本日、10時より経済常任委員会が開催されました。
私は建設常任委員会の所属のため、当委員会のメンバーではありませんがオブザーバーとして参加をさせていただいた次第。
議題は大正池ダムの改修についてであります。
平成22年に底樋管が破損し、堤体のり面の一部に陥没が発生したことから、その改修に取りかかっておりました。その経過において、当時とは事情が異なってきたことについての説明とその対応についての途中報告がありました。
議題の内容としては、当池、本来は大正3年に農業用水の確保を目的としたダムとして建設されたものの、現在は農業用水として利用する人が一人もいなくなってしまった状況。そのため、「ダム」→「ため池」へと変更を行わなければならないが、北海道としてはそういった前例がないので慎重なスタンスになっている。
その過程として、茨城県の「(独)土木研究所」との協議を行うことが必要であり、その更に前段として「ダム技術センター」との協議を行ったとのこと。
そのダム技術センターの見解を元に道からの指摘・指示があり、その後2度の土木研究所との協議を経て、現場の追加調査が必要との事態に至った。
また、その追加調査を実施した結果、既存堤体の使用には問題点があると想定された。
よって、今後は第2次調査が必要となり、その結果においては当初5億円を見込んでいた改修費が、既存堤体が使用できると仮定しても7億円、もし既存堤体が利用できないとなると10億円かかってしまうという試算になった。
というのが大まかな説明でありました。
簡単にまとめると、、
○農業用水としての機能が必要なくなったため、環境用水利権を目指して道と協議中。
○この大正池ダムには治水機能は元々考慮されていないため、昨年洪水被害の出た南利根別川の氾濫にも何ら影響は考えられない。(参考までに、南利根別川の設計流量は11m3/s、平成7~21年までで、最も多い融雪発生水量で3.8m3/sにとどまっている)
ということを考慮すると、利根別自然休養林は市の基本計画でも大正池周辺を市民の憩い、学びの場とする計画を進めていること、尚かつ観光振興ビジョンにおいてもフットパス機能等の効果を考慮したいとの思いから、効果的な利用方法を視野にいれて改修方法の協議を道と進める必要がある。という事でありました。
ただ、一部の声では約10億円かけてこの堤体を復元することにどれほどの意味があるのか。という率直な疑問も出ましたが、これについては市の意見としても、改修することについての費用対効果を調査、検討中ということが報告されました。
委員会終了後、会派の若手数名とその費用対効果についても話をしましたが、やはりこの10億円というのは、いくら半分が国からの補助になると言っても膨大な金額であろう。もっと効果的な改修方法はないものか・・というのが率直な感想であります。
久しく現場を見ていないので何とも言えないのですが、親水を目的とするならば水位を低くすることも考えられ、そうなればもっと堤体を低くしても良いのでは?そうすれば予算も圧縮できると思うし・・。などと思いつつも、現場も見てない状況では絵に描いた餅でしかないのも事実・・。実際には現地の高低差を想像するとそんなうまくはいかないかもしれません。
ただ、前述の様に、農業用水機能も治水機能も必要ないとしたら、あとはいかに利用され、多くの人に親しまれる環境にできるかが最優先項目になると思われます。そのためには、ただ単に元通りになる改修だけは避けていただきたいと思うばかりです。
また、ここでネックとなってくるのがその進むべき方向性により、管轄となる省庁が異なってくることのよう・・。こういう縦割りがある以上、そこをうまく対応するのが最善の方法であると思われますが、やはりそういった括りが本当に市民の理想とすることとの隔たりとなることは否めない印象です。そういった事については、まだまだ私自身わからないことが多すぎて情けない限りではありますが、日々勉強していくしかないですね。
[2月9日追加補足]
今朝の北海道新聞空知版に本委員会の記事がありました。
私の言葉足らずの面を補足していただける貴重な資料でありますので添付しておきます。
「2月8日 経済常任委員会」への1件のフィードバック