12月8日の議会初日17時30分に通告が締め切られ、今回の一般質問は11名が行うこととなりました。
その内容は議会ホームページをご覧ください。(質問通告のダウンロードはこちらから)
尚、私の質問は今回は大枠で1件、3つの項目のみとさせていただきました。
以下、その読み原稿(案)です。
通告に従い、一般質問をさせていただきます。
今回は、生産年齢人口層に対し、「この岩見沢で子育てをしたい」と思えるような魅力づくりに直結する、子どもの成長に不可欠な「遊び環境」の推進について、松野市長にお伺いをいたします。
まず現在の子どもたちを取り巻く環境に対する現状認識についてお伺いをいたします。かつて子どもたちは遊びに遊び、その中で社会性を学び、コミュニケーション能力を育み、運動能力を開発してきました。しかし今は、道路や空き地は子どもたちにとっての遊び場ではなくなり、電子メディアの発達は子どもたちの遊びを〈受動的〉なものに一変させ、著しいインドア化を招き、また、コミュニケーション能力、五感を使い感受性を育む機会を極端に失わせてしまっています。これらは私自身、平成25年第三定例会、平成26年第二定例会でも提起させていただいている通りであり、松野市長が会長を務める「青少年問題協議会」においても一部議論がなされ、主に電子メディアに対する緊急メッセージが出されたところでもあります。
このような状況を鑑み1989年に国連で採択され、1994年に日本でも批准された「子どもの権利条約」の理念を普及するため、多くの市町村が「子どもの権利条例」を設定し、その具現化のひとつとして「プレーパーク」等の遊び環境の整備をしてきたのはご承知の通りと思います。しかし、現在の子どもたちを取り巻く環境は、この条例化が顕著になった頃に比べ、より一層電子メディアの発達に伴う影響も強まり、更に厳しいものになってきていると想像するところです。
そこで今年、何度か報道でも取り上げていただいた通り、保護者有志の方々とここにいる複数の議員の方々と連携をした中で岩見沢プレーパーク研究会を立ち上げ、これまで市の公園を始めとする担当部局の協力もいただきつつ、「あそぼう会」と称して、3回ほど実験的開催がされてきました。
ここでは自分自身を含め、日頃から慣れ親しんでいる方々以外においては、子どもも保護者も「外での遊び方が良くわからない」という事実に直面します。それは大人も子どもも普段から与えられた環境下で楽しむ〈受動的〉な遊び環境に浸かってきた証拠と言っても過言ではなく、多くの子どもたちが、本来成長の機会に必要な「自分たちで遊びを発明する」「仲間と工夫してもっと面白くする」「未知の事に挑戦する」などの能力が育まれていないことを確信するに至ります。こうした受動的環境に浸かっていると、本来、遊びを通して身につけていくはずの「身体性」「社会性」「感性」「創造性」「挑戦性」等々、将来においてモノゴトを自ら切り拓く能力を失ってしまうことに繋がってしまうことを危惧するところです。
こういった現状は市としても十二分に分析をされていると思われ、現在策定中の子ども・子育て支援事業計画の審議過程を拝見しますと、であえーる岩見沢に子育て支援施設を集約すると共に、遊び場の計画についても議論されていると認識をしており、議会の委員会においても報告をいただいているところです。
そこであらためて、今回、その屋内型遊び場がどのような経緯、並びに現状認識で整備することとなったのか。また、今後どのような展開を考えられているのかをお伺いいたします。
次に、現在計画中の屋内遊び場の運営についてお伺いいたします。
子ども・子育て支援会議の記録を見ると、「遊び場は、特に目的がなくても来やすい場所であり、見守ってくれる人、遊びを指導してくれる人、ソーシャルワークの役割をしてくれる人がいる事が大事で、教育大との連携なども検討する」とされています。
この一文を読むと、ソーシャルワークの役割とは、子どもが「自分の責任で自由に遊ぶ」ことのできる冒険遊び場に配置されるプレーリーダーの役割に類似したものと想像します。
どこのプレーパークや冒険遊び場でも気を使っていることとして、子どもが活き活きと遊べる事が重要であり、それには相反する危険も伴います。そこで通常は子ども自身が「失敗したら怪我をするかもしれない」と想像できる〈リスク〉は取り除かず、予測できない危険、〈ハザード〉は徹底的に取り除くという設定の中、子ども自身が責任を持つことで自由に遊ぶ事ができるような環境が構築されます。その背景には、責任を取るのが大人や施設管理者だけでは、どうしても禁止事項ばかりが増えていってしまい、結果として子どもの自由な発想を妨げてしまうこととなり、本来の子どもたちの主体的な活動を奪ってしまうことがあげられます。ここで何より重要と考えるのは、運営側と利用する方々の認識が、サービスを“提供する側”、サービスを“受ける側”に分離しないことだと考えています。
そこで、今回の屋内型遊び場の運営に関して、この「遊びの価値」を尊重し、その活動を後押しできるプレーリーダーの役割を担える様な、専門的な立場の人を置かれることを想定されているのか、また、利用する子どもや地域住民などに、どういった役割を期待されているかをお聞かせください。
最後に、今後のより一層の「遊び環境」づくりの推進についての考え方をお伺いいたします。
先に述べた通り、今現在は公園を始めとする担当部局の協力もいただきながら、有志を中心として実験的にプレーパークを開催している状況があります。しかし、そこは保護者中心の有志で開催する事によるメリットもあれば、それゆえの限界もあり、広く周知することの難しさや、継続性の確保等、様々な課題が見えてきつつあります。
我々としても、活動を広く市民に理解していただけるよう努めたいと考えておりますが、その一方で、市全体としての遊び環境の充実を図るためには、このたびの屋内型の遊び場の整備を契機に、行政としても何らかの推進策が必要となってくるのでは、と感じているところです。
先進的な他都市事例においても、行政による直接的な運営から、民間によるプレーリーダーやプレーワーカーの養成や雇用、運営組織の育成、民間活動への支援や指導等々、事情に合わせた様々なアプローチがあり、一概にどれが最適なのか、言える状況ではありませんが、この岩見沢市においても、何らかのアプローチをしていくことも、子どもたちが置かれている環境を考えると必要なことではないか、と確信をしているところです。
子どもの権利条約の趣旨の一つである発達、育つ権利において、遊び環境がとても重要なものという認識が一般的になりつつある今、今後の岩見沢市が、子育て世代にとって魅力的なまちとなるためにも、子どもたちの健やかな成長が期待できる「遊び環境」の充実は不可欠です。幸いな事に自然環境も豊かで公園なども豊富で恵まれた環境下にある岩見沢市において、行政がどういう方向で遊び環境を構築していくかはとても重要なことだと認識をしています。
そこで、屋内型遊び場の整備にともない、岩見沢市が持つ豊かな資源を活用し、子どもたちが自己責任で自由に遊べる、遊び環境づくりに取り組むことに対する市長としての考えをお聞かせください。
人数的な考察から本日8日は3名、12月15日(月)と16日(火)が4名ずつの登壇になろうかと思います。私は月曜の出番となる予定です。
リンク先の質問通告をご覧いただき、関心のある項目がありましたら、傍聴に足を運んでみてはいかがでしょうか。