これからのまちの方向を考える

平成26年3月15日(土)に開催した 一般社団法人ろのじ組主催のシンポジウムについてご報告します。

会場となる「いわなび」の入り口に着くと、いきなりこのような大きな紙看板があり驚く。

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今回は松崎霜樹さんの講座終了後に、「シビックプライド」と称したシンポジウムが開催され、その中で最初のきっかけとして私が提案プレゼンをさせていただきました。もちろん、まだまだ改良する余地のある、叩き台の案でしかありません。

また、今回はあくまで中心市街地というのを念頭においたものですが、まち全体を通してのアイデンティティの形成にも大いに活用できる手法であろうと思っています。

簡単に紹介させていただきます。

①表紙
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まず、聞き慣れない「シビックプライド」という言葉があります。
これは「まちへの愛着」「まちへの誇り」というように考えていただければ良いかと思います。


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課題を元に”選ばれるまち 岩見沢へ”

そもそも課題とは何か?

やはり人口減少と高齢化に伴う様々な縮小社会の到来だと思います。それに関連し、雇用の場の減少、若者世代の流出等々が加速していく。またそれらに輪をかけてインフラの老朽化による支出の増大等々、あげ始めればきりがない負の要素が山積です。

これらと上手くつき合っていくためには、周辺自治体と比較して「選ばれる岩見沢」になることが大事だと考えています。(当然、様々な視点がありますが、私はその様々な要素を解決できる糸口がここにあると考えています。)

そのために、まずは我がまちは「いわみざわと言えば○○」という明確なイメージが出てこないのが常でありますので、自分たちのまちの事を良く知り、そして「誇り」や「愛着」を醸成していくステップが必要なのではないか。また、現状において様々な個人、組織、まちづくり団体等が点と点で活動している状況を踏まえ、「岩見沢は今後、こういう風に方向性を定めて特色を創り上げていきませんか?」という、市民レベルでのオール岩見沢を具現化できる、具体的な行き先提示が必要だと思っています。(点の線化・面化に向けた動きとして)


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市としても、そういった課題を解決するために様々な計画が策定されています。しかしその多くは抽象的です。これまでの中心市街地活性化基本計画にしても、現在岩見沢市で策定している「(仮称)まちなか活性化計画」も、どうしても言葉が曖昧であり、耳障りの良い言葉が並ぶものの、では、実際に「いつ、誰が、どうやって」という具体策が欠如しているのが実情です。

『多世代のふれあいを育み、岩見沢らしい魅力を高めた”活性化の発信拠点”を目指して』という将来像に関しても、言葉が曖昧なだけでなく、それをいつ、誰が、どうやって、という視点が組み込まれることはありません。



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この数値目標は、現在、市を始めとする中心市街地活性化協議会が計画として設定しているものです。

その目標数値とは、平成30年に、、まちなかに住む人口を今より136人増やす。まちなか回遊人口を今より83人/日増やす。まちなかで働く従業員を今より4人増やす。というものです。

数値的には非常に小さいものですが、実際には何もしなければ、平成30年にはまちなか人口は174人減少。回遊人口は287人/日減少。従業員数は326人減る予測となっているので、それに比べるとかなり努力が必要な数字であることもわかります。

しかし想像してみてください。今、私たちが望む目標は、1日当たりのまちなか回遊人口が、現在より83人増えることなのでしょうか。今よりまちなかで働く人が4人増えることなのでしょうか・・。

私はここに危機感を抱いています。

見方を変えるとこれは対処療法でしかなく、私たちがやらなければならないことは、人口減少等による縮小社会において「選ばれる岩見沢」をつくっていく事だろうと思っています。であるならば、このような対処療法ではなく、岩見沢の魅力を高めるための抜本的対策を行い、岩見沢という地域のアイデンティティ≒特色を高めることに力を注いでいかなくてはならないのではないかと感じています。


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そのアイデンティティ≒特色を高めるために、残念ながら現状においては市民合意の元にそれが築かれるという構造が存在していないと感じています。だからこそ、意識的に岩見沢の魅力を創り出していかなくてはならないのでは無いかという思いがあります。


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では、それをどうやって創り出していくか。

これまでの高度経済成長期などのイケイケドンドンの時代であれば、まちづくりというのはシンプルでわかりやすいものであったと思われます。しかし、これからの下り坂を下りていく時代においては、万人に支持される「ウルトラC的なアイデア」を持っている個人は、ちょっとやそっとじゃ存在しないのではないかと思っています。それは行政のトップや経済界においても同じであり、期待に応える都合の良いスーパーマン的な人材はいないのではないかと考えています。

だからこそ一人ひとりの小さな思い、複数の頭脳を融合させる場が必要なのだと思うのです。


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これはあくまで中心市街地に関連した提案だったので、中心市街地活性化協議会(まちなか活性化計画)構成団体等を元にした考え方ですが、実際にはもう少し身近なステップとして、興味ある人が集えるような場を育み、活発に議論する空気が必要だろうと思います。

何せ、様々な方向性やアイデアを持った人々が議論する場(今回は会議体と仮定しましたが、もっと柔軟な集合体が理想)が不足しています。


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意図の異なる単なる人の集まりであれば、それは「烏合の衆」でしかありません。そうならならずに会議体(集合体)が機能するために、、

①まずは徹底した勉強の機会が必要。それぞれの考え方を聞いたり、岩見沢の現状を知る事なども重要。

②その中で、他都市等の成功例や世界中で展開されているアイデアなどを知る機会が必要。そう言った知識を得て咀嚼するなかで、自分たちの器にあわせた外堀ができてくる事を期待。

③それぞれの描く「もっとこうしたら?」「こうすべき」というアイデアは沢山ある。それが①で自分たちの足下をしっかりと見て、②で様々な事例に触れることで、それまでは生まれなかった化学変化が生まれてくるのではないかと思う。

④ここで抽出されてきたものを実際の計画として落とし込んでいく。

という流れになろうかと思います。

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しかし、この中で重要なのが、①②の勉強の機会において、有用な情報を提供してくれるプロフェッショナル的な人材が必要であり、様々な考え方を持つ集合体を束ねて昇華させるファシリテーターの役割が重要であり、何より難しいことでもあります。



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このような場があれば、それぞれが自分たちの思っていること、考えていることを出して融合させていける場になるかと思います。

例えば、《いわみざわ駅まる。》で言えば、是非実行したいと思っている「刻印レンガ」などは大いに中心市街地活性化と地域アイデンティティの創出に機能するもので、シビックプライドを醸成する大きな要素になりうると思います。また、子どものあそび環境が著しく劣化している国内において、そこに真剣に切り込む事ができれば、岩見沢という地域が人を呼び寄せるきっかけにもなるでしょう。それと融合しうるものとして、先日、北海道教育大学岩見沢校のフォーラムで、山本理人先生の提案していたi-masuやBallshuleプログラムなどは、非常に大きな可能性を秘めていると思われます。

*今の岩見沢は、このような異なるアイデアや意見を集約する場がないため、他の組織が何をしたいと思っているかを知る機会がなかなか無い。個人、団体等で考えている事があっても、それをどこに言えば良いのかがわからない状況が続いています。(であるからして、最初はもっと敷居を下げて、単なるまちづくり雑談会でも良いのかもしれません。)

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様々に岩見沢の魅力を高めるためのアイデアはあるのだろうと思っています。

それらを理解し合い、ベクトルを合わせていければ、きっとこのまちの将来は変わってくると思われます。

現に、この教育大のプレゼンを一緒に聞いていたS氏(上画像2枚はそのS氏のFBから拝借)からは、「こういうアイデアがある時に、どこに言ったら良いのかわからない」という言葉がありました。せめて月に1度でも定期的に提案や議論ができるような間口の広い環境が必要だと痛感しています。

本来であれば、それは行政が担うべき役割であろうと思いますが、構造だけあったとしても想いのない形ばかりのものであれば意味をなさないので、ここは有志でスタートすべきかと思っています。

予算も無いことから、有志の参加者で少しずつ出し合ってという事にもなるかと思いますが、ちょっとそんな集合体のあり方も考えてみたいと思っています。

「これからのまちの方向を考える」への2件のフィードバック

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