〈令和8年11月1日投稿〉
『投稿要約』人口は岩見沢市の約6割。それなのに、なぜこれほどまちに勢いがあるのでしょうか。兵庫県小野市を訪れ、早朝の散歩で感じたのは、計画的な都市整備とまち全体に漂う活気でした。帰宅後に調べてみると、周辺自治体との広域的なつながりや、企業集積による税収の強さなど、岩見沢市との興味深い違いが見えてきました。人口減少が進む時代、これからの岩見沢市のまちづくりに必要な視点を考えてみました。
この度、10月26日~28日に二泊三日で他都市調査に伺ってきたのは、以下、前回の投稿のとおりです(その内容についてはリンク先をご覧ください)。
この日の視察は9時30分から開始となるため、ホテルロビーでの集合は朝9時でした。
私は、比較的ゆっくりとした行動となるときは、せっかくの機会なので早朝から周辺を散歩するのが、勉強でもあり、楽しみでもあります。
この日も、ホテルから徒歩10分ぐらいにある地元のパン屋さんが朝8時からオープンし、テラス席もあることがわかったので、そこで一人気ままに朝食をとることとしました。

まちの勢いが違う!
歩いてみて感じたのは、人口規模(約4.6万人)から想像する以上の都市的な整備と、まち全体から伝わってくる豊かさ、そして前向きなエネルギーです。道中の新興住宅街では、黄色い帽子を被った小学生の元気な集団がいたり、家並みも美しかったりと勢いを感じます。
何よりこの小野駅から車で10分弱の場所では、総合体育館、陸上競技場、市役所、警察署、図書館、交流施設、ホテル、セレモニーホールなどが集まる「シビックゾーン」の整備(公共・商業施設等の都市機能集約)が進められてきました。
※帰ってきてから「小野市のシビックゾーン」を調べてみると、小野市都市計画マスタープランなどでも定義づけされ、今後は図書館東地区の開発が進行する模様。
↑こちらはホテルの隣に位置する総合体育館など。
公園では、三味線で歌を奏でている方もいて、ゆったりとした時間が流れていました。
↑こちらは市役所周辺。裏手は田畑となりますが、現在、図書館東地区として戦略的に開発がすすめられる様です。
歩いていてとても印象的だったのは、図書館の植樹帯もとても良く手入れがされていて、まさに”豊かさ”を感じたところです。


そしてホテルの前では、旧イオン小野店の跡地で、オープンモール型商業施設「そよら小野(仮称)」の建設が進んでいます。開業は2027年秋の予定とのこと。

岩見沢市より小野市の方が人口が少ないのに
重ね重ね・・・
小野市の人口は約4万6千人で、岩見沢市の約3分の2の規模です。
面積は約94平方キロメートルで、岩見沢市の約481平方キロメートルと比べると、およそ5分の1となります。
どうしてこんなに岩見沢と違うのだろうか・・・。
そんな視点で考えてみました。
この新たなまちづくりは、小野市民4万6千人だけを対象としたものでは確立できないことは明らかです。
小野市は、加東市、三木市、加西市などと近接し、北播磨の広域的な生活圏、商圏、通勤圏の中にあります。また、姫路市中心部まで車で40分程度。神戸市中心部まで50分程度という位置です。
まさに市境を越えて人が行き来することを前提に、都市機能を集約している面が大きいと感じます。
岩見沢市が、広大な市域と南空知の中心都市として周辺人口を吸引する構造であるのに対し、小野市は「周辺の自治体同士が、網の目のようにつながる構造」と言えるのかもしれません。
これが、人口規模以上に小野市が都市的で、活気のあるまちに見える理由の一つなのだと思います。
あらためて、このような構図を見ると、岩見沢単体で思考を完結させるのではなく、周辺環境を十二分に考慮し、それを活かすまちづくりの重要性を感じます。
この散歩は、商業やまちづくり、医療においても「行政区域の人口だけで物事を考えない」という点で、これまでも”わかったつもり”でいたことでも、目の当たりのすると実感として捉えられる、大いに示唆に富むものでした。
あらためて気になる財政状況を比較してみると・・・
(※数値等はChatGPTによる分析です。)

(↑)令和7年度決算の小野市の財政状況を岩見沢市とを比較しています。
まず、小野市の人口は約4.6万人と、岩見沢市の約7.2万人に対して6割強の規模ですが、市税収入は小野市が約79.6億円、岩見沢市が約88.9億円と、それほど大きな差はない状況。
しかし、人口1人当たりに換算すると、小野市は約17.3万円、岩見沢市は約12.4万円となり、小野市が約1.4倍となっています。
また、一般会計歳入に占める市税の割合も、小野市32.8%に対して岩見沢市18.9%と、大きな違いが見られます(この要因は以下に記載)。
一方、借金である市債残高は小野市が約198億円、岩見沢市が約539億円(人口1人当たりに換算しても、小野市は約43万円、岩見沢市は約75万円)となっています。
借入金の返済負担を示す実質公債費比率は、小野市7.0%に対して岩見沢市11.1%。
将来の財政負担を示す将来負担比率についても、小野市は算定上マイナス6.1%(マイナスは将来の負担がないという意味ではなく、将来負担額より充当可能財源等が多い状態)となる一方、岩見沢市は69.3%となっています。
また、財政運営の自由度を示す経常収支比率は、小野市92.2%、岩見沢市94.7%で、両市とも財政の硬直化が見られるものの、岩見沢市の方がさらに厳しい状況となっています。
このような両市の比較となりました。ただし、岩見沢市は市域が広く、積雪寒冷地特有の除雪費やインフラ維持管理費などの負担もあることから、単純に数値だけで財政運営の良し悪しを判断することはできないことは申し添えます。
岩見沢市より小野市の方が市税収入が多いのはなぜ?

※(↓)令和7年度 償却資産の課税標準額

小野市は、償却資産の課税標準額が岩見沢市の約1.7倍で、両市の差は約335億円にもなります。
これは「ひょうご小野産業団地」などの企業集積の成果であり、市長施策方針においても「令和8年度の市税増収見込みについて、産業団地での工場新築に伴う固定資産税の増加を理由の一つ」として説明されていました。
あらためて、岩見沢の今後を考える上で、この比較から得られる視点は、単に企業誘致を増やすことだけではなく、「企業の設備投資を継続的に呼び込み、人口減少下でも一定の税収を確保できる産業構造をどうつくるか」が重要だということになろうかと思います。
ではそれをどう実現すべきか?
それは、今の私には明確な答えを導き出すことはできませんが、日々、アンテナを張り、真摯に向き合っていくことが大事だと思っています。
このたび、ちょっと散歩して得た感覚を、帰宅してから掘り下げてみると様々な示唆が得られました。
これからの厳しい人口減少社会において、いかに市税収入を増やしていけるか。
そのためには商業・企業が元気であることが重要。ではそれをどう実現していくか?
模索していきたいと思います。