〈令和7年12月13日投稿〉
今朝の新聞記事で「病院事業累損76億円に」というインパクトのある見出しに不安を感じた方も多いと思いますので、少し補足をしたいと思います。

出展:https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1251749
ここで言う累積欠損金とは、これまでの病院経営において生じた赤字が長年にわたり積み重なった結果になります。
その赤字を補填するため、これまで一般会計から病院事業会計へ繰入が行われてきました。
したがって病院事業会計から一般会計へ返済すべき「借金」がある、という性格のものではありません。
24年度末で52億8,800万円、27年度末見込みで76億円という数字は事実ですが、端的に言えば、これは長年にわたる病院経営の赤字を、一般会計で支えてきた結果の累積ということになります。(地方公営企業会計制度上、理論的には帳簿上、欠損金を整理・解消することも可能という性質を持っています。)
ただし重要なのは、『数字の大きさそのものではなく、今後も同じ構造で赤字を出し続けるのかどうか』という点だと思っています。
従来の岩見沢市立総合病院の環境では、今後も赤字を積み上げてしまうことが避けられないこともあり、ご承知のとおり、現在新病院建設が進行中です。
一方で、人口構造等をはじめとする社会情勢の大きな変化、物価高騰による新病院建設費の大幅な上昇という、極めて厳しい現実もあります。
また全国の公立病院は7〜8割が単年度赤字と言われています。公立病院は役割上どうしても赤字になりやすく、今はどの自治体も“このまま続けられる形に作り直す”段階にあるとも言え、岩見沢市も例外ではありません。
これらの動きは、以前のブログでも書いたとおり、「行くも戻るも霞の中」という状況にあることは否めません。(まだご覧になっていない方は、以下のリンクもご参照ください)