〈平成30年5月8日投稿〉
今年の4月28日にリニューアルオープンした夕張市石炭博物館ですが、この度、NPO法人炭鉱の記憶推進事業団が指定管理となって運営しています。私も当NPOの理事をしているため、このゴールデンウィーク中は、僅かながら2日と6日の二日間お手伝いをしてきました。
私が出た二日間は平日と連休最終日ということもあり、ごった返すほどの来場者ではありませんでしたが、このゴールデンウィーク中は、当初の予定を大幅に上回る来場者に恵まれ、本当に幸先の良いスタートとなったようです。
この博物館、中は大胆なリニューアルがされましたが、そこへと向かう道などは夕張の財政破綻を象徴するかの様に、「本当にこの道で合ってる?」と思うような劣化具合で、ちょっと心配になるかもしれません。
しかし、ここに来ると日本の近代が透けて見える気がします。
現在開催している1階の企画展は、石炭産業の衰退から多額の補助金を注ぎ続け、市の財政が破綻するまでのストーリーがあり、当時の「正義」と現在の「結果」の乖離は、今の私たちも紙一重の価値観を持っていることに警告を鳴らしてくれていると感じるのです。
2階に上がると、北海道開拓と日本の近代化にリンクする夕張の生い立ちがあり、床には賑やかしき頃の夕張の航空写真。壁面には創世記から現在までの人口と石炭採掘量がイメージできる折れ線グラフ。他、様々なストーリーがそれぞれの受けとる度量で、それぞれに得るべきものがある展示がなされている。
それら展示を奥に進むと、いよいよ模擬坑道へと向かうエレベーターが現れる。
これら坑道は明治33年に北炭が実際に使用していたものの一部で、国の登録有形文化財でもあり、本物の坑道でリアルな展示を見ることができる随一の施設。
下の動画はその一部ですが、是非、実際に足を運んでこの先の長い坑道の迫力を感じてきてください。
現在、財政的な課題もあり、博物館としてはまだまだ展示も発展途上ではあるかもしれませんが、すでに訪れる方々を唸らせることができ、尚且つ、今後は空知の炭鉱の記憶を「誇り」に転化することができる場として大きく成長していくと確信します。
それは勿論、この岩見沢市のシビックプライドにも繋がるわけで、、、。
そんな感覚を、一人でも多くの人と共有できれば良いなと思っています。
是非、日本の近代化を支えた空知の底力を感じることができる「夕張市石炭博物館」に足を運んで見てください。また、7月には赤平立坑付近にガイダンス施設もオープンする予定です。
あらためて今の時代を築いた空知の気運が高まりつつあると共に、炭鉄港のキーワードを活かし、地域が元気になることを目指していければと思っています。
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