総務常任委員会他都市調査 ①鳥栖市

平成27年10月14日~16日まで、総務常任委員会による先進事例調査を実施してきました。

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今回は、、

①日目に岩見沢市と人口や立地条環境等が似ている状況にありながら、人口が増加傾向にある佐賀県鳥栖市

②日目に市民活動支援が画期的な佐賀市

③日目に学校教育施策に非常に力を入れている古賀市にお世話になってきました。

まずは鳥栖市の調査から報告をいたします。


今回、鳥栖市を調査先として要望させていただいたのは、岩見沢と所縁の深い方からのお電話で、「鳥栖市は凄いまちだ。人口も増えているし、経済的な活気もある。」という様なお話をいただき、色々と調べてみると、まちの成り立ちとして《交通の要衝》として発展してきたこと。また、すぐ近くに大都市の福岡市があることなど、この岩見沢と非常に親しい条件が揃っておりました。

その人口規模は約7万2千人《岩見沢は8万5千人》。福岡市までは電車で20分《岩見沢-札幌間は約25分》。

この様な条件下、いち早く策定済みの鳥栖版人口ビジョンでは、全国的に軒並み人口減少に苛まれる予測の中、鳥栖市は2035年には現在より約3,000人増えるという将来推計を掲げています。


鳥栖人口推移
(↑鳥栖市の人口推移と将来推計)何と2015年から2035年は微増が続き、それ以降も急激な減少がなく、横ばいからゆるい減少で推移されると予想している。しかも現在の高齢化率も約23%という驚く数値になっています。

岩見沢市人口推計 
(↑岩見沢市の人口推計(試算1~7))最も減少率が少ないとされる試算7~出生率が国の試算と同じ、2020年に1.6、2030年に1.65、2040年に2.07という目標をクリアし、尚かつ2020年に2014年の転出超過が2分の1になり、2040年以降社会増減が均衡するという、非常に楽観的な数値で試算しても、大きな右肩下がりで人口が減っていく。


その秘密は何なのか。

今回の視察で得たものとして、以下に列記させていただきます。

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1)立地を活かした企業誘致

実は昭和29年から交通の要衝である地の利を活かし、数々の企業誘致を実現していました。その後、更に昭和38年、昭和53年、昭和63年、平成9年、平成18年に工業用地を整備し、すでに完売。現在は平成23年に整備した工業用地を分譲中。今後も平成30年に更に新しい新産業集積エリアを分譲予定。

まさに大企業が名を連ねる工業団地です。
https://www.city.tosu.lg.jp/1039.htm

 

2)子育て支援に関する取り組み

企業誘致の成功によって、自然と生産年齢人口層が増える。そこに手厚い子育て支援を行うことで定住者が増加。更にその施策に魅力を感じる福岡市等の都市部から、ベッドタウンとして鳥栖に住居を構える。

この様な両輪の施策により、単なる人口増だけではなく、高齢化率が23%台という驚くような数字になっている。


1)の企業誘致では、この交通の利便性を活かし、大手ではアマゾンの物流センターである鳥栖フルフィルメントセンターが開業したり、商業施設では年間500万人が訪れる鳥栖プレミアムアウトレットが出店。他にも研究センターなどが出来ている。

更に九州新幹線の開通により、新鳥栖駅前には全国で4番目、中国以西では初となる「九州国際重量子線がん治療センター」が開設されたりと、地の利を活かした大きな動きが続いているのが大きな特徴と言える。

この地の利を活かした取り組みには、何か企業へのインセンティブが伴うものか?という質問にも、ほぼそういう事はなく、純粋に地の利だけで選んで貰える。決して土地代も他と比べて安いわけでもない。と思うという答えでした。

この企業誘致が成功している大きな要素としては、昭和29年から着実に継続してきていること、そして、高速道路が岩見沢の様に通過点ではなく、十字型のジャンクションになっていることは非常に大きい。

しかし、この岩見沢市も鳥栖に比べれば人口密度は低いものの、札幌-旭川の通過点で、尚かつ苫小牧方向へ向かう国道234号線と交差する地点である事から、それにメリットを感じる企業にとっては、決して魅力が無い訳ではないと思われます。

ただ、北海道は需要と供給のバランスからライバルが多く、事実先日乗ったANAの機内誌にも南幌町の工業団地が大々的にPRしていたりと競争相手が多いのも事実。

近年の傾向としては、大きな企業を誘致して就業人口を伸ばすより、複数のベンチャーを支援し地域での起業を促した方が就業所得が向上するという見方もある通り、今一度、この岩見沢の地の利というものを再評価しながら、新たな方向性を摸索していくことの重要性を感じました。

事実、この鳥栖市においても、ブルーカラーではなくホワイトカラーを増やすための起業誘致に課題を持っているとの事で、生産年齢人口層の所得向上を視野にいれて取り組まれていました。

この鳥栖市の企業誘致による人口増加、若年層の増加による高齢化率の減少等々、二つの柱による施策が互いに相乗効果を発揮しながら好転している様子を見て感じ、積極的な施策を推進することの重要性をあらためて認識しました。

この岩見沢の立地をどうメリットとしてプロモーションできるか。

朧気なイメージをしっかり言葉にできるように取り組んで行きたいと思っています。


最後に、いち早く策定した、鳥栖市の総合戦略にリンクを張っておきます。
https://www.city.tosu.lg.jp/4694.htm

あらためて見させていただくと、実際に成果を出しながら進んでいる自治体らしく、その内容にも具体性と勢いを感じることができます。岩見沢市においては、残念ながらまだまだ具体性に乏しい耳障りの良い言葉が羅列されていると考えている事から、やはり市として向かうべき方向をしっかりと定める事が何よりも重要なことだと確信した次第です。

そのために議会が何をできるか。
外野から行政批判をするよりも、それが一番大事な事だと信じています。


【番外編】

冒頭で鳥栖は岩見沢と非常に似ているという事を記載しましたが、駅のホームを降りて一番最初に目についたのがこれ!

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ドイツ クルップ社による1896年製のレールがホームの骨組みに使用されていました。

刻印の最後にKTKとありましたので、九州鉄道会社がクルップ社に発注したものと思われ、これと同じ様な過程を辿っているのが岩見沢駅の改札出口にあるこのレールです(↓)。

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こちらは1890年に北海道鉄道会社がクルップ社に発注したもの。それが現在も跨線橋の天井に構造体として使用されています。(昨年9月に塗装を剥がしてもらい、「レールの旅路」という太田幸夫氏の著書を参考に看板を取り付けさせていただいたものです。https://hiranoyoshifumi.jp/2014/09/16/3867

岩見沢に帰ってきてから、このレールのことを調べてみると色々なヒントをもらうことができました。

それに関してはまた機会をあらためて!


大変お忙しい中、丁寧に対応していただいた鳥栖市役所の皆様方に心より感謝申し上げます。

 

(他都市調査 ②佐賀市につづく)

3 thoughts on “総務常任委員会他都市調査 ①鳥栖市”

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