教育を考える市民の会 第2回勉強会

本日(11月17日(土))、第2回目となる「教育を考える市民の会」が開催されました。

今回のテーマは《不登校の原因・予防と指導を考える》と題し、岩見沢市青少年センターの長尾孝男先生をお招きしての講演となりました。

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今回のテーマは、特に関連のある当事者以外にはなかなか関心の向かない内容のため、参加者も若干寂しい状況でありましたが、勉強会の内容としては大いに充実しておりました。

私自身、市P連の会長としての役割がありながら、実はこの不登校等の問題に関しては、全体の視点から見ると少数のため、なかなかPTA活動の表面に出てくることがない馴染みの薄い部分でもあります。しかしながら、役割の中で青少年センターの運営委員という立場があるため、その内容を知る機会が多々あるのですが、この岩見沢市青少年センターが熱意を持って取り組んでいる活動内容には本当に頭の下がる思いでありました。


さて、早速本日の内容へ。

まず不登校の定義としては年間30日以上という基準がありながらも、行ったり行かなかったりというのもその枠に入ってくるものと思われます。この岩見沢市においては、ここ10年ぐらいは年間で約50人前後が不登校という状況が続いているとのこと。

この不登校の対応というのは、過去は教育委員会の適応指導教室があたっていましたが、これは子ども達がこの教室に出向かなければならないもので、実際としてはなかなか機能しにくいのが実態のようです。従って、今はコミプラの地下を活用して訪問支援、児童館支援も含めた青少年センターが大きな役割を背負っています。

特にこのバスターミナルの地下という立地条件は、子ども達が市内各地から訪れるには絶好の場であるのも大事な要素であります。

さて、このセンターで行っているのは登校支援。

心を開くことの無い、閉じこもりがちな子ども達を、まずは家庭訪問から根気良く始め、学校に戻れるぐらいまで支援するのが役割です。そのための取り組みをまずはご紹介いただきました。佐藤進センター長を始めとする、強烈に熱意のあるセンターの6名の方々が真剣に取り組んでいる内容であり、私はいつもその成果に感服をしております。

が、その内容については勿体ないながらも割愛させていただきます。


以下、今日の勉強会を通して得たこと、感じたこと。

 

不登校を解決していくには、いくつかのステップがあります。

○まずは基本的な理解を進めることであり、すなわち、心のエネルギー曲線を理解することであります。

○次に支援の基本的な姿勢~「心の窓」からの支援、すなわち、心を閉ざしてしまっている子どもに寄り添うための支援者の基本的な姿勢を知ること。《子どもの主体性を大事にする》《子どもに関心を持ち、信頼する》《子どもの自発性を尊重する》というイメージを大切にすること。

○最後に、子どもの自己肯定感を高めることとなります。

 

この自己肯定感を高めるというのは、2008年の南空知PTA連合会で、今は亡き堀教育長とトークセッションをしたときに、私が考えていた裏テーマである、「人間の本能に起因する帰属性」に共通するものがあると感じながら聞いていました。

人間というのは、生きていくための本能として、何らかの組織に属したいという習性があると言います。その本能を満たすのは他人からの肯定であり、「褒められる」「認められる」「必要とされる」という事に対する欲求であると思われます。だからこそ人は努力をするわけでありますが、何らかの事情の中で「褒められる」「認められる」「必要とされる」という事の逆の環境に陥ってしまった場合、自己を肯定することもできず、組織に適応できなくなってしまい、結局は登校拒否という形で現れてくると思われます。

今回の岩見沢市青少年センターでは、そういった子ども達へのケアを徹底的に行い、悩んでいる保護者、先生、そして苦しんでいる子ども達を救っていく役割を担っています。

それでも、市内の不登校児童が約50人居る中で、こういう立ち直るチャンスに恵まれ、センターに関われる子は15人とか16人とかの割合でしかなく、まだまだ多くの子ども達が苦しんでいるのが実情であります。

今回のお話を聞いて、青少年センターの活躍で多くの子ども達が立ち直っていく一方、私達はこういう苦しむ子どもを一人でも少なくするために、不登校になりそうな子を出さないための仕組みづくりをしていかなければならないと感じました。

先日、会派の視察で行った神奈川県では、不登校児の割合が日本一多いという負の数字があり、それを解決するために県の教育局がシステムを作り、不登校児を作らないための努力をしておりました。結果、ワースト1の記録を大きく脱却するに至ったのですが、この会派視察のレポートはもう少し時間ができた時に一気に投稿しようと思っておりますのでお許し下さい。非常に参考になる取り組みでした。


最後に本日ご講演をいただいた長尾先生の資料から抜粋した言葉。

 

人間はみんなわがままだから、どうしてもぶつかってしまう。
つまり「せめぎ合う」のである。しかし、ともに生きていくためには、どうしても「折れ合う」必要がある。
子どもだったら「この前は僕の家で遊んだから、今日は君の家にいくよ」といったちょっとした交渉能力である。そしてこれで「お互いさま」だね、というわけで、関係は持続していくのである。

とありました。

そんな関係を大人が見本を見せてあげられない世の中が悪いのだろうな・・と感じるわけです。

良く引用させていただいいている言葉ですが、「子どもは親の言った通りには育たない。親のした通りに育つ」というのがあります。いつ、いかなる場面でもこの言葉が現状をすべて言い表しているような気がしてなりません。

次回もまた勉強会があります。

テーマは未定ですが、教育に関する部分をどんどんと掘り下げていきたいと思います。
決定次第このブログでもご紹介をさせていただこうと思っております。

是非、お気軽にご参加ください。

 

【補足】

この教育を考える市民の会は、先日開催された「みんなで教育を感がえる日」の実行委員会とは別のものです。第一回勉強会の模様はこちらからご覧下さい。https://hiranoyoshifumi.jp/2012/09/22/625

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