室蘭民報リレーコラム:炭鉄港日本遺産認定記念 演劇公演『鐵の人』~井上角五郎の半生~

〈令和元年12月13日投稿〉

本日、室蘭民報にて5回連続のリレーコラムの最終回を担当させていただきました。

これは演劇「鐵の人」の公演と炭鉄港の日本遺産認定を祈念して、毎週金曜日に5週にわたり掲載されたものです。

大変ありがたいことに、8月にドイツに視察に行った内容を織り交ぜながら、炭鉄港について寄稿してほしいというリクエストをいただいたもの。

室蘭民報20191213

大変僭越なことであり、自身、文才にも乏しく、また僅か850字ゆえ、なかなか意を尽くすことはできませんが、「誇りを育む地域づくり」について記させていただいたものです。

以下、恥ずかしながら転載させていただきます。

 


タイトル:誇りを育む地域づくり

「自分達のまちに誇りを持っていますか?」これはなかなか簡単なことではありません。そのためには自分達のまちが発展してきた過程において、どんなストーリーがあったのかを知ることが大切です。きっと地域に住む私達に自信と誇りを与えてくれます。

clip_image002今年の夏に初めて訪れたドイツのルール地方はその先進地であると認識しています。ルール地方は多くの人が学生時代に習ったと思いますが、一大工業地域としてドイツの重工業を牽引した地。しかし石炭産業を軸とする重化学工業の斜陽化により、失業率の増加と人口減少、高齢化が進行。更にこれまでの発展と引き換えに汚染された自然環境や景観破壊が“負の遺産”として残る地域でもありました。

これらを逆手にとり、州主導の積極的な地域再生が行われ、現在は自然環境の修復、多くの歴史的遺産の保全、活用などを実現。この歴史的遺産は、製鉄所の跡や巨大なガスタンク、立坑や選炭場にズリ山、コークス工場等々をモニュメントやミュージアム等に改装して活用しており、そこではアートやクライミング、カフェ、公園など、市民が身近なものとして接していると共に、一部は世界文化遺産に認定され高い評価も得ています。更に駅などに行けば、当時の産業的活況を思い起こさせる写真や壁画などが描かれ、市民がまちの歴史的な歩みと価値を共有し、地域に強い誇りを持っている印象を受けました。

その様な観点から行くと、昨年公演された「鐵の人」は、室蘭が鉄のまちとしてスタートした背景を知ることのできるもの。実は昨年、この「鐵の人」を観させていただき、強く感動したと共に嫉妬しました。ぜひ、自分達のまちの生い立ちをこの様に市民参加の演劇で表現したいと羨ましく思ったのです。今年日本遺産となった炭鉄港は、私達に自分達の地域の歴史と価値に対する大きな気づきを与えてくれ、いずれルール地方の様に新たな時代における地域愛を構築するための礎となると期待しています。そしてその大事な鍵となるのは、我々一人ひとりが育む「地域に対する誇り」なのだと信じています。(本文850文字)

北海道「炭鉄港」市町村議員連盟 会長 平野義文
(岩見沢市議会議員)

【写真キャプション】デュイスブルクにある製鉄所の跡。産業的自然(インダストリアルネイチャー)の概念を重視し、歴史的遺産と自然が融合していく。

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