この記事は平成26年12月17日~1月9日にかけて投稿したものです。最新の情報としては、平成27年3月27日に投稿したものがありますので、そちらもご参照ください。
https://hiranoyoshifumi.jp/2015/03/27/4903
平成26年12月17日(水)
今回の総務常任委員会における大きな関心事である駒沢高校跡地について、かなりの議論が展開された後、説明員の交代があり、教育委員会からの〈報告〉がありました。
【総務常任委員会:緑陵高校のスポーツ特化について】
これは今朝の新聞報道でも出た通りですが、あらためて担当からの説明の機会があるという事を聞いておりますので、今回はさらっとだけ記載しておきます。(詳細は担当からの説明が終わり、もう少し理解が進んだ後に投稿させていただきたく思います)
これは、緑陵高校「普通科の特色化について」という報告で、平成28年4月より、これまで普通科4クラスだったものを、普通コース3間口(120名)、スポーツ総合コース1間口(40名)へと変更するというものです。
これからの時代において、特化した学校を目指すのは大いに歓迎であり、私も応援したい想いが強いです。
今回の提案においては
○普通科の中に体育の専門科目を実技7単位、理論3単位の合計10単位履修(1年次2単位、2・3年次各4単位)すること。
○1年次から3年次までが一緒に学習する「専攻体育」という科目で、「バレーボール」「剣道」「野球」「陸上」を主とし、部活と連動させる。という様なものでした。
〈背景〉
人口減少と同じく、生徒数の減少も著しい。またより良い環境を求め、岩見沢から札幌の私立に通う学生も増えつつある。そのような状況下、このまま推移すれば管内の間口削減を避ける事ができず、緑陵高校においても間口を維持するためには特色化を図り、生徒数の確保をしていかなくてはならない。
〈以下、私感〉(最も大きな差として、私の発言は今後益々多様化するであろうスポーツ環境を想定したものであり、今回の教育委員会の提案は、あくまで現有勢力を活用した「部活動」を軸とした視点であることが大きな違いとなります。)
今回、議員になって初めて所管以外の委員会の場で発言を要求する「委員外議員」としての発言をさせていただきましたが、その発言としては、、、
①特化することは歓迎する。スポーツという視点も歓迎する。
②しかしこの内容では〈専攻体育〉という4つの種目にマッチする学生以外にはメリットが見えにくく、どれぐらいのニーズがあるか懸念を感じる。
③平成28年4月から実施という状況において、この内容ではあまりにも疑問が残る、もっと内容を深く詰めるべきではないか。(これらの変更は教育委員会の職務権限で決定できることであり、議会の承認を得る必要がないため、あくまで今回は報告案件としての説明となります。)
今回の発言は上記の様なものに整理できると思います。
その思いとしては・・
◇せっかくスポーツに特化するというならば、前述の専攻体育(バレーボール、剣道、野球、陸上)等に絞るのではなく、様々なスポーツに対応しうる転用可能な「総合運動能力の向上」に特化した方が良いのでは?というのが私の持論です。
たとえば、今は様々なスポーツが存在し、その多くがスポーツ人口の少なさからくる層の薄さが課題となっています。団体スポーツにおいてもそれは顕著。また、学校単位で多様化する個別のスポーツに対応していくには指導者不足も否めません。
であるならば、高校レベルにおいて、「普通科内におけるスポーツコースという括りで実施」するならば、多様なスポーツに”共通する部分”のみを突き詰めても良いのでは?と考えています。個別種目においてはトップアスリートを目指す過程は各々で選択可能な時代です。
それら”共通する部分”とは、体幹であったり、スポーツ全般に通用するバルシューレプログラムの様なものであったり、はたまた、メンタルタフネスであったり。
そのトップアスリートを目指す環境は、例えばスキーモーグルであったり、スケートボードであったり、ロードバイクやBMXであったり、種々クロススポーツであったり、、、当然、野球やサッカー、陸上のスプリンターでも何でも良いと思われます。言い換えれば、某芸能人が集まる高校のクラスに、ダンスを目指す子やロック歌手、演歌歌手、はたまた芸人を目指す子が居て、それぞれに芸能やパフォーマンス能力等の基礎的な部分は学校で学び、それ以上のことは校外で別の環境で突き詰めていくような感じではどうでしょうか。また、野球やサッカーなどであれば通常の部活という括りでも当然可能です。
そのような学校であれば、私も是非通ってみたかったと思える高校になると思います。
イメージとしては、緑陵高校普通科にスポーツに特化していくコースができるならば、例えば、時にロッククライミング競技の頂点を目指す生徒や、トランポリンや空手の全日本選手、スキーの強化選手がいたり。また、野球やサッカーで将来を夢を見る生徒がいたり。それぞれに学校ではバランス理論やインナーマッスルトレーニングの活用やクールダウン、アフターケアの方法等々の基礎的な事を学び、時にコーチングやメンタルコントロールを学んで、それぞれのフィールドに活かしていく。
どんな競技をやるにせよ、共通的な部分に特化して学ぶことは、今目指しているスポーツを諦めたり、別の競技に感心が移ったりしたときにも有用です。特に、スポーツを通して学んだ事はあらゆるフィールドで役に立ちます。であるならば、「専攻体育」という視点ではなく、もう一歩視点をズラすことが有益ではないでしょうか。
それぐらい思い切った方法であれば魅力となりえるし、実際に入学した学生も互いに大きな刺激を受けつつ尊敬し合えるような仲間に恵まれ、そして自分たちの活動に直結することを授業で学び、そこで学んだ事は、特にメンタルコントロールやセルフコントロールなどは、スポーツから違うフィールドに軸を移す社会人になっても役立つこととなるはず。
また、岩見沢には教育大岩見沢校があり、スポーツや芸術に特化しています。その連携は大いに武器になります。これから選ばれる学校になるためには、生徒が欲する本気の環境が必要だと思います。ならば、せめてこれぐらいの事をしても良いのではないでしょうか。講師陣も外部から定期的に呼ぶことも出来るでしょうし、工夫のしがいもありそうです。
この様な話は、あまりスポーツ競技等に感心の無い方には半ば夢物語なのかもしれませんが、実際に若かりし頃、必死にマイナースポーツをやってきて、そして今現在、当時共に競技をしていた若者たちが、颯爽と世界を転戦している状況を日々見ている私としては、全然夢物語の様な話ではないし、是非とも一人でも多くの子ども達に世界で戦うことが決して非現実的じゃないことを感じてほしいと思っています。
今、あらゆるスポーツは多様化し、それぞれに層が薄く、競技人口の減少に悩まされています。しかし、それでレベルが下がっているかといえば決してそうではなく、層が薄いなりにトップレベルの技術向上は凄まじく、年々技術レベルは上がってきている。しかし中間層から下が増えないという状況だと感じています。
それだけに、真剣に打ち込めば意外と身近に「世界」というキーワードが見えてくるのも最近のスポーツの特徴でもあると思います。
岩見沢の高校で学んだ沢山の生徒が、それぞれに異なるフィールドで世界の場で活躍できる。そのために、授業においては共通の項目に特化する。それより先は部活や個人活動の中で成果を上げていくというのが時代にあった流れではないかと考えています。
今回のコース設定も、間口削減を防ぐ手立てとしての議論ではなく、入学して学ぶ生徒の事を一番に考えていかなくてはなりません。
今後の展開に期待をしたいところです。
*この投稿はあくまで私感です。これが正しいかどうかはわかりません。出来ない理由も星の数ほどあるでしょう。しかし、子ども達に対し本気の背中を見せなければならないのは、私達大人なのは間違いありません。
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【平成27年1月8日追記】
昨年末に、この件に関する会派への説明がありました。
結果として今回の決定は、教育委員会から学校への指示は「現有勢力を前提とした中で特色を出して欲しい。」という意向の下、学校サイドで多くの議論を重ねた模様です。
その説明の際に受けた印象としては、学校側は指示された条件の中でベストを尽くした結果が今回のスポーツ特化であったということ。これは決して緑陵高校を責めるような事にはなり得ないものです。
ポイントは「現有勢力」という括りです。現存する環境(ハード、ソフト両面)をベースに特色を出すという条件下であれば、その為に新たな予算が確保されることも望めず、また、新たな指導者を確保することもできず、あくまで既存の環境下で考えることとなってしまいます。また緑陵高校は私立ではなく市立です。それにより種々変革のためのハードルも高いのは事実です。ただ、今回の特化が子ども達になるのかどうか。この一点だけはしっかりと見定めていかなくてはなりません。
1月14日に総務常任委員会が開催され、再度説明の機会があるようです。あくまで教育委員会の職務権限事項のため、議会に決定権はないのですが意見を言うことは可能です。是非、今後の経過を見守りたいと思っています。
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【1月9日追記】
平成27年1月9日 教育委員会のウェブサイトにて教育委員会の定例会の議事録が更新されていましたので、関係部分のみ抜粋して転載紹介しておきます。
********以下転載**********
【担当説明】緑陵高等学校の概要につきましては、委員の皆様もご承知のとおり普通科160名4間口、情報コミュニケーション科80名2間口、全体で240名6間口となっております。
空知南学区の中学卒業生は、2014年の1,495名から2021年には1,095名と400名減少し、岩見沢市内では810名から605名と205名減少すると予想されます。
学校といたしましても子どもたちが減少する中で、6間口を維持するためにどのような特色を出せばいいか、校内に特色化推進委員会を設置し、11回にわたり協議をしてまいりました。
そこで、普通科の特色化を図るため、コースごとに生徒募集を行う新しいコース制を導入するということで教職員の理解を得て校内決定をしたところでございます。
新しいコース制につきましては、「市立高校として活力と魅力のある学校づくりを進めるため、道立高校にはない特色あるコース、スポーツ総合コースと、これまで以上に生徒の学力向上と進路実現を目指す、普通コース」を平成28年4月に入学する生徒から実施する予定でございます。
コース制の内容につきましては、普通コースで募集定員120名3間口、スポーツ総合コースで募集定員40名1間口と、設置理由、生徒像、特色などは記載のとおりでございます。また、入学者選抜要項案については、普通コースで募集定員120名、推薦入学者選抜につきましては募集定員の20%程度、スポーツ総合コースについては募集定員40名、推薦入学者選抜につきましては募集定員の50%程度と選抜の方法については記載のとおりでございます。
一般入学者選抜については、記載のとおりでございます。
こちらの普通科の特色化については、市議会第4回定例会における総務常任委員会にてご説明させていただきます。
なお、学則、入学者選抜要項の改正につきましては、平成27年度に議案として教育委員会へ提出させていただく予定でございます。
【進行】 はい。ただ今、北海道岩見沢緑陵高等学校普通科の特色化について説明がございました。これについて、委員の皆様から、ご意見ご質問等がございましたら、お願いいたします。
【委員】 新しいコース制の導入ということで、ご説明いただきましたが、1件お伺いします。新たに設置するスポーツ総合コースの具体的な内容の中の特色の部分で、体育専門科目「専攻体育」を設置するとなっておりますが、ここで、バレーボール、剣道、野球、陸上を選択した者は部活動と連動した授業を実施するとしている理由について教えていただけますか。
【担当説明】 はい。在職している教職員の中で、各競技における専門的な指導が可能な体育教師が配置されており、これらの4種目を選定するに至り、部活動にも連動してもらえれば良いと思っております。
【委員】 分かりました。
**********以上転載終わり*************
4間口を維持するために特色を出していこうという方向性は必要だと思います。またその視点において、このようにスポーツに特化するというのも大歓迎です。しかしその内容として「専攻体育」に希望を見出す学生がどれぐらいいるかは懸念材料となります。
議事録を見ると入学枠も50%が推薦という事です。当面は専攻体育の4種目を中心に採用していくことになるのでしょう。
生徒から見て【魅力ある内容】にならなければ、競争率の低下も想定されると思われます。その結果、どうなってしまうことが予想されるか。14日の総務常任委員会でどのような内容が説明されるのか見守りたいと思います。