昨日、みんなで教育を考える日の事業が無事に終了いたしました。
この事業は今年で29回目を迎えるもので、近年は幅広い年齢層の方々が一同に集い、テーマにそって話し合いの場を持つのが通例になりつつあります。
この実行委員会はPTA関係や教育関係者、市内の各種団体、市民大学等々で構成されており、実行委員長は岩見沢市PTA連合会の会長が担うことになりますので、必然的に私の役割となります。
通常、このように長い歴史を持ち、行政が事務局を担う組織の場合、事務方であらかたの流れをつくっていて、実行委員長というのはお飾りみたいな感じになりがちなのですが、この実行委員会はちょっと異なっておりまして、昨年の第28回の時に初めてこの役をいただき、第一回目の実行委員会では「さぁ、、今年は何をどうしましょうか・・・」という全くのゼロからのスタートでありまして、百戦錬磨の実行委員会メンバーに色々と複雑に入り交じった視線を頂戴しながらのシドロモドロの組立となったことを思い出します。
しかし、その時の譲れない想いとしては、まずは下は中学生から上は市民大学に参加している80代ぐらいの高齢の方々まで、約300人もの人々があつまり、教育に関することを考える機会となることから、「あらゆる年齢、性別、立場を超えて、これからを担う子ども達、そして自分達のありかたについて、深く再考する場としたい」という想いで幾度となく実行委員会を開催し、組み立てたのであります。
その根幹となる想いは「変化の時代」であります。
これまでは、勉強をして、良い学校に入って、良い会社に入って・・というのが一般的な幸せの概念といってよいものがあったと思いますが、いまや生産年齢人口の減少はこの国全体の疲弊に通じ、企業も地方も活力を失い、ひいては大学を出ても正規雇用の場に恵まれず、安定した収入をえられず、家庭を持つことすらままならない。というのも身近な話。
もはや「今までどおり」という概念ではこれからを担う子供達に明るい未来は訪れないであろう・・という非常にネガティブな切り口から、だったら私達を含めた一人ひとりがどうあるべきか!ということを軸にテーブルディスカッションを展開しました。
その評価は、「目から鱗で今後を大きく考えさせられる結果となり、来て良かった」というような意見が半数を占め、逆にそのような切り口に対する批判的な評価も無かったわけではなく・・。
しかし、これからの日本社会を見据えた時に、この容易に予測される現実を意識した中でモノゴトを考える機会は、何よりも重要という思いで実行委員会メンバーと共に組み立てたのが昨年の経過でありました。
今年はそれをもう一歩進め、ネガティブな要素を極力隠し、「変化の必要な時代において、その根源となるものは何か?それは一人ひとりが人生の指標ともいうべき《夢》を持ち、大切に育んでいくことなのではないだろうか」という切り口で組み立てました。
その話し合いの手法も、昨年はテーブルディスカッションで1テーブル12名ぐらいで座長を設けてやっていたものの、今年はもっと気軽に掘り下げた会話ができるように「ワールドカフェ」という手法を用いての開催としました。
最後のアンケートの結果をチラっと見たところ、その多くが「内容がとても良かった」「参加して良かった」というような最大級の評価をいただき(もちろんモノゴトを行う以上、批判の声もありますが)、私たち実行委員会のメンバーとしてはホッと胸をなで下ろしたところであります。
この実行委員会、本当にガチンコでゼロから組み立てる、なかなかプレッシャーのかかる事業でありまして、それこそ「今までどおり」を否定するスタンスで考えると、毎回本質を議論することとなり、結果として重苦しかったり閉塞感のでる場面もあるのですが、そういった会議を繰り返しながら当日を迎えると、このように「やって良かった」感が十二分に味わえるのであります。
私の議員としての活動の大切にしているスタンスとして、まずは著しい人口減少、消費者減少社会の中、この岩見沢に活力を取り戻すこと、そしてもう一つがこの次代を担う子ども達を守る教育へのこだわりであります。
そのために、私たち大人がもう一度襟を正し、行動でしめしていく必要があると信じております。
ということで、この「みんなで教育を考える日」というのは今年で29年目を迎えた、とても素晴らしい事業であります。恐らく何事もなければ来年も第30回として開催されると思いますので、是非お気軽に参加してみていただきたいと思っております。
*途中の新聞記事は平成24年度10月21日 北海道新聞空知版掲載記事です)