ない気持ちになります。(確かに場所によってはやむを得ず向かいの家と置き雪の量が違うという事も発生してしまう場合もあると思われます。)更に、路線除雪ではなく、個人から間口処理を請け負う業者さんがお構いなしに交差点に雪を貼り付けていき、視界不良になったり交通の支障がでたり・・。それらも路線除雪業者に苦情が来て、不本意ながら対応作業を行ったりすることも多々あるのも事実です。
いずれにせよ、「除雪業者はビジネスでやっているんだからちゃんとやるべし!」という意見もあるかもしれませんが、実際には半分ボランティアの様な経済状況で歯を食いしばってやっている方がほとんどなのです(特に市道等の路線除雪)。その受注金額たるや、新規に除雪車を購入しての事業参入はまず不可能なレベルだと思います(補足:現在は若干ですが改善されつつあります。)。かといって、この岩見沢市では平年で約8億円(補足:平成27年度は約13億円)、昨年の豪雪では約20億円の除排雪費がかかってしまっております。
また、災害のような豪雪状況において通常通りの交通環境を望むのは難しいと感じています。住宅街にある雪置き場がパンクして雪を移動する場所がない。更に優先的に幹線排雪にダンプが取られてしまうため、生活道路の排雪にダンプトラックがまわせない。そしてどんどん道路幅が取れなくなる等々強烈な悪循環が発生します。雪押しする公園等の空き地にしても、昨年や今年のように、気温が下がりきる前に積雪があると、保温効果で地面が凍結しないので、重機で奥まで進入するとぐちゃぐちゃになるので押しきれないということもあります。
また、それら様々な状況を加味せず、「岩見沢市の除雪はヘタだ」と仰る方が多いのですが、札幌や他の都市に行った事のない方からよく聞きます。皆さんご存じかと思いますが、札幌等の一定幅以下の生活道路はそろばんのような状態でまともには走れない事が多々あります。岩見沢では極一時的にしかそういう状況は発生しません。この除雪技術レベルは相当高いと思います。昨年のように10m以上降雪があり、積雪が2m(これって想像するとスゴイこと)を超える状況であれですから、恐らく世界に誇れるレベルではないかと・・・。
これ以上を求めるならば、市民に除雪税等の名目で別途負担をお願いする考え方も検討要素の一つとして議論する事が必要かもしれません。有権者一人あたり年間数万円の負担で、かなりきめの細かい対応ができるかもしれません(かなりの極論ですが)。
どっちにしても、皆さんの言うようにお互いの事情を理解し合う場が必要だと思います。実際には町内会役員と市役所、業者の3者間で毎年話し合いをしているところも多々ありますが、それすらもその地域住民一人ひとりにまでは情報が伝わっていないと思います。この辺りは情報を整理し、互いに理解しあえる場を構築していくことが必要なのは間違いありません。
ただ、物事は言うのは簡単。やるのは相当の労力を必要とするのが常です。私も自身の役割として努力していきます。いざという時には何かと後押ししていただけると助かります。
長文失礼!
また、文章整理できていないので、不適切な表現があったらお許し下さい。
いずれにせよ、除雪は深刻な問題ですので、今度ちゃんと整理してブログにでも載せたいと思います。また、行動することも約束します♪
というような返答をさせていただきました。
私自身、元々が建設業の人間ですし、昨年までは実際に岩見沢市の道路除雪にも関わっておりました。
だからこそ、業者の状況もわかるし、その除雪業務内容においても、直接市民の声を聞くことのできる立場にいたために、市民目線での苦労も十二分に理解しているつもりです。
そして今、まだ11月だというのに昨年と同じような豪雪の気配・・・。
また今年も雪で酷い目に遭うのか・・・という多くの人々(私を含めて)の不安がひしひしと感じられます。
ここで必要なのは市民と行政と業者の意識と情報の共有だと思います。
そのために、ちょっと考えていることがありますので、それを次のブログにて。。
【追記】平成28年2月にこれまで投稿していた除排雪に関するカテゴリーの中からピックアップしてまとめページを作成しています。お時間ありましたらご覧いただけると幸いです。
https://hiranoyoshifumi.jp/2016/02/02/7094
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