令和5年第一回定例会:岩見沢市議会代表質問について

《令和5年3月11日投稿》

現在開催中の第一回定例会において、私自身初めてとなる代表質問に登壇させていただきました。

この代表質問とは、通常の一般質問とは異なり、第一回定例会の冒頭に行われる、市長による「市政方針」と、教育長による「教育行政方針」に対し、会派を代表して質問を行うものです。


その市政方針と行政教育方針及び、参考資料はこちらからご覧いただくことができます。

■市政方針
https://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/shiseijoho/seisaku_keikaku/5753.html

■教育行政方針
https://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/kosodate_kyoiku/kyoiku_iinkai/kyoikuiinkainitsuite/4858.html

■参考資料《令和5年度予算(案)重点分野の取組》
https://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/shiseijoho/seisaku_keikaku/5748.html


上記方針演説や各種資料等を基にして質問を作成していくことになりますが、今回、当初の骨子から作成した原稿は1万2千字ほど。そこからブラッシュアップしていって、最終的に10,048文字となりましたので、以下に転載いたします。(あくまで原稿のため、後日行われる議事録公開時とは若干の差異が発生しておりますことをご了承ください)


市民クラブ代表質問(平野)

1,令和5年度予算編成について

(1)基本的な考え方について

内閣府の令和5年度予算編成基本方針を引用すれば、「我が国の経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いている。その一方で、ロシアによるウクライナ侵略を背景とした国際的な原材料価格の上昇や円安の影響等によるエネルギー・食料価格の高騰、欧米各国の金融引締めによる世界的な景気後退懸念など、我が国経済を取り巻く環境には厳しさが増している。」とされています。

また、人口減少、少子高齢化の進行は加速度が高まり、山積する各地域課題に対し懸念が募るところですが、岩見沢市においても令和5年度は「選択と集中」の視点に立ち、必要な事務事業の新設、既存事業の再構築を行ったとのこと。結果として一般会計の総額は前年度比3.7%減の466億円。特別会計と企業会計を合わせた全会計の総額は890億5,300万円の前年度比1.6%減となっています。また財政調整基金からの繰入も9億8,000万円とされています。市長の所信表明の中でも、「持続可能で自立した行財政基盤の確立に十分留意するとともに、必要な施策全般にバランス良く予算を配分することができた」と述べられておりました。そこに至るまでには大変な苦労があったものと推察をいたしますが、改めて令和5年度予算を組むに当たり、特にどの様な考えを持って取りまとめられたかお伺いをいたします。

2,行政改革大綱について

(1)行政改革大綱の策定について

昭和61年の第一次岩見沢市行政改革大綱の策定から、現在は第四次行政改革大綱が進行しています。この第四次からは、それまでの「管理型の行政運営」から市民の満足度を高める「経営型行政運営」に転換し、中長期財政計画や職員定員管理計画などの個別計画も策定されていると認識しています。

現在は、今後のより厳しい行財政運営が想定される中、持続可能な財政運営と満足度の高い行政サービスの実現に向け、次期行政改革大綱に係るパブリックコメントが実施をされているところですが、あらためてこれまでの10年の総括、そして次期行政改革大綱を策定するにあたり、市長が特に留意した点などをお聞かせください。

(2)中長期財政計画について

個別計画として平成25年に策定された中長期財政計画では、当初10年間で130億円の収支不足に陥るとされ、大きな危機感を共有したと記憶しています。結果として令和3年度の地方債残高は平成24年度比で144億円増の639億円、基金積立金は平成24年度比で7億円の減となる137億円となったものの、健全化指標には大きな影響はなく、当初130億円と見込まれた収支不足も15億円まで圧縮し、115億円もの収支改善を達成したということになり、大変な成果であると認識しています。この成果についての市長の見解をお聞かせください。

新たな中長期財政計画(素案)では、令和5年度から令和14年度までの10年間で、新たに122億円の収支不足に陥ると試算されている状況です。今後のさらなる改善については、財源確保と歳出の削減につきるわけですが、その対応についての市長の考え方をお聞かせください。

また、現在計画が進行中の新病院については約344億円の概算事業費が提示されており、昨年10月に開催された新病院建設特別委員会において、開院10年目までの令和10年から令和19年までの事業収支シミュレーションが提示されました。当該期間においては比較的良好な分析がなされている状況でありましたが、改めて本中長期財政計画においては、一般会計から病院事業会計への繰出金が考慮されているものと思われますが、その状況についてお伺いいたします。

(3)岩見沢市職員定員管理計画について

行政改革大綱の個別計画として職員定員管理計画も掲げられています。

近年は地方公務員のブラック化がニュースになるなど、職員一人当たりが担う仕事において、質、量ともにその役割が増えていることと考えます。また近年はコロナ禍もあり、更に大変な思いをして仕事を遂行されてきた職員も多いと思われ、改めて敬意を表したいと思います。

現在、職員定員管理計画も令和5年度から14年までの次期計画(素案)が示されている状況ですが、それを見ると職員の年齢構成等に今後の日本社会の姿が映し出されています。また、人口が減る一方で、行政に求められるサービスは減ることはないと考えると、業務分担等の仕組みづくりがより加速するものと思われます。現在においても岩見沢市の行政に携わる方々は、正規職員や再任用職員のみならず、会計年度任用職員や派遣職員など多岐にわたると思いますが、近年の会計年度任用職員や派遣職員の推移について、どのようになっているかお聞かせください。また今後の傾向についてどのように考えるかお聞かせください。

3,新型コロナウイルス感染症について

(1)これまでの対応、取組について

2019年12月に中国で初めての感染者が確認され、翌2020年1月30日、WHOが国際的な緊急事態宣言を行いました。国内においても当感染症により命を落とされた方、今なお後遺症に苦しんでいる方がいらっしゃることを認識し、改めてお見舞い申し上げたいと存じます。 

それから約3年間にわたり、社会に強い影響を及ぼし続けた新型コロナウイルス感染症ですが、いよいよ本年5月8日から季節性インフルエンザと同じ5類へと感染症法上の位置づけを引き下げることが決定いたしました。誰もが待ち望んだ、長く続いた我慢の時が終わろうとしています。

 現在はその過渡期として、徐々に日常を取り戻すかのように社会全体の動きが活発になってきていますが、この間、地域は様々に疲弊、変化しました。しかし国や市としても子どもたちの学びを止めないための学習環境整備事業や、感染防止に向けたワクチン接種対策事業、テレワーク等の推進による新たな雇用環境を創出するICT活用型総合戦略推進事業等を実施。地域経済対策や生活支援などの各種支援事業等々、莫大な費用を投入しての対策が実施されました。

もちろんそれらが全て万全であったかというと、これまでに誰も経験をしたことのない事象ゆえ、明確な正解を導き出すことは困難であると思いますが、多岐にわたる数多くの業務を遂行された市職員の皆様の努力には本当に頭が下がる思いであり、そのお陰で窮地を救われた方も多くいらっしゃることと思っています。つきましては、この約3年間の新型コロナウイルス感染症対策をどのように総括するか、改めてお聞かせいただければと思います。

(2)ウィズコロナに向けた取組について

 新型コロナウイルス感染症の影響は、地域経済の疲弊のみならず、様々な社会的変化をもたらしたと認識しています。先日開催された総合戦略特別委員会で提示された近年の出生数や合計特殊出生率を見ると、2021年以降、急速に落ち込み、合計特殊出生率は2021年で1.06、2022年は岩見沢市の独自調査値となりますが、0.99と1を下回る衝撃的な値となっておりました。内閣府の少子化社会対策白書を見ても、日本の場合は婚姻と出生は大きく相関すると認識をしているため、あらためて岩見沢市における婚姻数の推移を訪ねてみたところ、2018年から2020年までは、年間270件前後の婚姻数であったものが、コロナ禍となった2021年には約70件減の203件、2022年も206件と大きく落ち込んだことがわかります。これは結婚を望む世代にとっても、新型コロナウイルス感染症が非常に大きな影響を与えたといって良いと思います。そのようにあらゆる分野にわたって、多様な影響が生じてしまっておりますが、いよいよ5月8日から感染症法上の位置づけが2類から5類へと引き下げられることに伴い、様々な活動が活発化し、人流や経済活動、これまで疎遠になりがちだった交流等も戻ってくることとなりますが、あらためて市として、どのような取組を進めようと考えておられるかお聞かせください。

4,デジタル技術の活用推進について

令和5年度予算(案)の重点分野として「AI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術の活用による人々の生活をより良いものへと変革させる、デジタルトランスフォーメーション(DX)と、2050年カーボンニュートラルや温室効果ガス排出削減目標に向けた取組を進めながら、産業構造や社会経済を変革し成長につなげる、グリーントランスフォーメーション(GX)の両輪で取り組むことで、課題解決や持続可能なまちづくりへと繋がる」との記載がされています。

 近年、特にAIの進化も凄まじく、昨年11月に発表された“Chat GPT”は、まだ不正確な情報も混在するものの、一般的な事象に関しては日本語の入力でもかなり高度なやり取りができ、この進化が続けば、ごく近い将来、行政窓口を含めあらゆるモノゴトにAIチャットボットなどが普及することが容易に想像できます。これらの進化は、良くも悪くも職員定員管理計画や、市中の雇用環境に影響を及ぼしていくものと思われますが、やはり今後の担い手不足等の地域課題を解決する大きな武器の一つになってくると感じています。そこでデジタル技術の活用推進についていくつか質問をさせていただきます。

(1)窓口業務のスマート化について

 現在、非常に好評な書かない窓口についてですが、利便性や利用者の評価についてはこれまでも伺っており、十二分にその効果を発揮していると認識しています。今後は機能の拡張を図るほか、電子申請なども進めていくとのこと。益々利便性の向上が高まると期待するところですが、改めてコストや業務面での効果についてお伺いいたします。

実際に書かない窓口をベースとしたシステムが稼働したことにより、これまでと比較して当該業務に係わる職員の数に変化はあるのでしょうか。また今後、機能拡張及び電子申請が進めば、人材の有効活用、業務効率化等においてどのような利点があるか、また、利用される市民にとって、どの様な効果が期待されるかお聞かせください。

(2)ビッグデータ及びオープンデータの推進について

ビッグデータという言葉が一般化して久しい状況です。これはDXを推進していく上ではなくてはならない要素の一つであると認識をしています。行政においては、日々の業務の中で接する、多様で大量のデジタルデータの蓄積と捉えられると思いますが、岩見沢市においても、今年度の予算資料にて、いくつかの項目でビッグデータという文字を目にします。

 そこでお伺いいたしますが、現在このビッグデータの活用に向けて、どのような取組がなされているかお聞かせください。

 また、ビッグデータは、国や地方公共団体が提供することでオープンデータと分類されることになると認識をしています。国の定義によれば、「営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの」、「機械判読に適したもの」、「無償で利用できるもの」ということとなり、現在の岩見沢市においても、AED設置箇所一覧、指定緊急避難場所一覧、地域・年齢別人口、オープンデータ一覧、の4データがホームページで公開されています。

 すでに多くの自治体で取組が進められており、政令指定都市である札幌市のオープンデータでは、ほんの一例を申し上げると、インバウンド観光客の取り込み状況や地下空間の通行量、地下鉄人流等々多岐にわたる内容で、なおかつ、それらのオープンデータを活用した事例では、朝起きた時にスマートスピーカーのアレクサが今日のゴミの日の種類なども教えてくれるという設定も可能で、いよいよ新しい時代がやってきていると感慨深いものがあります。

 さすがに岩見沢市において、どこまでオープンデータの活用がされるのか、またそのデータを使って誰が何をつくるのかというと簡単ではないのが実態ですが、市民の生活に係わるものや商業的なデータ、健康に関すること、まちづくりに関するもの、防災に関することなど、種々需要もあろうかと思いますし、官民協働で新たな活用ニーズを掘り起こすことも可能かと想像します。恐らく市長としても今後のオープンデータの充実、発展、活用を進めていくビジョンがあろうかと思います。そのイメージをお聞かせいただければと思います。

5,ゼロカーボンシティに向けた取組について

(1)GXの推進について

市政方針でもふれられていたグリーン・トランスフォーメーション(GX)について、重点分野の5点目「自然と調和した快適で暮らしやすいまちづくり」において、環境省が定めた「2050年ゼロカーボンシティ」を目指すことを表明するとありました。その意思に強く賛同するとともに敬意を表します。

 このGXは、環境省によると脱炭素を日本の成長エンジンへと転換していくこととし、いわゆる脱炭素で内需を拡大していく、また今後10年で官民協調150兆円の脱炭素投資を目指すなど、国を上げて取り組んでいくことを明記しています。

 国の地域脱炭素ロードマップのイメージでは、2020年から2025年までの5年間の集中期間に政策を総動員し、少なくとも100か所の脱炭素先行地域を支援し、自家消費型太陽光、省エネ住宅、電動車等々の重点対策を全国で実施、2030年では日本全国で脱炭素ドミノをおこし、2050年を待たずに「脱炭素で強靭な活力ある地域社会を全国で実現」すると描かれています。

 そこで市長にお伺いいたしますが、このGXについて、岩見沢市でも温泉付随ガスや太陽光をエネルギーにマルチ燃料発電機から得た電力によって、EV自動運転バス等の実証実験も始まっておりますが、あらためて、今後どのようなアプローチでGXの取り組みを推進していこうと考えておられるかお聞かせください。

(2)再生可能エネルギーについて

再生可能エネルギーの新たな取組として、昨年の12月から青森市で実証実験が始まった「雪発電」があります。これは温度差発電技術と呼ばれるもので、もともとは株式会社商船三井が海の表面と深層の温度差を利用する海洋温度差発電の技術が基になっているとのことで、生じる温度差で冷媒に対流を起こし、その回転力で発電できるシステムです。経済産業省の試算によれば2030年時点では洋上風力発電や石油火力発電より安くなるとのことでした。実際の雪発電では現状の技術では気温差が20度以上なければ発電できないとのことから、まだまだ実用化には課題が多いとは認識していますが、豪雪地帯の岩見沢にとっては、厄介者の雪が再生可能エネルギーに化ける可能性があり、今後に大いに期待の持てる明るいニュースでありました。

さて、当岩見沢市において、現在取り組まれている再生エネルギーとしては、太陽光発電が一般的かと思います。しかしながら、太陽光発電には全国で地域トラブルが発生しやすい傾向があります。例えば自然環境や住宅街での景観、森林開発等による自然災害発生の懸念、電磁波や反射光等生活環境への影響等々、多岐にわたります。実際、私の家から比較的近いところでも、住宅に囲まれたわずか3宅地分ぐらいの空き地に、突如太陽光発電が設置され、景観が一変した事例もあります。これらの件については、岩見沢市議会としても、令和元年第三回定例会において「太陽光発電の適切な導入に向けた制度設計と運用を求める意見書」を議決し、経済産業大臣並びに環境大臣へ提出させていただいた経緯がありますが、やはり今後のDX推進の動きや投資効果等を考慮すると、太陽光のみならず、各種再生エネルギーに対応する「調和・規制」を目的とした条例の検討も必要ではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください。

6,住宅施策について

(1)住宅耐震基準について

2月6日に発生したトルコ・シリア地震では、依然行方不明者も多い中、死者は5万人を超える事態となっています。改めて被災された方々にお見舞いを申し上げる所存です。

また先月25日には釧路沖でマグニチュード6.1の地震が発生し、幸い大きな被害は出なかった模様ですが、改めて地震の発生に懸念が募るところです。

現在の国内の新築住宅においては耐震基準も確保され、一般的な考え方であれば想定範囲の地震で倒壊する恐れはないことと承知しています。しかし、豪雪地域である岩見沢市において、冬期間に大きな地震が発生した場合、住宅屋根の上に大量の雪が載っていた場合にはどうなるかなど、心配の声を聞くことがあります。少し調べてみたところ、現在の耐震基準には垂直最深積雪量として、岩見沢市においては1.6mを基準とする配慮があると聞いておりますが、改めて雪深い時期に地震が発生した場合、既存住宅において、どの様な状況が想定されるか市の見解をお聞かせください。

また、市内には旧耐震基準の住宅も多く、岩見沢市地域防災計画を見ても、建築物の防災対策の項目の中で、市は、岩見沢市耐震改修促進計画に基づき、現行の建築基準法に規定される耐震性能を有さない既存建築物の耐震診断及び耐震改修を促進するため、リフォームセミナー等の開催やパンフレット等を活用して耐震改修の必要性等について普及啓発を図るほか、建築関係団体と連携して、住民の問い合わせに応じられる体制を整備するとともに、指導及び助言等を行うものとする。とあります。

この現行の建築基準法に規定される耐震基準を有しない既存建築物は、北海道の推計では一戸建てと共同住宅を合わせて22万9千件に上るといわれます。岩見沢市内においてはどれぐらいの数になるのかお伺いいたします。また現在、木造住宅耐震改修等助成制度を実施しています。札幌市が行う無料耐震診断には、年間600件以上の利用があるといわれますが、岩見沢市内において耐震診断の利用件数と耐震化率について教えてください。

また、実際に耐震基準に達しないものの、改修や建て替えに要する多額の費用を捻出することができず、対策ができない方は、札幌市でも年間600件程度の耐震診断を受けるという中で、市の補助を受けて耐震改修を実施するのは、年間10件程度に留まるようです。恐らく岩見沢市も同様の傾向があると思われますが、その場合、耐震改修未実施の住宅について、注意啓発等はなされているかどうかお聞かせください。

7、開庁140年、市制施行80周年について

明治17年8月に三笠の幌内から小樽手宮港まで、石炭を運搬するため、日本で3番目の早さで敷かれた官営幌内鉄道のフラグステーションとして岩見沢に駅ができ、翌9月に山口県や鳥取県等からの士族移住が始まり、10月に岩見沢村が開村したと認識しています。地域にとってその歩みとなる歴史はとても大切なものです。人間は自分自身の記憶があることによって、それをアイデンティティとして取り込み、自分自身が誰であるかを確認できると言われます。それは人間のみならず、地域にとっても同じではないかと感じるところです。そのためには地域の歩んできた記憶、出来事を記録し、節目ふしめを通し、できるだけ多くの市民の皆さんと共有することが、地域愛の醸成、ひいてはシビックプライドに繋がるものと考えます。よって私は、この開庁140年、市制施行80周年という節目を大事にしていきたいと考える一人です。これは当時、岩見澤百年史編さん事務局の事務局職員としても名を連ねていた松野市長も同様のお考えかと想像するところです。

そこでお伺いをいたします。近年、市史に関するものは昭和60年3月に発行した岩見澤百年史以降は、今から20年前に、岩見沢開基120年・市制施行60周年記念として岩見沢市市史資料室から発行された「岩見沢市の生い立ちと発展の歴史~ふるさと山口・鳥取からの旅立ち~」という、士族移住の理由と経路をテーマにした冊子以降、特段作成されていないと認識をしています。市町村合併から早いもので17年が経とうとしています。今回の140年に当たり、何か新たなものを発行する計画はないのでしょうかお聞かせください。

また、この節目に対し、施政方針でも「創立100周年の節目を迎える北海道教育大学岩見沢校と連携し、市内各所で芸術文化、スポーツに係る記念イベントを集中的に開催するとともに、大学の持つリソースをまちづくりに活かし、市民との交流や協働を深める取組を進める」とありました。大変素晴らしいことと思い、大いに期待するところです。

そこで現在、どの様なことが検討されているのかお聞かせください。また、前述の「市民との交流や協働を深める取組」の中には、市民が共に祝うという気持ちが含まれると思いますが、市民が市民の手で、何か独自に記念イベント等を催して行くという方向性は「市民とともに創る持続可能で自立したまち」という重点分野にも合致すると思われます。そこで官民それぞれ主催の催し等に対し、共通のロゴマークなどをつくり活用してもらう等の仕組みは検討されていませんでしょうか。また、冠を共有するなど連携できる余地はあるのでしょうか。お聞かせください。

8,教育行政について

(1)部活動の地域移行について

 昨年度の市内中学校において、サッカー部のある学校で中体連大会に単独出場したのは9校のうち2校。野球では2校が市外の学校との合同チームを編成したと聞いています。今後は益々学校単独で多くの人数を必要とする部活動の継続が困難になること、また教員の勤務体制等の課題解決も含め、部活動の地域移行が求められています。また、本市においては北海道教育大学岩見沢校がそのリソースを活かし、積極的に実証事業を行うなど大変ありがたい環境下にあります。そこでお伺いをいたしますが、現状において部活動の地域移行はどのような見通しになっているか。また、生徒が拠点にあつまることとなるため、別途移動手段が必要となります。道北の士別市では昨年、保護者が働いている時間が対象となる「送り」の部分を主として、コロナ臨時交付金を活用し、乗車ポイント等を定めた、いわゆる乗り合いタクシー、「習い事応援タクシー」の実証実験が行われました。実験結果は非常に好評であったと聞いておりますが、あらためて岩見沢市教育委員会において、この移動手段に関する課題をどう捉えているかお聞かせください。

(2)岩見沢市立緑陵高校の強みや魅力、今後の目指すべき姿について

 令和7年度に岩見沢東高校と岩見沢西高校が統合するにあたり、市内各校のそれぞれの特色が益々重要視されてくることと思います。そこで岩見沢市立の緑陵高校としては、教育長からの教育行政方針にもあったように、「普通科、情報コミュニケーション科の併設校という特色を活かして生徒の興味関心に応え、多様な進路希望を叶える教育課程を編成・実施し、将来の自己実現に向けた資質・能力を育成する」とありますが、もう少し詳しく、教育長の考える緑陵高校の強みや魅力、今後の目指すべき姿についてお聞かせください。

(3)ヤングケアラーの実態把握について

  令和4年8月に公開された「北海道ヤングケアラーに関する実態調査~小学生、大学生、小学校に対する調査」によれば、小学生の回答率が29%と少ないものの、そのうちの4.7%が自分が世話をしている家族がいると回答しています。小学生の場合はその対象が主に兄弟で67.1%、祖母16.7%、母11.2%と続きます。その世話をする頻度もほぼ毎日が約半数を占め、自分の自由になる時間が取れない、友達と遊べないことがあるなどと回答しています。その反面、特に影響を感じないという回答が46%と高く、その世話をしていることそのものが、誰かに相談するほどの悩みではないと認識している子が大半という結果が出ています。とは言え、その78%が誰にも相談した経験がなく、中には家族以外の人に相談するような悩みではない。相談しても状況が変わるとは思わない。相談した相手を困らせたくない。誰に相談するのが良いかわからない。などという回答が続きます。

 これは兄弟同士で下の子の世話をするという昔ながらのポジティブな視点と、そうではなく、やむを得ず家族のために自分の時間を犠牲にするなどの深刻な事態も含まれると想像できます。

それらを踏まえ、小学校に対する調査では、「ヤングケアラーという言葉を知っており、学校として意識して対応している」が61.5%、「言葉は知っているが、学校として特別な対応をしていない」が38.2%という回答になっており、まだまだ万全ではない様子が見て取れます。更に、現在及び過去にヤングケアラーと思われる子どもは居なかったと回答した学校が76%という回答結果もあり、実は学校側で気づけていないのではないかという懸念も生じます。

そこでお伺いいたします。学校現場は多忙で大変な状況と認識していますが、やはりヤングケアラーの実態としては学校が一番把握できる機会であると認識しています。よって岩見沢市内の学校において、ヤングケアラーの実態を把握されているでしょうか。把握されている場合、その対応についてはどのようにされているかお聞かせください。

以上、代表質問といたします。


また後日、youtube公開及び、議事録の公開がなされましたら、追記させていただきます。

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