岩見沢市の障害者雇用率の件について

〈平成30年8月28日投稿〉

この度、内閣府や国税庁、法務省や公正取引委員会等々の国の26機関で3,460人が国のガイドラインに反して不正に算入されていたという報道(H30.8.28現在)がありましたが、残念なことに岩見沢市においても類似の事例が報告されました。

そもそもこの「障害者の雇用の促進等に関する法律」の趣旨としては、「雇用の分野における障害者に対する差別の禁止及び障害者が職場で働くにあたっての支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)を定めるとともに、障害者の雇用に関する状況に鑑み、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加える等の措置を講ずる」とあり、企業や公的機関に一定割合の障害者を雇うように義務付けているもので、岩見沢市に関しては、法定雇用率として2.5%に当たる22名の障害者を正職員として雇用(数値は市長部局。教育委員会は2.4%、3名で平成30年度に関しては基準を満たしている。)することが基準となっているとのこと。

しかしこの度の発表では、22名の必要雇用数に対し、本来対象となる正職員として7名(0.83%)の雇用となっており、この他に国のガイドラインと異なるにも関わらず誤計上していたのが以下の通りとなります。

①精神の不調等によって長期間休職している職員を障害者相当と判断し、精神障害者保険福祉手帳を確認することなく障害者雇用として計上。〈5名〉

②対象とならない任用期間が1年以内の臨時、嘱託職員の障害者手帳保持者を計上。〈10名〉

市の今後の対応としては、国が示すガイドラインを遵守し、障害者手帳の確認を徹底するほか、職場全体で障害者雇用の理解を深めるとともに、平成25年度から障害者雇用枠として実施している職員採用試験の周知に加え、障害者雇用の一層の促進を図るための方策について検討していくとの発表となりました。


〈私感〉本件に関しては、国の機関でも水増しが常態化していたことから、社会全体としては氷山の一角的なものが発覚したものと思われます。それはすなわち、この法律自体が形骸化してしまっていたと想像できますが、本事例に関しては障害者の雇用という当事者にとっては非常に重要な意味を持つものである反面、民間企業、公的機関を問わず、実際に雇用するためには高いハードルが存在していることが根幹にあると想像されます。

しかしながら民間の手本となるべき公的機関において、やはり遵守すべきものを的確に行っていくことの重要性は十二分に認識しなければならないと思われます。

現在、どうしても社会全体が複雑化し、様々にルールが先行することが多いことから、システムが形骸化してしまいがちな状況ではありますが、今後は別件においても同様の事例が無いか、庁舎内において十二分に検証、把握していくことが必要と思われます。

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