〈炭鉄港〉に関連するドイツ先進地視察〈5:4日目〉

〈令和元年8月26日投稿〉

*3日目より続く

昨日、2名が別行動となったため、本日より5名編成。

本日はボーフムにあるドイツ鉱山博物館を視察。

ここは地下鉄の階段を出ると正面に立坑が見えました。

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中に入ると、今年の春に火災にあった夕張市石炭博物館の様に地下坑道を見学することができます。展示的にも初期から最新の技術までを見ることができ、そのクオリティは非常に高いものがあります。

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また、下の動画の様に、この地下坑道へ降りるエレベーターの設えがなかなかで、実際には降りていなくとも、振動と壁面の映像により、相当深くまで降りた錯覚を得ることができます。(夕張市石炭博物館もかなり深くまで降りた印象をうけられますが、同種の設えで、よりレベルの高いサービスと思っていただけると良いかもしれません。

更に下記のように来場者がエアーピックの体験をしたりというスポットもあり、我々が行ったときはスタッフが子どもたち教えているとことでした。

この博物館は地下だけでも相当な見どころがありますが、何と立坑にも上がることができます。

そしてこの場所はドイツ鉱山博物館という名前が付いている通り、規模も質もとても充実した施設です。IMG_2885

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この様な模型がとても沢山あり、視覚的に明確に理解することができます。更にそれは石炭だけでなくあらゆる鉱物に関しても詳しく展示されていました。

画像では非常に見づらいと思いますが、ルール地方全域の炭鉱の状況です。
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この博物館は足早に回っても半日はフルにかかってしまう規模ですが、あらためて理解を深めることが可能です。さらに驚いたのが大勢の人が訪れていて、その殆どが細かい説明の一つ一つをじっくりと読み、理解し深い知識を身につけようとしている姿。日本人であれば、比較的さらっと流して見学して終わり。という姿も見受けられますが、あらためて国民性を垣間見た思いです。

 

私の今回の視察のテーマとしてはできるだけ広範囲で見識を身につけるということなので、博物館は半日で諦め、次の場所へと移動します。

 

すっかり気温も上がったところで外に出ると・・・

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立坑前の芝生で水着になって日焼けを楽しむ人々がちらほらと・・。

この様に産業遺産がとても身近なものとして受け入れられていることを感じます。

 


 

次に向かったのはエッセンの郊外にある〈ヴィラ・ヒューゲル〉という場所。

これはクルップ経営者一族の邸宅とのこと。

なぜここに行くかというと、やはりドイツの重工業を支えたという側面と、日本との深い関わりが背景に存在します。

その邸宅はまるでお城でした。

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もちろん、豪華さを見るだけではなく、クルップ社の功績が整理されています。

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ちなみに鉄道関連の展示も多いのですが、昨日訪れた鉄道博物館においても、このクルップ社製の蒸気機関車が大量に保存されていました。

 

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この展示されているレールは〈KRUPP1902〉と記載されていますので、岩見沢にある〈KRUPP GERMANY 1890 HTT〉レールの方が更に12年古いもの。

そしてクルップ社は江戸幕府の軍監開陽丸に積まれていた大砲(クルップ砲)を製造した会社であり、その際、開陽丸新造の監督を兼ねてオランダに留学していた榎本武揚が、エッセンのクルップ社を訪れ、社長のアルフレード・クルップと面会、視察した史実があります。

その様な日本とのつながりの他に、いくつか関連の展示がなされておりました。

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展示表記をグーグル翻訳を通してみてみると・・

若干怪しい表記ですが、クルップの鉄で作った日本刀の小刀をプレゼントしてもらったとあります。

更に昭和30年代にクルップ家の一人が上智大学に留学していたこともわかります。

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この様にクルップ社は日本と色々と繋がりがあり、日本の産業革命にも、近代化の推進にも関連していたと言えます。

 

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この贅を尽くした建物は、クルップが世の中に与えた影響の大きさを物語っているといって良いと思います。

余談ですが、その様な環境を活かして、たまたま結婚式の前撮りの様なものが行われていました。(モデルによる撮影かもしれませんが、、、)

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この邸宅を見ると、当時のクルップ社の勢いを十二分に感じることができます。

この日も何だかんだと約18,000歩となりました。

*番外編①へと続く

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